INTERVIEW

NAMBA69 "CHANGES" INTERVIEW!!

Interview by Tomoo Yamaguchi
Photo by NAMBA69

 

 


すでに最高傑作の呼び声も高いNAMBA69の2ndフル・アルバム"CHANGES"。現在、バンドはそのリリース・ツアーの真っ最中だが、『CHANGES』とそのツアーを通して、この1、2年、高まってきた「NAMBA69がついに覚醒した」という評判は、さらに確かなものとなるはずだ。今回のインタビューでは、16年6月にバンドに加わったko-hey(Gt/Cho)にスポットを当て、現状を打破しようとしていたNAMBA69にとって起爆剤の役割を担った彼の音楽的なバックグラウンドとキャラクターに迫る。

――新しいアルバム“CHANGES”をひっさげてのツアー“CHANGES TOUR 2019”がスタートしました。まだ、初日の新潟公演を終えたばかりですが(取材日は5月21日)、新曲をお客さんにぶつけた手応えはいかがでしたか?

ko-hey:昨年、“Ken Yokoyama VS NAMBA69”をリリースした前後から、いわゆるロック・シーンと言うか、パンク/ラウド・シーンと言うか、そういう層の人たちからのNAMBA69への期待がどんどん上がってきてたんです。だから、今度、リリースするアルバムで“こいつらほんとにイケてんな”、もしくは“こいつら話題だけだったんだ”と判断されるってことはわかった上で、“CHANGES”のレコーディングに臨んだんですけど、結果、“イケてんな”と思ってもらえる作品になったんですよ。そういう作品をリリースしてからツアーに臨んでいるので、読み通りと言うか。しかも、難波さん(Vo/Ba)の地元と言うか、難波さんがずっとロック・シーンを温めてきた新潟で初日を迎えられたっていうこともあって、新曲だろうが、昔の曲だろうが、もうお構いなしという感じはありましたね。

――おぉ~。

ko-hey:セトリも誰かがどこかに上げてると思うから、言っちゃってもいいと思うんですけど、1曲目に“CHANGES”の1曲目の“GO FUCK SHIT UP”をやったら、その瞬間にもう、いつものライヴよりも盛り上がっちゃって、“どうしよう!?”って(笑)。その後、アルバムから何曲か新曲を散りばめたんですけど、“みんな、すごい聴いてきてくれてる!”って手応えがあって、すごい良かったと思える初日でした。

――アルバムを完成させた時に感じた“期待に応える作品になった”という自信が確信に変わった、と?

ko-hey:そうですね。完成した時は、その時にできることはすべてやりきった上で聴いているんで、“これ、キタな”って、もちろんなってたんですけど、リリースされてから……俺、結構ネットで評判とか見るんですけど(笑)。

――え、そうなんですか(笑)。

ko-hey:そしたら、いわゆるフラゲ日から聴いてくれた人たちのリアクションがめちゃめちゃ良くて。“捨て曲がない”とか、“こんなハードな曲やってるのに、こんなに聴かせる曲もあるんだ”とか言ってもらえて、“よっしゃ!”って思ってたんですけど、ほんとにそれがライヴで目に見えて、“俺たち、この方向で突き詰めて良かったな”って思いました。

――エゴサーチしていらっしゃるんでしたらご存知だと思うのですが、最高傑作と言う呼び声も高いじゃないですか。

ko-hey:うれしいですよね。

――それと同時にko-heyさんの評価もまた一段、高くなりましたよね?

ko-hey:いやぁ、そんなことないんですよ、全然。もちろん、そういうふうに言ってもらえるのはうれしいですけどね。新潟のライヴの時、難波さんがMCしているとき、話の流れで“いい感じで、このアルバムを作れて、リリース・ツアーの初日を迎えられたのは、ko-heyのお陰だ”って言ってくれたんですけど、難波さん、K5(Gt/Cho)くん、三ちゃん(SAMBU/Dr/Cho)がNAMBA69って城を守ってくれてなかったら、今となってはですけど、俺が入る隙間もなかったわけで。俺が声をかけてもらった時にNAMBA69がその隙間を作ってくれて――それが作られたものなのか、作られてしまったものなのかわからないですけど、その隙間にちょうど俺っていう人間がすぽっとハマって、ほんとにそのものズバリ、ケミストリーが起こったんですよ。作詞・作曲のクレジットを見たら、もちろんわかる話なんですけど、曲に関しては基本、難波さんと俺が軸となってアレンジまで含め、全部やってるけど、歌詞の世界観を含め、曲をお客さんに届ける作詞の部分は難波さんがやっているんで、だから、ko-hey、ko-heyって言われるのは恥ずかしいですよ(照)。

