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live report

SHANK “THE HEAVY CLASH TOUR 2021” LIVE REPORT!!

Report by ヤコウリュウジ
Photo by 堺 柊人(THE FOREVER YOUNG)/Taka”nekoze_photo” (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)/岩渕直人 (SHANK) 

 

2021.12.14
SHANK “THE HEAVY CLASH TOUR 2021” @渋谷Spotify O-EAST

 

 

 このコロナ禍におけるガイドラインはライヴバンドにとってすんなりと頷けるモノではないだろう。歓声が上がることはないし、人が異常に密集するという、非日常的な環境が生み出す熱さもない。

 しかし、だからといって、何もできないかと言えば、決してそうではない。現状を踏まえながらもやれることはある。障壁を乗り越えるぐらいの熱を放てばいい。そんな気概がビシビシと伝わってきた夜だった。

 

 SHANKが10月よりスタートさせたライヴツアー『THE HEAVY CLASH TOUR 2021』全6公演のこの日は最終日。まずは先日リリースツアーを終えたばかりのTHE FOREVER YOUNGがイベントの口火を切る。SHANKと同じく九州を地元とし、付き合いはもう16年にもなるという彼ら。互いに意識する存在なのだろう。今の充実ぶりを見せつけるように「本当の私になりたい」から、これしかないんだと言わんばかりの熱き想いをぶちかましていく。

 派手なライティングなどなく、薄暗い中、響き渡るダイナミックなサウンド。クニタケヒロキ(Vo/Ba)の歌声は気持ちが乗っている、込められているというより、もはや感情をそのまま吐き出しているんじゃないかと思うほど生々しく、そのエネルギーでフロアを序盤から完全に掌握。どっしりとした、今どきめずらしい愚直なスタイルで踏み込んでいくのだ。

 そこから、クニタケがSHANKへ向けて「ありがとう」とひと言呟いてからの「WORLD END」では、フロアのテンション感が投影されたかのように激しくなり、ステージ上のメンバーもさらに覚醒。激しい動きで熱気が撹拌され、タカノジュンスケ(G)の振り絞ったざらついた叫びもその中で強烈に突き刺さってくる。

 パワーと気合いで押し寄せてくる「今君を迎えにゆくんだ」、オーディエンス全員に拳を上げさせてから存分に食らわせた「I WANNA BE SHINE」と続け、イントロから疾走していく応援歌「GO STRAIGHT」へ。キレイに整えて、クオリティの高いモノを届けよう、なんて思ってないんだろう。その瞬間に湧き上がる感情を最優先してるとでもいうべきか、とにかく必死に音を鳴らし歌う彼ら。その姿がとてつもなく強く胸を打つのだ。

 ここでようやく少し間をおいて、「(SHNAKと)仲良くなって16年ぐらい。いいことばっかりじゃなくて、いろいろ見てきてます。いつも元気をもらえる。友達でいてくれてありがとう、と言って帰ります」とクニタケが語り出し、「おっさんになってもこうやって音を鳴らす関係は素晴らしい。それを目撃しているあなたたちも素晴らしい」と言葉を続けていった。

 こういった場を設けたSHANK、その気概を受け止め駆けつけたオーディエンスへ伝えた気持ちを形にしたような「FELLOWS」だからこそなのか、より一層の熱がこもったプレイを披露。とにかく伝えることにフォーカスしているようにも見え、タカノ、ナカオタイスケ(G)、オガワリョウタ(Dr)の3人はこれでもかと前へ踏み込んでいき、クニタケはそのど真ん中でブレない歌声を響かせる。その4人が合わさった様は無骨な巨大岩のようにも見えるが、決して無機質な感じはなく、温かく、生命力にもみなぎっていた。

 その勢いのまま、ラストには「HELLO GOODBYE」を思い切り全力投球。嫌な熱苦しさがないのは、彼らが抱える想いの純度が高いからなのだろう。どこまでも観る者をたぎらせるパフォーマンスだった。

 

 また他にはない異空間を演出してくれたのがSPARK!!SOUND!!SHOW!!。どこへ連れて行ってくれるのか、ワクワクしていたところ、ステージに姿を現したタナカユーキ(Vo/G)から「ダイブ、モッシュ禁止です。それ以外の表現方法は何でもしてください。パーティしましょう!」と告げられるのだから、曲が始まる前からオーディエンスはもう準備万端どころか、暴発寸前。

