GOOD4NOTHING "NEW STORY" INTERVIEW!!
Interview by SUNEO
Photo by 半田安政
堺のおっさん達、新しい物語が今始まる!!
20年という歳月をメロディックパンクに捧げてきたGOOD4NOTHINGから突然のTANNY(Vo/Gt)脱退が発表されたのが約1年前。4人体制から3人体制への移行は、それはそれは、、、外野のボクらからは計り知れない圧を感じながらのことだったに違いない。今回リリースされた“NEW STORY”は、彼らの今を映し出した楽曲であることは明らかだ。「20年」と「これから」、語ってもらった。
--皆さんの周りの同年代のバンドってどんなバンドが多いんですか?
MAKKIN(Ba/Vo):dustboxとかホルモン(マキシマム ザ ホルモン)の亮君とかHOTSQUALLとかTHE CHERRY COKE$のKATSUOとか。
--ちょうど周りのバンド達も周年を迎えていますね。
MAKKIN:元々電気風呂っていうバンドをやっていて、それを合わせたらめっちゃ長いですね。GOOD4NOTHINGになって21年目なんで。
--どうして電気風呂っていうバンド名で活動していたんですか?
MAKKIN:僕も後から入ったんでU-TANがなんで電気風呂ってバンド名をつけたんかは知らんけど(笑)。
U-TAN(Vo/Gt):毎週TANNY達と銭湯行ってたんすよ。バンドをやり始めたばかりでバンド名決めなあかんなって時に皆で風呂入って話してたら、隅の一角に電気風呂があって心臓に弱い人はダメとか看板に書いてあって。これええんちゃう?って電気風呂にしました。
MAKKIN:効能が、入らないでくださいとかね。
--そこから加入されて1年くらいやられてたんですよね。
MAKKIN:それで皆にバンド名を変えたほうがいいって。先輩にも音とバンド名が結びつかへんからやめとけって言われたりして。
--GOOD4NOTHINGは皆で考えられたバンド名だったんですか?
U-TAN:その流れで皆でバンド名を変えようってなって、案を持ち寄って。ほぼ響きで決めたんですけど、あんまりいい意味じゃないんですが、いつかみんなの背中押せるような役に立てたらいいなって(笑)。
MAKKIN:もう3人になってしまったんですけどね(笑)。
SUNE(Dr):そこですね。
--(メンバーの脱退について)つっこんでしまっていいのかどうか分からないんですけど、、、やっぱりそれは気になりますよね。
U-TAN:ディープな部分は差し控えるけど全然大丈夫ですよ(笑)。今も全然会ったら喋るし。
--3月から新体制になっているのはそれぞれの道を選んだって形だったんですか?やりたい事が変わってきたりとか?
U-TAN:そうですね、やりたい事が変わってきたっていうよりもTANNYはTANNYでずっと自分のやりたい事っていうのをもっていて。GOOD4NOTHINGの中ではその表現が難しいものだったっていうのが一番大きいかもしれないです。
--それでお互いにやりたい事をやって行こうって流れだったんですか?
MAKKIN:話し合いを何度もして、4人でできる方法を話してたんですが。
--1年前のシングルが憶測を呼んだりしていますよね。
U-TAN:その時はそんな話は出てなくて。あれを録音している最中にミーティングがあってお互いの思ってる事を話して、そこからミーティングを何度も重ねて、話し合いをしながらやっていたんですけど、曲の歌詞はたまたまです。
MAKKIN:どんな憶測呼んでるんですか?
--歌詞の内容が送り出すようなものでTwitter上でも話題になってました。
U-TAN:そうやって見たらそうかもしれないですね。昔の曲とかも当てはまる気がする。
MAKKIN:全然知らんかったけど、当てはまるな(笑)。
--胸アツソングみたいな感じというか。
MAKKIN:そこはそのまま匂わせておいてもらってもいいですか?(笑)憶測が憶測を呼ぶような。
--3人体制になって初めてのシングルについてですが、まず4人体制から3人体制になって負担が増えたのはMAKKINさんだと思うんですけど、ベースボーカルってこれまで経験ってあったんですか?
MAKKIN:実はあったんすよ。高校卒業したくらいにバンドをやってて、その時ベースボーカルやってたんです。
--ちなみにその時のバンド名は?
