G-FREAK FACTORY "風林火山 TOUR" LIVE REPORT!!
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Report by Oh-moriPhoto by HayachiN
2018.2.25 G-FREAK FACTORY“風林花山 TOUR" @新宿 LOFT
「未来の話をしよう」この日、茂木洋晃(Vo)は何度もそう言った。ライブツアー「G-FREAK FACTORY“風林花山”TOUR 2017-2018」の最終公演。それは10年間、ドラマーを務めた家坂清太郎のラストステージでもあった。
いつも通りライブは原田季征(G)、吉橋伸之(B)、家坂清太郎(Dr)、サポートメンバーの鴨居哲也(Key)によるセッションでスタート。場内が温まった頃、フラッグをかぶった茂木洋晃がゆっくりステージに登場し「G-FREAK FACTORY、始めます」との挨拶から「SOMATO」の演奏へ。のっけから大合唱が発生し、さっそく場内は一体感に包まれた。
いつもならここからハードコアナンバーやパーティーチューンを投下して、さらにオーディエンスを熱狂させそうなものだが、この日の彼らは違った。「いつもここにいるから 隠れないで帰ってこいよ」の歌詞を「いつもここにいるから ライブハウスに帰ってこいよ」と替えて歌ったメロディアスな「らしくあれと」、伸びやかな茂木のボーカルが印象的なミディアムチューン「風林花山」を続けて、場内をしっとりとしたムードで包む。茂木は何度もドラムセットに近付き家坂の顔を見ながら歌唱するなど、最初から感傷的な気持ちで会場中を満たしていた。さらにMCでは「せいさん、今日まで10年間ありがとう!」と家坂へのメッセージを贈り、またファンへは「(せいさんの)人生のうち一番輝いてる時間です。見てやってください」と呼びかけていた。 その後のMCでは茂木が「この4人のG-FREAK FACTORYは今日で終わりです。ちょっと寂しいけど」と本音をぽつり。しかし「俺たちはまだまだ進んでいく。未来のことしか話してないです」と前を向いた。また普段MCを行わない家坂もマイクを取り、「皆さんのおかげで毎回素晴らしい景色を見せてもらいました。(G-FREAK FACTORYを)離れることは悲しかったりさみしかったりするけど、そう思える出会いがあったことに感謝です」とファンやバンド仲間、関係者への思いを伝えた。そして鴨居が奏でるメランコリックなフレーズに乗せて、茂木が「風」を歌い始める。するとゲストプレイヤーとしてHEY-SMITHのイイカワケン(Tp)が登場。バンドの優しい演奏を、トランペットの音色でさらに彩った。
「ライブハウスにいる時間をもっと濃くしていこうや」とオーディエンスに語りかけた茂木。「チャンダンの香るこの部屋から」の間奏では肉声で「始まれば終わっちまうんだよ。だけどいつかちゃんと始まるから」と力強く叫ぶ。茂木の言葉に賛同するようにフロアが沸くと、彼はぐるりとフロアを見渡し「何回だって立ち上がってやるよ、こんな景色見えるんだったらよ」と続けた。
大合唱が発生した「EVEN」で感動的なムードに包まれたあと、バンドはそのムードを一蹴するかのように激しいロックチューン「Unscramble」を投下。裏打ちのナンバー「アシアトカゼノオト」でファンを踊らせ、家坂の繰り出す高速ツービートに乗せたハードコアチューン「Dirty Hearty Party」を叩き込む。改めてG-FREAK FACTORYというバンドの多彩さに気付くと共に「このバラエティ豊かな楽曲群のドラムを叩ける人が、ほかにいるんだろうか」と家坂の存在の大切さも改めて実感させられた。しかしそんな私たちの不安を一蹴するかのように茂木は何度も「未来の話をたくさんしよう」と語りかける。「Too oLD To KNoW」ではダイブし、そのままファンに運ばれるようにしてフロアの中心へ。
ファンの掲げる手に囲まれる中で「全部、これからだ!」と力強く宣言した。そしてステージに戻ってくると家坂と拳を合わせる。そして「ダディ・ダーリン」を届けたあと、「たくさんの人のおかげで、最高の清太郎の卒業式ができました!」とうれしそうに声を上げ、本編を締めくくった。
アンコールでは「名残惜しいね」「ずーっとやっていたいね」と寂しさを隠そうともしないメンバーたち。ハッピーな「イロハニホエロ」、しっとりとした「隠り唄」をそれぞれ情感たっぷりと演奏していった。最後に改めて茂木は「全部かけがえのない思い出になっていきました」と家坂と過ごした10年間を回想。そしてフロアを指差して「お前が一緒に歩いてきた仲間がこんなにいるんだよ」と言うと、フロアからは温かな拍手が送られる。そして茂木は「今後どういう人生を送るのか、ここで宣言しろ」と促した。家坂が自身の今後について説明すると、茂木は「未来の話をするばっかりに、未来が怖くて逃げるバンドマンってたくさんいるの。そのために最後のステージを用意してあげられなかったことがたくさんある」と自身の過去も振り返り、「バンドとして、せいさんがみんなの前で未来を誓ったことはすごくいいことだと思う」と優しい表情で語った。そして5人はラストナンバーとして「SUNNY ISLAND STORY」を演奏。最後に餞と言わんばかりに家坂をフロアにダイブさせて、ワンマンライブの幕を下ろした。
冒頭から家坂の脱退に言及していたのにも関わらず、この日のライブが湿っぽくならなかったのは、彼らが「未来の話」をしていたからだと思う。自らを「オールドルーキー」と語る彼らは、長くバンドシーンに身を置き、人一倍、バンドや音楽から離れる仲間を見送ってきたはずだ。そのぶん、音楽から離れられない自身の性に、ときおり苦しみながらも、決意を固めて固めて、ここまできた。茂木はライブ中、「過去に諦めたヤツがいる限り、俺たちは歌い続けていこうと思う」と力強く口にしていた。これからの彼らの未来も見ていたい。そう思わせてくれたのは、すべて彼らが未来の話をたくさん聞かせてくれたからだと思う。
[SETLIST]
01. jam
02. SOMATO
03. REAL SIGN
04. らしくあれと
05. 風林花山
06. FOUNDATION
07. 奮い立て 合い燃えろ
08. HALF-DONE
09. 日はまだ高く
10. SOUL CONNECTION
11. 風
12. DAYS
13. チャンダンの香るこの部屋から
14. EVEN
15. Unscramble
16. アシアトカゼノオト
17. Dirty Hearty Party
18. Too oLD To KNoW
19. ダディ・ダーリン
en1. イロハニホエロ
en2. 隠り唄
en3. SUNNY ISLAND STORY
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