 そんな空気を生み出して「GOD SPEED」を投下するのだから、完全にフロアは彼らの手の中だ。もちろん、初めて観たという人もいただろう。だが、そんなことは一切関係ない。EDM、ハードコア、ラップ等々が独自のブレンドでミックスされたサウンドは本能に呼びかけられているようでもあり、無条件でアガるのだ。何も考えなくていい。予備知識なんかいらない。ただ流れてくる音に対して、思うがままに体を動かせばいいだけ。そんな夜を繰り返していけばいいのだ。

 カオティックなアレンジで高速ラップも繰り出される「†黒天使†」にエグるようなハードコアナンバー「good die」をまだまだイケるだろとドロップしていき、ツボを押さえた曲構成も相まって、フロアは常にヒートアップ。いやはや、凄まじい盛り上がりを見せていく。

 「バンド名は覚えなくて大丈夫です。今だけきて!」とタナカがオーディエンスを誘い、ノリやすいビート感とキャッチーなドロップがマッチした「HAPPY BIRTH DIE」から一気に激しく畳み掛ける「STEAL!」を繰り出すあたりも流石の展開。全方向で遊び倒していく。

 やりたい放題で突き進みながら、「SHANK好き好きクラブ東京支部、SPARK!!SOUND!!SHOW!!です」とタナカがおどけた後に続けた話は、SHANKというバンドのスタンスを的確に捉えており、とても印象的だった。

 「(SHANKとの)付き合いはいよいよ10年ぐらいになって、SPARK!!SOUND!!SHOW!!がデモ音源とかも一切出してない、物販なしで一生ブッキングノルマ払ってライヴしてただけの弱小バンドだったのを、わざわざ名古屋のツアーとかに呼び出してくれて。オレらはそういうのをフックアップって感じてるんですけど、SHANKはそういう意識がなさそうな感じ。楽しいから呼んでる、いい感じやから一緒にライヴしたい、ぐらいの、音楽をやる上でいちばんピュアなマインドで未だにバンドやってる」

 そんな素直な気持ちを語ったMCから、急遽増やしたという「アワーミュージック」、すっきりとしたアレンジで鳴らす「still dreamin'」へ。前半戦とは打って変わって、タナカもギターを抱え、スタンダードに根付くようなナンバーを披露。この振り幅も彼らの真骨頂だろう。

 ただ、温かい空気感を描いた後に踊れるもんなら踊ってみろと極悪に攻め倒す「akuma」を放つのもまた彼らならでは。ゲストとしてPaleduskのDAISUKEも加わったこともあり、狂乱の様相だ。一度、グッと踏み込めばそのまま突っ切るのが彼らの流儀なのか、「南無」ではチヨ(Ba/Cho)は駆け回り、タクマ(Syn/G/Cho)は倒れ込み、イチロー(Dr/Cho/169)もフルスイングで叩きまくる。オーディエンスが歓喜するフロアもそうだが、ステージ上の混沌具合も凄まじい。

 4MCスタイルで勢いをつけた「TOKYO MURDER」から、締めくくりにはPaleduskのKAITOも登場した「ヘビーローテーション」をセレクト。パーティーすぎる光景を生み出し、最後はタナカがバスドラの上からフロアへジャンプしてフィニッシュと思いきや、イチローへボディアタックを決める壮絶なフィナーレ。予定調和はつまらない。そんな心意気が伝わってくるようでもあった。

 

 そして、いよいよSHANKの登場だ。盟友たちの熱いステージを受けて、逸る気持ちもあるはず。だが、いつものように落ち着いた様子でステージに登場する彼ら。気取らない、力みのないスタイルだ。

 だが、曲が始まればいきなりフルスロットルなのもいつも通り。「Surface」で庵原将平(Vo/Ba)が伸びやかな歌声を響かせ、「長崎、SHANK、始めます」と宣言してからは怒涛の流れ。「Phantom」で一気に駆け出していき、軽快さだけではなく力強さも併せ持つスカナンバー「Life is...」でフロアを盛大に揺らしていく。

 彼らの曲はどれも短く、一般的にはショートチューンに分類されるようなモノではあるが、しっかりと展開があり、一辺倒で終わることがない。だからこそ、オーディエンスは常に惹きつけられていくのだ。

 加えて、押し付けがましくすることがないのも大きいだろう。端的に言ってしまえば、無理に煽らない。画一的なノリがないことによって、それぞれがそれぞれの形で曲を受け止め、楽しんでいる。そういったことも会場の隅々まで熱狂が広がっていく理由に違いない。