MAKKIN:シンクロナイズドパンクス(笑)。
U-TAN: シンクロナイズドパンクスと電気風呂が対バンしてそこからずっと友達ですね。
MAKKIN:その時はタケシーズやったよな。コピーと自分らの曲は1曲くらいで。
U-TAN:8バンドくらい出てて、皆Hi-STANDARDの“New Life”のコピーをやってる時代でしたね。誰が1番やー!って(笑)。
--話は戻るんですけど既存の曲もベースボーカルでやられているじゃないですか。TANNYさんのパートはMAKKINさんが歌われている感じなんですか?
U-TAN: 今はそうですね、最初はMAKKINに「大丈夫、やろうや」って言ってたんですけど、本人はずっとメインボーカルやってないし無理やっていう部分がデカくて。最初“It's my paradise”って曲とかTANNYが歌ってた部分をMAKKINが歌うようにしていって、段々と自信がついてきて今って感じですね。
MAKKIN:ボーカル、大変す。
--マッキン & 来来キョンシーズではメインボーカルをされてましたよね。
MAKKIN:ただの傀儡みたいなもんですけどね(笑)。
--話は前後するんですけど、今回の音源を聴いてMAKKINさんはなんでこれまで歌ってこなかったんだろうって思ったんですよね。
MAKKIN:僕、歌うもんじゃないってずっと思ってました。初期の頃にU-TANに「MAKKINここ歌ってみようや」って言われた事もあったけど、俺はいい、いいみたいな。そのうちU-TANが諦めて。単純に下手やし、迷惑かけると思ってました。
--(MAKKINさんの)声質が特徴的じゃないですか。今回の曲ってギターから始まって歌がすぐ入ってきますけど、今までの2人とは違うちょっとフックのある声というか。これ早めに出してたら今もっと違ったんじゃないかな?って思っちゃったんですよね。
MAKKIN:3人ボーカルでって事すか?
--曲によって出し入れがあってもいいし、シンプルな曲の方が声が生きるタイプだし。だから、3人になってこれはこれで正解なんじゃないかって“Someday”を聴いて思ったりしたんですよね。“NEW STORY”の延長線上でよりシンプルな楽曲って印象だったのでめっちゃいいじゃんって思ったんですよね。“NEW STORY”を2曲入りのシングルで出されていますけど、3人になったからメッセージとしての“NEW STORY”なのか何か意図があれば教えてほしいです。
U-TAN: まさに3人でこれからやっていくぞっていう想いで歌詞は書きました。自分達に対しても背中押したいって気持ちが強くて。
--前のアルバムの時は結構な曲数を書かれてその中から絞っているって聞いた事があります。今回も曲のストックは多かったんですか?
U-TAN:曲は出してました。ただ、この3人でやっていく新しさってのも必要やし、MAKKINの曲も入れたいってのも思ってて、シンプルやけど新しさの伝わる作品にしたかったので、この2曲で3人でやっていくんやっていうのが伝わるんちゃうかって話はしましたね。
--歌詞も自分達の事を歌っている感じですよね。歌詞の話でいうと曲調ともあってますよね、“NEW STORY”も明るいし。曲を書き分けているように歌詞も書き分けているんですか?それとも皆で出していこうって感じなのか、それぞれが書いているのか。
MAKKIN:“NEW STORY”はU-TANが書いて、“Someday”は僕が書きました。根暗なんでそういう感じなのかなと(笑)。直球な感じで堂々と言えないんで多分ネガティブなんですよね。
--全てをさらけ出してる感じはしますけどね。
MAKKIN:それは嘘をつきたくないっていう(笑)。かっこつけるのも難しいしって感じですかね。僕が問いかけるような歌詞を書いても誰も意味分からんと思うし、まだ自信ないんですよね(苦笑)。もうちょっと曲にも自分にも自信が持てたらいい歌詞が書けるんじゃないかと思います。
--全然悪い歌詞じゃないですよ!2曲の気持ちの表れ方が対照的だったので書いた人が違うのかなって思ってました。結局、前を向いていこう、先を見据えてここからリスタートしようって気持ちがどちらの曲からも受け取れるから気持ちの方向性は一緒だなって思ってましたけど、書いてる人のニュアンスが違うなって。この2曲が1枚の音源に収録されているのはいいですよね。曲については、ギターが1人になってシンプルに作られてるなって印象です。それは意識していた部分だったんですか?
