INTERVIEW

「Change for the future 2021」横山健 × チバユウスケ Interview!!

Interview by Chie Kobayashi
Photo by Michito Goto


岩手・盛岡Club Change主催のライブイベント「Change for the future 2021」が12月29日に岩手・岩手県民会館 大ホールにて開催される。イベントはKen YokoyamaとThe Birthdayによるツーマンライブ。初めてKen Yokoyamaにチバユウスケがゲストボーカルとして参加し「Pressure Drop」を披露した2016年の「いしがきミュージックフェスティバル」の話から、コロナ禍で考えていたこと、当日への想いまで、横山健とチバユウスケの二人に、じっくりと語り合ってもらった。

出会いは10代、高円寺20000Vで

──Ken Yokoyamaのライブで、チバさんをゲストに迎えて「Pressure Drop」を披露し話題になりましたが、初めてそのコラボをしたのは2016年の「いしがきミュージックフェスティバル」。盛岡Club Changeの店長で、「いしがきミュージックフェスティバル」の主催者でもある黒沼亮介さんのムチャぶりがきっかけだったそうですね。

横山健:その前にチバくんと友達になって。そこからずっと「一緒に何かやろうよ」ってジャブを打ってたつもりなんですよ。でも「いつかね」って感じで実現しなかった。そんなことを黒沼が嗅ぎつけて「やってよ」と言ってきたのがきっかけだった気がします。



チバユウスケ:で、「やろうやろう」って。

──「その前に友達になった」というのはどういう経緯ですか?

チバ:クアトロの周年イベントだっけ?(2013年6月に渋谷CLUB QUATTROで開催された「QUATTRO QUARTER」)

横山:そうだね。10年前くらい。

チバ:もちろんその前から存在は知ってはいたけど、そのとき初めてKen Bandとツーマンして。

横山:でも実は10代の終わりくらいに高円寺20000Vで出会ってるんですよ。

チバ:それは俺も覚えてる。当時、健はザ・コークっていうバンドで、俺はメンバーは違ったけどTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTで、それぞれ出ていて。

横山:俺はその頃、ライブハウスで対バンして興味を持った人にゴンゴン話しかける子供で。でもそのときチバくんはあんまり話してくれなかったんですよ。チバくんって、お酒飲まないと全然話してくれないから。

チバ:そんなこと……いや、まぁ、飲まなきゃダメだな(笑)。

横山:あはは(笑)。休肝日はあるの?

チバ:うーん……「やばいな」っていうときは3本だけ、みたいな。

横山:休肝日じゃないよ、それ! 身体には気を付けてくださいよ、本当に(笑)。

チバ:そのままそっくりお返しします(笑)。

 

意識し合っていたHi-STANDARDとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT

──お二人はそこで仲良くなったわけではなかったんですね。

横山:そうですね。それから何年も空いて。ミッシェルもHi-STANDARDもデカくなった頃に、広島のサービスエリアで会ったんです。お互いそれぞれツアー中でばったり。

チバ:覚えてる覚えてる。機材車同士で。

横山:「あのときのだよね?」って。俺は当然チバくんのことを覚えてたけど、チバくんが覚えてるとは思ってなかったからすごいうれしかったなぁ。

──そこからお二人の交流が始まった?

横山:始まってないです(笑)。

チバ:ない(笑)。

横山:そのときは正直言うと、ハイスタとミッシェルでバチバチだったんです。お互い意識し合ってて。

チバ:やっぱりさ、ハイスタはDIYだったじゃん。俺らはメジャーで全部会社任せ。もちろん意見は言うけど、やってくれる会社の人がいないと何もできなかったから。だからハイスタのことは「すげーな」と思ってた。

横山:今の状況だったら仲良くなれるはずなんだけど、当時はメジャーとインディーでくっきり分かれていて。僕はオーバーグラウンドでいきいきやってるミッシェルを見て悔しい気持ちだった。メジャーでつぶれていくバンドを見れば「ざまあみろ」と思うけど(笑)、いきいきやってるバンドを見るとね。しかもすごくカッコよかったから。

チバ:当時、うちのスタッフがトイズ(TOY'S FACTORY)の誰かと知り合いだったみたいで、ハイスタのビデオとかアナログとかもらったよ。

横山:そうなんだ!