――まぁ、それは確かに。

ko-hey:それにね、NAMBA69に誘われたとき、加入を決める前に音源をもらって、ライヴを見せてもらったんですけど、その時にキャッチできたんですよ。NAMBA69がやりたいことと言うか、その当時、難波さんが目指していた方向が。ハイスタ(Hi-STANDARD)とは違って、現代のエッセンスをちゃんと取り入れたメロディック・ハードコアをやりたいんだなって。その上で、俺が入ってツイン・ギターになったら、めっちゃ良くなりそうだし、きっとそういうことがやりたいんだろうなって思えたから加入を決めたんです。だから、“ko-heyが入って、音楽性が”っていうのも、俺的には“いや、元々トライしてたんだよ、NAMBA69は”ってところもあるんです。もちろん、“HEROES”の“MANIAC”みたいな、ああいう超マイナーでメタリックな曲はなかったですけど、同じ“HEROES”に入っていた“LOOK UP IN THE SKY”とか、今回の“GO FUCK SHIT UP”とか、メロディック・ファンに突き刺さる現代のメロディック・ハードコアは元々あった要素なんですよね。だから、うれしい反面、そういうふうに言われると、正直、照れますね(笑)。


――じゃあ、逆に“ko-heyが入って、バンドは良くなった、良くなった”と言われることにプレッシャーを感じることもあるんですか?

ko-hey:うーん。プレッシャーは4人が4人、均等に受けていると思います。いや、特にないのかな(笑)。インスタとか、ツイッターとかで難波さんも俺もちょいちょい言うんですけど、単純に楽しいんですよね。ほんとにピュアな気持ちでやれてるんです。これまでの曲は、大体、俺が1コーラスか、場合によってはフル・コーラス、家で作っちゃって、“こんなのどうですか?”って、みんなに聴いてもらってたんですけど、“CHANGES”は事務所の倉庫に昼の3時ぐらいからだべって、5時ぐらいになってようやく“ちょっとやる?”って。それから、ちょっとしたスピーカーからそれぞれの音を出しながら、“こういうリフ、良くない?”って難波さんが弾いたら、“それ、めっちゃいいですね”って俺がそれにギターを当てて、“それ、かっこいいね”って今度は難波さんがって流れでネタがどんどんどんどん、すごいスピードで溜まっていって。全体のバランスを見ながら省いた曲もあるくらいなんですよ。それを考えると、プレッシャーって全然なかったのかな(笑)。

――楽しみながら作っていった、と。

ko-hey:そうですね。バンドを始めて、初めてオリジナル曲を作る時のあの雰囲気に近かったかもしれないです。

――今回、なぜ、そういう作り方をしたんですか? 普通に考えると、そういう曲作りのやり方って時間がかかりそうじゃないですか。

ko-hey:1つには、俺が家で作ると、割と完璧に作っちゃうんですよ。イントロのギターからAメロ、Bメロ、サビっていう流れとか、ビートとかLRのギターとか。そこまで作っちゃうと、難波さん的に曲をイメージしづらいんだろうなっていうのがあったんですよ。今回、事務所の倉庫で作りながら、歌メロも“サビはこれがいいんだよね”って難波さんがつけたんですけど、ご存知の通り、難波さんのメロディー・センスは凄まじいので、その時、ラフに歌ったメロディーがほとんど生かされているんです。だから、逆にめちゃめちゃ速かったんですよ。それは難波さんと俺っていう曲を作る2人が曲のイメージを共有できてたからだと思うんですけど、あともう1つ、単純にスタジオで曲を作ろうってなると、時間が決まっちゃうじゃないですか。それがイヤだっていう話になりました(笑)。たとえば、1時から10時までってスタジオを押さえて、“もう10時だ。ヤベえ。今日、何もできなかった”ってなる、その雰囲気がイヤだった。それだったら、できなくてもいいし、オヤツ食べたくなったら食べて、休憩したくなったらタバコ吸ってっていう家にいるような環境で、“ポロンポロンってやってるほうがいいと思うんだよね”っていうのは難波さんのアイディアだったんです。“時間が限られると、焦っちゃうんだよね”って(笑)。

