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THE CHERRY COKE$ "OLDFOX" RELEASE INTERVIEW!!

THE CHERRY COKE$ "OLDFOX" RELEASE INTERVIEW!!
MAGAZINE

THE CHERRY COKE$ "OLDFOX" RELEASE INTERVIEW!!

車に例えれば、アメ車。

--結成20周年のアニバーサリー・イヤーということで、しばらく離れていたけど、また聴いてみようというファンもいると思うんですよ。そういう人たちが今回のアルバムを聴いたとき、チェリコがまだまだ、「火華~HIBANA~」や「Daydream Believer」のような曲をやっていたら、すごくうれしいし、勇気づけられるんじゃないかって。そういうところが今回のアルバムは、すごくいいなと思うと同時に、ただ単なる原点回帰で終わらずに20年やってきたからこその成熟とか、したたかさとかが感じられるところも聴きどころじゃないかなと思うんですけど、そこは意識したところなんですか?

MASAYA:自然とそうなったんじゃないかな。こういうふうにしたら、お客さんは乗るだろうなってことは考えないですけど、こういうふうにしたほうが聴きやすいだろうなっていうのはあります。昔はそうじゃなかったじゃないですか?

KAT$UO:うん。

MASAYA:こうしたいと思ったら、こうする。誰かが“こっちのほうがいいと思うよ”って言っても、“いや、こうしたい”って押し通したけど、今は、“それだとちょっと聴きづらい。せっかくの言葉がもったいない”とか、“歌が聴こえないからバックの演奏をちょっと抑えよう”とか、そういう意味でのしたたかさはありますね。そういう経験に裏打ちされたものは自然にあると思うんですけど、今回のアルバム、実はもっと賛否両論あるかなと思ったんですよ。

――え、そうだったんですか。

MASAYA:そしたら、思っていた以上に評判が良くて。バラードの「ラスト・ピース」を、友達のバンドに聴いてもらったら、“チェリコの「シングルベッド」だね”って。シャ乱Qの。そう言われたんですけど、確かに自分らが聴いてきた90年代のJ-POPのバラードっぽいところがある。今回、バラードも4曲ぐらい候補があって、その中からみんなで選んで、「ラスト・ピース」になったんですけど、それも狙ってどうこうって言うよりも、狙ってたら、逆にこの曲、入れなかったと思うんですよ。それかもっと現代風のしゃれたアレンジにしてたと思うんです。だから、今回はしたたかに作ったと言うよりは、愚直なまでにやりたいことをやったのかなって気持ちはありますね。
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--なるほど。賛否両論を予想していたというのは、バラードに対してですか?

MASAYA:いや、「ラスト・ピース」に限らず、「火華~HIBANA~」を聴いて、“どうしちゃったんだ?いきなり和装して!”とびっくりされるとか、全体通してですね。3曲目の「パブリック・ハウス」は、これこそチェリコって感じなんですけど、5曲目の「Social Network Slave」は玄人好みすぎるんじゃないかとか。

――ああ、ブルージーでハード・ロッキンなアレンジが。

MASAYA:レッド・ツェッペリンやストーン・ローゼズの2ndアルバム『セカンド・カミング』の「ブレイキング・イントゥ・ヘヴン」を意識しましたから。そういう意味では、楽しんでもらえるのかな。大丈夫なのかなって。ただ、みんな“マンセー!マンセー!”じゃつまらないから(笑)、賛否両論あるぐらいのほうがいいんですけど、1から10まで説明するのイヤじゃないですか。この曲はね、こういうあれでねって。そうじゃなくて、やっぱり純粋に楽しんでもらいたいですからね。

--僕はすごく楽しかったですけど。

MASAYA:ありがとうございます(笑)。

--いや、だって、「火華~HIBANA~」「Daydream Believer」「パブリック・ハウス」「Flame」という前半の4曲と、後半の「Ark Line」「ラスト・ピース」「Of Music」では、同じバンドとは思えないくらい曲の幅が広いじゃないですか。そこが楽しいと思うんですけど、「ラスト・ピース」のようなバラードは昔だったら歌えなかったですか?

