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live report

“PUNISHER’S NIGHT 2022“ LIVE REPORT!!

Report by 小林千絵
Photo by 小沼高

2022.1.22
“PUNISHER’S NIGHT 2022” @SHIBUYA CLUB QUATTRO

1月22日、TOTALFAT主催「PUNISHER’S NIGHT 2022」の東京公演、ゲストとしてKEMURIの出演が決まっていた。Shun(Vo, Ba)が“Positive Mental Attitude”という文字をタトゥーで入れているほど、KEMURIはTOTALFATにとってとても大きな憧れの存在だ。しかし公演3日前の1月19日、KEMURIのメンバーに新型コロナウイルス陽性が確認されKEMURIの出演キャンセルが発表された。そして同時にdustboxの出演がアナウンスされた。公演の3日前に、だ。しかし、不測の事態をもポジティブに乗り越えてしまえるのが、TOTALFATであり、パンクバンドである。

代打として「PUNISHER’S NIGHT」のステージに登場したdustboxは、SUGA(Vo, Gt)の「さぁ、やりますか」の挨拶を皮切りに「Riot」「Try My Luck」を繰り出し、「Bitter Sweet」ではミラーボールも助太刀。あっという間に会場を自分たちのムードに染めていく。4曲を終えた最初のMCで口を開いた JOJI(Ba, Vo)は開口一番「急すぎるよね」と笑うが、「でもナイスだと思わない?」と続ける。公演の4日前、ROTTENGRAFFTYとのツーマンイベントに出演していたdustboxは、ROTTENGRAFFTYのライブを観に行こうとしたタイミングで、Shunからの電話を受けたという。JOJIは「ロットンのライブを早く観に行きたかったから『たぶん大丈夫』と言った」と笑っていたが、そんなこと、普通はできない。そこにはdustboxとTOTALFATの信頼関係があり、dustboxがライブバンドとしていつでもステージに立てる準備があるから。

そんな彼らはこの日のライブでも臨機応変さを見せた。「Jupiter」ではギターの音が出なくなるアクシデントに見舞われるも、動じることなくSUGAがそのハイトーンを響かせる。また新曲を披露するためのツアー「TRAINING DAYS 2022」の告知をすると、予定外でありながらも3人は楽屋のような雰囲気で「どの曲?」「どこまで?」と話しながら「ちょっとだけ……」と新曲を披露。「楽しくなっちゃった」という3人は結局新曲をフル尺で演奏した。そんな3人の楽しげなムードに誘われるように、新曲でありながらフロアにもいくつも手が上がっていた。

さらに「PUNISHER’S NIGHT」出演は急きょ決まったはずなのに、TOTALFATの「PARTY PARTY」のカバーも披露するなど、そのステージは自由自在。最後にSUGAが「1つ言っていいですか?来てよかった」とつぶやき、「Tomorrow」でその代打のステージを締めくくった。

TOTALFATは、この日が2022年初ライブ。「2022年始めようぜ」「派手に行くぜー!」と声を上げると、「Heroes From The Pit」で華やかにライブをスタートさせる。Shunが「どうやらまだまだ俺たちには向かい風が吹いているようだけど、でもこの光景を目にしたらもう何も怖くない」と言っていたが、その言葉通り、シンガロングができなくてもモッシュやクラウドサーフができなくても、会場には大きな一体感が生まれていた。

「KEMURI先輩ー! 開催できたぞー!」と、KEMURIに届くほどの大声で叫んだあとには、dustboxに対して「この借りはデカい。利子つけて返さないと。まずはこのステージで返す!」とこの日の意気込みを口に。その意気込み通り、3人はさらにテンションを上げて「Marching For Freedom」「宴の合図」などを続け、エッジィな「ALL AGES(Worth a Life)」では気迫のプレイを見せる。

40分ほど経ったところでのMCでは「Bunta、Joseさん、ライブクソ楽しいな」(Shun)、「楽しすぎて体感10分くらいなんだけど」(Bunta[Dr, Cho])、「dustboxのライブ見て仲間ってマジで最高だなって思って泣いた」(Jose[Vo, Gt])と、口々に感想を話す。「PUNISHER’S NIGHT」はもともと3マンイベントだったが、コロナ禍では2マンイベントになったことについても「持ち時間が長くなったから、もうひと盛り上がりできるじゃん」と、ポジティブに変換できるのがTOTALFATだ。せっかくの時間を楽しむべく「まだまだ攻めてもいいですか?」と「Room45」を投下したあとは、JOJIが好きな曲だと言う、突き抜けるような「Dear My Empire」、さらにShunの優しい歌声が響いた「We're Gonna Make a Bridge」「Overdrive」と、ライブはドラマチックな展開に。会場中の高ぶる気持ちを代弁するようにJoseが「ライブハウス最高です」と言うと、バンドは最後に「Place to Try」をエモーショナルに届けた。後半、客電が付き場内が明るくなると、フロアの観客がみんな笑っている様子がよく見えた。

アンコールでは4月6日に東京・渋谷WWW Xにて行うバンド結成22周年の記念ライブ「TOTALFAT 22nd Anniversary "POSITIVE VIBRATION" 〜PUNISHER'S REVENGE!!〜」に、この日のリベンジとしてKEMURIが出演することを発表。Shunは、高校生のときバンドでKEMURIのコピーをやっていたことを回想し「まさかアニバーサリーライブに出てくれるなんて」と感激した様子を見せた。そしてバンドはKEMURIの「P.M.A(Positive Mental Attitude)」をカバー。ホーンのフレーズをShunが歌ったり、後半は2ビートにアレンジしたりと、TOTALFATなりの「P.M.A(Positive Mental Attitude)」で魅せた。さらに最後にもうひと盛り上がりとばかりに「PARTY PARTY」「DA NA NA」をプレイしたあと、「dustboxと、KEMURIと、TOTALFATでした」と挨拶し、この日の「PUNISHER’S NIGHT 2022」の幕を下ろした。

この日、Shunは「今年は頭からハプニング続き。だからライブハウスって面白いよね」と話していた。「俺たち、コロナ禍で楽しみ方を随分身につけたと思わない?」とも。ハプニングすら楽しんでしまえる彼らの強さや自由さが、TOTALFATの音楽の根幹だと改めて実感させられた。また今年に限らず、コロナ禍で日程が変更になってしまった昨年なども振り返って「PUNISHER’S NIGHTは心意気祭りなんだよね」と話していたが、まさにその心意気の根源は、TOTALFATが誰よりも仲間を愛しているからにほかならない。

 

TOTALFAT 22nd Anniversary "POSITIVE VIBRATION" 〜PUNISHER'S REVENGE!!〜

日程:2022年4月6日(水)
会場:東京都 渋谷WWW X
出演者:TOTALFAT / KEMURI

TOTALFATオフィシャルサイト