U-TAN:今まで4人でやってきたライブの主軸になる曲が40~50曲くらいあって、それを3人でライブするためにギターを1本にしたりアレンジしたりしてって作業が活きましたね。ここはバッキングなくても成り立つんやとか、単音の所はルート音を足したほうが厚みが出るなってわかってきて。周りにスリーピースでギターが歌うバンドが多いんで、友達を観たり相談してそれを活かせた気がしますね。
--機材のセッティングとかも変えたりしたんですか?
U-TAN: そうですね、変えましたね。ギターが一本になるんで、レンジは広いけど、クリアに聴こえて迫力がある感じにしたかったので、キャビを変えたりしました。
MAKKIN:曲はギュッって締まったもんにしようって意識はしてました。3分じゃなくて2分半のかっこよさというか凝縮した良さにこだわって。どうやって短くてかっこいいものにしようかって話をして意識して。
--ドラムパターンは変えたりしましたか?
SUNE:全体をシンプルにしようっていうコンセプトはあったんで、シンバルを隙間を埋めるような感じで鳴らすようにはしてたんですけど。手数の部分では特に大きく変わらず、ここ最近ずっとメロディの良さを出すように、邪魔しないようにって。だからドラムに関しては特に変わらずって感じで叩きました。
--これまでの楽曲を聴いてるとメロディックパンクだけではなく、途中から台頭してきたポップパンクのノリをGOOD4NOTHINGがこの日本に定着させたなって印象があります。ポップパンクは(ドラムの)手数が多いので以前と比べるとドラムも変化したのかなって。今回の楽曲は、メロディックパンクに戻ってきたなって思ったんです。「原点回帰」「初期衝動」っていう言い方は安っぽくなっちゃいますけど、メロディックパンクをオッサン達が作り上げて「これ正解だよ」って出したら今回の音源になるのかなって。ストレートなんだけど、「古くなくて沁みてくるな」って聴いて感じてたんです。「シンプルイズベスト」って感じですよね。レコーディングに関してなんですけど、ANDREWさんのStudio-WAKEFiELDで楽器隊は収録されたと聞きました。ボーカルだけ海外だったみたいですが、なんで海外で録ろうって思ったんでしょうか?
U-TAN:SAKAI MEETINGをアメリカでやるって決まって、どうせなら。そのタイミングで歌を録音しようって。スタジオは、友達に電話したらそいつの知り合いがハリウッドでスタジオをやってるって話を聞いて。紹介してもらいました。
MAKKIN:山の斜面にあっていいスタジオでした。ただの小屋なんですけど、光も当たるし標高も高いから景色綺麗やし。
U-TAN: SUNEが入ってすぐのレコーディングもアメリカでやったんですよね。その時はレンタルハウス、一軒家を借りて。どこが一番いい音がするかって手を叩きながら音を確かめて、階段の下のクローゼットの所でやったりしたんですけど。
--その時は誰に録音してもらったんですか?
U-TAN: それは今回紹介してくれたその友達で。そいつが最近SKAの“PICK IT UP”って映画を撮ったんですけど、それでレコーディングもやってたりしたから。
--2作もシングルの音源が続くとファン目線ではアルバムを期待してくると思います。今の時点でアルバムの構想ってあったりするんですか?
U-TAN:今まさに作ろうとしてますね。
--今は2枚くらいシングルを出したら次はアルバムだろうってリスナー側も体が慣れてきていますよね。3人体制でもいけるのかって感じを乗り越えてやっちゃうぞって感じなんですね。
U-TAN:そもそもアルバムを出そうって話があったんですけど、今年1年レコーディングできるなんて思ってもみなかったんで。。。まずはライブやってアレンジをやってって思っていたんですが、いざやって動き出して1カ月経ち、2カ月経ちいけるなって。新しい曲を形にしたいって思いだして。周りからも新しい音源を出した方がいいってアドバイスをしてもらって、年内ギリギリのタイミングでなんとかリリースできへんかなって話になり、会場限定のシングルにしようって漕ぎつけた感じですね。元々はアルバムが目標やったんで。
--活動のペースも全く落ちてる感じしなかったし、途中で(MAKKINさんも)自信もつけて、裏方のボク目線でいうとペース早いなって思います。
U-TAN: 2月、3月の準備期間が一番しんどかったですね。交互に弾いてた所を一人で弾いたりすると20年もやって染み付いてるせいで待ったりするんですよ。歌ってなかった所をコーラスしたりとかMAKKINも今まで歌ってなかったのに歌ったりとかそれを染みつけるのに大変でしたね。
MAKKIN:たまに忘れる時ありますよ(笑)。
U-TAN:20年やってきた事やから体に染みついてるんですよね。
