SHADOWS "torches" INTERVIEW!!
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Interview by SUNEO
Photo by MASANORI FUJIKAWA
一番初めの感覚に戻りたいっていう部分があって。
1年にも満たない間隔でリリースされる“torches”。そのリリース方法も、CDショップに並べたり、どこかに卸したりではなく、SHADOWSのライブに来ないと手にすることができない。通販も充実している昨今で、ある一箇所でしか買えないという、「誰かに届ける」ということとは逆行したような行動は、誰のために、何のために、、、答えはきっと奥の方。パンクなのは音楽だけじゃない。インタビューを読み終えた時に、そう思ってもらえると思う。
ーーこのリリースに対してのインタビューはこれが初ということで、ざっくばらんに宜しくお願いします!
KAZUKI(G/Vo):これが初めてで、最後かもしんないし(笑)。
ーーこのリリースは、発売方法が流通を通さずにライブ会場での販売ということですが。
KAZUKI:今後、バンドというか、、、俺たちがやっているようなジャンル、パンクだったりロックだったりっていう価値観を見直したいなっていうのがあって。今は、ぶっちゃけCD屋さんに行かなくても、聴こうと思えば聴ける環境にみんないるわけだし。。。とりあえず、現場(ライブ)に来てもらって、力ずくで手に入れて欲しいっていうか。欲しいやつの手元に音源が届けられれば、まずはそれでいいのかなと。それが原点で。
TAKAHIRO(G/Vo):CDを買っても、だいたいパソコンに取り込んでしまって、CD自体で聴くって人がほとんどいなくなっちゃった。俺自体もそんなにCDで聴かなくなってて。だったら、CDが本当に欲しいやつは、純粋なファンなわけで、、、
KAZUKI:ライブに来てんだろ、って。
TAKAHIRO:本当に、そういうことなんじゃないかな、って。
KAZUKI:ライブに来てくれる奴が、本当に俺たちの音楽を欲してるやつだって考え方がスタートで、それ以外にも付随する理由は結構あるんだけど。。。俺もCD屋さんに行ってCDを掘ってた人間だから、CD屋さんに置くことをNGにしてるわけではなくて、純粋に、俺たちを欲している人たちに向けてのチャレンジをしてみたかった。スタンダードとされている流れから外れて、そのリアクションがどうなるのかも楽しみだよ。今回、CD自体も自分たちで詰めて、、、そもそも CD-Rよりも前のカセットテープ時代から、自分たちでコンポでダビングして(笑)。ジャケをプリントして折って詰めて、折って詰めて入れて、ね!両面で10分くらいのテープでね。それが、実際良いライブしたら、そのライブ会場で売れて。すげー嬉しかったし。チャートとか、「このCD売れてるよ」とかの周りの声じゃなくて、「これが欲しい!」っていう、一番初めの感覚に戻りたいっていう部分があって。
HIRO(Vo):まぁ、、、なんだろう。。。一つの、、、“案”みたいな。どっちみち、時代はドンドン進んでいくわけで、もしかしたら、CDっていうメディアも無くなってしまうかもしれないけど。俺たちはCDで育ってきて、流通してもらって、自分たちだけでは届かないところまで届けてもらったり、CD屋さんにすげー感謝してる。ただ、1度でもその外側に立ってみるっていうのも、提案としてはありなのかな、と。
KAZUKI:そうだね。実験+提案。
TAKAHIRO:そうだな。
