Dance Hall Crashers “Purr Deluxe” INTERVIEW!!
Interview by BONE$ (HOLLOW SUNS)
90年代メロディック・パンク/スカパンクを代表する名盤『Purr』に、長らく眠り続けていた7曲を加えた決定版『Purr Deluxe』。約24年ぶりの来日を果たすDance Hall Crashersの"現在"へと繋がる作品だ。間もなくの来日を控えたElyse and Karinaにメールインタビューを敢行。
まず、Dance Hall Crashersが約21年ぶりとなる2025年にライブ活動を再開することになった、一番大きな理由やきっかけは何だったのでしょうか?
Elyse: いくつかのことが重なりました。ひとつは、私たちの子どもたちがみんな音楽好きなのに、誰ひとり私たちのライブを観たことがなくて、「実際に観てみたいからライブをやってほしい」と言っていたことです。私の息子なんて、何年もずっと(本当にずっと!)私に言い続けていました。それにJasonの娘のバンド、Small Crushは、実際にサンフランシスコで私たちのオープニングも務めてくれました。
だから、最初のきっかけは子どもたちだったんです。でも実際にバンドを動かす決め手になったのは、Kevin LymanがWarped Tourを復活させて、私たちにも出演してほしいと、とても熱心に誘ってくれたことでした。昔の友人たちにまた会えるのも楽しそうだと思って、当初はその1公演だけやるつもりでOKしたんです。
そのウォームアップとして、地元ベイエリアのクラブで1公演やることにしました。発表したら15分でソールドアウト。すぐに2公演目を追加したら、それもまた15分でソールドアウトしました。そのとき、「今でもファンのみんなは、私たちをこんなに観たがってくれているんだ」と気づいたんです。
そして正直なところ、今も私たちがいくつかライブを続けている理由は、ファンのみんなです。みんながあんなに喜んでくれている姿を見ると、私たち自身も本当に幸せになる。 私たちのファンは最高です。
長い時間を経て、再びみんなでステージに立ったとき、「ここは全然変わっていない」と感じたこと、逆に「一番変わった」と感じたことは何でしたか?
Karina: また一緒にステージに立ったときは、本当にタイムワープしたような感覚でした。ボーカルのハーモニーも、まるでほとんど時間が経っていなかったかのように、すぐ元の感覚に戻ったんです……筋肉の記憶ってすごいですよね。自分でもまだ覚えているとは思っていなかった演奏や歌のパートが、なぜか指先や声の中にはちゃんと残っている。
その一方で、「そもそもこれ誰が書いたの? あ、私か。でも今の私はもう全然違う人間だな」とか、「あの頃の私はどんな人だったんだろう?」と思う瞬間もあります。
ファンのみんなが大盛り上がりで、本当に楽しんでくれているのを見ていると、昔のライブに戻ったような気持ちになって、「そうだ、ライブってこんなに楽しかったんだ」と思い出しました。本当に最高でした。
『Purr』では、それ以前の作品と比べて、スカの要素と並んでギター、パンク、ポップの要素がより前面に出てきたように感じます。当時、意識的にそういう方向へサウンドを進化させたり、変化させたりしようとしていたのでしょうか?
Karina: そうですね、そうだったと思います。私たちはみんな、スカ、ポップ、そしてたくさんのパンクをルーツや影響として持っていたので、その全部をやりたかったし、ひとつのスタイルに縛られたくなかったんです。
すでに『Lockjaw』の時点でホーン奏者を入れるスタイルから離れていて、その代わりに2本のギターを中心に、よりドライブ感のあるサウンドにフォーカスしていました。それは、どちらかというとよりパンクな方向だったと思います。
Fat Mikeが『Purr』のプロデューサーとして参加したことで、楽曲やレコーディングにはどんな影響がありましたか? 今振り返って、彼との作業で特に印象に残っていることはありますか?