MAKKIN:気抜いたら忘れるんすよ。
--次のツアータイトルが放浪記切磋琢磨編という事ですけども。
MAKKIN:もう新人なんでね、その気持ちです。
U-TAN:一応レコ発って形にはしてて、ここまでアレンジしてきた曲とシングルで周るぞと。
--MELODIC COASTERもやっているし、自主企画が多いですよね。2013年からSAKAI MEETINGもやられていて。
U-TAN:SAKAI MEETINGはTHE→CHINA WIFE MOTORSとやっていて、色んなジャンル関係なくやっていこうやって。俺らのバンドの基盤にもなってるところなんですが、それをやっていく中でメロディックに特化してやっていくなんて今までやってなかったし、敢えてメロディックにこだわったイベントしたいなって。それって同じメロディックの仲間の中で自分たちを出すって結構難しかったりするんで、メンバーと話してその3年後くらいからスタートしました。
--全然止まってないですね。自分達で「堺のオッサン達」って銘をうってやってるじゃないですか。メンバー脱退って後ろ向きにも捉えかねられない状況だと思うんです。それでも進んでるって後輩バンドマン達にも勇気を与えますよね。若いポップパンクの子達って25(齢)くらいでやめちゃうんですよね。こんなにGOOD4NOTHINGが続けてきて見れる景色があって、凄い勇気を与えられてるなって。活動で見せられていますよね、だから、辞めないでほしいですね(笑)。
U-TAN:もういよいよ辞める理由がなくなっちゃいました(笑)。
--ツアーもあるしこれからライブに足を運んでくれるお客さん達にメッセージはありますか?
U-TAN:ずっと見てきた4人の画が3人になって違和感はあると思うんで、お客さんが構えて見てしまうっていうのも分かります。俺らが発信してる、やっていくぞって気持ちがちょっとでも伝わったら、そんなん無しに楽しんでもらえたらって。
MAKKIN:3人になって、TANNYが辞めた時点でボクは新しいバンドやと思ってるんですよ。だから新人やけどGOOD4NOTHINGを知ってる人が来てくれるから、今の状況はラッキーやと思ってて。そこで来てくれた人が良いか悪いか決めてもらったらいいかなって。また来たいと思ったら来てくれたらいいし、後は好みなんでね。僕自身ツアーが始まる事に対して緊張感もあるし、そこは結局人が判断する事なんで。とにかく関係無しに楽しめたらいいなって思うので、皆さんよろしくお願いします。
--緊張感が違いますね(笑)。
SUNE:今までのコアなGOOD4NOTHINGのお客さんの中でMAKKINさんが作る曲って評判がよかったんです。ちょっと暗かったり盛り上がりに欠ける部分はあったり、凄い長いロングセットの時じゃないとあんまりやる機会がなくて、隠れた名曲って感じでお客さんから反響があったんです。今のフロントがメインで曲を作るようになった時に、採用される曲が半々くらいになった時、お客さんはMAKKINさんの曲をたくさん聴けるようになるんじゃないかなって。それは楽しみにしておいてもらえたらって。現にストックしてる曲がすごいかっこいいんですよ、新鮮さもあるんですけど、暗くない曲も凄い新しくて早く具現化できたらって。僕がもしそれをやってこいって言われたら絶対出せないし、二番煎じな感じはしないし、アーティストさんなんやなって。
--今ですか?(笑)
SUNE:コーラスしてるだけの人やないんですよ。もう一回ボーカルやれって神様に言われてるような気がしますけどね。出し切ってほしいし、お客さんがそれを楽しみにライブハウスに来てもらえたらなって思ってます。
--3人になって更に仲良くなりました?
SUNE:人数少ないし、ケンカしてても意味ないし、仲良くやっていくしかないかなって。
“NEW STORY”
01. NEW STORY
02. Someday
CD / LMNOP-008 / 1,100円(内税)
MELODIC COASTER 放浪記 -切磋琢磨-
12/4(水) 神戸 太陽と虎
12/6(金) 大分club SPOT
12/8(日) 高松TOONICE
12/13(金) 高崎 club FLEEZ
12/14(土) 千葉LOOK
12/16(月) 名古屋APOLLO BASE
12/27(金) 水戸LIGHT HOUSE
1/11(土) 岡山IMAGE
1/13(月) 福岡CB
1/18(土) 盛岡Club Change
1/19(日) 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
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