KAZUKI:もしかして、外側にいくことで、よりバンドがクオリティを重視して音楽を作れるんじゃないか?って期待もしてる。可能性が秘められてる気がする。基本、D.I.Y.で色んなことができるようになれば、自分たちで動いた分、自分たちに直接返ってくるから、金銭的な部分もさ。今回のツアータイトル“SELL’EM ALL TOUR”も「売り切って、お金作るぞ!」みたいな名前にしてっから(笑)。この提案、チャレンジがうまくいけば、俺らもずっと自分たちのモチベーションだったり制作だったりに対して、クオリティを保てると思ってるし。とにかく、、、安く消費されたくないっていうか。俺たちはアーティストで、ま、色んな形態のアーティストがいるけど、俺たちみたいな音楽をやってるアーティストが軽視されがちなところがあるんで。そこも含めて、自分たちも見直したいし、これを受け取る側にも見直してもらえればいいんじゃないかな?って思ってる。
TAKAHIRO:CDが売れないってなると、制作費が落ちない(捻出できない)。制作費が落ちないと、レコーディングにお金が掛けられない。レコーディングにお金が掛けられないってなると、レコーディングエンジニアに(十分な)金が払えなくなる、、、負の連鎖なんですよね。どこかで断ち切らないと。
KAZUKI:実際、今、音楽だけを純粋にやっているレコード会社ってどんだけあるのよ?って話だよ(笑)。ぶっちゃけね。掘り下げていくとね。なんか試していかないと、「なあなあ」でやってたら、先が見えづらいというか。
TAKAHIRO:実験だね、本当に。
KAZUKI:俺たちがやってることが、実際、間違っているかもしれないし、良いのかもわからないし。やってみないと、誰もがわからない。単純にね、俺たちがやって、示していくしか今は方法がないのかな?とも思ってる。
ーーこのアルバムは、CDショップなどには後々、並ぶんでしょうか?
KAZUKI:まだ未定ですね。でも、CDショップに限定した売り方でなくても良いのかなとも考えていて。本当に「これを売りたい!」って人がいれば、そん時にまた考えれば良いかなって思うし。お互いの考え方が、話してみて寄ってくれば、そこで生まれてくることもあるだろうし。どこで売りたいとかそういうのはなくて、俺たちを売りたいって人がいれば、そこに渡していくってのが本来の話なのかなって。だた、今んとこ、予定はないです(笑)。この実験に賛同してくれる人が多く出てきて、“初期返り”っていうか、ベーシックなところに戻って、「この音楽は広めた方がいいよ!」って思ってくれる人が出てきたら、俺たちもどうやって広めていこうかって、同じ目線で考えられるだろうし。
ーー制作期間はどのくらい取られていたんですか?
KAZUKI:2017年12月の頭くらいから、曲作りを始めて。丸々2か月くらいやってたのか?
TAKAHIRO:そうだね。それで、レコーディングに1か月。
KAZUKI:全部で3か月。俺たちは恵まれてますよね、全然。レーベルもこの考えに賛同してくれて、ライブ会場でD.I.Yで売ることができてるんで。何もない底辺からスタートしてのチャレンジではなくて、今までお世話になった人たちの支えがあった上でのスタートだから、本当に感謝してる。チャレンジしたいと俺たちが思っていても、そうさせてくれない環境の場合もあるわけ。でも、それをさせてくれてるし、一緒に動いてくれる。恵まれてるよ。周りのバンドの話とか聞くと「本当ひでぇーな」とか思うし。
ーー3か月で一気に全曲仕上げたんですか?
TAKAHIRO:作りながらレコーディングして。その合間でまた作って。2か月で作った楽曲のネタをまとめてレコーディングして、足りない部分を作ってって感じで。
KAZUKI:最後の1か月で歌メロをはめてって感じかな。一ヶ月もなかったかな?
TAKAHIRO:そうだね(笑)。
KAZUKI:ある程度、コードとリフがあって、それをTAKAHIROが組み込んで形にしたものを、またアレンジしていくっていう作業で。ベーシックはそうだよね?2か月で作って。
ーーレコーディングは盟友ATTIC Studioの山中氏(CLEAVE)ですよね?
