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Ken Yokoyama "New Age Tour" LIVE REPORT!!

Ken Yokoyama "New Age Tour" LIVE REPORT!!
MAGAZINE

Ken Yokoyama "New Age Tour" LIVE REPORT!!

Report by Ryo Tajima
Photo by Teppei Kishida


2019.4.2
Ken Yokoyama “New Age Tour”
@EBISU LIQUIDROOM


パンクロックを繋いでロックンロールしていくとはどういうことか

3月26日からスタートしたKen Yokoyamaの第一弾"New Age Tour"の最終場所が4月2日の恵比寿リキッドルームで開催された。ツアースケジュール発表の瞬間から『Eiji(Dr)加入後のKen Yokoyama初ツアーを必ずや目撃すべし』。そんな特命めいたものがKen Bandファンの脳裏に雷鳴し、チケット争奪戦が全国各地で展開された。その当然の帰結として、4月2日のリキッドルームのフロアは熱気凄まじく、さらには、ゲストのBURLが充満する熱気に油を注ぎ、Ken Yokoyamaのステージセッティング中から歓声が沸き起こっていた。
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新生Ken Yokoyamaとしての6回目のライブ、誤解を恐れず表現するのであれば、圧倒的衝動とインパクト、結成15年を迎えたバンドとは思えないフレッシュな姿があった。同時にKen Bandという1バンドとして活動することへの喜び、オーディエンスへの感謝の念が溢れていた。もちろん、この日、Ken Yokoyamaのライブを観ていた人もまったく同じ気持ち。"一体感"と言うとチープで嘘っぽく聞こえてしまうが、手を繋いで、さぁ足並み揃えて踊りましょってな一体感ではなく、一体となっていた、1人1人の心にあった感謝という念。それが正直な形で現れ、それぞれが、それぞれの心を大事にしながらライブという空間に敬意を払っている、そんな時間であったと感じる。ライブ終盤、17曲目にNo Use For A Nameのカヴァー曲"Soulmate"を終えて、横山健(Vo/Gt)が言い放った「パンクロックってのは最高だな」という言葉に対して、どこからともなく巻き起こった「パンクロック!」コール。まさしくパンクロック賛美の時間、そうせざるを得ないっ! というオーディエンスの反応を見て、このシーンにおけるユナイトとは何なのかを再確認した。
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「地元、東京からやってきたKen Bandです。New Age Tourにようこそ!」の言葉から"Cherry Blossoms"で幕を開けた全22曲のパンクロックショウ。全22曲のライブの間、クラウドサーフにモッシュ、シンガロングは当たり前、自身のマイクを客席に投げ入れるスタイルも健在だ。7曲目”I Fell For You, Fuck You"では「ちゃんと言えるんだろうな! 貴様ら、それでもパンクスか!」と軍曹さながらにフロアを叱咤しながらのぶちかまし。その後、横山健は「最高ズラよ。今日でツアー5本目なんだけど、オレたち4人の雰囲気は出来上がってるんだよ。オレは東京に、(その)ステージに戻ってこれたなって思うよ」と語りかける。これまでのKen Bandの空間を構築しつつ、そのカムバックを喜ぶオーディエンス。ドラマーに新メンバー、Eijiを迎えての満を持してのツアー。早くライブをやりたい、というKen Bandの純粋かつ原始的な衝動により、このライブは過激性を伴うものになった。バンドがいかに強固に仕上がっているかを示したのが新曲"Runaway With Me"の存在だ。「オレと一緒にできるだけ遠くまで逃げてくれっていうロマンチックな曲」という本楽曲、ロマンチックでありながら、高速ビートでかっ飛ばす完全なパンクチューンであり、曲終盤では一気に縦ノリになる。このU.S.パンク、ラウドさながらの心地よいグルーヴ感はFACT時代からEijiのドラムを愛している人にはたまらなかったのではないだろうか。
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今回のメンバーチェンジについて10曲目に"Walk”を奏でた後に「メンバーチェンジってネガティブなイメージを持たれるし、どうなるんだろうって思った人もいるかもしれないけど、コレ(今のKen Band)いいだろ? 世界一のロックンロールだ」と話し、このツアーを経て感じ取った思いを、"音楽に勝ち負けはないんだけど"と付け加えたうえで次のように続けた。「Ken Bandは誰にも負けないと思う。メンバーが変わって、オレはこれで最低10年は続けられると思ったぜ。」

