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タイトル

SATANIC ART CHRONICLE Vol.12 by Hirotton

シーンの中でバンドのリリースする作品のアートワークやマーチャンダイズのデザインを手掛けるデザイナーやアーティストたち。彼らのデザインは音源の顔として我々の印象に残っていき「あー! あの飛行機のジャケのやつね!」なんていう会話に繋がっていく。
SATANIC CARNIVALでも、シーンで活躍するアーティストが多々参加している。本企画"ART CHRONICLE"では、このシーンにいるアーティストに彼らのルーツを紹介してもらう。そのルーツは少なからずアーティストに影響を与えているし、このシーンが好きなのであれば知っておくべきレジェンドたちだ。
アーティストに教えてもらえるアートのお話、"ART CHRONICLE"。第12回はHirottonがリコメンダー。フンデルトヴァッサー(Hundertwasser)をピックアップ。

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Profile Hirotton


ドローイングアーティスト/デザイナー。2012年に拠点をロンドンから東京へ移す。数々のバンドのマーチャンダイズ、アートワークを手掛けつつ、ファッションブランドやHeroin skateboardsといったスケートブランドともコラボレートする。自作のシルクスクリーンを用いたアート、アパレルプロダクトも幅広く支持されている。
https://www.instagram.com/hirotton/
http://hirotton.com/
https://hirotton.theshop.jp/


Hirotton SELECT.04:Hundertwasser

私のバックボーンにあるアーティスト紹介、第4回はフンデルトヴァッサーです。

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フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーはオーストリアの芸術家、画家、建築家。

自分が彼の作品を初めて観たのは2006年京都で行われていた展示でのことだった。

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たまたま通りかかって入ったギャラリーで行われていたその展示は、当時20歳くらいだった自分にとって衝撃的で思わず画集を買ってしまった。
彼の描く、ラインには直線がなく、主に曲線のみで構成されている、また直感でチョイスしているであろう奔放で鮮やかな色彩感覚は、アウトサイダーアート(※)にも通ずるものがあるように感じた。
※アウトサイダーアート(まったく芸術の勉強をしていない、それとかけ離れた環境にいる人が己欲のためだけに直感的に描く作品)

絵のスタイル、色彩感覚が好きだったことはもちろんだが、もっとも自分がのめり込んでしまったのは彼が自然との共存を訴え続けたエコロジストだったからだと思う。
芸術家であり、環境活動家としても国際的に活躍していたのだ。
おそらく直線より曲線に関心を持ったのも自然観察し、学び、それに基づいて作品を制作していたからだと思う。
SAVE THE WHALES (くじらを守れ)と描かれたこの作品からもそういったメッセージを受け取る事ができる。

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彼がデザインする建築物にもその姿勢は表れている。
「建築する事によって奪われた自然を、建築の上に還す」、「建築の外観は、自然の力を借りて初めて完成する」など自然との調和を目指した建築はカラフルであって自然を取り込み、やはり建築に置いても直線を使わず、曲線でデザインされている。

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大阪には彼がデザインしたゴミ処理場があって、曲線で生まれるその形状からスケートスポットとしても時折メディアに出ているため、目にした事がある人もいるかもしれない。

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Skater: Shinsuke Haruta, Photo: Masahiro Yoshimoto

大阪で実際に彼の建築物を見て、さらに興味を持ってしまった自分は、最終的にオーストリアにある、“ヴァッサーハウス”を2013年に実際に訪れた。

ヴァッサーハウスはヴァッサー本人が生まれた集合住宅を、彼がさらにデザインした建築物。オーストリアの文化遺産にも指定されていて、現在も実際に人が住んでいる。
中にはカフェなどもあるが、壁を含め全て曲線になっていて、トイレなどの細部まで独創的な色使いとリズミカルなデザインで構成されている。
至る所に植えられている植物は今も成長を続けている。
旅の途中に一人で訪れたのだが、この建物に住んでいる人たちを羨ましく思い、その日、ヴァッサーハウスが見える建物付近の安宿を急遽探すくらい感動した。(結局空きがなかったので宿泊はできず、後ろ髪を引かれながら夜行バスでチェコに向かった。)

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自分の家にはヴァッサーを初めて知ったときに購入した画集とともに、ヴァッサーハウスで手に入れたポストカードが貼られている。

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SATANIC ART CHRONICLE ARCHIVES

Vol.11 by KISHI KOUJI - FRANK KOZIK
Vol.10 by TM paint - Melodic Punk Cover Art 2000年ver
Vol.09 by KISHI KOUJI - 佐伯俊男
Vol.08 by Hirotton - BB BASTIDAS
Vol.07 by TM paint - -僕が影響を受けた "90sくらいのMelodic Punk Cover Art" を描くアーティストたち-
Vol.06 by KISHI KOUJI - Boris Tellegen / DELTA
Vol.05 by Hirotton - USUGROW
Vol.04 by KISHI KOUJI - Andy Warhol
Vol.03 by Hirotton - SWAMPY
Vol.02 TM paint - さくらももこ
Vol.01 KISHI KOUJI - 村上隆