――それが功を奏したわけですね。

ko-hey:そういう環境で作ったからこそ、“A FOREVER DREAMER”のラフなんだけど楽しい感じだったりとか、“SHINE ON ME”にベースとドラムを入れないっていうアイディアだったりとかが出てきたんですよね。スタジオでやっちゃうと、“SHINE ON ME”やるってなったら、絶対、三ちゃん叩いちゃうじゃないですか。“ちょっとビートちょうだい”ってなるから。それを考えると、事務所の倉庫だったから、ああなったと思うんですよね。

――リズム隊が入っていないのは、そういうことだったんだ。

ko-hey:しかも、難波さんはパンクはもちろんですけど、オルタナもグランジもすごい好きだから、“SHINE ON ME”みたいな曲は普通だったらアコギ2本で歌を聴かせるところを、エレキをファズで歪ませて、しかもめっちゃブーミーな音色でっていう(笑)。そういう方向でやってみようってなったんですよね。“これ、新しいと思うんだよね”“確かに。これで行きましょう!”って。でも、その間、三ちゃんはパットを叩かされてたんですけどね(笑)。“ちょっとテンポちょうだい”って。だけど、本チャンにはドラムは入らないっていう(笑)。

――でも、そういうのも大事じゃないですか。ドラムは叩ていないけど、ちゃんと曲には参加しているって。

ko-hey:そう。一員としているっていうね。

――ところで、今年の2月、渋谷CLUB QUATTROで遅ればせながらと言うか、かなり遅くなっちゃいましたけど、ko-heyさんが入って4人になったNAMBA69のライヴを初めて見せてもらったんですけど。

ko-hey:どうでした?

――すごい人を入れたなって。

ko-hey:やっぱり、「調子に乗ってんな。このガキ、イキってんな」ってなりましたか?(笑)

――いやいやいや、そうは思わなかったですけど(笑)、確かにそういうところもライヴの見どころになっていると思って。

ko-hey:いいふうに言ってもらえてうれしいです(笑)。

――だって、MCの時、臆せずに難波さんにカラんでたじゃないですか。しかも、あの時はライヴに遊びにきていたTOSHI-LOWさんのこともイジっていて。

ko-hey:イジりましたね(苦笑)。

――それがちゃんと笑いに繋がって、確実に会場の雰囲気を良くしていたと思うんですけど、ko-heyさんの元々の性格なのか、意識してやっているのか、どっちなんだろうって、この人、すごいなと思いながら、ちょっと不思議にも思って。

ko-hey:意識しているかって言ったら、そんなにはしてないですよ。元々、性格的に好きな先輩にじゃれる意味で、俺、生意気を言うんですよ。マネージャーにも 「おまえ、生意気だな」って真顔で言われたことが1回だけあります。酔っぱらってたから覚えてないと思いますけど(笑)。NAMBA69ってKen Bandとリハスタが一緒なんです。だから、時々、顔を合わせるんですけど、そういうとき、俺、Kenさんにも同じようにカラむんですよ。

――そうなんだ(笑)。

ko-hey:そうなんです(笑)。そしたら、この間、会ったときにとうとう“おまえ、うるせえな!なんで、そんなにうるさいの?”って言われて(笑)。もちろんネタでしたけど、そしたら難波さんが“かまってほしいんだよ”って言うから、すげえ恥ずかしくなりました。見透かされてるって(笑)。そんな感じもありつつ、ハイスタでもKenさんがやっていることなんですけど、難波さんって、MCが空回りすることがあるじゃないですか(笑)。そういう時に“そんなに気張って喋らなくてもいいですよ”って雰囲気にしてあげたいっていうのありますけどね。ただ、生意気なのは元からですね(笑)。

――でも、それが許されるキャラなんじゃないですか?

