Northern19 pre "HOLY DIVERS Vol.1" LIVE REPORT!!
特別無料公開中!
Report by SUNEOPhoto by Yasumasa Handa(showcase)
2018.2.9 Northern19 "HOLY DIVERS Vol.1" @渋谷 TSUTAYA O-EAST
メロディックパンクという音楽がいわゆるロックシーンに認知され、その存在感を作ってきた歴史の中で、その一翼に必ずNorthern19が居たと、ボクは思っている。今回の自主企画は「15周年の締め括りとして行う」と、イベント開催発表時からアナウンスされてきた。2006年に1st Album “EVERLASTING”を発表して、2007年にはROCK IN JAPAN FESに出演。その当時はまだまだメロディックという音楽がそんな舞台に立つなんて思ってもいなかった。ハイスタやモンパチのようなムーブメントとは何かが違う、小さな小さなライブハウスのコミュニティから生まれ出て、それをやり遂げ、積み重ね、15年という歳月を止まることなく活動を続けて、今に至る。どこか誇らしくもある。
TSUTAYA O-EASTに集まったオーディエンスには、ボクのような懐古的な見方をする老害は見当たらなかった(笑)。これは、Northern19が常に色々なモノを更新して、ファンを開拓していった証なんだろうと思った。そこへのリスペクトもあってか、Northern19の出番前に出演していたSHANKは、“MORATORIUM”をカバー。ベースの井村知治(Ba&Vo)がメロディラインを取る楽曲だったからこその選曲なのだろうが、名曲を容易に放り込んでくるあたりは、SHNAKの空気の読まなさもそれを許せるNorthern19も、いいなと思った。いつものライブハウスと同じSEが流れオーディンエンスのハンドクラップで迎えられると、どこにでも居そうな兄ちゃん(「あんちゃん」と読んでね)達が登場する。いつも思うが、このどこにでも居そうな兄ちゃんが、人の心を動かすライブをするから、さらにボクは揺さぶられるのだと思う。スターが人を魅了するのは当たり前かもしれないが、そうでない者が大勢を魅了する瞬間を創りあげるなんて、夢があるし、純粋に感動する。悪口ではないので悪しからず。
“AKASHIC RECORD”からいきなりのフロア大合唱。そして、名曲”MORATORIUM”ではリフトが上がりに上がり、“MESSAGE”までを一気に駆け抜けた。マイクも通さずに笠原健太郎(Vo&Gt)が「ありがとう、最高です!ありがとう!」と声を張り上げ、感謝を伝える。15周年、まだまだ自分たちは”ひよっこ”みたいなライブしかできてないと言いながらも、ここまでの3曲でガッチリとフロアを掴んでいる。「ライブ、メロコア、パンクロックは好きですかー!」と笠原健太郎が叫ぶと、「力まずいこう」と井村知治にツッコミを入れられるシーンも。「どんな感じ方でもいい。ダイブしてもいいし、モッシュしてもいい。奥の方で静かに見ててもらってもいいよ。気持ちがダイブしてくれれば。」と笠原健太郎が、この企画タイトルについて想いを語った。少しマイナー調の“RED FLOWER”から“WAKE UP”“THE NIGHT WITHOUT A STAR”と、メロディックの王道をいくような楽曲を投下。「100曲以上ある曲の中から、極上のLOVE SONGを歌います。」と、“NOW IS FOREVER”を伸びやかな声で歌い上げた。
「前髪、大丈夫かな?」と、自身の天然パーマを心配する笠原健太郎に笑いが起こる。現在、新作のレコーディングであることを告げ、3/31にはNorthern19の聖地とも言える池袋MANHOLEにて、CATCH ALL(RECORDS所属)時代の盟友ですでに解散しているRUNNERS-Hiの復活ツーマンを行うことを発表。そのMCを受けてからの、Northern19が一番最初に制作した曲“SUMMER”はエモい。演奏を開始すると、勢いよくサークルピットが起こる。池袋MANHOLE、、、それはそれは小さいライブハウスなのだが、そこを根城にしているメロディックが10年以上前は多く存在し、よくサークルピットが目の前をすごいスピードで駆け抜けていくのを体感した記憶がある。会場の規模は変わったし、その当時のオーディエンスがいるとは思えないが、やっていることは変わらない。メロディックのクラシックなスタイルが今も体現されていて、なんだかほっこりした。モッシュやダイブは禁止事項になることが多い。サークルピットは、未だ制限がされてない、はずだ。大いに走ってくれ!と心の中で青臭い気持ちとともに呟いてしまった(笑)。
「踊ろうぜー!」と“BELIEVE SONG”でさらにフロアを加速させ、“BELIEVER”から“STAY YOUTH FOREVER”の鉄板の流れへ。「WOW!WOW!」と全ての雑音、雑念をかき消すかのように会場全体が歌う。その声にステージから乗り出して、オーディエンスと向かい合う笠原健太郎は、少年のような笑顔をしていた。気がつけば11曲をあっという間に終えていた。
「ONE MORE!!ONE MORE!!」とオーディエンスからの煽りに引きづられて“TRUTH”からアンコール開始。「OiOi!!」とレスポンスが本編よりも熱を帯びてるようにも感じる。ドラムでリズムを作りながら“NEVER ENDING STORY”“CRAVE YOU”を一気に畳み掛け、アンコールも終了。
全てを観終わって、懐かしい気持ちと、懐古的ではない、前に向かっていくポジティブな気持ちが入り混じっていた。冒頭にも記したように、ボクはロックシーンにメロディックを定着させたバンドの1つとしてNorthern19を捉えている。どこにでもいる兄ちゃん達が成し遂げてきたことは、目立つようなことではなかったかもしれないが、着実に今に生きている。もう15年。まだ15年。どちらとも言える年月であったとは思うが、その中でブームで終わらず文化として残してきたNorthern19をまだまだ見続けたいと思うのは、ボクだけじゃないと思う。ジャパニーズメロディックパンクのクラシックとなる日も、そう遠くないとも思っている。
[SETLIST]
01. AKASHIC RECORD
02. MORATORIUM
03. MESSAGE
04. RED FLOWER
05. WAKE UP
06. THE NIGHT WITHOUT A STAR
07. NOW IS FOREVER
08. SUMMER
09. BELIEVE SONG
10. BELIEVER
11. STAY YOUTH FOREVER
en1. TRUTH
en2. NEVER ENDING STORY
en3. CRAVE YOU
>>> Northern19 OFFICIAL HP