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live report

タイトル

SHANK "Acoustic Live 2020" LIVE REPORT!!

Report by SUNEO
Photo by 岩渕直人


2020.9.6
SHANK "Acoustic Live 2020"
@恵比寿 LIQUIDROOM


知っての通り、今までの日常とは違うニューノーマルなんて言われ始めたこの状況下、ライブハウスに行けるなんて、、この機会を作ってくれたことにまず感謝したい。
とはいえ、万全の対策で運営上しっかりと整備された場内は、言い表せない緊張感が漂っていた。通常であれば1000人も入る会場に、収容キャパ25%程度の椅子を置き、ソーシャルディスタンスを保ちながらのフロアは、ガヤ感がやっぱり少ない、、、というか無い(笑)。いつもライブが始まれば、フロアをめちゃめちゃにしているオーディエンスたちが、こんなにも「良い子」たちだったのか、と見る目を改めさせられた。ただ、おそらく久しぶりであろうライブハウスに言い知れぬ興奮をしているのは伝わってくる。アコースティックライブであろうと、生で音楽を感じるということは、文字では伝えられないものがある。

 いつもの SE は流れずに、ステージにいつも以上にフラットに現れたSHANK。東京でのライブを何度も観させてもらっているボクは、いつも「気負いがない」と表現しているが、今回は少し固めな雰囲気にもとれた。この状況下での初のライブハウス(?)、初のアコースティックセット、ちょっとしたブランク、、どれもそうさせるには十分な素材が揃っている。「気負いがない」彼らから垣間見れた「揺れ」みたいなものはおそらく、この瞬間にいた人だけにしか感じ得なかったものだろう。ちなみに一部を見させてもらっているので、配信をされた二部でソレがあったのかどうかはわからない。ファンにとってもレアな瞬間を見れた人はラッキーだったと思う。

 「長崎、SHANK始めます」確か、そう言って通常のライブであれば始めてたと記憶しているが、今回はそんなこともなく、集まってくれたオーディエンスへの感謝の言葉と、メンバーの談笑からスタート。イレギュラーだが、それもまたいい。レポをしているとセットリストをもらって、原稿を書く準備をしていることが多いのだが、今回はボク自身もスタンスを変えてありのままを感受してみようと、イレギュラーに(何の用意もせず)待っていると、庵原(Vo/Ba)がアコースティックギターを持っていることに、まず二度見した。てっきりアコースティックベースかと思っていたら、アコギだった。ただ、1曲目が“Surface”だろうな、、という予想は当たった。絶対にアコースティックアレンジが合うと思っていたからだ。演奏が始まって、普段の生活では味わえない音量を浴びると、「やっぱり、これだな」とも思えた。「ありがとう!SHANK!」と思っているのはボクだけではないはずだ。「企業説明会」みたいとメンバーに揶揄されたオーディエンスも、こちらから顔を覗き込めば、マスクから溢れた笑顔を読み取れる。
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自ら「渋っ!」と称した“Departure”から、まさかアコースティックセットでやることになるとは思ってもなかったであろう、リリースしたばかりの“Candy Cruise EP”に収録されている“Rising Down”を披露。こうやって文字にすると一瞬だが、曲間もじっくりと時間を使い、いつも以上にゆるかったことを書き記しておきたい(笑)。あと、わがままが許されるのであれば、通常のバンドセットで“Rising Down”を聴きたい。