チバ:うん。だから俺の持ってるハイスタって全部サンプル版なんだよ。

横山:すごい! 売っちゃう?メルカリで(笑)。

チバ:売っちゃうか(笑)。



──ではお互い意識はしたまま、件のクアトロのイベントまで交流はなかったんですね。

横山:そう。フェスで会ったときに挨拶するようになったくらいかな。すれ違いざまにチバくんが「Ken Bandあとで観にいくよ」って言ってくれて、うれしかった。

チバ:そんなことあったっけ?(笑)

──覚えていらっしゃらない?

チバ:(頷く)

横山:あはは(笑)。だからクアトロのイベントで初めてツーマンをやったときに「ここでチバくんとの距離を詰めるっきゃない」と思って、一日中つきまとうわけですよ。だけど相手にしてくれない。酔っ払ってないから(笑)。

チバ:そうだね(笑)。

横山:その日のチバくんは自分の楽屋にこもって、持ち込んだラジカセで音楽を聴きながらGretschを弾いててカッコよかった。そこで「やっぱりアナログなもの好きなんだな~」って思ったの。とにかく僕はもうその日ずっとチバくんのことが気になっていて。

チバ:俺はKen Bandのライブを観ながら「Hi-STANDARDとはまた違うんだな。Ken Bandのほうがメロディの感じが好きだな」とか思ってた。

──その日仲良くなったのは、チバさんがお酒を飲んだからですか?

横山:そう。打ち上げになったらチバくんの顔つきが変わってて(笑)。共通の友達がいたから、その人から聞いた情報の擦り合わせをしたりして……すごいいい夜だったな、僕は。チバくんは覚えてないだろうけど(笑)。

チバ:でも最初に会ったときから本当に変わらない人だなとは思った。Hi-STANDARDを一回止めたり、レーベルやったりしてるのは知ってたし、ハードなことでも妥協しねえんだなと思ったけど、根本的には全然変わらない。
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そしてリスペクトへ

──その後はそれこそステージでの共演や、コラボ曲「Brand New Cadillac」を制作するなど、音楽も一緒にやるようになります。音楽を一緒にやっていく中で、お互いの印象は変わりましたか?

横山:僕はね、イメージ的に「こんなの、やっちゃえばなんとかなるよ」っていう人だと思ってたんです。豪快なロックンローラーっていうか。でも意外とそうじゃなくて「ここはこうで、何回で」ってきっちりやる人で。「いしがき」のときも、楽屋で歌詞を一生懸命覚えてて。

チバ:だって覚えらんないもん(笑)。

横山:「ハープ吹いてくれる?」って言ったら練習してくれて。大げさかもしれないけど、そこでチバくんの音楽への向き合い方が見えた気がした。一緒にできる人だって安心したんです。

チバ:そこはきっちりやらないと、俺も楽しくないし、Ken Bandも楽しくないから。

横山:僕にとってはチバくんをゲストボーカルに迎えるって一大事だったんです。だからちゃんとカッコつけてもらいたいし、カッコつくために俺らもちゃんと演奏したいと思った。なおかつ、負けたくないっていうか……一緒にカッコつけたいって感じだったのかな。Hi-STANDARDとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTだった頃は勝ち負けみたいな気持ちがお互いにたぶんあったと思うけど、この歳になると、もうそういう気持ちじゃなくなるよね。

チバ:うん。

横山:それよりもリスペクトの気持ちが強くなる。この歳までお互いに続けていたからこそ、大人になった今、新しいことが一緒にできてるわけだから。そういうことに対する感謝とかリスペクトのほうが大きくなるね。

チバ:そうだね。



俺たちからロックンロール取ったら何もすることなくなっちゃう

──コロナ禍により、お二人が対面するのは2年ぶりとのことですが、コロナ禍はお互いに何を考えて、どのように過ごしていましたか?

横山:誰を怒ることもできないし、実際怖かったから、ライブ活動はストップして曲作りばっかりしてました。しょうがないなと思って。

チバ:ほとんど一緒。「『しょうがない』とは思いたくはない」って思ってた。健もそうだったんじゃないかな。

横山:うん。でもだからって抵抗するわけにもいかないしね。

──チバさんは、自粛期間中、楽器を片付けられた時期があるそうですね。

横山:片付けたの?

