LIVE REPORT

SHANK Pre "Three Heavy Clash TOUR 2019" LIVE REPORT!!

Report by 小林千絵
Photo by Yasumasa Handa

 

2019.9.12
SHANK Pre “Three Heavy Clash TOUR 2019”
@渋谷CLUB QUATTRO


SHANK主催の東名阪ツアー「Three Heavy Clash TOUR 2019」。今年はSHANK、COUNTRY YARD、ENTHの3組が梅田CLUB QUATTRO、名古屋CLUB QUATTRO、渋谷CLUB QUATTROの3カ所を回った。いつもふらりとステージに登場する3組が、どのような“Heavy Clash”を見せたのか。ここでは最終日となった渋谷CLUB QUATTRO公演の様子をレポートする。

トップバッターはENTH。takumi(Dr, Cho)が軽快にドラムでリズムを刻むと、それに合わせてdaipon(Vo, B)が遊ぶ準備は万端といった様子でおどけた表情を見せる。そこにNaoki(G, Cho)のギターが加わり、3人は「"TH"」でライブの口火を切る。その後続けざまに「ムーンレイカー」「HANGOVER」と人気曲を繰り出し、観客のテンションを引き上げていく。盛り上がるフロアを「(渋谷の)街と同じく行儀が悪くて最高」と評したdaipon。この日の意気込みを「近くのコンビニにレモンサワーを買いに行ったんだけど、身分証明書がなく買わせてもらえなかった。だから今日はすごくやる気です!」と説明して笑わせつつも、言葉通りやる気を隅々にみなぎらせていた。

そんなdaiponは、今回のツアーを「バンド人生においてめちゃくちゃ大事なライブだった」と振り返る。その言葉のあとに披露された「IN MY VEIN」では同曲で描かれる通り、いくつも拳の上がる景色を体に取り込むかのようにぐるりと見渡しながら、うれしそうに歌い上げた。終盤には胸に手を当て「ここをブワーって開いて生きていけたらって思ってて……全然言葉にできないけど、伝わるでしょ?」と思いの丈をさらけ出したのち、言いたいことは音楽で言わんとばかりにことさら感情的に「Will」「Get Started Together」を届けた。






2番手はCOUNTRY YARD。「In Your Room」の演奏前にKeisaku “Sit” Matsu-ura(B, Vo)が「君ん家に遊びに来たみたいな感覚だ」と話した。それは曲の歌詞に沿って放たれた言葉ではあるが、この日の彼らのライブを象徴するものであったように思う。Sitは前方のファンに向けて変顔を見せたりダイバーと拳をぶつけたりと、フロアとコミュニケーションを取りながらライブを進行。MCではSitがフロアからの「最高!」との言葉に下ネタで返し、Hayato Mochizuki(G, Cho) は観客の声に応えて“エアけん玉”を披露するなど、まさに友達との会話のようなやりとりが交わされていた。

中盤、Sitが「SHANKとENTHに歌います。ずっと一緒にいたいって歌」と述べて「I'll Be With You」を感情的に歌い上げたが、その後のMCでは「さすがにいつまでもはちょっと(笑)」と笑う。けれど最後には「2組ともリスペクトしてる。たまにはお酒おごらせて。何かあったら電話して」と改めて思いを語り、その気持ちを乗せるように、4人はミディアムチューン「Bed」を骨太に届ける。最後には「Orb」で場内に盛大なシンガロングを巻き起こし、舞台は整ったとばかりに戦友・SHANKへとつないだ。





トリのSHANKは「長崎SHANK、始めます」とのお馴染みの挨拶から、夏の終わりにぴったりな「Set the fire」でライブの幕を開ける。言葉ではなく演奏で惜しみなく喜怒哀楽を表現する彼らの演奏にファンはぐんぐんボルテージを上げ、それにつられるかのように3人のテンションも上がっていく。カバー曲「Isn't She Lovely」の演奏前に庵原将平(Vo, B)がスティーヴィー・ワンダーを「スピーディー・ワンダー」と言い間違えれば、「めちゃくちゃ速そうよね」と笑って松崎兵太(G, Cho)が同曲のイントロを“スピーディー”に演奏。「Take Me Back」ではブレイクで庵原が五木ひろしのモノマネを披露するなど、3人はいつも以上に自由なステージングを見せていた。

1時間弱という普段より長めの持ち時間で、「Good Night Darling」「620」といったライブ定番曲はもちろん、「The One Second Future」「Keep on Walking」など少しひさしぶりな楽曲もセットリストに織り交ぜた彼ら。終盤にはライブを見ていたENTH、COUNTRY YARDと楽屋トークのような会話を交わし、「本当に3日間楽しかったです」と東名阪公演を回想する。「心から感謝しています」と2組に向けて放ったあと、フロアに向き直り「あなたたちにも」と加えると「My sweet universe」を丁寧な演奏で届ける。彼らのひときわエモーショナルな演奏に、2組と観客はぐっと引き込まれていた。しかし3人は、感動的なムードはもう不要とばかりに、すぐさま再び盛り上げるように「BASIC」「submarine」を連投して、場内を熱気で包む。アンコールではその勢いを残したまま「Long for the Blue moon」「Restart」をプレイするも、アンコールの声が止まず、3人は最後に「また会おう」との言葉と共に「Stop the crap」をプレイしてツアーの幕を下ろした。








[SETLIST]
■ENTH
01. "TH"
02. ムーンレイカー
03. HANGOVER
04. START LINE
05. IN MY VEIN
06. HAHA
07. Gentleman Kill
08. Bong! Cafe' au lait! Acoustic guitar!
09. SLEEPWALK
10. Will
11. Get Started Together


■COUNTRY YARD
01. Don't Worry, We Can Recover
02. In Your Room
03. I'll Be With You
04. Seven Years Made My Now
05. I'm Alright, You're Alright
06. Starry Night
07. Bed
08. Orb


■SHANK
01. Set the fire
02. Good Night Darling
03. Hope
04. Life is...
05. 620
06. Phantom
07. The One Second Future
08. CHOICE
09. Wall Ride
10. Departure
11. Keep on Walking
12. Movie
13. Isn't She Lovely
14. Take Me Back
15. Weather is Beautiful
16. TOP WATER
17. My sweet universe
18. Honesty
19. BASIC
20. submarine

En01. Long for the Blue moon
En02. Restart

En03. Stop the crap




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