このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

live report

Dizzy Sunfist "Happy Graduation to IYM!!!" LIVE REPORT!!

Report by Chie Kobayashi
Photo by 岩渕直人

 

2021.10.15
Dizzy Sunfist "Happy Graduation to IYM!!!" @SHIBUYA CLUB QUATTRO

 

Dizzy Sunfistは、2009年にあやぺた(Vo, Gt)といやま(Ba, Vo)によって結成された。そして12年後の2021年10月15日。いやま(Ba, Vo)が“卒業”した。

「Happy Graduation to IYM!!!」と銘打たれ、東名阪で行われたツアー。最終日の東京公演。本当の本当に、あやぺた(Vo, Gt)、moAi(Dr, Cho)、いやまの3人でのDizzy Sunfistとしての最後のステージ。どうしてもしんみりしてしまうけれど、いやまはあくまでも“卒業”で、この日は“卒業式”。「最後に笑顔でいやまを送り出す為に」用意されたツアーのファイナル。まさに、卒業式という冠がぴったりの、12年間を振り返る、寂しいけれど華やかなライブとなった。

この日のライブは生配信も行われ、開演前からいやまへの想いを綴ったコメントが並ぶ。それを読んでいるだけで、思わず視界が滲む。そんな中、3人がゆっくりとステージに登場。moAiのドラムを合図に、2人も楽器をそれぞれかき鳴らすと、その音に負けじとあやぺたが「泣いても笑っても、今日でこの3人でステージ立つのは最後。最高の卒業式、始めようぜ!」と声を張り上げ、3人は「The Dream Is Not Dead」で卒業式をスタートさせた。しんみりしたムードを吹き飛ばすように、あやぺたの力強い歌声と、いやまのはつらつとしたコーラスに、「ああ、今日は“卒業式”。おめでたい日なんだな」と納得する。切り裂くようなギターフレーズから始まる「No Answer」のあとには、キュートな「Piece Of Cake」、あやぺたがシュウペイのポーズでおどけた「SULLEY」と、Dizzy Sunfistらしいポップなナンバーが続き、楽しいムードが広がった。


「バンドメンバーじゃなくなってもずっと友達!」と「Andy」から始まったブロックでは、「MY SWEET DOG」「Faultfinder」と初期曲が続く。さらにあやぺたが「めちゃくちゃ古い曲やります」と宣言して演奏されたのは、なんと2ndデモに収録されている「Holiday」。いやまの家で作っていたという当時の思い出もあやぺたから語られ、観客以上にメンバーが懐かしい気持ちになっているであろう。「Holiday」演奏後にはあやぺたが「まだ実感が湧かんくて…」と言いながらも「これ、最後なんやなぁ」とつぶやく。目に涙を浮かべながらも「別れが寂しいのはなんて当たり前。この寂しさを味わえるのは生きてる証拠やと思います」と前を向き、バンドは10月27日、いやまの卒業後にリリースとなるニューアルバム『DIZZYLAND -To Infinity & Beyond-』から「So Beautiful」を披露。別れを惜しんで涙を流したあとに「人生は美しい」と、力強く歌うあやぺたの姿に頼もしさを感じる。いやまがメインボーカルを取る「NEVERLAND」で勢いを加速させた3人は、いやまとあやぺたが長い髪を振り乱した「Dizzy Beat」、落ちサビでいやまのベースとあやぺたのボーカルだけが静かに響き渡った「Summer Never Ends」と、さらにエモーショナルな演奏を見せていった。



ここであやぺたが「最後なのでいやまにお言葉を頂戴しようと思います」と繋げ、いやまのMCヘ。「ご紹介に預かりましたいやまです」と受け取ったいやまは、まっすぐにフロアの観客を見ながら「結局来てくれる皆さんに『ありがとう』しか出てこないかもしれない。今までいろんなところに見に来てくれたり、応援してくれて、出会ってくれて、本当にありがとうございます。私たちをこういう場所に連れてきてくれて本当にありがとうございます。“お客さん”って言葉で片付けられへんなぁって改めて思って。すごく大切に、特別に思ってるっていうことを伝えたい、愛してます」とファンへの想いを真摯に語り、そんないやまに温かな拍手が贈られた。