チバ:片付けた。自粛でスタジオに入れなくなって、最初はこういうときだからこそギターを持とうとするじゃん。でも途中で頭にきて、全部しまった。「もう弾かねぇ」「ふざけんなよ」って。そういう感覚、あったでしょ?

横山:うんうん。俺、犬とばっかり遊んでたもんな。あとは絵を描いたり、ギターに向かえない時期は確かにあった。すぐスタジオに入ってメンバーと合わせられないんだったら、曲作ったところでそれをどうしていいのかわかんないし。

──チバさんは、片付けた楽器を再び手に取ったのはどうしてだったんですか?

チバ:暇だったから。ずっと観てなかった映画も全部観て、レコードも端から全部聞こうとしたんだけど、途中でつまんねえなと思って全部捨てて。「これ燃えるのかな」とか言いながら。

──本当に捨てちゃったんですか?

チバ:うん、捨てたよ、つまんないのは。

横山:あははは(笑)。最高だよ。

──で、最終的にギターを。

チバ:出したよ。出すしかないじゃん。弦変えたよ。弦変えるよね?

横山:うん、とりあえずね(笑)。僕もチバくんも音楽とかギターから離れたい時期はあるかもしれないけど、俺たちからロックンロール取ったら何もすることなくなっちゃうから。散歩くらいしかすることなくなっちゃう。

チバ:ね。情けないよ。

横山:でも、やることあるからいいじゃない。
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それでもライブを成立させようとするところに美しさを感じる

──そんな自粛期間を経て、The Birthdayは昨年末、Ken Yokoyamaは今年6月の「SATANIC CARNIVAL 2021」から徐々にライブを再開させました。ひさしぶりにライブをやっていかがでした?

チバ:「こういう感じか」みたいな。

横山:おかしな感じよね。お客さんは声が出せなくて、何か言うと拍手で返ってくる。それがおかしな感じで。

チバ:でも最近はそれが心地よくなってきてるところもある。今までだったら出囃子で「チバ、コラー!」ってなるじゃない? それがないから「偉いね、みんな」って(笑)。

横山:あははは(笑)。僕らもやっと、このコロナ禍でのライブを掴んできたかな。今はこれしか表現方法がないし、お客さんだって拍手のノリをしたくてしてるわけじゃないから。お互い歯に物が挟まったような感じの中で、それでもライブを成立させようとする。そこにある種の美しさみたいなものを感じたりして。これは今でしか味わえないものかもなと思って。コロナ禍が開けたら「チバ、コラー!」に戻るけど(笑)。



チバ:でもさ「あそこに戻れるのか?」っていうのは、最近思ってる。

横山:そうなんだよね。お客さんに恐怖心が付いちゃった気はするよね。

チバ:オールスタンディングになって、倍の人数になったところで、観に来てくれる連中が「これでいいのかな」って思うんじゃないかなって。

横山:うんうん。だから誰かが大きい声で「モッシュ、クラウドサーフ、もう何してもOKですよ」ってちゃんと言わないと。

チバ:それを言ったところで、本当にまたそれが起きるのかっていうのはちょっと思うけど。

横山:まあね。でもあとはお客さん次第なんじゃないかな。したくなったらするよ。

チバ:ああ、そっか。そうなるようにバンドが持っていかないといけないってことか。

横山:うんうん。でも俺は今回のコロナ禍を経て、モッシュとかクラウドサーフが起こっても起こらなくてもどっちでもいいなと思ってもいて。もしかしたらある種の様式美になっちゃってたのかもって。これまで、視覚的に盛り上がってないと「あれ?今日はイケてないのかな」って思うことがあったの。そう思うことから解放されたところがあるのは事実なんだよね。

チバ:あー。それでコロナ明けて、また起こったらちゃんとわかる。

横山:そうそう。そしたら「この人たちは本当に暴れたいんだな」って。それがわかったから、もしかしたらこれから先、前とは違ういいものが作れるかもね。

「リッキー」は聴けないの?

──コロナ禍でライブの作り方は変わりましたか?

チバ:変わんないよ。Ken Bandも変わってないんじゃないかな。

横山:僕らはちょっと変わったの。ゆっくりした曲をセットリストに多く入れられるようになった。今ならではというか。

チバ:なるほどね。じゃあ「リッキー」は聴けないの?