KAT$UO:バラードはこれまでもありましたけど、言ったら失恋ソングみたいな世界観を、個人的な視点で歌詞にするって初めてでしたね。個人的な視点っていうのは、歌の主人公の主観って意味なんですけど、今回、そこは今までやったことがないことに挑戦してみたいという気持ちもあって、意識的にやってみました。

--「ラスト・ピース」はこれからライヴでも歌っていくことになると思うんですけど。

KAT$UO:どの面下げて歌えばいいんですかね(笑)。

--いやぁ、ライヴの聴きどころになると思いますよ。

MASAYA:山崎まさよしさんとか、スガシカオさんとか、ダメな男のことを歌うじゃないですか。そういうところがかっこよくて、好きだなって思うんですけど、20代の若い男が歌うわけじゃないから、しみったれた感じがよけいにかっこよかったりするんですよね。だから、KAT$UOさんはめちゃめちゃ合うと思うんですよ。

――そうですね、とは言いづらい(笑)。

MASAYA:2人でDIET COKE$って弾き語りを、バンドで出られない時にやるんですけど、KAT$UOさんに山崎まさよしさんの曲、歌ってもらいましたよね。

KAT$UO:やったね。

MASAYA:〈路地裏の窓 こんなとこにいるはずもないのに〉みたいな。

KAT$UO:「One more time,One more chance」ね。

MASAYA:やっぱ、合うなと思いました。声の枯れた感じと歌詞のしみったれた感じが。だから、「ラスト・ピース」、ライヴでやってもかっこいいと思いますよ。

--今回、ヴォーカリストとしての魅力を再確認しました。

KAT$UO:あら、うれしい(照)。

--歌声が染みるんですよ。

MASAYA:僕なんかは器用貧乏タイプなんですよ。でも、僕が好きな海外のミュージシャンって、みんな一点突破タイプなんです。イングヴェイ・マルムスティーンとか、マイケル・シェンカーとか、リッチー・ブラックモアとか、万人が望むプレイができるわけじゃないけど、自分のスタイルに関してはハンパじゃない。そういうミュージシャンに憧れてきたはずなのに、自分はどんなジャンルでもそつなく、なんとなくこなせるタイプのプレイヤーになっちゃったなと自分では思うんですけど、KAT$UOさんは一点突破タイプで、他のヴォーカリストにはない突破力を持っている。長年、一緒にやってきて、それは思いますね。

KAT$UO:初めて聞きました。俺、そういうタイプなんだ(笑)。

MASAYA:車に例えれば、アメ車。僕なんかは日産マーチ。小回りが利く(笑)。

 

--でも、その突破力と器用さが合わさるからこそ、これだけバラエティーに富んだアルバムが作れるんじゃないですか。

MASAYA:ああ、その一言で救われました。ありがとうございます。ハハハハ。

お客さんからも“チェリコは売れてもいいよ”って言ってもらえるんですよ(笑)。

--ところで、20年やってきたからこそ歌える曲は、「ラスト・ピース」以外にもあるんじゃないでしょうか?

KAT$UO:「Ark Line」も、「Of Music」もそんなふうに言ってもらうことが多いんですけど、俺の中ではそんなに抵抗はなかったですね。確かに言われてみると、昔だったら歌詞にしないような、ほんとストレートなことやこっぱずかしいようなことも普通に歌っていて。でも、それも自分の中から自然に出てきたものなんです。「Of Music」も普段、ライヴのMCで言っていることを伝えたいと思ったんですよ。“チェリコのライヴは曲を知ってるとか、知らないとかじゃない。その場のノリで楽しめるから”っていつも言っているんですけど、そうすると、お客さんも“CDを買わなくてもチェリコのライヴは楽しめるよ”って。ふざけんなと思うんですけど(笑)、そういう音楽の楽しさをせっかくだからアコギ1本で表現しよう、それかっこいいんじゃないかってやってみたり、「Ark Line」は昨年、僕らメンバーで会社を立ち上げたんですけど。
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--その会社の名前でもありますね。