あやぺたがひときわ感傷的な歌声を聴かせた「Never Again」「No One Knows」でライブを再開させると、いやまがハンドクラップを先導した「SHYNESS」、moAiが立ち上がってドラムを叩き、そんなmoAiの様子を笑顔でいやまが見守った「I Should Be So Lucky」と楽しげなナンバーが続けられ、Dizzy Sunfistらしい明るいムードが場内を満たす。

最後にあやぺたが、「ほんまに12年間お疲れさま」と改めていやまを労わる。こらえきれずに涙を流しながら、「いやまがおらんかったらDizzy Sunfistはなかったと思うし、うちもバンドを始めてなかった。うちの人生を変えてくれてありがとうございます」と素直な感謝の想いを口にした。溢れ出る感情そのままに、ライブはラストスパート。「New world」では「この12年間はほんまに宝物です」と叫び、「Tonight,Tonight,Tonight」では「いやまに最後に最高の景色を見せてくれ!」とシャウト。ファンもその一心で手を掲げ、配信ライブのコメント欄も手の絵文字で埋め尽くされた。さらに「SHOOTING STAR」では通常はあやぺたが歌う歌い出しを、いやまが担当。観客が点灯したスマートフォンの光でキラキラとフロアが輝く中、いやまの美声が会場いっぱいに広がった。ラストナンバー「Someday」では3人が行きのぴったりあった分厚いハーモニーを聴かせて、本編の幕を下ろした。

この日新しいギターで演奏していたあやぺただったが、弦が切れ、結成当時の12年前から使っているギターでアンコールへ。Dizzy Sunfistとして初めて作った曲だという「START A」で始めると、「Honestly」「FIST BUMP」と一気に駆け抜ける。さらにダブルアンコールでは「119」「We Can!!」、そしていやまがメインボーカルを取る「NEVERLAND」をおかわり。最後の最後までいやまのプレイを堪能できるセットリストで、卒業を締めくくった。最後に3人はステージの真ん中に進み、肉声で「ありがとうございました!」と挨拶、するのだったけれど、「えっと」「せーの?」と決まりきらないゆるいムードでの挨拶となり、最後までDizzy Sunfistらしい和やかで愉快な卒業式は幕引きとなった。



「まったく未練がない」といやまは言っていたが、その言葉通り、終始清々しい表情を見せていた。その一方で「お客さんには感謝を伝えたい」との言葉の通り、ギリギリまでステージの前方左右、なるべくファンの近くまで進み、笑顔で一人一人に音を届けていた。いやまのそんな嘘のないまっすぐな姿や歌声に、これまで救われたファンも多いだろう。ありがとう、いやま。卒業おめでとう!


あやぺたはツアー中にギターが折れてしまい、この日手にしているギターはカード一括払いで購入したものだと明かしていた。新生Dizzy Sunfistは、「Happy Graduation to IYM!!!」の記憶を刻んだ新しいギターと、ニューアルバム『DIZZYLAND -To Infinity & Beyond-』を持って、またすぐに次のツアーへ出る。あやぺたは「まためちゃくちゃカッコよくなって、『いやまがいなくなってディジー興味ない』ってやつも必ず迎えに行くから!」と言っていた。moAiもその言葉を頷きながら聞いていた。これからのDizzy Sunfistが、さらに楽しみになった。

セットリスト

01. The Dream Is Not Dead
02. No Answer
03. Piece Of Cake
04. SULLEY
05. Andy
06. MY SWEET DOG
07. Faultfinder
08. Holiday
09. So Beautiful
10. NEVERLAND
11. Dizzy Beat
12. Summer Never Ends
13. Never Again
14. No One Knows
15. SHYNESS
16. I Should Be So Lucky
17. New world
18. Tonight,Tonight,Tonight
19. SHOOTING STAR
20. Someday
<アンコール>
21. START A
22. Honestly
23. FIST BUMP
<ダブルアンコール>
24. 119
25. We Can!!
26. NEVERLAND

Dizzy Sunfist OFFICIAL WEB SITE