対談:GEN × TAPPEI ー04 Limited SazabysのニューEP “VIEW”で表現したポップさの裏にある毒と尖り
04 Limited SazabysがニューEP『VIEW』を9月30日にリリースした。そのアートワークを手掛けたのはタトゥーアーティストのTAPPEI。
遊び心あふれるパッケージ、そして手に取る人をワクワクさせる目を惹くデザインに仕上がっている。何より可愛い!
今回が初のコラボレーションとなったわけだが、両者の価値観には共通するものが多々あった様子。そのアートワークに込められた思いやデザインの背景にあるストーリーを話し合ってもらおう。取材場所はTAPPEIのアトリエ兼作業部屋、TAPPEI ROOM!
Photography_Riki Yamada, Interview&Text_Ryo Tajima
TAPPEIにやってもらえるなら何でもいいやって
ーGEN
最初に送ったラフがほぼ採用でした
ーTAPPEI
——まず、今回お二人がタッグを組むことになった経緯から教えてください。
GEN: なんとなく『TAPPEIがいいんじゃないか』って思って声をかけさせてもらったのがきっかけです。でも、めちゃくちゃ忙しいのを知っていたしスケジュールもタイトだったので、ダメ元で聞いてみたら二つ返事で。「全然大丈夫ですよ!」って言ってくれて。細かいことを話す前に引き受けてくれたのが嬉しかったですね。
——もともとお二人には親交があったんですか?
GEN: 最初は僕が普通にタトゥーを彫りにTAPPEIのスタジオに行ってたんです。SNSで作品を見ていて、一方的にファンだったので。
TAPPEI: 最初は彫りに来てくれたところからでしたね。
——TAPPEIさんのタトゥーのどういう点に惹かれたんですか?
GEN: 落書き感ですね。僕のタトゥーの入れ方も、大きな柄をドカンと入れるのではなく、ちょこちょこ落書きみたいに入れていくタイプなので、それも含めてすごくいいなと思ったんです。
——今回のニューEP『VIEW』のアートワークについて、打ち合わせではどういう話をしたんですか?
GEN: ほとんど具体的な話はしていないです。「こういうのがいいな」という雰囲気をなんとなく伝えたくらいで。正直、TAPPEIにやってもらえるなら何でもいいやと思っていたんですよ(笑)。
TAPPEI: そう言ってもらえたのがめちゃくちゃ嬉しかったです。ざっくりとしたイメージだけ聞いて音源を送ってもらって。「何でもいいよ」と言ってくれたので、細かく内容について聞くより、音源を聴きながら自分でイメージを膨らませて、それで一発目に送ったラフが「めちゃくちゃ良い」って言ってくれて。ほぼそのまま採用になりました。

荒廃した世界の中でキャラクターが楽しく過ごしているイメージが思い浮かんで
ーTAPPEI
——荒廃したビル群を描くというアイデアはどこから?
GEN: これは自分から伝えたものなんですけど、最近テクノロジーが発展し過ぎているじゃないですか。文明が去って、また戻ってきている感じというか。最近、『クロノ・トリガー』(ゲーム)を思い出していたんですけど、原始時代以前にめちゃくちゃ文明が発達している時代があるじゃないですか。あの感じで人間以外の生き物がいる感じがいいなと。
TAPPEI: 僕も音源を聴きながら、ボロボロになったビルの中でキャラクターたちがやんちゃに楽しく遊んでいるイメージがパッと浮かんできたんですよね。世界は荒廃していても、彼らは楽しそうに過ごしているという。
GEN: 最初は丸型のパッケージで頼んでいて、モノクロに一色明るい色が入るくらいのイメージだったんです。打ち合わせで「BAD BRAINSのジャケみたいなモチーフも入れたい」とは口に出して言っていなかったんですけど、TAPPEIが描いてくれたラフに自然と雷が入っていて(※)。
※ハードコアバンド、Bad Brainsが1982年に発表したアルバム『Bad Brains』のアートワーク。ホワイトハウスに稲妻が落ちる様子が描かれている。
TAPPEI: 後からその話を聞いてびっくりしました(笑)。僕もベースはハードコアなノリで描いていたので、意図せずとも意識が合っていたんだなって。
GEN: 逆に変に指定してしまうとパロディ過ぎのものになる可能性もあったし、そうなるのは嫌だなと思っていたんですけど、結果的にすごくいい仕上がりになったと思っています。



——今回のパッケージは、夜と昼の仕掛けや蓄光プリントなど、かなりこだわりが詰まっていますね。
GEN: そうですね。だから、結果的に四角いパッケージになって大正解。昼と夜のパターンがあったら面白いんじゃないかとか、中央に穴が開いていて中が夜で外が昼という構成は僕から提案させてもらって。
TAPPEI: そこから発想を膨らませて、穴から覗いているキャラクターの目を蓄光で光らせて、普通に知らずに買った人が夜部屋に置いたらチラッと光ってたら可愛いんじゃないかとか、いろいろアイデアを出させてもらいました。
——このキャラクターはどういう生き物なんですか?
TAPPEI: 最初はGENさんが猫好きだから猫を描こうとしたんですけど、描いてる途中で犬っぽくなっちゃって(笑)。耳が「04」の形になっている何かわかんない猫のような生き物です。で、僕がよく描く「UFO犬」っていうキャラクターがいるんですけど、その頭蓋骨を再利用してメインのキャラクターがUFOにして飛んでいるという裏設定もあります。
GEN: え、これ頭だったの!?(笑)。
TAPPEI: そうなんです。夜のシーンではこの頭蓋骨UFOに乗って飛んでいて、昼のシーンまで飛んでこられるというストーリーがあるんですよ。パッケージを開くと空を飛んでいるのが見える仕掛けになっています。
GEN: そうやってどんどん面白がってアイデアを出してくれるのが楽しかったですね。TAPPEIはアーティストなので無理に指示を出すこともしませんでしたけど、作業も早くて本当に助かりました。
——デザインの中でGENさんが特に気に入っている部分は?
GEN: みんなでスヤスヤ寝てる絵ですね。キャラクター自体にちょっとした毒気や悪さがあるのに、寝顔はみんなめちゃくちゃ可愛い(笑)。
TAPPEI: 可愛いですよね、めっちゃ寝てて。