ko-hey:いやいや、許されてるんですかね?(笑)。

――今は、そういうキャラだって、みんなわかっていると思うんですけど、ひょっとしたら、最初の頃は、それこそさっきko-heyさんが言っていたように“調子に乗ってんな”って言われることもありました?

ko-hey:俺、16年6月のSATANIC CARNIVALで加入後初のオンステージさせてもらったんですけど、そこから『HEROES』が17年4月に出るまで10ヶ月、今と同じスタンスでライヴをやってたんです。その時から、俺ネットの評判見るの好きなのでディグってたんですけど(笑)、“こいつは難波さんへのリスペクトが足りない”とか、“新しいギターの奴、うるさくない? 3人のほうが良かった”とか書かれていて。同じようなことを思っている人がたぶん、それの10倍ぐらいはいたと思うんですよ。でも、俺は“あくまでもバンドに入ったんであって、難波さんのサポートではない”という鉄の意思は入った頃からずっと持ってました。初めから難波さんはNAMBA69のベース/ヴォーカル。あとの3人も対等なメンバーという意識はありましたね。だから、そういうことを言われて、正直、へこんだこともあったんですけど。


――あ、やっぱりへこむんだ。

ko-hey:そりゃ、へこみますよぉ。でも、“そんなの良くない? 作品を出して、ライヴをしていけば吹き飛ぶっしょ”って言ってくれたのは難波さんだったんですよ。

――そういことを言っている連中を見返してやるぞって気持ちが、ko-heyさん自身もあったんですよね?

ko-hey:まぁ、それはもう、ずっとありますからね(笑)。前のバンドの時も、前の前のバンドの時もずっとありましたね。今だってありますよ。いい言い方をすれば、パンク精神なのかもしれないですけど、“今に見てろよ”って気持ちでは、ずっといますね。

――たとえば、その気持ちは今、どんなところに向けられているんですか?

ko-hey:そうですねぇ。海外のレーベルとか?(笑) “なんで、俺たちを出さないんだ!?”って思いますし、作品を作る時も海外のバンドと比べても引けを取らないものにしたいと思いますし。

――そういう気持ちが“CHANGES”を作る上でモチベーションの1つになっているところもあるんですか?

ko-hey:今回、全曲でトライしていることが1個あるんです。俺が入ってからの今までの作品は、ギターの重ねだったり、歌のハモりだったり、ライヴで再現できないことは極力しないようにしてたんですけど、14曲収録するにあたって、ずっと等身大のスタンスでやって、飽きられちゃったら良くないという話に難波さんとなって、“だったら今回はライヴでどう再現するかは、後で練習しながら考えよう”ってなったんです。それで、その場その場で思いついた、こういうフレーズを重ねて、響かせたいとか、こういうハモり方して、奥行きを出したいとか、そういうのはふんだんに入れました。だから、声にしてもギターにしても、ありえない数、重なっているところがある。でも、海外のバンドってそういうことを平気でやるんですよ。で、ライヴで聴いたら、“音、薄っ!”ってなることもあるんですけど(笑)、そこはNAMBA69はありがたいことに一緒にツアーを回ってくれるPAもいるんで、出来上がったアルバムを聴いて、まずPAのイメージを作ってもらった上で、ここはこうしたいということを、ツアー前のリハーサルでがっつりやりましたね。

――因みに今回、一番音を重ねた曲というと?

ko-hey:“A FOREVER DREAMER”じゃないですか。だってシンセ入ってますからね(笑)。あれも入れる予定はなかったんですけど、録り終えて、ラフミックスを作っているとき、難波さんが“シンセ入れたらおもしろそうじゃない?”って言い出して。その時、思いついたのが今、入っているやつなんですけど、“OKです。今日、帰ったら作ります”って次の日、持っていったら、“めっちゃいいね”ってそのまま採用になったんです。それに、“DON’T JUDGE ME”のサビなんかは8本ぐらいギターを重ねてるんです。

――そんなに重なってるんだ!?

ko-hey:それだけ重ねて、シンガロングで入るサビだからこそ、あのグォーっていう勢いが出たんですよね。しかも、クリーンのアルペジオまで入ってますからね。

――えぇっ!?

