SCENE by Photographer Vol.16 Edit. Kohei Suzuki 06

2021/ 08/12 18:00

ライブハウスを記録するシーンの第一線で活躍するライブカメラマンたち。彼らがいなくては、その現場で何が起こっているのかが歴史として残らない。
SATANIC CARNIVALにおいても"SATANIC PHOTOGRAPHERS 写真展"が展示され、写真を楽しむことができる。だが、その1カット1カットには、フォトグラファーたちの思いがある。そのメッセージを写真だけではなく言葉でも知りたい。
この企画では、そんなシーンに関係するフォトグラファーに、この1枚の写真に、どんな思いがあるのか。語れる写真を紹介してもらう。
企画タイトルは"SCENE"。ライブ写真に限らず、風景や生き物、人や場所、彼らが撮影した写真群とメッセージを伝えていきたい。
今回はKohei SuzukiのSCENE、第6弾のテーマは"venue"。

SCENE by Photographer Edit.Kohei Suzuki 06

venue/connect

少しずつライブが行われるようになってきた。
ルールや制限がありながら、ちょっとずつ。

何年か前にvenue という写真集を作ったことがある。
あるイベントで全国各地、ツアーして回ったときのオフショットをまとめたものだった。

venueは場所のことを言い、ライブハウスのことも意味する。
そしてavenue（道）と語源が同一らしい。

音楽のなっている所から音楽のなる所へ。
その道中にも音楽は流れていて、
場所と場所
人と人
想いと想いを繋いで行く。
そんなことを考えながら作った一冊だった。

ライブハウスからライブハウスへ
フェスからフェスへ
移動中の車窓から見える風景、イヤホンから聴こえる音楽、各地の独特の空気感。
今の状況になる前、体力的に大変だなぁと思うこともあったが、
今となっては恋しくなる。
なので、今回はそんなVENUEの中から写真をセレクトしてみた。

現在ちょっとずつライブが行われるようになったとはいえ、途切れ途切れになり、本を作ったときのような状況とは違う。
本数が減り、中止、延期を余儀なくされ、多くの制限の中でその繋がりは弱くなってしまったのだろうか?

そんなことはまったくない。

ライブハウスからライブハウスへ
フェスからフェスへ
繋がりはより強くなっているはずだ。

動員数は減り、本数が減り、行きたくても行けない人もいる。
今だからこそ写真をより届けて繋げたい。

自分が音楽誌のライブ写真を見てワクワクしたように、時代は変わりSNS等でライブ写真を目にする機会が増えても、きっとそのワクワクは変わらないはずだ。

そして何よりライブに行きたい! という気持ちをたぎらせたい。
結局、状況が変わっても想うことは一緒だった。
根本は変わらないことを自覚すればするほど、もっとライブならではな、もっとぐちゃぐちゃなあの熱量のライブが恋しくなる。

いつになるかまだわからない状況ではあるが、
この次に繋げる各々の戦いの後にあのライブ、あのツアーが戻ってくるその日まで、「今」のライブを撮り続けて行きたい。

Photographer Profile
鈴木公平

フォトグラファー。宮城県塩竈市出身仙台市宮城野区育ち。橋本塁に師事し、ファッションメディアを撮影する仕事を経て現在はフリーランスとして活躍中。

https://www.suzukikohei.com/
https://twitter.com/kouhey0622
https://www.instagram.com/kouhey0622/

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