KAZUKI:今回のレコーディングでもだいぶ助けてもらった。山中のアイデアもすげー入ってるし。歌ってますし。
TAKAHIRO:歌ってますね(笑)。
KAZUKI:山中にはだいぶ重要な役割を担ってもらったと思います。すごい腕もいいんだけど、あいつ自身が食えてないっていう(笑)。
一同:笑
TAKAHIRO:あんなにいいエンジニアもなかなかいないのに、、、だから助けてーんだよな。。。
KAZUKI:あいつに転けられちゃうと、俺らも焦りだすんで。だから、そこも含めて、全体の構造を改築していかないと、いい音楽も生み出せないし。いい流れも作れないんではなかろうか、と。実際、音楽を作る現場がなくなっちゃったら、CDにもできないし、CD屋さんも売るものなくて困っちゃうんだから。結局、みんなバタバタになっちゃって。。。やっぱ、作ってるやつが根っこにいて、そっからみんなで花を咲かせてもらうっていう流れがあるわけで、根っこが腐って無くなっちゃったら、不毛ですからね。それは阻止したいよね。色んな付帯したものがモノの価値を決めるんじゃなくて、純粋に作られた音楽で評価されたいよね。今回、ライブで売ろうって話になったのも、ライブ会場っていわゆるSHADOWSのショップなわけだよ。SHADOWSのCDがあって、Tシャツがあって、一通りSHADOWSのものが揃うわけだから。自分らのものだから、まず自分らで売ろうって、単純な話ね。根っこから、最速で花咲かせようって話。それも、今日始まってみないと、、、なんとも言えないよね(笑)。<※インタビュー時SELL’EM ALL TOUR初日のリハ前>ニコニコしてるかしてないかは終わってからの俺らを見てよ。
HIRO:今日もライブ見ていくんでしょ?だったら、最後のファイナルも見に来てよ。そしたら、わかるからさ。そしたら、そん時に「やべー、やっちまった。。。やんなきゃよかった。。。」ってなってるかもしんないし(笑)。
ーー実験結果を検証に来いってことですね。会場での販売は、本編ツアーでも続けるのでしょうか?
KAZUKI:ファイナルまでは続ける。“Still Remember”“The Lost Song”“Sway”はとりあえず、先にタダで撒いてる(フリーダウンロード)けど。フリーダウンロードもよくレーベルの許可が出たよな。すげー覚悟だと思うし。ライブ見て、CD買ってくれるのが一番だけど、フリーダウンロードで聴いて、気になって、CDだけ買いにライブ会場来たっていいよ。このツアーが終わって、対バンツアー(本編ツアー)が始まるんだけど、その時には友達呼んでもらって。みんな、アルバムが欲しくなって買ってもらってっていうのが理想だけど、、、「やんなきゃよかった!」って可能性もあるからよ(笑)。
一同:笑
HIRO:やってることは、昔の俺らのやり方をやってるだけなんで。ただ、今はある程度の認知度があって、そんなバンドが(CDを会場だけで販売する)やる、って違いだけじゃないですか。やってることは変わってない。「一回戻ってみっぺ。」って話だから。
KAZUKI:SHADOWS、今年で3年目だけど、少しずつだけど動員も伸ばしてきて、このタイミングでこういうことをやるって、そういう俺たちがいて、一緒になってやってくれる仲間がいて「みんなで行こうよ!」ってのも俺は大好きだし。
ーー楽曲の話を全然してませんでしたね(笑)。はじめに3曲フリーダウンロードで“Still Remember”“The Lost Song”“Sway”を出していますが、こちらはどういった選曲で?
HIRO:アルバム全部が速い曲かって言ったら、そんなバンドでもないし。いろんな楽曲の幅があるのがSHADOWSだから、それをうまく表してる3曲を選んだら、この3曲だっただけかな。
TAKAHIRO:そういうことだろうね。
KAZUKI:あんま意識はしてなかったけど、決めるのは早かったね。「これとこれと、これだね」くらいの感じで。今回のアルバムも、自分たちで聴いててもまたチャレンジしているなって感じもあるし。その中でも色濃い3曲だったのかなっていう。新しい風が、って感じで。
TAKAHIRO:「アルバムを3曲で例えるなら」って感じ。
KAZUKI:そうだね。そう。あの3曲でだいたい見えるね、アルバムが。
ーー楽曲でもチャレンジをしていると思いますが、“Overcome”とかはボーカルスタイルのアプローチを変えていますよね?