Karina: Fat Mikeは、これまで一緒に仕事をしてきた他のプロデューサーとはかなり違うタイプです。基本的にはこちらに任せているかと思えば、突然ものすごく細かいところを指定してきたりする。「この曲のこの1音だけ変えて。あとは全部いい」みたいに。
すごくストレートで正直な人で、自分の意見をオブラートに包んだりしません。それが時々おかしくもあるんだけど、ものすごく新鮮でもありました。覚えているのは、私たちがミックスを完成させたと思っていたところで、「アルバム全体のギターを1dB上げて」と言われたことです。そんなに上げるの?と思ったんですけど……彼が正しかった! 全員、そっちのほうがずっと良く聴こえると意見が一致しました。
今回『Purr Deluxe』をリリースしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
Karina: ずっと埋もれていた未発表曲を発見したのは、本当に嬉しい出来事でした! その曲たちを、以前は日本でしかリリースされていなかった3曲のレアな限定トラックと一緒に、ファンのみんなに聴いてもらいたいと思ったんです。誰でも聴けるようにしたかった。
それに、私たちはこれまで2枚組のアルバムを出したことがなかったので、今がちょうどいいタイミングだと思いました。
4曲の未発表曲については、レコーディングしたこと自体をメンバーも忘れていたと聞きました。長い年月を経て、その音源を再び聴いたときはどんな気持ちでしたか?
Elyse: 正直、かなり不思議な感覚でした。自分でも存在を忘れていたタイムカプセルを、誰かが掘り起こしてくれたような感じです。
他の曲を聴くのとは全然違うんです。他の曲はリリースもしているし、ライブでも演奏してきました。でもこの4曲については、確か1曲だけ一度ライブで演奏したことがあったと思うけど、残りは一度も演奏していません。確かに私たちの音なんだけど、少なくとも私は、これらの曲の記憶がまったくありませんでした。
Warped Tourに向けて初めてリハーサルをしたときも、どうなるのかまったく想像がつきませんでした。全部の曲を一から覚え直して、メロディもハーモニーも歌詞も……全部やり直さなきゃいけない長い道のりになるんだろうと思っていました。覚えなきゃいけないことが本当にたくさんありますから。
でも実際にやってみて気づいたのは、脳のどこか深いところに、これらの曲を歌うための筋肉の記憶がちゃんと残っているということでした。だから、「次は何を歌うんだっけ」と考えずに頭を空っぽにすると、筋肉の記憶が勝手に引き継いでくれて、メロディや歌詞が驚くほど自然に出てくるんです。
(逆に、ちゃんと考えようとすると大抵間違えるので、頭を空っぽにして身体に任せるほうがいいんだと学びました。)
AIR JAM 2026への出演が決まっています。これまでAIR JAMや日本のパンクシーンに対して、どのような印象を持っていましたか?
Elyse: 私たちがHi-STANDARDと初めて出会ったのはAIR JAMが始まる前で、90年代に一緒にツアーをしたときでした。だから今回日本に戻って、彼らがAIR JAMというものを築き上げ、それが日本のパンクシーンにとってどれほど大きな意味を持つものになったのかを目の当たりにできるのは、本当にすごいことだと思います。
AIR JAMは、音楽だけじゃなく、アートやカルチャーも含めて、パンクのコミュニティをひとつにする素晴らしい場所になっていますよね。AIR JAMのアート・コラボも最高!
でも正直なところ、あの震災のあとにHi-STANDARDが再び集まって、あれほど大変な時期にAIR JAMを通して人々をひとつにした姿には、本当に心を動かされました。彼らがやったことを心から尊敬しています。
だから、私たちがAIR JAMのコミュニティの一員として招いてもらえたことには、本当に大きな意味があります。そして、これだけ長い年月を経てHi-STANDARDやLagwagonとまた一緒に演奏できること、さらに出演する他のバンドのみんなに会えることも……本当に最高です。
90年代からDance Hall Crashersを聴いてきたファンだけでなく、今初めてバンドを知る若い世代も増えているように感じます。新しい世代が自分たちの音楽を発見してくれていることについて、どう感じていますか?
