LIVE REPORT

Track's “On my way home” TOUR 2018 -GRAND FINAL- LIVE REPORT!!

Report by Oh-mori

Photo by Akira "TERU" Sugihara

 

 

2018.07.14 Track's “On my way home” TOUR 2018 -GRAND FINAL- @Shizuoka UMBER




地元のライブハウスをソールドアウトさせる。それがどれほど大きな意味を持つか。そのことをわかっているバンドのライブは強い。

例えばTrack'sがそうだ。今年「SATANIC CARNIVAL」に初出演し、一気に知名度を上げた彼らは、静岡・Shizuoka UMBERを拠点に、地元バンドとしてさまざなバンドと競演しながら静岡のバンドシーンを盛り上げてきた。メロディックパンクバンドとして、そして静岡のバンドとして、パンクバンドの祭典「SATANIC CARNIVAL」に出演して、彼らが持ち帰ってきたものは、自らの経験や実力だけではなく、ホームを満員にさせてしまえるくらいの多くのファンでもあった。

Track'sの1stミニアルバム「On my way home」のツアーファイナルとして、彼らのホームである静岡・Shizuoka UMBERで開催されたこの日のライブ。ゲストにPOTとハルカミライを迎え、彼らにとって初めての“UMBERソールドアウト”という超満員の中で熱演が繰り広げられた。

POTのよっぴー(Vo, B)はMCで、彼らとの出会いを話した。2年前、POTがUMBERにてライブを行った際、当時17歳だったTrack'sの生田楊之介(Vo, G)に対バンを申し込まれ「その時まで静岡を盛り上げといてくれ」と言ったという。そして2年後、Track'sはソールドアウトのUMBERにPOTを呼んだ。この日、POTはその喜びを体現するかのように、パーティチューンで観客のテンションを引き上げていく。そして最後に「Track'sのことをよろしく頼むわ」と静岡のファンに呼びかけると、「よく帰ってきたなという気持ちを込めて」と言ってバンドは「COUNTDOWN」をTrack'sへ贈った。

2組目のゲスト、ハルカミライもまたTrack'sとはUMBERで出会っている。生田がライブハウスの照明スタッフとしてハルカミライのライブを担当していたことがあるそうで、橋本学(Vo)は、ライブを観ながら両手を上げて盛り上がっていた生田の様子を「両手上げてるからその間、照明やってなかったんだけど(笑)」とうれしそうに回想した。そんな彼らは、照明ブースではなく、今度はステージ袖からTrack'sメンバーが見守る中、「あいつらにやるわ」と「アストロビスタ」をTrack'sにプレゼントした。

先輩バンドの大いなる愛情を受けとったTrack'sは、どこか少し緊張した面持ちでステージに登場した。バンド名が大きく書かれた大きなバックドロップを前に、「GreenHouse」「Before the night ends」「Magic」とアルバム収録曲を間髪入れずに連投。高校生の頃から立っているUMBERを、異様な熱気で包んでいった。

生田が最初に「ツアーを回っていろんなところに行って感じたことを音にして伝えるわ」と語っていた通り、感情をむき出しにしたプレイを見せるこの日の彼ら。大村隼太(Dr)はオーディエンスを1秒でも休ませまいと高速ビートで曲をつなぎ、内田優貴(B)はメロディアスなベースで曲を彩る。「Faraway country」でロマンチックなギターソロを聴かせたあとには、生田は息を切らしながら「She is always late.」へ突入していた。それほどに前のめりなアクトだったので、正直演奏は何度も間違えていたが、そんなことは一切気にならないほど感情的に映った。




20分ほどで一気に10曲を駆け抜けたあと、バンドはようやくMCヘ。生田は「ステージの上だから言いますけど」と前置きしてから「バンド、めちゃくちゃ楽しいですね」と笑顔を見せたあと、「正直、これ以上の感情いらないです」と満ち足りた表情で語る。そしてソールドアウトし大盛り上がりのフロアを見渡すと、「僕らと一緒に歳を取っていってください」とオーディエンスに語りかけてライブを再開。力を振り絞るように「Daydream」を丁寧に届けたあと、「静岡UMBERのTrack'sでした!」と誇らしげに挨拶をしてステージを去った。



アンコールでは「懐かしい曲」として1stデモ作に収録されている「Haven't ever seen it」をプレイして、地元のファンを喜ばせた。かと思えば、最新ミニアルバム収録「Special idea」を続けて、バンドの現在のモードもきちんと見せつけた。熱気に包まれたフロアからはダブルアンコールを求める声が止まず、彼らは再度ステージに登場。彼らが昨年3月に初のミュージックビデオを作成し、その名を全国区へと広げるきっかけとなった「Silly man」を再びドロップし、汗だくのオーディエンスを満足させ、ロングツアーを締めくくった。


メロディックパンクバンド若手のホープとして、そして静岡のバンドとして、これから、UMBERだけでなく、全国のライブハウスを続々とソールドアウトにしていってほしいと思う。



【SETLIST】
01. GreenHouse
02. Before the night ends
03. Magic
04. The last day of my life
05. a secret
06. Like a course
07. Faraway country
08. She is always late.
09. Diva
10. Silly man
11. Can you feel
12. Daydream

en01. Haven't ever seen it
en02. Special idea

en03. Silly man



>>Track’s OFFICIAL HP