 燻っていた心に火が灯される「Set the fire」、サビの爆発力がいつ観てもたまらない「Rising Down」、イントロで心を浮き立たせてから疾走する「Good Night Darling」では、この日も切迫したテンション感からグッドメロディーへ移り変わる様が素晴らしい。その高性能っぷりに磨きがかかっている印象だ。

 また、庵原が出演した2バンドへの感謝を述べた後、新型コロナウイルスの感染が広がったころ、以前所属していたレーベルの社長に「こういうエクストリームなパンクロックは死ぬ」と揶揄されたと話し、それに対して「ふざけんな。見とけよ、死なんからな」と口にした姿は、飄々としながらも確固たる意志を持つバンドとしての矜持が感じられ、とても頼もしい姿でもあった。

 中盤戦に入っても攻め手は緩めず、閉まりそうな扉だとしても、そこを力づくでこじ開けるエネルギーに満ち溢れた「Departure」からグラデーションを描くように繋げていった「Two sweet coffees a day」では衝動的なビートを繰り出し、フロアのみならず、2階席のオーディエンスも高く拳を突き上げる。

 歓声もなく、人と人の距離感を保たなければならない今のライヴハウスでは生まれにくい一体感がそこにはあった。

 くすみがかった世の中の風潮を消し去るように、庵原が「もっと明るい方へ目を向けよう」とつぶやいて披露した「Bright Side」では爽快な風を吹かせていき、2022年1月26日にリリースするニューアルバム『STEADY』から新曲「Steady」をプレイ。コロナ禍においても前へ進んでいるバンドの姿勢を伝え、Instagramにリクエストがあったという「Wake me up when night falls again」をかき鳴らす。曲中の押し引きが見事であり、SHANKの旨味が詰まった1曲だ。

 歌いだしからオーディエンスが待ってましたと気も狂わんばかりにハンドクラップをし、ソーシャルディスタンスを活かしたスカダンスを見せた「620」から続いたのは、ゲストベーシストとしてSPARK!!SOUND!!SHOW!!のチヨを迎えた「Grimy Window」。庵原がピンヴォーカルのスタイルで歌う姿も新鮮であったが、気持ちを押さえきれなくなったSPARK!!SOUND!!SHOW!!のイチローがステージを所狭しと踊りまくる姿もまた痛快。気心知れたバンドが集ったイベントならではのサプライズだろう。

 そして、クライマックスとして「Isn't She Lovely」で甘く至福なメロディーを響かせ、以前であればオーディエンスが前へ前へと詰めかけること必至な「Love and Hate」、無邪気に駆け回りたくなる「Long for the Blue moon」を連続でドロップしていく。そのダイナミックなサウンドに負けじと、オーディエンスも全身を使って両手を突き上げる。ガイドラインを乗り越えた先で互いに気持ちを共有できた光景だった。

 アンコールでは、『STEADY』のリリースツアーがスクリーンに映し出され、「多分、もっとやります」、「コロナがどうとか、やりますから。また、お付き合いください」と宣言し、本編で高まった熱気そのままに「Cigar Store」と「submarine」をぶちかましてライヴを締めくくった。

 

[SETLIST]

【THE FOREVER YOUNG】

  1. 本当の私になりたい
  2. WORLD END
  3. 今君を迎えにゆくんだ
  4. I WANNA BE SHINE
  5. GO STRAIGHT
  6. FELLOWS
  7. HELLO GOODBYE

【SPARK!!SOUND!!SHOW!!】

  1. GOD SPEED
  2. †黒天使†
  3. good die
  4. HAPPY BIRTH DIE
  5. STEAL!!
  6. アワーミュージック
  7. still dreamin'
  8. akuma feat.DAISUKE (Paledusk)
  9. 南無
  10. TOKYO MURDER
  11. ヘビーローテーション feat.KAITO (Paledusk)

【SHANK】

  1. Surface
  2. Phantom
  3. Life is...
  4. Set the fire
  5. Rising Down
  6. Take Me Back
  7. Good Night Darling
  8. Departure
  9. Two sweet coffees a day
  10. Hope
  11. Bright Side
  12. Steady
  13. Wake me up when night falls again
  14. 620
  15. Grimy Window
  16. Isn't She Lovely
  17. Love and Hate
  18. Long for the Blue moon

encore

en1. Cigar Store

en2. submarine

 

>>SHANK Official Web Site