Karina: 本当に嬉しいです。若い世代が私たちや当時のシーンについて知ってくれることもそうだし、昔は私たちのライブを観ることができなかった若いファンたちが、「再結成して、今こそライブを観させて!」とたくさん声を上げてくれました。
それに今は、家族みんなでライブに来てくれるのも大好きです。親の影響で私たちを聴いて育った子どもたちもいます。
たとえばDescendentsのStephen Egertonは、奥さんも娘さんもみんな私たちの大ファンなんです。Riot Festで家族みんながステージ袖で踊っているのを見たのは最高でした。
90年代にツアーしていた頃と比べて、今のライブ会場やオーディエンス、バンドを取り巻く環境で、一番変わったと感じることは何ですか? 逆に、「ここは昔と変わっていない」と感じる部分があれば教えてください。
Elyse:変わっていないこともたくさんあります。でも当然ながら、私たちも少し歳を取ったし、ファンの多くも同じように歳を重ねました。それでもシーンは今もすごく活気があって、新しい人たちが次々と加わっています。私たちは今や、90年代というひとつの時代から続く歴史を持ったシーンの一部になっているんですよね。それは興味深いことだと思います。これまでNOFX、Descendents、Lagwagon、Hi-STANDARDなどと一緒にライブをしてきました。
もうひとつ変わったのは、今では多くのフェスティバルがバンドやレーベルによって企画・運営されていることです。例えば、Punk in Drublic、Punk Rock Bowling、Warped Tour、Punk in the Park、AIR JAMなどですね。実際にそのシーンの中で生きている人たちが作っているからこそ、シーンの空気感を本当に理解した、こだわりのあるフェスになっていると感じます。それはすごく素敵なことだと思います。
Dance Hall Crashersはこれまでにも日本でライブを行っていますが、過去に日本を訪れた際のことで、今でも特に印象に残っている出来事や場所、ファンとの思い出があれば教えてください。
Elyse:何度か、街中でファンに追いかけられたり、駅の中までついてこられたりしたことがありました。私たちにとっては初めての経験でしたね。でも、日本のファンは本当に親切で礼儀正しいんです。それから、いつも驚かされていたのが、曲と曲の間のオーディエンスの静かさです。
曲が終わると歓声を上げたり、飛び跳ねたりして盛り上がるのに、そのあと次の曲が始まるのを待つ間は、スタジアム全体が完全に静まり返って、礼儀正しく待っているんです。
世界のほかの場所では、曲の合間もずっと、酔っ払って大声で騒いだり、目立とうとして叫んだりする人たちがいるものですから……。
日本は本当に違いますね!
Hi-STANDARDとは90年代に一緒にツアーをしていたとのことですが、当時のことで今でも覚えている印象的なエピソードはありますか? また、彼らと久しぶりに同じステージに立つことについて、どんな気持ちですか?
Elyse:一度、大阪から東京へ向かう新幹線で台風に巻き込まれて、何時間も足止めされたことがありました。あれは大変でしたね。バックステージではいつもふざけ合っていたし、ライブが終われば街に繰り出して、楽しい夜を過ごしていました。お互いに話す言葉は違うのに、なぜかいつも一緒に楽しい時間を過ごせて、とにかくたくさん笑っていました。
Hi-STANDARDが、すでにかなり人気のあるバンドから、今のようなものすごく有名なバンドになっていく姿を見るのは、本当に驚くべきことでした。
最初に一緒にツアーしたときは2,000人規模の会場で演奏していたのに、その翌年には巨大なスタジアムでライブをしていたんです。彼らは本当に素晴らしいバンドだし、それだけの成功を収めるにふさわしい存在だと思います。
それから、ちょっとした余談ですが、私たちはSergeさんを、彼のバンドLimpと一緒に日本へ連れて行ったことがあるんです。彼は日本をとても気に入って、そのまま日本に移住し、KenのKen Bandに加入しました。
私たちとHi-STANDARDには本当に長い歴史があります。だから、AIR JAMでまた一緒に演奏できることを、心から楽しみにしています。
『Purr Deluxe』とバンドの復活は、単に過去を振り返るだけではなく、新しい章の始まりのようにも感じます。今後、Dance Hall Crashersが新曲を書いたり、新たなレコーディングをしたりする可能性はありますか?
Elyse and Karina: 私たちは今、ひとつひとつ、その日その日を大切にしながら、何よりもまず自分たちが楽しめていることを大事にしています。
でも、絶対に楽しいって分かっていることがひとつあります。
日本に行ってAIR JAMでライブをすること!
その先がどうなるかは、それからのお楽しみですね。

Purr Deluxe
先行配信 URL & CD予約リンク
https://dancehallcrashers.lnk.to/PurrDeluxe
AIR JAM WEB STORE:https://airjam-store.com/collections/dance-hall-crashers
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