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live report

タイトル

SHANK "The Heavy Clash" LIVE REPORT!!

Report by 柴山順次(2YOU MAGAZINE)
Photo by Daiki Miura


2019.12.12
SHANK 15th Anniversary One-Man Tour "The Heavy Clash"
@名古屋 DIAMOND HALL


結成15周年を迎えたSHANKが開催中のワンマンツアー「The Heavy Clash」の名古屋公演が金沢、大阪に続き、12月12日にDIAMOND HALLにて行われた。今回の「The Heavy Clash」しかり「BLAZE UP NAGASAKI」しかり、SHANKが長崎を代表し長崎を背負い長崎のバンドとして全国に叩きつける姿勢にはいつもながら感銘を受ける。「The Heavy Clash」は元々彼らが長崎にて不定期開催してきた自主企画の発展形だ。彼らは現在も長崎在住である。インターネットが普及したことで音楽の発信の仕方が多様化し、ローカルで活動するバンドの届け方や届き方も15年前とは変わってきている。この15年でシーンも大きく変わった。SHANKがその活動を開始した2004年を思い返すと、久しくヒーロー不在であったメロディックパンクのシーンがKen Yokoyamaのソロアルバム『The Cost Of My Freedom』のリリースを皮切りに、全国的な盛り上がりを見せた時期だ。そんな中でメロディックパンクのゴールデントライアングルともいえる3ピースで結成されたのがSHANKだった。2008年に初めてSHANKの『RESTART』を聴いたときに抱いた感情は今でもよく覚えている。突き抜けるような爽快感に未来を感じた。何かが拓けるような希望を感じた。結成から15年。ひとつの節目でありつつ、全く以って現在進行形なライブを見せつけてくれた2019年12月12日名古屋公演。アンコール含めた35曲フルボリュームのセットリストでありながらまるで一瞬の出来事のように感じるライブだった。

ライブは「First Light Anthem」から始まった。短い時間の中で次々と展開するイントロを聴きながらバンドが辿ってきた歴史を想像する。無数に上がる拳と汗の匂い。15年経とうが、ストリーミングが台頭しようが、もしそれがマイノリティであろうが、ライブハウスで今もこうして音が鳴り続けているのは、この瞬間にどうしようもない高揚感を感じているからだ。続く「Honesty」ではライブハウスの屋根を突き破って空に舞い上がるようなサビの気持良さにいきなりハイライトかと思わされる。まだ開始5分弱だ。それもそのはず、事実ここからラストまで常にハイライトの連続で休まる暇なんて全くなかった。SHANKの真骨頂ともいえるスカナンバー「Take Me Back」でフロアを躍らせ、切ないメロディーが胸を打つ「Good Night Darling」で畳みかけるとダイアモンドホールに集まったオーディエンスも狂喜乱舞。飛ぶ飛ぶ飛ぶ飛ぶ。MCを挟み極初期からの盟友ソングとも言える「time is…」、つい拳に力が入る「Departure」、「Two sweet coffees a day」「drama queen」とTHE NINTH APOLLO時代の名曲が並ぶ。
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硬派な泥臭さもSHANKの持ち味であるが「Wake me up when night falls again」や「Phantom」ではそれが炸裂していた。男が観ても惚れ惚れする庵原氏(Vo./Ba.)の魅力が駄々洩れ。スポーティーでエクストリーム的な魅力を持つメロディックパンクも勿論好きだ。ただSHANKの武器はそことは少し違う。それが如実に現れているのがダイアモンドホールを総スカダンスさせた「620」だろう。SHANKの魅せる硬質なスカナンバーからはザ・男臭が漂うのだ。あと「620」でスカダンスするオーディエンスを観ながら感じたのだが、SHANKのお客さんはかっこいい。佇まいからも踊り方からもスカパンクマナー、パンクマナーを心得ている人が多い印象を受ける。こういうリスナーが集まっているということはSHANKがかっこいい証拠だと思う。