横山:「リッキー」は聴ける(笑)。

──「Ricky Punks」お好きなんですか?

チバ:あの曲のミュージックビデオ見たとき「良い曲だな」と思って。

横山:ときどきThe Birthdayのステージで弾いてくれるんですよ。「チバくんがリッキーIII弾いてる!」って。

チバ:あ、あれ「3」なの?

横山:1と2があることわかってないんだ!(笑)

チバ:うん。



──横山さんはThe Birthdayの曲の中で特に好きな曲はありますか?

チバ:たぶん、(The Birthdayの曲)知らないよ。

横山:いやいやいや! タイトルが出てこなくなっちゃった(と言ってメロディを口ずさむ)。あ、「なぜか今日は」だ!

チバ:今のじゃ全然わかんなかった(笑)。

横山:一応僕、歌う人なんですけどね(笑)。ほかにもセットリストから外れてたら「今日これやらないんだ」って残念に思う曲はいくつかあります。で。無理やり入れてもらったりして。

──では「Change for the future 2021」でも、お互いの好きな曲が聴けるかもしれないですね。

横山:かもしれない。

チバ:メールしてください(笑)。

 

生でライブを観るという体験は替えがきかないこと

──黒沼さんに「東北全体会議 in APPI」開催に際して取材させていただいたときに(https://satanic.jp/news/detail/MTIzNw==)、開催を悩んだけれど「やる側にも見る側にも、今じゃなきゃダメな人がいる」と思って踏み切ったとおっしゃっていたのが印象的でした。お二人は、音楽やライブはコロナ禍においてどういう役割を担っていると思いますか?

チバ:俺は今ツアーを回っているんだけど(※取材は11月下旬)、やっぱりやったほうがいいなって思った。それがどんな赤字になろうとも。まあ赤字になっちゃダメなんだけど、やっぱり生音を聴くっていうのはめちゃくちゃスペシャルなことだと思う。だからやってよかったって思う。

──それはお客さんのためにも?

チバ:俺は客のためにはやってないから。でもライブをやる意味みたいなものは感じたかな。

──その意味とはどんなものですか?

チバ:The Birthdayはライブバンドだから、ライブを観てもらわないとバンドの良さが、それこそ健にもわかってもらえない。レコードでも伝わると思うけど、ライブはその数百倍の良さがある。それは絶対なんだよ。

横山:うん、チバくんが言った通り、生でライブを観るっていう体験はいくらテクノロジーが進んでも、替えがきかないことだと思う。僕も「お客さんのために」とは思ってないけど、誰かの人生ひん曲げてやりたいなとは思ってるし、自分らのライブを観て「俺もあのステージに行ってみたい」と思う若者が出てきてくれたらうれしい。若者じゃなくても、40代のおじさんが「これを観たから明日も頑張れる」って思ってくれたらうれしいし。僕らの人生がロックンロールで決まってしまったように、ライブには誰かの人生を変える力があると思っていて。誰かの人生が変わる・変わらないっていうのにコロナは関係ないんだよね。いつだって変わるチャンスはあるわけで。だからなるべく、できるんだったらライブはやりたいと思ってるかな。
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見てほしいんだよね、俺たちが

──先ほど「曲を作ってもどうなるかわからなかった」ともおっしゃっていましたが、コロナ禍により、作品を出したあとにレコ発ツアーが回れなかったり、通常よりも少ない公演数でしか回れなかったりするのは、ライブバンドとしてはどういう心情なのでしょうか?

横山:これはなかなか処理できない問題で。Ken Bandも5月にアルバム(『4Wheels 9Lives』)を出して、半年経ったのにまだ“新曲”って感覚があるんですよ。でも、これはバンド側の問題であって、もしかしたらこのアルバムを好きで猛烈に聴きこんでくれてる人もいるかもしれない。ただ、それを確認するのもやっぱりライブなんですよね。だからその確認ができないのは寂しいですね。

──The Birthdayはツアーを回りましたが、やはり曲が育っていく感覚はありますか?

