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タイトル

ROCK CLASSICS SELECIONS Vol.04 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi

この世に数多溢れる名盤と呼ばれる音源の数々。このシーンにおいても、そんなキラキラ金ピカのままに輝き続けるロックのクラシックが存在するわけです。この連載企画"ROCK CLASSICS SELECTIONS"では、現在のシーンに繋がるパンク、ロック、ラウドの名盤を各セレクターにピックアップしてもらい、セレクターの思いと共にお届けしたい。このシーンが好きでCDショップやサブスクでもっとディグりたい! というアナタに捧げる名盤特集。最高のロックエクスペリエンスをどうぞ!
第4回目のセレクターはBONE$ aka Shuhei Dohiが担当。今回はポップパンクについて!! 記事のラストには、前回に引き続き、今回のセレクトに基づくオリジナルプレイリスト(Spotify)も掲載しているので、聴いてみて。ナイス・パンク・クラシック・プレイリストなんで!

Select ROCK CLASSICS

enema

blink-182 “Enema Of The State”(1999)


"こんにちは、BONE$です。前回のRAGE AGAINST THE MACHINEは「ラウド」ということで今回は「パンク」をテーマにお送りします。
栄えある1枚目を何にするか非常に悩みました。アーティストを決めてもなお、どのアルバムにするかを選びかね、悩みに悩んだのがこの1枚でした。

blink-182『Enema Of The State』。


1999年に発売された本作を説明する前に、blink-182について軽く触れていきましょう。
バンドは1992年に結成され当初「blink」という名前でスタート、しかし同名バンドから訴えられ「blink-182」に改名。この数字には諸説あるものの、各メンバーの適当極まりないコメントにより真意は不明、その辺の態度も非常におナメあそばしておりますね。
サンディエゴという郊外住まいの中流階級白人(つまり普通の子)だった彼らのアティテュードは、洗練されたパンクというよりただの悪ガキ。1993年にデモテープ「Fly Swatter」をリリースし、『Buddha』『Cheshire Cat』をリリース。
1997年にはメジャーレーベルMCAとサインし、2ndアルバム『Dude Ranch』をリリース、NOFXやPENNYWISEらと共に数々のツアーをこなします。
1998年にオリジナルドラマーのスコット・レイナーが大学進学を理由に脱退し、敏腕ドラマーのトラヴィス・バーカーが加入。皆さんご存知のトリオとなり、いよいよ今回のお題目である『Enema Of The State』をリリース。人気に火がつくどころか超ド級のビッグバンとなってバンドは現在のポジションを確立していきます。

本作が発売された当時のことを意外な人が語っている映像がアップされていますので、YouTubeで"Joey Cape talks blink-182"を検索してみてください。
インタビューに答えているのはLAGWAGONのジョーイ。こんなことを話しています。

「"Enema Of The State"が発売された、まさにその時期、LAGWAGONはblink-182とバスをシェアしながらヨーロッパでツアーしていて、マークとトムは本国での売上枚数を電話で聞いていたんだ。初週で8万枚を売ったと言われていて、それは僕らのレベルではありえない枚数だった。でもヨーロッパでは、まだその人気は届いていなくて、前座の彼らには誰も見向きもしていなかった。ステージにでっかい石を投げ込むヤツまでいたんだ」。

この映像……まず、ジョーイがblink-182のことを語っていること自体に目頭が熱くなります。眉間を押さえざるをえません。
しかしながら、彼らが如何に本作で世間的に名を上げたのかがわかる事実ではないでしょうか。ジョーイは「“Enema Of The State”の曲を聞いた時、“Smells Like Teen Spirit”(Nirvana)を聴いたときと同じ感覚で“これはきっとレディオヒット(のような存在)になる”と感じた」とも語っています。くっそ興味ぶけぇ〜わぁーー。

本作以前のblink-182はどちらかと言うとスケートパンクの枠にとどまった存在でしたが、リリースをきっかけにどんどんメインストリームのキッズに刺さりまくっていきます。
郊外出身の“自分みたいな”悪ガキの三人が、彼女のことや、親や学校への不満などの身近なテーマを歌ったことが当時のキッズの心には響いたのです。名プロデューサー ジェリー・フィン(RANCID、GREENDAY)と共同制作された本作はキーボードや、それまでのパンクではありえなかったドラムパターンがフィーチャーされた斬新な内容。聴きやすくも新しい楽曲が並びます。

彼らはMVにも定評があり、悪ノリ全開のビデオカットはさらに人気に拍車をかけMTVでヘビーローテーション。代名詞にもなっていきます。

※すっぽんぽんで街を走りまくる”What's My Age Again?”

