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live report

タイトル

bacho “GOJOGEN 56 ONEMAN” LIVE REPORT!!

Report by Chie Kobayashi
Photo by Taio Konishi


2021.4.11
bacho “GOJOGEN 56 ONEMAN” @CLUB CITTA'



 昨年12月にF.A.D YOKOHAMAで行われたワンマンライブは、新型コロナウイルス感染防止のためのソーシャルディスタンス確保によってキャパシティが制限され、チケットが即ソールドアウトに。これを受け「次は簡単に売り切れない会場で」とbachoが次に選んだのはCLUB CITTA'。とは言え、当日会場には多くのファンが集った。

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 開演時刻を少し過ぎた頃、ステージにゆっくりとメンバーが集まりだす。まるで彼らのスタジオ練習風景を見ているようなその時間は、bachoのライブがいつでも日常の延長線上にあることを思い出させてくれる。伊藤知得(B)はフロアの様子を見渡して、うれしそうに微笑む。そしてライブは「夢破れて」でスタートした。「君は怒るかな/僕が歌うのを辞める/そう言ったら」北畑欽也(Vo, G)が、語るように歌い始めたその歌詞が、思うようにライブができなくなっている現在の日々にリンクして聞こえる。

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 三浦義人(G)の感傷的なギターが響いた「僕はかげろう」に続き、不穏なビートで「懐古のススメ」が始まると、場内の温度はさらに熱さを増し、フロアの拳も力強さを増していく。高永和裕基(Dr)のドラムがひときわ躍動感を増した「落葉」では、照明がメンバーを後ろから照らし、場内は一層叙情的な雰囲気に包まれた。さらに4人が向かい合い、息を合わせてから始まったのは新曲。しかも2曲続けて。これにはファンも大喜び。北畑が、噛みしめるように「みんな、心も体も元気でいてください」と告げてから始まった「No Memories」ではテンポの緩急とセンチメンタルなメロディで観客の胸を打った。

 そしてここからbachoは、新しいライブのあり方をファンと探っていく。この会場には、bachoが好きな人しか集まっていないこと、bachoを好きな人には変な奴しかいないこと。「好きなバンド観に来たんやろ? 尊重し合おう」と北畑は誤解の生まれないよう、まっすぐに届くように言葉を選びながら自身の想いを述べ、さらには当初は開放していなかった2階席の開放を告げる。そして「これがbacho!」と声を上げてライブを再開。バンドは「さよなら」「大いなる助走」「これでいいのだ」「萌芽」と畳み掛けた。ライブを進めながらも、同時にフロアの様子を伺い、ライブのあり方をファンと模索していく4人。途中、北畑が「何も考えずにやってきたけど、考えないといけなくなっちゃった」と悔しそうな表情を見せる場面もあった。

 ソロパートがたっぷりと用意され、盤石なアンサンブルを堪能させた「自分抄」の演奏後には、北畑が思わず「ひさびさにやったら、いい曲っすね」と顔をほころばせる。さらに「bachoってさ、名曲しかないねん。自分の曲、自分が一番好きなんですよ」と語り始め、「一番前に自分がいてると思って、そいつを爆上げさせたくてやってるんですよ。もしbachoを知らへん俺がそこにおったらね、感動で死んでまうんちゃうかなって思うくらい。そういうライブをしたいです」と、ライブへの想いを語った。

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 「ビコーズ」「最高新記憶」とシンガロング必至のナンバーが続けられると、各々マスクの下で小さく口ずさんだり、声の代わりに拳を全力で突きあげたりと、熱気が場内を埋め尽くす。さらに、「Boy meets music」とのタイトルが付けられた新曲では、ゆったりとした力強いサウンドに乗せて、先ほどのMCを思い出させるようなライブハウスや音楽への思いが、優しく歌い上げられた。

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 本編ラストは「決意の歌」。メンバー4人は2階席も含めて多数の拳が突きあがるフロアを見て、うれしそうに笑う。さらに北畑はギターを置くと、ハンドマイクでステージ前方まで進み、マスクの下で歌うファンの歌声を聞き取ろうとする。すると突きあがる拳にもひときわ力がこもり、場内はまるでシンガロングのような一体感に包まれた。アンコールでは「みんなのおかげでなんとかがんばれます」「ライブハウス最高ですね」とうれしさを爆発させ、バンドは最後に「NENASHIGUSA」でライブを締めくくった。

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 北畑はアンコールで「ライブハウス最高ですね」と言ったあと、「去年1年は、バンドを好きな人を守りたい、いかに減らさないようにするかを考えてやりました。でもほんまは新たにbachoを好きになる人が山ほどいたはずなんです」と、同時に悔しさもにじませていた。この日、何度も、フロアの様子を伺い、今までのように盛り上がりたいファン、不安を抱えながらも足を運んだファン、さまざまな観客の気持ちを汲み取り、言葉を投げかけてきた北畑。終盤には「いろいろと口うるさくてすみませんでした」と謝るほど。しかし彼はそこまでした理由を「bachoを好きなみんなにわかってもらえへんかったら、誰にもわかってもらえへんのと同じやから」と言った。彼らのやり方は一方的にルールや考えを提示するものではない。あくまでも、目の前の観客と対話をしながら、共に考え、共に作り上げていく。新しい生活様式でのライブの形を、目の前のファンと対話しながら探っていく。それこそが、新しい生活様式でのライブのあり方だ。

 bachoは5月からライブツアー「群雨 TOUR 2021」を開催する。そこでもまた彼らは、一番前にいる自分を爆上げしながら、そしてファンと対話しながら、彼らなりのコロナ禍のライブの仕方を見つけていくのだろう。

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■セットリスト
01. 夢破れて
02. 僕はかげろう
03. 懐古のススメ
04. 落葉
05. 新曲
06. 新曲
07. No Memories
08. さよなら
09. 大いなる助走
10. これでいいのだ
11. 萌芽
12. Sad Town
13. 続葛藤
14. 自分抄
15. ビコーズ
16. 最高新記憶
17. Boy meets music(新曲)
18. 全てはこれから
19. 決意の歌
<アンコール>
20. NENASHIGUSA


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