リキッドルームには約1000人を収容できるキャパがあるので、後方には、ただ突っ立ってライブを見守る空間もある。筆者もそこで、Ken Bandの一挙手一投足を見逃すまい、と静かにステージを見つめてはいたのだが、ぶら下げた拳は自然と握りしめていたし、視線の熱量は隠しきれない。そんな人も多かっただろう。関係者席とフロアを分けない空間で、皆等しくKen Bandが新たに放つパンクロックを受け止めていた。最近、ギター開発も、"自分らしい、やっていきたいこと"として精力的に取り組んでいる横山健だが13曲目に演奏された"Believer"は自身が携わるブランド、Woodsticsのミニギター、WS-MINI ALOHAを使用。
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グレッチのKenny Falconのことを話したり、その姿にはギター愛が溢れ、1人でも多くの人にギターの楽しさを知ってほしいという願いが、これまでのKen Bandのライブと同様に伝えられた。日本国旗を被って、愛国心ではなく「郷土愛」として日本のことを歌う"Support Your Local"から、ライブの定番として定着し、Ken Bandが歌い続けている説明不要の"Ricky Punks Ⅲ"へ。Ken Bandのテーマソング"Let The Beat Carry On"演奏の際には曲解説を経て「若いヤツら! Ken Bandがダメになったら頼むぞ!」と語った。感謝の気持ちを込めて、と添えての最終演奏曲前"Punk Rock Dream"から、「ブログ(横山健の別に危なくないコラム)に書いた"アンコールはやらない"ってこと、心に決めているんだよ。やりきって帰ればいいんだよ。本当にやりたければやるしさ。ロックンロールなんだぜ、おい」と、アンコール無しであることを告げて、好きに踊り狂った"Come On, Let's Do The Pogo"。こうしてライブは終了していったかに見えたが……。怒号のようなフロアの呼びかけに、まさかの即アンコール! いや、もしかしたらKen Bandとしてはアンコールのつもりではなかったのかもしれない。とにもかくにも、最後の最後にもう1曲、SNUFFのカヴァー"What Kind Of Love"が届けられた。これにはフロアも歓喜、期待薄だっただけに嬉しい局面だったのではないだろうか。
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改めてKen Yokoyamaというバンドは手塚治虫氏のマンガ『火の鳥』に出てくる不死鳥のようだ。15年間、初期メンバーは横山健のみ。メンバーチェンジを繰り返しながらも、在籍メンバーの個性を生かしながらバンドが回転していっている。その、どの時期を取っても同じようで全く異なる。「繋いでいこう、続けていこう。音楽、文化、思想は、そうやって繋がっていくもんだ」というのは、この日の"Let The Beat Carry On"の楽曲解説を踏まえた横山健のMCであったが、Ken Band自体もまた、繋ぎながら続いていっているのだ。Eiji加入の初ツアー"New Age Tour"。Ageは名前を掛けたものかと思っていたのだが、新世代へ繋ぐというのが真意だったのかもしれない。
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それこそ十人十色なことはわかっているが、Ken Yokoyamaのパンクロックとは何か。ライブに何を求めて、自分を含めたオーディエンスはライブハウスに集まるのだろうか。ライブ定番曲は確かに数多くあるが、それを聴きに来ているのではないと思う。ただ暴れたいだけでもなければ、単純にシンガロングしたいだけでもないだろう。でも一体にはなりたいと思う。日本で、この時代に鳴るフレッシュなパンクロックを聴きたいと思ってKen Yokoyamaのライブに行く。そこで、信じたものは間違っていなかったな、と感動して拳を上げる。年齢ごとに感動の種類は異なるのは当然。だが、常にフレッシュだからこそ、次世代の繋がって行くパンクロックなのだろう。こうして、ロックはロールしていくのだろう。

今回"New Age Tour"に参加できなかった人もご安心を。すでにⅡ、Ⅲが企画されている。今、もっともフレッシュなパンクロックバンド、Ken Yokoyama(大ベテラン)、あえて言いますが、必見なのでございます!






[SETLIST]
01. Cherry Blossoms
02. My Shoes
03. Maybe Maybe
04. Save Us
05. Not Fooling Anyone
06. Last Train Home
07. I Fell For You, Fuck You
08. Runaway With Me
09. Brand New Cadillac
10.Walk
11.Helpless Romantic
12.I Won't Turn Off My Radio
13.Believer
14.Support Your Local
15.Ricky Punks Ⅲ
16.Longing(A Quiet Time)
17.Soulmate
18.Let The Beat Carry On
19.Still Burning
20.Punk Rock Dream
21.Come On, Let's Do The Pogo
22.What Kind Of Love



>>>Ken Yokoyama OFFICIAL HP




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