このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

column

SATANIC ART CHRONICLE Vol.15 by KISHI KOUJI

シーンの中でバンドのリリースする作品のアートワークやマーチャンダイズのデザインを手掛けるデザイナーやアーティストたち。彼らのデザインは音源の顔として我々の印象に残っていき「あー! あの飛行機のジャケのやつね!」なんていう会話に繋がっていく。
SATANIC CARNIVALでも、シーンで活躍するアーティストが多々参加している。本企画"ART CHRONICLE"では、このシーンにいるアーティストに彼らのルーツを紹介してもらう。そのルーツは少なからずアーティストに影響を与えているし、このシーンが好きなのであれば知っておくべきレジェンドたちだ。
アーティストに教えてもらえるアートのお話、"ART CHRONICLE"。第15回はKISHI KOUJIがリコメンダー。JIM PHILLIPS(ジム・フィリップス)をピックアップ。

Profile KISHI KOUJI


グラフィックデザイナー。パンク、ストリート、ポップアートなどに強い影響を受け、友人のバンドのフライヤーを手掛けることでキャリアをスタート。音楽シーンを中心に、アパレルブランドや企業にもアートワークを提供している。
http://irodoristudio.com/
Instagram
Twitter

KISHI KOUJI SELECT.06:JIM PHILLIPS

自分が影響を受けたアーティスト、今回ご紹介するのは、カリフォルニア・サンタクルーズのグラフィック・アーティスト「JIM PHILLIPS(ジム・フィリップス)」。

1944年カリフォルニア・サンノゼ生まれ、1961年にサーフ雑誌のアートコンテストで優勝したことをきっかけに、キャリアをスタートさせる。1975年スケートボードカンパニー「Santa Cruz Skateboards」のアートディレクターに就任し、1985年には代表作であり、現在もなお愛され続けている名作「スクリーミング・ハンド」を発表。これまでに1000を超えるデッキのデザイン、ディレクションを手掛ける、80年代スケートボードアートを代表するアーティスト。

Surf, Skate and Rock Art of Jim Phillips(2003)

 

まずは自分と「スクリーミング・ハンド」との出会いや、初めて見た時の衝撃などを書こうとしたのだが、全く思い出せない。物心が付いた時には…と言うと言い過ぎかもしれないが、10代の頃にはもうそのくらい当たり前に世の中に存在していたし、スケートブランドのデザインという事は知っていたと思う。

The Skateboard Art of Jim Phillips(2007)
Rock Posters of Jim Phillips(2006)

 

「Surf, Skate and Rock Art of Jim Phillips(2003)」が「スクリーミング・ハンド」以外の作品を深く知っていくキッカケだった。確か当時働いていたデザイン事務所に出入りしていた本屋さんに、探してもらって買った記憶がある。

Santa Cruzはもちろん、INDEPENDENTトラックのシンボル、アイアンクロス。OJウィールのロゴなど「スクリーミング・ハンド」のように、いつの間にか知っているデザインがいくつもあった。

The Beatles、The Doors、Jimi Hendrixなど、ROCKポスターをいくつも手掛けていたことは知らなかった。愛らしいキャラクターデザイン、細部まで描きこまれたバイク、ものすごい数の人が描かれたイラスト、ドラッギーでサイケデリックなデザイン、「ROB ROSKOPP」シリーズのデッキ、どれも本当に素晴らしくて、隅々まで何度も何度も見返した。

サーフ、スケート、バイク、ROCK…それぞれ色々な切り口、タッチで、幅広い作風だが、どの時期のどの作風も西海岸カルチャー満載の空気感、匂いがする。きっとどのカルチャーにもリスペクトと愛を持って取り組んでいるんだろうなと感じていた。

自分もデザインする時、やはり初めに好きになることから始める。
直接ミーティングできる機会があれば、本題の後、世間話をしながら、趣味や最近はまっているもの、好きな映画、好きな色、出身地などお見合いのように質問しまくる。
バンドなら何度も曲を聴き、歌詞を読んで、MVを観て、インタビューを読み漁り、伝えたい事の本質を考え、少しでもアーティストのパーソナルな部分を知り、空気感が反映出来ればと心掛けている。

JIM PHILLIPSのように幅広く、カルチャーに寄り添ったデザインを自分もしていたい。