COLUMN

SATANIC ENT.編集部が見た「SATANIC PARTY 2023」

10月29日に渋谷Spotify O-EASTと渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて開催された「SATANIC PARTY 2023」。初開催は昨年、今年で2度目の開催ながら「サタパ」との愛称で呼ばれ、チケットはソールドアウト。渋谷のハロウィンムードにも負けず、今年も大盛況となった。SATANIC ENT.編集部が見たあの日を振り返ります。
 

今年のサタパはO-EASTにPrompts、鋭児、Age Factory、花冷え。、ENTH、KUZIRA、Suspended 4th、Dizzy Sunfist、Crystal Lake、duoにTHE FOREVER YOUNG、carabina、lilbesh ramko、Jam Fuzz Kid、HIKAGE、See You Smile、Maki、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、そしてオープニングアクトのStain hung overの、計18組が出演。SATANIC CARNIVALの常連組から、サタパ初出演組まで多彩なラインナップとなった。

 

「メロディックの未来は俺らに任せておけ!」と意気込み、爽快なメロディックパンクを鳴らしたStain hung overが口火を切ったduo。続くTHE FOREVER YOUNGはどデカイシンガロングを響き渡らせたかと思えば、バラード「手紙」ではダイバーゼロで全員がじっと演奏に耳を傾けさせたりと、メンバー間だけでなくフロアとの信頼関係もしっかりと見せていった。O-EASTは、Promptsがヘヴィに幕開け。昨年のサタパでトリを務めた彼らは、今年のSATANIC CARNIVALに出演し、またサタパに帰ってきた。その自信を胸に、でもまだまだ足りないとばかりに、O-EASTを温め……どころか早速火をつけ、サタパ初登場の鋭児へとつないだ。

 

初出演のcarabinaは「AIR JAM 2012」での Hi-STANDARDに魅了されたことがバンド結成のきっかけとなったことや、昨年出演できず悔しい想いをしたことなどを語りながらの熱いライブを展開。lilbesh ramkoは、対照的にDJとラップというラフな出で立ちで音に乗り、乗らせていく。音楽ジャンルも違えば、フロアの雰囲気も違う。しかし確実に、その場には彼らのステージと彼らのフロアが生まれていく。その応酬に身を委ねているだけであっという間に時間が経つ。Age Factoryはヒリついた演奏でじっと集中させたあと大いに踊らせ、ワンマンライブなのではないかと錯覚してしまうほどの熱狂を生む。この1年ですっかりメタルコアバンド日本代表となった花冷え。がウォール・オブ・デスを生み出したO-EASTに、続くENTHはバニーガールを連れてきたりと、パーティは進むたびにカオスさを増していった。

 

体力さえあれば全バンドを見られるはずのタイムテーブルが少しずつずれていき、O-EASTの階段をダッシュで登ったり降りたり、ライブに夢中になりすぎて移動を忘れてしまったりするのも、また“サタパらしさ”になりつつある。そんな中、道路事情により到着が遅れたSuspended 4thに代わり、Dizzy Sunfistが出番を前倒し。その心意気も、ステージに登場すると演奏よりも前に「サスフォー、無事に到着しました!」と報告するあやぺた(Vo, G)の気遣いもカッコ良い。何よりも、いつでもステージに立つ準備ができている百戦錬磨の彼女たちの姿の頼もしさたるや。「SATANIC PARTYにしろ、SATANIC CARNIVALにしろ、このロゴの前でライブするのめちゃくちゃ気合い入るわ」と言っていた通り、最初から最後までフルスロットルで駆け抜けた。Suspended 4thは「ブチ上げます!」との言葉通り、レーザーが飛び交う場内でダンサブルなアクトを展開した。

 

duoのトリは「珍しく一生懸命やらせて頂きます」と宣言したSPARK!!SOUND!!SHOW!!。「南無」「スサシのマーチ」「good die」「しあわせになる」と冒頭4曲を羅列しただけでも伝わる気合の入りよう。タナカユーキ(Vo, Gt)は「去年はこういうのできなかったんですよ」と揚々とフロアを駆け回ったり、盛大なシンガロングを促したり、今年のサタパを全身で味わいながら「めちゃくちゃ最高!」と破顔。アンコールの「南無」(再び)含めて13曲をねじこみ、duoのステージを締めくくった。

 

O-EASTのトリであるCrystal Lakeがこの日1日を締めくくる、他のバンドの背筋もピンと伸ばさせてしまう貫禄のライブを見せつけたのは言うまでもない。楽曲や演奏の記録の代わりに、YD(Gt)の言葉を書き残しておく。「HAZIKETEMAZARE FESTIVAL」での猪狩秀平(HEY-SMITH)の発言に感動したYDが、同じことを思い伝えたいという。「パンク、ハードコア、メタル。俺は1度も疑ったことがない。自分の人生で。だから俺はCrystal Lakeの音楽をやってるし、だからみんなに届けてるし、だからこのサタニックの、このカルチャーを作ってるこの場所に立ってるんですよ。みんな、自分が大好きな音楽を誇りに思って行こうぜ」「ハードコア、パンク、メタル、ラウドの音楽っていうのは、音楽を奏でることだけじゃない。音楽を通じて1つになる。みんなでサポートし合ってこの場所を作ってきましょう」

 

2度目の開催となった今年のサタパは、アーティスト解禁前の開催発表時点から「去年楽しかったから今年も行きたい!」という声が多く聞こえていた。昨年はコロナ禍による制限もある中での開催だったにも関わらず、だ。サタパがそこまで盛り上がるのはどうしてか。その理由を、今年のサタパを見て確信した。長丁場なイベントでありながら、オープニングアクトのStain hung overの時点で多くの観客が会場に集まっていたのだ。そう、このイベントが盛り上がる理由は、観客のアンテナの高さにある。YDの言葉を借りれば、きっとみんなパンクやハードコア、メタルを疑ったことがなく、ライブハウスという場所を信じているからこそ、知らないアーティストが出演していたとしても、まずは見てみる、体を委ねてみる。そうやって、カルチャーは生まれていくのだ。

 

>>SATANIC PARTY 2023