※当時の人気アイドルのビデオを真似してクサしまくる“All The Small Things”

当時、ポップカルチャーにおいては、スケーターのTONY HAWKや、MTVでの人気番組「JACKASS」が全盛期を迎えており、スケート、クソガキ、悪ノリがイケていた時代でした。blink-182もその流れの一端を担ってどんどん人気はお茶の間レベルに。
また、MTVの人気生放送番組「TRL(Total Request Live)」も大きく影響。視聴者のリクエストをランキング化、生放送ライブもあったこの番組は、YOUTUBEもSNSもない当時のティーンの情報源として欠かせないものでした。学校から走って帰ってカバンをぶん投げて見るような番組だったようです。

※月曜〜木曜放送だったTRL。日本でいうとミュージックステーション的な感じ。スターがみんな若い。

FAT WRECK CHORDSやEPITAPH RECORDSがパンクの主流(GREEN DAY、THE OFFSPRINGは例外)だった当時、Bad Religion、Pennywise、NOFXそしてDescendents、Screeching Weasel、The Vandalsのフォロワーとして登場し、それだけに止まらずThe Cure、Buzzcocksなどの柔らかでナイーブなトーンを持ち込んだ音楽性も非常に新しかったこと、そしてキャラ立ちしたフロントのトムと、マークに加え、さらに際立ったバカテクなトラヴィスが合流したことで、無敵モードとなったblink-182。

「POP PUNK」という言葉を生み出し、世に知らしめたことこそ彼らの最も大きな功績だと思います。今は当たり前の言葉が生まれた瞬間、それこそが本作なわけです。

彼らのヒットを受け、GOOD CHARLOTTE、MEST、SUM 41、SIMPLE PLANそしてNEW FOUND GLORYなどなどの名だたる後続バンドが続き、SKATE PUNKからPOP PUNKへと時代は一気に変貌を遂げていきました。Paramoreや、Fall Out Boy、果てはTitle FightやThe Story So Far、State Champsもblink-182なくしては生まれていないでしょう。(きっと。。。。)

メンバー個々の様々なバンド外活動、別バンドも多数あるblink-182。悪ふざけがフォーカスされがちですがミュージシャンとしても非常にレベルが高い彼ら。新作が毎回楽しみだったのですが、2015年にまさかのトム脱退!! 「いったいブリンクどうすんだ!?」と世界中が注目するなかまさかのマット・スキバ (Alkaline Trio)が加入。まさかに、まさかが重なりまくる……どえらい加入劇を経て、このラインナップでも平然とアルバムを出し続けている現在。発売から20年以上が経過し『Enema Of The State』はアメリカンロックを担うクラシックとなっています。

いつ聴いても全く古く感じない本作にまつわるプレイリストを今回も組んでみましたので、思いを馳せながらお聴きください。



Selecter's Profile bones
Hollow Suns(Vo/Gt),As We Let Go(Gt),Doggy Hood$(Gt)として活動中する傍ら、Webデザイナー/コーダー/ディレクター、ファッションブランドWeird Nerveのディレクションなども担当。ロック、パンク、ハードコア、ヒップホップに傾倒し、ひたすら東京をレペゼンするが実は福井県出身。東京育ちだということだけは言わせてもらいたい37歳。
https://www.instagram.com/bones0513/
https://twitter.com/bones0513
http://hollowsuns.com/top/


いかがでしたでしょうか、連載企画"ROCK CLASSICS SELECTIONS"。
blink-182、私も今聴くと甘酸っぱい10代の記憶がフラッシュバックします。ポップパンクよ、永遠に!
それでは、第5回目もお楽しみに!!

ROCK CLASSICS SELECIONS ARCHIVE

Vol.03 selected by SENTA from NUMB - HATEBREED / Satisfaction Is the Death of Desire (1997)

Vol.02 selected by TAISHI IWAMI - Matthew Sweet / 100% Fun (1995)

Vol.01 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - Rage Against the Machine / S/T (1992)