KAT$UO:そうなんです。箱舟の航路って意味なんですけど、ノアの箱舟の話あるじゃないですか。ノアの家族とすべての動物のつがいを乗せたっていう。でも、あれに乗れなかった人たちは洪水に流されて、生き残った種が次の時代を作っていったっていうところで、その選別は誰がしたんだろうって。同じ人間なのに乗れる人と乗れない人がいる不条理って決して神話の中の話じゃなくて、今の世の中にもあるじゃないですか。そういうコントロールする人がいて、その人たちの匙加減で動いていく世の中に対するメッセージを歌ってみたんです。人が命を奪われるって、戦争だけに限らず、病気だったり、事故だったり、いろいろあるけど、選ばれる人、選ばれない人って何なのかなって考えると、いろいろ思うところはありますね。

--「Ark Line」は今回のアルバムの中で特に好きな曲なんですけど、〈人を愛して家族が出来て掛け替えない命が生まれ そんなあの娘は守るものがあった〉というフレーズは、元メンバーのtomoさんを連想させますね。

KAT$UO:ああ~。tomoちゃんのことだけを歌ったわけではないんですけど、彼女、波乱万丈な人生を送っていて、そういう破天荒な娘も子供ができて、立派にお母さんをやっている。感慨深いものがありますよね。そういうことってあるんだなってその情景を思い浮かべたっていうのは確かにありましたね。

MASAYA:レコーディングしているスタジオに子供を連れて遊びに来てくれたんですよ。

--ベートーヴェンの「交響曲第9番」のメロディーがモチーフとして使われていますね。

MASAYA:ええ。コーラスもホールで聖歌隊が歌っているイメージで〈ララララ〉にしました。クラシックも好きで、「火華~HIBANA~」にもちょっと入れているんですよ。

--そういうところがキャッチーと言うか、耳に残りますよね。

MASAYA:キャッチーって言われると、めっちゃうれしいです。前作の『THE ANSWER』を作ったとき、KAT$UOさんにキャッチーとポップの違いを教えられているんで、僕は。

KAT$UO:どの立場なの、俺?(笑)

MASAYA:前作を作ったとき、“ポップとキャッチーは違うと思うんだよね”っていう話をしたんですけど、それまで考えたことがなかったんですよ。ほぼ同義語だと思ってたんで。だから、KAT$UOさんが“違うと思うんだよね”って言ったとき、何を言ってるのかなって思ったんですけど、“メロディアスじゃなくてもキャッチーだったりするじゃん”って言われて、ああ、確かに確かに。耳をとらえるインパクトがあるならって。

KAT$UO:僕がMASAYAに教えました(笑)。ホワイトボードに書きながら。ハハハハ。

MASAYA:だから、キャッチーって言われると、うれしいですね。そこは前作からすごく意識しているので。メロディアスなバンドって今いっぱいいるし、とてもいい曲を書く人たちも世界中にいっぱいいる。じゃあ、自分たちにできることって何かなって考えると、これかなっていう。

--なるほど。キャッチーということに繋がるのかもしれないですけど、意表を突く展開が曲の中に幾つかあって、たとえば、「Flame」の〈燻る紅い炎が〉で転調するところとか、「桜舟~Sail Of Life~」のsuzuyoさん(A.Sax/Tin Whistle/Harmonica/Vo)が歌うパートとか。

MASAYA:ああ~。

――それまでの流れからガラッと変わるじゃないですか。それがそれこそキャッチーで、すごく耳に残るんですけど、意識してやっているんですか?