「ちょっと、人の曲、、」と、斉藤和義氏のデビュー曲“僕の見たビートルズはTVの中”を庵原がベースに持ち替えて披露。「SHANKが日本語を歌っている!」ということに新鮮さがまず飛び込んできつつも、終えるころには何の先入観も残らずにいい曲だったなーという印象になっていて、SHANKの芸の広さを感じた。芸達者。そもそも1993年リリースの楽曲なので、オーディエンスのほとんどが新曲として受け取っていてもおかしくない程、SHANKに合っていた。選曲センスもいい。
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“Honesty”を終えると、“My sweet universe”の完成秘話を吐露。1枚目のアルバムを出したツアー中に2枚目のミニアルバムが出ることを発表されたメンバーが慌てて、静岡の車中で作り上げたという涙なしでは聞けない(笑)苦労話をさもここは楽屋(?)かのテンションでステージ上で話していた(笑)。普段であればこんな話なんてしないのになーと思いつつも、フロアのオーディエンスは嬉々として聴き入っていた。
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思い返してみれば、レアな瞬間を多発してたショウだった。いつもであれば、ステージ上のトラブルを未然にケアしているスタッフが袖でまったりとお酒を飲んでいたり、ライブのステージ上ではあまり話すことのない池本(Dr/Cho)がMCにやたらと参加していたり。そんないつも以上に活躍(笑)していた池本が「絶対に曲に仕上げた方がいい」と庵原、松崎のやる気スイッチを押して出来た“Love and Hate”も秀逸だった。アレンジに苦労したのか、何度もやり直してたが、それもまたご愛嬌だし、レアな瞬間の上乗せだ。
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  トイレ休憩&ドリンク休憩などを取り入れつつ、「ゲストが来てます」と一旦メンバーが全員ステージを去り、スペシャルゲストアクトが披露された。 詳細は来場者だけの思い出として割愛させて頂くが「ボクは何を見せられてるんだ」感はあったものの、オーディエンスのウケもよく、ファンサービスは大成功だったといえる。

 意外な選曲だなと思った“Smash The Babylon”から、“Good Night Darling”へ。疾走感がオーディエンスにとっても堪らないこの2曲のアコースティックは飛び抜けて新鮮さがあった。オリジナルでのビートチェンジ部分や楽曲内での圧の足し引き、アレンジに際して難しかったのではないかとも想像した。一転、このセットでは絶対に入るだろうと思っていた“Wake Up Call”。“WANDER SOUL”リリース時のインタビューで、ボク自身が「TAYLOR SWIFTに通ずる部分もある」とメンバーに投げかけたところ、池本から「マジ、テイラーですからね。」と回答をもらった位なので、アコースティックで聴きたかった楽曲であった。感想は言わずもがな、最高。その他の形容詞は要らない。
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レゲエからスカに“Wall Ride”の「らしい」アレンジから、「待ってました!」の“Set the fire”に。「CDとアレンジ変えるのが嫌い」と以前のインタビューで発言してきた彼らに、面と向かって言えなかったが、、実は“Set the fire”はアコースティックでこそやってもらいたかった楽曲であった。センチメンタルなリフにエモーショナルな歌声、、、と書いてしまえば安っぽくなってしまう。「メッセージ性が無い」と言い切っている彼らの楽曲なのに、こうも情感が乗ってしまうか、、、その謎がさらに惹きつけていくんだろうな、と変に納得してしまう部分もある。ここで終わりと思いきや、最後に「練習していないけどやろう」と“Movie”を披露して終幕。
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SHANKの楽曲は、奥底にあるヴィンテージロックやカントリーロック(現状のロックと差別化するために使ってるワードです)、これが滲み出てる。アコースティックだとさらにそこが輪郭を出してきて、やっぱり良質なバンドだなと思わせてくれる。楽曲の持つ勢いや圧ということもライブハウスには重要なことではあるが、それらは曲の体幹にしっかりとしたロックが作用してこそだ、と再認識させてくれる。「アコースティック、難しい」と漏らしていた通り不安定さはあったものの、誤魔化しのない姿で勝負したSHANK。やれることをやる。やったことの積み重ねで次の目指す先が見えてくる。「もう、アコースティックセットはやらない」的な発言もあったが、この日があってこそ、この日までがあってこそだとも考えられる。「この日はレアなんで」、、“Candy Cruise EP”の楽曲たちはまだ本域のSHANKで披露されてない。かつて「メロディックパンクなんて背負ってない」なんてことも言っていた彼らだが、メロディックパンク然としたSHANKをついつい求めてしまうボクもいる。色々なことが浮き彫りになってきた現在だからこそ、気負わず自然体な彼らの魅力が際立ってくるのではないか、とも思いながら、またライブハウスでSHANK然としたSHANKに会える日を心待ちにしている。



[SETLIST]〜第一部〜
01. Surface
02. Departure
03. Rising Down
04. 僕の見たビートルズはTVの中(オリジナル:斉藤和義)
05. Honesty
06, My sweet universe
07. Love and Hate
08. 青春アミーゴ(オリジナル:修二と彰)
09. Smash The Babylon
10. Good Night Darling
11. Wake Up Call
12. Wall Ride
13. Set the fire
14. Movie

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