高速ツービートに乗せてサビで始まりサビが続きサビで終わる「Roots」の潔さはライブでその破壊力を倍増させる。「Roots」で剛速球を投げたかと思ったら「Wall Ride」ではレゲエ、スカのエッセンスを注入した変化球も。SHANKをきっかけにレゲエに触れるキッズも多いという。そうやってバックボーンを音楽に落とし込むことでリスナーの音楽の入り口になることは音楽を更に楽しくさせているはずだ。SHANK節をこれでもかと投げかける「The One Second Future」、ブリブリなリフ、オクターブギターといった松崎氏(Gt./Cho)のルーツも垣間見える「Hope」、衝動が前に前に押し寄せる「Movie」と、ライブ終盤も勢いは増すばかり。オーディエンスも疲れを知らない子供のように暴れ続けている。これくらいからの時間のカオスなフロアの空気感がいかにもライブハウスな感じがして自然とニヤニヤしてしまう。2階席まで蒸気でびしょびしょだ。
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「submarine」から「MONKEY FUCK」への流れはこれまでもライブで何度か体験したが、やはりこの流れは素晴らしいなと改めて実感。これはアルバム『My sweet universe』の流れを汲んだものだが、アルバムの印象が強ければ強いほど「この曲の次は絶対にこの曲!」という感覚をライブに持ち込んでしまうのだが、「submarine」から「MONKEY FUCK」の流れはまさにそれ。実際にライブでも池本氏(Dr./Cho.)のシンバルから短いタム周しを合図に「MONKEY FUCK」が始まった瞬間の盛り上がりは凄まじかった。こういう場面で期待を裏切らないのもSHANKだ。裏打ちとメロディックパンクの相性の良さを再確認出来る「Life is...」、メロディの良さが際立つショートチューン「BOX」、ベースラインと独特のリズム、良い意味でのいなたさを加味したギターの面白さが楽曲を彩る「From tiny square room」、涙腺崩壊アルペジオがエモーショナルを助長するいぶし銀な泣きメロ曲「Set the fire」とライブ後半戦突入タイミングで完全にキッズにとどめを派手にさしにくるSHANK。少し違う意味でとどめをさされたのが「Long for the Blue moon」だった。今回の「The Heavy Clash」はSHANKの15周年を記念したツアーだ。この15年間で彼らが何度もライブで演奏してきたであろう「Long for the Blue moon」は青さと衝動的な部分が混合している曲であるが、そこに経験が加わった今こそ「Long for the Blue moon」は完全体になっている気がする。曲もバンドと一緒に成長することを強く感じた瞬間だった。「Lamp」もそう。イントロが鳴った瞬間、「お前とも長い付き合いだな!」なんて気持ちになった。そういう奴らがこの15周年に一堂に会しているようなセットリストにも胸がいっぱいになる。わらべ歌フロム長崎の「でんでらりゅう」をブチ込んだ「Knockin' on the Door」もこれまで何度みんなでシンガロングしたことか。
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ライブが始まったばかりの頃、ハイライトの連続だと思った感情は「#8」「Weather is Beautiful」と立て続けに展開される名曲の嵐に確信に変わった。「Weather is Beautiful」でクリーントーンと庵原氏(Vo./Ba.)のボーカルだけになる瞬間があったのだが、光が前からも後ろからも刺し込んでいるようでバンドの軌跡やバンドの奇跡を感じずにいられなかった。個人的には彼らの曲の中で一番好きな「It's not a game」では堪えていた何かが弾けた気がした。ミディアムテンポに乗せ、階段を上るようなメロディを肩を組んで歌うような印象をずっと持っているこの曲を満員のダイアモンドホールで聴ける喜びたるや。多幸感が半端じゃない。これもSHANKが15年間で培ってきたもののひとつだ。優しいクリーントーンと心に響くビートで丁寧に届けられた「HOME」でダイアモンドホールの空気を一変させ、その空気感を保ったまま「Love and Hate」で感情に訴えかけ、ラストは目下最新ミニアルバム『WANDERSOUL』のラストを飾る「Extreme」でステージを後にした。
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アンコールではSHANKの始まりの曲とも言える「Restart」、SHANK史上最も攻撃的なナンバー2連チャン「BASIC」「TOP WATER」、そして僅か18秒の究極の強制エンディング曲「Stop the crap」で会場を大満足させ大団円を迎えた。たっぷり35曲、SHANKが歩んできた15年間を噛みしめながら堪能出来る今回の「The Heavy Clash」。2020年には1月から3月にかけて新木場、岡山、高松で追加公演も開催されることが発表されたので是非足を運んで欲しい。15年前、長崎を背負ってメロディックパンクシーンに戦いを挑んだSHANKが、時を経て、メロディックパンクシーンを背負いつつ長崎に構えていることを溜まらなくかっこよく思う。
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