HIRO:“Overcome”、、、?あれか。あぶねぇーんだよな、まだ(笑)。まだタイトルが頭に入ってねーから。
KAZUKI:ずっと、仮タイトルでやってきたから。数字で言った方が出てくるんだよ。曲名がなかなか入ってきてないな(笑)。
HIRO:今日この後のライブでやる曲も危うい(笑)。前のライブですでにやってるんだけど。。。その時はまだ配信してない楽曲だったから、ま、、、大丈夫だろうと(笑)。
KAZUKI:今日終わったら、間違えられなくなってくるっていう。今日、CDがみんなの手元に届くから。フリーダウンロードで出した3曲と、“My Direction”と“Flare”を今日はやるんだけど、それをこのツアーでは浸透させて、対バンツアーの時にはがっちり全曲盛り込んでいこうかなと思ってる。
HIRO:その間に練習して(笑)
TAKAHIRO:覚えて。
KAZUKI:ギターも耳コピしないといけない曲もあるから(笑)。
HIRO:だって、その場で(楽曲やフレーズが)出来んだもん!覚えられません!みたいな(笑)。
ーー初のワンマンツアーですが、なぜワンマンに?
KAZUKI:CD売りに行くから、シンプルな方がいいかなと。TAKAHIROのアイデアで、「ジャケットにバンド名入れなくてもいいんじゃねー?」って、なって。「どうせ、俺らのマーチとして買うんだから、関係ねぇーよ」とか言って。ジャケットのtorchもはまってていい感じだし。
ーー“torches”というタイトルですが、なぜこのタイトルに?
HIRO:“Candles”の歌詞に出てくるんだよね。
KAZUKI:前のアルバムも“illuminate”だし、バンド名もSHADOWSだし、光があっての影だっていう。それが今回もうまく“torches”ってタイトルにはまった。オリンピック近ぇーし。
一同:笑
ーーワンマンツアーが終わると“TORCHES TOUR”で対バンツアーになりますね。
KAZUKI:3マンで、前半がNOISEMAKERと。後半がENTHと。それぞれにゲストを招いてのツアー。NOISEMAKERもENTHもオリジナリティ持ってやってるし、そこは俺らもバンドやる上で一番大切だと思ってるしね。前半が真面目で、後半が不真面目って感じでも分けられるけど(笑)。最高っすね。
ーー最後にメッセージをお願いします。
KAZUKI:色々な意見があると思うけど、、、「勘弁してくれよ、、、」とか「どうすんだよ、ライブに行けねぇー人は手に入れられねぇーのかよ」とか。俺らも命削ってやってるし。俺は、ドラクエの発売日は腹痛ぇーって休んでたかな。
一同:笑
KAZUKI:ちょっとくらい自分を甘やかしてもいいと思うし、そんだけ欲しかったら。1日くらい。もし本当に欲しかったら来てもらって、そいつにしか感じない感動だったり気持ちだったり受け取ってもらって。俺らについてきて欲しいですね。
TAKAHITRO:CD買ってください!(笑)
HIRO:結局、、、俺は聞いてくれれば。どんな形でも。さらにCDって形を手にする人は、あん時ライブに行った思い出と、ツアーデートも残るし、「俺、これ(CD)をここで手に入れたぜ」とか、、、別の価値を買うっていうことを、そいつ自身がつけられたらいいかなと思います。CD屋さんでついてる特典じゃないけど、体験って特典はつけられると思う。
KAZUKI:ライブに来れば、友達を作れる可能性だってあるし。
HIRO:俺らのファン同士で結婚した人もいるし。
KAZUKI:出会いもあるし、家でシコ●コやってんだったら、「もう二度と行かねー!」って思うかもしんねぇーけど、二度と行かねーって思うことも大事だし来てみろって。来てみなかったら、そいつはそれすらも言えないし。とりあえず、、、待ってます♡♡
NEW Album [torches]
MXMM-10061 ¥2,500+tax
01.Flare
02.Vices
03.Still Remember
04.My Direction
05.The Lost Song
06.Sway
07.Overcome
08.Under My Skin
09.Hallucinate
10.Starting Over
11.Stars
12.Candles
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