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live report

タイトル

04 Limited Sazabys "MYSTERY TOUR 2020" LIVE REPORT!!

Report by RYO TAJIMA
Photo by ヤオタケシ


2020.1.29
04 Limited Sazabys "MYSTERY TOUR 2020"
@新木場 Studio Coast


「この瞬間だけは、ただ我々の音楽に身を委ねて気持ちが良いところへ」。この言葉は、GEN(Vo, Ba)がライブの終盤、締め括りに話したMC。フォーリミのライブは、規模に関係なく、どんな場所であっても、この1つのコンセプトに基づいて行われていると思うし、そこにフォーリミというバンドの圧倒的な強さを感じさせる。そして、この統一されたテーマから、メンバー4人がバンドという形態でロックを奏でていることへの絶対的な自信が伝わってくる。2020年1月29日の水曜日、平日夜、新木場スタジオコーストで行われた04 Limited Sazabys Presents "MYSTERY TOUR 2020"2本目、実にハッピーで美しいライブ空間だった。

さて、今回の"MYSTERY TOUR 2020"にはフォーリミの遊び心がふんだんに盛り込まれているので、概要を先に説明しておきたい。本ツアーの最大の特徴は"A SECRET GUEST COMES FOR THIS TOUR"を謳っており、対バン形式のツアーであるが(最終日のZepp Nagoyaのみワンマンショウ)、ゲストが誰なのか当日ライブスタートまで完全にシークレット。フォーリミのファンサイト、YON TOWNでは、このゲストが誰なのかを、メンバーが出したヒントと言えないレベルの情報をもとに当てる、しかもツアー全箇所正解したらメンバーと温泉旅行に行けるかも、という大人の危うさすら漂わせる企画も行われており、当日遊びに行くキッズの楽しみを盛り上げている。

ゲストを公開しない、だからミステリーなわけであって、普通じゃ考えられないようなユニークなことを実現してしまうのが実にフォーリミらしい。彼らはいつだって、ちょっとクスっとしてしまうギミックをツアーやリリース作品に盛り込んで我々を楽しませてくれる。おふざけではなくプロによる本気の遊び、つまり小粋なお笑いだ。パッと見では気づかない、大人のユーモアなのだ。