ko-hey:いや、誰も気づかないと思うんですけど、ハハハハ。

――バンド・サウンドの作り方もより自由になってきたわけですね。

ko-hey:そうです。サウンドもそうだし、そもそもの曲のアレンジも今回のアルバムを作ったことで、もうどこにでも行けるってなりました。

――どこにでもっていうのは?

ko-hey:たとえば、今の海外のチャートに入ってるような歌とオケだけのポップスみたいなことをやってもありだと思うし、逆にシャウトだけのガッチガッチのハードコアをやってもOKだし、どメタルな曲やってもいいし、すげえ(音を)抜いたオールドスタイルのパンクみたいなことをやってもOKだし、どこにでも行けると思います。

――ただ、その中でも変わらないNAMBA69らしさがあるわけですよね?

ko-hey:その柱は、いくつかあるんでしょうけど、絶対的に言えるのは難波さんの声とメロディー・センスなんですよ。それがあれば、NAMBA69になる。それは間違いない。

――NAMBA69に加わったとき、ここまでいろいろなことができると思っていましたか?

ko-hey:ここまでは想像してなかったです。前にやっていたARTEMAがシンセのサウンドを取り入れつつ、メタリックでハードコアで、でもJ-POPメロディーでってバンドだったんで、自分がトライする上での音楽的なバックボーンが当時のNAMBA69よりも広いことはわかってたんですけど、まさかここまで広げられるとは思ってなかった。もっとメタルで、ゴリッと攻めた曲やりたいなぐらいは思ってましたけど。

――広げられるようにko-heyさんが持っていったんですか?

ko-hey:たぶん、難波さんと俺に共通するところだと思うんですけど、聴く音楽のジャンルが多趣味なんですよ。で、音楽を作れる環境にあるわけじゃないですか。やっぱり、いろいろやってみたいんですよね。だから、それが一致したら、やるって感じなんですよ、今は。難波さんがやりたいことを、俺が“いいですね”って思えたらやるし、逆に、俺が言ったことに難波さんが乗ってくれたらやるし。だから広げるように動いたと言うよりは、やりたい音楽をやっているだけってほうが感覚としては近いのかな。その意味では、1曲目の“GO FUCK SHIT UP”ってタイトル通り、やっちゃおうぜ。それだけっていう。今、タイトル1つ取っても意味が求められる時代に「GO FUCK SHIT UP」ってヤバくないですか?(笑) このタイトル、すごい好きなんですけど、ほんとそんな感じなんですよね。今のうちのバンドの雰囲気が。やっちゃおう、やっちゃおうっていう。

――多趣味の難波さんに応えられる多趣味のko-heyさんが加わったことが、バンド・サウンドが広がるきっかけになったところはあるんじゃないですか?

ko-hey:それはそうかもしれないですね。難波さんと俺、14歳違うんで、音楽シーンが言われているように10年周期で変わるならば、シーン1個以上違うんですけど、この間、ふと俺の音楽の一番のバックボーンって何だろって考えたら、90年代のJ-POPだったんです。

――たとえば、誰が好きだったんですか?

ko-hey:あの時代は小室哲哉さんがいなかったら成り立たなかったと思うんですけど(笑)、それ以外にも、あの時代の曲って1回聴いたら、大体サビを歌えるんですよね。それが普通の環境として育ったんですよ。現代の単語詰めまくり、音符の数が多めのメロディーも好きなんですけど、やっぱ1回聴いたら歌えるようなメロディーが好きなんです。で、難波さんがつけるメロディーは、それがあるんです。1回聴いたら歌えるっていうのが。そういうところもそうだし、クラブ文化やHIPHOPも時代的に流行っていたからシンセサウンドも抵抗はないし。男!ロック!ってだけじゃなかった。そういうところで難波さんとマッチしたっていうのもあるかもしれないですね。

――ところで、ko-heyさんはNAMBA69に入ったとき、“このバンドを売ります。ビッグにします”とおっしゃったそうなんですけど。

ko-hey:それ、たぶん脚色されてると思います(笑)。そんなことは言ってないんじゃないかなぁ。ただ、それに通じるようなことは言いました。“俺がこのバンドを良くしていきますから”とか、“俺は売れたい”とかは。でも、“俺が売ります”とは言ってないはず(笑)。