チバ:育ってると思うよ。面白いもんでさ、作ってすぐレコードにするじゃん。だからライブでやることによって「ベースはこういうことを思って弾いてたのか」とか「ドラムはこういう気持ちだったのか」っていうのが見えてくるんだよね。それがすごく面白い。それによって足したり引いたりして。だからそれを見てほしいなとは思う。

横山:The BirthdayはKen Bandタイプのバンドよりもメンバー間で楽器で語り合う部分が多いから、余計にそういうことが起きるんだと思う。The Birthdayのライブを観て、若いバンドにはそういうことを学んでほしいかな。学んでほしいっていうのはおこがましいけど、「そういうふうにもなれるんだ」って思ってほしい。

──そういう意味でもやはりライブは必要ですよね。

チバ:必要っていうか……見てほしいんだよね、俺たちが。

横山:かわいくないですか?! そうそう、“見てほしい”んだよね。みんな大層なこと言うし、俺もさっき「ライブはなくならない」とか言っちゃったけど、ただただ、来てほしいだけなんですよ。演奏してる僕たちを見てほしいの。

チバ:当たり前だけどレコーディングしてるときとは気分も違うし。ツアーをやりながらどんどん変わっていくじゃん。何が正解なのかはわかんないけど、ツアーを回ってるうちに「そうそう、これ!」って言うものが見つかっていくもんなんだよね。途中でわかんなくなっちゃうときもあるけど。

横山:そう、良さを見失っちゃうときもあるけど、そういうのも見てほしい。

チバ:見てほしいからやってる。見てほしくなかったらツアーなんて組まないよ。

横山:そうだよね。



チバ:健は弾き語りはやらないの?

横山:最近はやらないね。

チバ:前はやってたんだ?

横山:前はやってた。……二人で弾き語りツアー行っちゃう?

チバ:ああ、いつかやろう! それはそれで面白そう。

横山:ね! ただ絶対に僕の出番が先で! だって圧倒的フロントマンのチバくんのあとに出て行くの、本当に嫌なんだもん!(笑)

「今じゃなきゃダメな人がいる」を考えて

──ではお二人の弾き語りツアーの実現も楽しみにしつつ、最後に改めて「Change for the future 2021」当日の意気込みを教えてください。

横山:僕はね、The BirthdayとKen Band、バンド同士で一つの日を作り上げられるのが楽しみです。

チバ:俺はまあ、気合い入れて。あんまり飲まずにちゃんとやるよ(笑)。

──今回は盛岡Club Change主催のイベントですが、その点で特別な想いや試みなどはありますか?

チバ:ないね。どこの街だってひさしぶりに行くんだし、それはどこの街でも同じだよ。

横山:僕はそれこそ黒ちゃんのインタビューの「今じゃなきゃダメな人がいる」というのを読んで「なるほどな」と思ったんです。バンドもお客さんも、コロナが明けるまでじっくり待てばいいじゃんって思ってたんだけど、今じゃなきゃダメな人、待ってたらライブに行けなくなる人がいるっていうのを読んで、すごく刺さった。だから当日、それだけは考えてやろうと思ってます。そういう想いでKen BandとThe Birthdayをブッキングしたのかって。ほかはいつもと変わらないです。あとは楽しみなだけ。

チバ:うん。でもまあ、黒沼のおかげかもしれないね。この話きたとき、うれしいなと思った。びっくりしたけど。

横山:ね。

──びっくりしたのはどうしてですか?

チバ:年末にぶっこんできたから。

横山:僕はもうちょっと合理的な理由です(笑)。東北はまだコロナに対してシビアなところがあるというのを聞いていて。東北の知り合いが「近所で陽性者が出て、もう村八分ですよ」って言ってたのを聞いたり、これは東北じゃないけどバンドがライブに行ったら、お客さんに「本当は来てほしくなかった」って言われたって話を聞いたりして。言うほうもつらいと思うんだけどさ。だから東北ではまだ大規模なライブをやらないほうがいいんじゃないかと思ってて。だからThe Birthdayとじゃなかったらやってなかったかも。……ね、けっこう僕ちゃんとしてるでしょ?(笑)

チバ:うん、今ちょっと尊敬した(笑)。健はやっぱりすげーんだな。

横山:あはは(笑)。

 

Change for the future 2021

日程:2021年12月29日(水)
会場:岩手県 岩手県民会館 大ホール
出演:Ken Yokoyama / The Birthday
http://clubchange.com/

 

 

横山 健 (Ken Yokoyama / Ken Band) OFFICIAL SITE

The Birthday – rockin'blues