さて、開演時間を迎えた超満員のスタジオコーストでは、この日のシークレットゲストが誰なのかをワクワクした期待感でフロアが破裂しそうな空気が流れていた。暗転してからステージの幕に今回のミステリーツアーに関するムービーが流れた。まるでディズニーランドのアトラクションにこれから乗ろうか、というときに心を踊らせてくれるような、そんな映像演出。この瞬間にコーストはフォーリミのミステリーツアーのマジックにかけられてしまったわけだが、ステージの照明が付き、幕の向こうにバンドの影絵が見えるステージから、米津玄師の「Lemon」の歌声が聞こえてきたときのフロアの「……えっ?(まさか……)」な空気が流れたときは笑ってしまった。
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楽屋から「しめしめ」と声が聞こえてきそうな感じがした。というわけで、ゲストはORANGE RANGE。1曲目からアンセム「上海ハニー」で、とてもシークレットにされていたとは思えないほどの盛り上がりを記録したわけだ。さすがはORANGE RANGEなライブを経て、バトンはフォーリミへ引き継がれた。
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流れ出したSEに合わせてフロアの拍手も壮絶、「名古屋、04 Limited Sazabysはじめます!」と宣言し「Warp」でライブがスタートした。続けて「My HERO」を。着飾らない、いつものフォーリミ、この日は自らのツアーだったこともあったのだろうが、いつにもましてリラックスしフロアに向き合っているように見えた。「やっぱりコーストは音がいいな、身体を揺らして一緒にいきましょう!」で3曲目はファンにはたまらない「Chicken race」。自分だけが気づいたであろう、この日のハイライトだろうが、2度目のAメロ中、RYU-TA(Gt, Cho)はステージ上手からGENの後ろをジリジリと絶妙な歩幅でKOUHEI(Dr, Cho)に歩み寄っていった。その姿、まさに歌舞伎におけるトラディショナルな歩行術、ナンバである。長年、シーンのトップを走り続けるフォーリミのギタリストとしての貫禄を漂わせていたシーンである。恐れ入った。そんな姿に対してニッコリ笑いかけるKOUHEIからも、バンドが解放感を持ってライブをやっている様子がうかがえた。
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1回目のMCタイムでは「昨日も大雨で、明日(ライブ当時)も雨だと思ったら快晴ですよ! ORANGE RANGEのお陰です。「Lemon」を歌い出したからビックリ! 果物が違うからね」とゲストへの感謝を述べるGEN。続いて1stアルバムからセレクトされたのは"置き去りの日々にバイバイバイ"で「days」、クラウドサーファーの数が一気に増えたシーンであった。間髪入れずに「fiction」、「Montage」、ドラムにスポットライトを当てた前奏から「Alien」と高速チューンを投げかけ、ステージから放たれるレーザービームが、フロアの熱を上昇させていった。
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ここでGENから「コーストはこれまでに何回もライブをやってきたけど、自分たち名義でツアーをやるのは初めてでした」というエピソードが語られたが、これが意外過ぎた。「自分たちの世代はORANGE RANGEがキッカケで楽器を持った人も多いと思う。そんなバンドを呼べて嬉しいです。ありがとうございます」と重ねての感謝を述べてから「こんなこと言っちゃっていいのかわからないけど……。我々の音楽はコロナウィルスに効くらしいんですよ」というMCから中盤戦へ。自らポップゾーンへ突入と語る通りの選曲で「Do it Do it」、「nem...」、「drops」、「me?」、「midnight cruising」のメロディに身体を揺らせながら心地よい時間を過ごした。その後、MCタイムでは“RYU-TAトイレ長すぎ疑惑”が浮上、「えっ? 一体何やってるの? ってドキドキしちゃったよ!」とGENがからかうシーンもあり、まるでフォーリミのリハに同席しているようなアットホームな空気がコーストに流れていた。
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GENが猫を飼ったときに、後輩が自分に言っていた言葉を例に出しながら「猫を拾うまで、(周囲との)繋がりに思いやりを持てないような人間だった。今でも(GENが飼っている愛猫、ちくわ)言葉の伝わらないやりとりをしているけど、そこに愛情を注げるような人間になれたんだよね。音楽だって形がないし、生活には必要ないものかもしれない。だけど、そんな無駄じゃないけど、無駄なものを愛せるって豊かなことだと思う。そこで、僕はなんとか人間になれました。色んな分かれ道がある中で今日があり、皆さんとつながっていることを嬉しく思います」と話し、道の歌という「Milestone」へ。さて、ここからはライブ後半戦に突入する。「Puzzle」を演奏し終わり、「パンパンのコーストで歌えるの、ありがたく思います、当たり前じゃないです! こんな幸せな時間が永遠に続きますように!」と感謝を述べてからの「hello」。これにはフォーリミの古くからのファンもたまらなかっただろう。
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最後は、フォーリミが"ここぞ、というときに歌っている大切な歌"である「Buster call」、本編ラストは「monolith」で、MYSTERY TOUR 2020、2本目の最高潮を迎えた。アンコールはフォーリミファンにとっては定番でもある名曲「Remember」で。そして最後の最後に「swim」! 今日は演らないのかなーと思っていただけにクラッてしまった。

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今回のツアーの趣旨に関して、GENはライブ中に次のような意図があることを話していた。それは、ゲストを公開しないのは、呼ばれている側からしてみれば嫌なイベントだろう。だけど、バンドマンの真骨頂が発揮されるのはアウェーの場なのだ。そんなバンドマンの強さを見せたい。それに、来てくれる人にライブがスタートするまでドキドキワクワクしてほしい。自分の予想外の展開を楽しんでほしい。これが、今回ツアー全ヶ所ゲストをシークレットにしているフォーリミの考えだ。とことんバンドの力を信じ、このカルチャーを愛しているからこそ思いつくアイディアだ。やっぱりフォーリミは根っからのロックバンドで、そんなバンドマンだからこそ思いつく、とんでもないことをやってくれる4人組なのだ。それに、彼らと彼らが生み出すモノは、いつもとてもポップだ。ただツアーをやってライブをするのではなく、何か斬新なアイディアをそこに盛り込み、少しでもお客さんと自分、仲間が楽しめるようにと遊んでいる。そして、誰もが楽しんでいるからポップなのだ。ポピュラリティがあるのだ。GENの言う通り、繋がりを大事にするバンドだからこそのMYSTERY TOUR 2020。これから遊びに行く人はゲストが誰なのか、思う存分楽しみながらライブハウスに行くべし。誰が登場しようと絶対に楽しいからな。



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