――その“俺は売れたい”という目標に向かって、今、バンドは何合目ぐらいまで辿りついた、と思いますか?

ko-hey:うーん、、、それは第三者に聞いてもらうしかないんじゃないですかね(笑)?でも自分の感覚的にも、少しずつ共感の輪が広がっているな、というのは実感しています。

――売れたいっていうのは、もちろん数字的なこともあると思うんですけど、それだけじゃないわけですよね?

ko-hey:そうですね。わかりやすく言うと、特に“CHANGES”で如実に出たと思うんですけど、ハイブリッドなメロディック・ハードコア、それがウチららしさだとしたら、それが1個、ムーヴメントになったら、売れたと思えるかもしれない。それこそハイスタがバッと行って、そこに通じるような後輩たちがムーヴメントを作ったみたいに。それこそ日本でゴンって売れてるバンドって、それに通じる奴らが出てきてるじゃないですか。俺がリアルタイムに見てきたので言うと、UVERworldがゴンって行った時は、それに似たバンドがライヴハウスに溢れてたし、ワンオク(ONE OK ROCK)がゴンって行った時は、“「感覚ドリーマー(完全感覚Dreamer)」のコピーですか?”みたいな曲をやっているバンドも多かったし。なんかそういうのの対象がNAMBA69になったら、キタなと思えるかもしれないですね。

――なるほど。“CHANGES”は控えめに言っても、バンドの最高傑作という言葉がふさわしいと思うんですけど、ムーヴメントを起こすという新たな目標が生まれたわけですね?

ko-hey:そうですね。ライヴを見て、“バンドやりたい!”って思ってくれたら一番うれしいですね。


――さて、ツアーは11月3日の渋谷TSUTAYA O-EASTまで、まだまだ続くわけですが、最後に改めてその意気込みを聞かせてください。

ko-hey:初日の新潟を終えたばかりですけど、各地、今までよりもチケットが速いスピードで売れていってるんですよ。冒頭に言った期待にも通じるんですけど、今回のツアーで初めてNAMBA69のツアーに来るって人も増えていると思うんです。フェスでは見たことがあるけど、ライヴハウスは初めてって人も含め。そういうふうに期待を持って見に来てくれる人たちに、ちゃんと“ウチらのライヴ、こうなんですドーン”っていうのを表現できたらいいですね。

――“うちらのライヴ、こうなんですドーン”っていうのは?(笑)

ko-hey:ハードコアのバンドのモッシュ・ピットってデンジャラスじゃないですか。でも、その中にいる奴ら、みんな笑顔なんですよ。ウチらって、それができると思うんですよ。ダイバーも多くて、女の子や体の小さい子は危ないと思うんですけど、みんな、ちゃんと思いやりっていう一番大切なマナーは持ってくれてると思うんですよね、NAMBA69のお客さんって。それが一番フロアを見ててうれしいところなんですけど、自分勝手に楽しんでいる奴はほとんどいない。そういうふうに、“うちらのライヴ、こうなんですドーン”って見せられたらいいなと思いますね。それって、たぶんお客さんが作ってくれてるものではあるんですけど、バンドが出す雰囲気も大きいと思うんです。ライヴハウスは怖くないよって教えたいですね。NAMBA69が出た『Love Music』を見たっていうコメントの中で一番おもしろかったのが、“放送を見てた母が一言。こんなもん裸祭りに耐えうる男しか行けんわ”(笑)。めちゃめちゃおもしろいと思ったんですけど、いやいや、あの映像のあそこだけ見たら確かにそうだけど、そんなことないよって(笑)。だから安心して来てって思います。で、ファイナルのO-EASTがパンパンになったらいいですね!



“CHANGES”
01.GO FUCK SHIT UP
02.MANIAC III
03.BLOOD SUCKING DOG
04.CHANGES
05.FEAR WAS BORN TO BE YOUR FRIEND
06.DON'T JUDGE ME
07.PUNK AND RULES
08.JAW
09.I DON'T WANNA KNOW
10.new wave
11.100% (THE STORY OF US)
12.A FOREVER DREAMER
13.SHINE ON ME
14.2001
¥2,700 (Tax in) / PSR-1003



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