アウトプットはキャッチーだけど根底に“尖り”があるものに惹かれる
ーGEN
——バンドのジャケットを手掛けるのは、TAPPEIさんにとっても珍しいのでは?
TAPPEI: そうですね。奥さん(UCARY & THE VALENTINE)の作品くらいしかやったことがなかったです。やっぱり、仲が良くて関係性がある人の作品をやりたいと思っていたのであんまりやってこなかったんです。今回はGENさんだし、何よりフィジカルとして実物になるっていうのがテンション上がりましたね。グラフィックでここまで立体的に作り込んだパッケージは初めてだったので、すごく楽しかったし勉強になりました。
——では、フォーリミとTAPPEIさんの共通点はどこにあると思いますか?
GEN: 可愛いけど尖っているところですね。ポップだけどポップなだけじゃなくて、毒があったりどこか狂っているような質感。最終的なアウトプットはすごくキャッチーなんだけど、その根底にある尖りをしっかり感じるものに惹かれるし、僕自身もそういう音楽を作りたい。TAPPEIのアートワークにはそれを強く感じます。
TAPPEI: 僕もまったく同意見です(笑)。

青春時代の匂いをちょっと落とし込んで
ーGEN
——今回のEP『VIEW』は、バンドにとってどんな位置付けの作品になりそうですか?
GEN: 今回のEPは「青春時代」みたいなものがわりと大きなテーマだったのかもしれないです。青さというか。僕もノスタルジーを感じやすい年齢になってきたので。クレヨンしんちゃんのオトナ帝国(『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』)で『懐かしいことの何がいいんだろう』みたいな。そう言ってたはずが、やっぱり言ってる側になってるなって。今はなつかしいものがすごく好きだし、インターネットが発展していなかった頃のことをすごく考えちゃうので、そんな青春の匂いを少し落とし込もうと考えていたと思います。B-DASHのカバーを入れたのも、僕が中学生の頃に初めて観に行ったライブがB-DASHだったから。これを機にB-DASHを知らない世代にも知ってもらえたらなと。選んだ曲は「KIDS」ですけど、ど直球な青さがある歌詞もたまらないですから。
——今回、初のコラボレーションとなったわけですが、アートワーク以外に予定していることはありますか?
GEN: ツアーのグッズもお願いしていますからね。次はその制作です。Tシャツやタオルはもちろん、TAPPEIはいろんなアイディアをくれるので、一見いらないような突拍子もないものも作りたくて。
TAPPEI: そういうの、めっちゃいいですね! 昔、展示のグッズで裏返しのトートバッグを作ったら、お客さんに「普通に表がいい」って言われて全然売れなかった経験があるんですけど(笑)。そういう攻めたラインナップも考えてみたいです。
GEN: 前に出してた「1秒時計(秒針のみの時計)」は評判よかったの?
TAPPEI: あれはけっこうよかったんですよ。
GEN: そっか(笑)。そうだね、例えば左右が揃っていないソックスとか。ちぐはぐなものとか。いい感じのダサいやつも作れたらいいな。ラグもいいよね。TAPPEIも前に作ってたけど、あれってツイスターになるんでしょ。そんなエッチ機能が付いてんの!? って思ったもん(笑)。あれは見事だった。
TAPPEI: ありがとうございます。あ、4時しかない時計とか。そういうのどうですか?
GEN: 4分で1周するとかね(笑)。TAPPEIはスーパーアイディアマンだから、「もうそれでいいじゃん!」ってなることが多い。話していて楽しいよ(笑)。

INFORMATION

04 Limited Sazabys EP「VIEW」(CD+Blu-ray)
¥4,444 (tax in)
9月30日リリース
https://www.04limitedsazabys.com/feature/view
[CD]
01.Sailin'
02.Over
03.ROUTE
04.KIDS
[Blu-ray]
"HOMESICK" live & document (2026.04.04 TOYOHASHI)
04 Limited Sazabys VIEW tour 2026
10月2日(金) KT Zepp Yokohama
10月8日(木) Zepp Fukuoka
10月9日(金) Zepp Osaka Bayside
10月21日(水) Zepp Haneda
10月22日(木) Zepp Haneda
10月30日(金) 仙台GIGS
11月1日(日) Zepp Sapporo
11月4日(水) Zepp Nagoya
11月5日(木) Zepp Nagoya
<チケット料金>¥6,600(+tax) ※別途入場時ドリンク代必要
https://www.04limitedsazabys.com/feature/tour2026
TAPPEI
1993年、大阪出身のタトゥーアーティスト、グラフィックデザイナー、ペインター、アートディレクター、4コマ漫画家。9月14日までi GALLERY OSAKAにて個展を開催中。
https://www.tappeijodai.com/
https://www.instagram.com/tappeis/