MASAYA:あまり言ったことはないんですけど、アイリッシュ・パンクをはじめ、民族音楽を取り入れたロックの進化をチェリコが推し進めないとダメだと僕は大真面目に考えているんです。僕、ポーグスもフロッギング・モリーも大好きですけど、ポーグスが曲の中で転調するかっていったらしないわけですよ。でも、それと同じことを僕らがやってもしかたない。もう後がないと言うか、音楽的な進化がない。今のアニソンのほうがよっぽど進化しているんですよね。もう平気で転調、ばんばんするし、でも、すげえキャッチーで。それを聴いたら、やっぱり遅れていると思うんですよね。民族音楽を取り入れたロックは。もちろん、それがアイリッシュだ、レゲエだ、スカだっていう考えもあると思うんですけど、そのままじゃ未来がないという危機感が僕はある。だから、僕たちがこの音楽を、世界的に進化させていかなきゃいけないと勝手に思って、そういう要素を入れているんです。だから、転調も狙ってやっています。
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――冒頭で遅ればせながら、チェリコの大ファンになりましたと言いましたけど、僕が今回、大ファンになったのは、まさにアイリッシュ・パンクの進化を感じた、そういうところだったんですよ。

MASAYA:今いる僕らの立ち位置って日本武道館を満杯にできるわけじゃないですけど、でも、第一線でやらせてもらっている自負はあるので、そこで僕らができる限りのことをやり尽くして、残していかないと、後に続く者も出てこないんじゃないかな。今、評価されたいとは思いますけど、僕らが死んだあと、それを聴いてきた奴らが出てくればいいかなという思いもありますね。今回のアルバムを聴いて、“あ、こんなことできるんだ。じゃあ俺もバンドやってみてえ。こんなわけわからないバンドを”みたいに思ってもらえたらうれしいですよ。

――なるほど。20年やってきたチェリコは、これからどこを目指すのか、最後に尋ねようと思っていたんですけど、最後の質問の答えが出てしまいましたね(笑)。

KAT$UO:まさにMASAYAが言った通りですよね。人ができることをやってもおもしろくないと言うか、自分が満足しないだろうしってところじゃないですか。他のバンドやったことないからわからないですけど、楽しいからやるっていうのは絶対条件だし。だから続けてこられたんだろうなとも思いますね。極端なことを言ったら、アイリッシュ・パンクじゃなくなっても俺らはいいんです。この6人でやって、それが全然違うものになってもいい。これをやらなきゃいけないっていうのはないんです。自分たちがいいと思うものを推し進めていくだけで……それやって売れたいですね(笑)。

MASAYA:ハハハハ。それ一番だよね。昔は売れたいって言うのはダサいとか、恥ずかしいとかってあったかもしれないけど、僕らもいろいろ楽しい企画があるんですよ。たとえば、KAT$UOさんが言ってたんですけど、日本で2泊3日、1,000人規模のクルージング・ライヴを、けっこうな数のバンドを誘ってやりたいんです。でも、それって自分らの集客力が船を満杯にするぐらいないとできない。だったら売れるしかない。だから、今は売れたいって素直に言えますね。いいものをやっている自負もありますし。ありがたいことに、お客さんからも“チェリコは売れてもいいよ”って言ってもらえるんですよ(笑)。マニアックなファンって売れたら嫌がるじゃないですか。でも、チェリコのファンは、“売れて、もっと売れて”って(笑)。

KAT$UO:まるで、こっちが意図してアンダーグラウンドに留まっていると思ってる(笑)。

MASAYA:だから、“違うんだよ。がんばってるんだよ。俺たちも”って(笑)。でも、そんなふうに背中を押してくれるお客さんがたくさんいてくれるってありがたいですよね。




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“OLDFOX”
01. 火華~HIBANA~
02. Daydream Believer
03. パブリック・ハウス
04. Flame
05. Social Network Slave
06. 蒲田行進曲
07. Ark Line
08. ラスト・ピース
09. Of Music
10. 桜舟~Sail Of LIFE~
11. Brigade
CD / TKCA-74837 / ¥2,591+税



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