INTERVIEW

NAMBA69 "FRIENDS" INTERVIEW!!

Interview by Tomoo Yamaguchi
Photo by H.and.A

 

 


 今年2月、新ドラマーとして正式にMOROを迎えたNAMBA69が6月10日から延期になっていた新ラインナップ初の音源となるミニ・アルバム『FRIENDS』を、ついに8月5日にリリースした。
09年5月にリリースした2ndフル・アルバム『CHANGES』と、その後のツアーがバンドのスケールアップを確実に印象づけただけに、ひょっとしたら、まだソロ活動していた頃から難波章浩(Vo/Ba)を支えてきた前ドラマー、SAMBUの脱退に不安、いや、不安とまでは言わないまでも、体制を整えるためバンドは少し足踏みを余儀なくされるんじゃないか、『CHANGES』以降と言うか、ko-hey(Gt/Cho)加入以降の勢いが止まってしまうんじゃないかと思ったファンは少なからずいたんじゃないか?
 しかし、NAMBA69は大丈夫――と『CHANGES』以降のNAMBA69をアップデイトした『FRIENDS』の5曲を聴いた誰もが思うに違いない。そして、今回、ko-heyが語ってくれたSAMBU脱退からMORO加入までの急展開の舞台裏を知れば、『FRIENDS』から受ける安心は、さらに確かなものになることだろう。
 10月3日の新潟LOTSから全国7か所を回る「FRIENDS TOUR 2020」。11月21日に東京で迎えるツアー・ファイナルでNAMBA69は自身最大規模となるZepp DiverCity公演に挑戦する。「CHANGES TOUR 2019」のファイナルに選んだ19年11月3日の渋谷TSUTAYA O-EASTは、当時のNAMBA69 にとっては挑戦だったが、見事ソールドアウト。バンドは1,300人を相手に素晴らしいライブを披露した。だからきっと今度も大丈夫と期待している。O-EAST公演のレポートで締めくくりに書いた言葉を、ここでも繰り返そう。
 ここからまたスタートする新生NAMBA69 のこれからは、楽しみでしかない。まだまだ行ける。もっと行ける!

 

“やべえ。ドラムがいねえ”ってなりましたよ。

――新作について聞かせてもらう前に「CHANGES TOUR 2019」を振り返ってもらって、その時のメンバーのみなさんの思いもちゃんと書き残しておきたいと思っています。1年前に、ここでko-heyさんに話を聞いたとき、“「CHANGES TOUR 2019」のファイナルである渋谷TSUTAYA O-EASTがぱんぱんになったらいいな”とおっしゃっていたんですけど、おっしゃっていたとおりO-EASTはぱんぱんになりました。最高の形でツアーを締めくくれたと思うのですが、改めてツアーを振り返って、どんな手応えがありますか?

ko-hey:『CHANGES』は俺が入ってから初のフル・アルバムでもあったし、あれだけの曲数(全14曲)を作るにはメンバー間でモメたわけじゃないけど、クリエティブを高めていく上で、必然的に意見がぶつかることも少なくなかったし。そういうことを乗り越えた上で、“来たな”ってメンバー全員が確信しながらリリースしたアルバムだったんです。で、満を持して、全24本というツアーを組んだわけですけど、ファイナルのO-EASTは、実は俺らメンバーは不安だったんですよ。

――前回のインタビューでは、そんなことおっしゃっていなかったですよ。

ko-hey:O-EASTを埋めきれるかどうか? イケるだろうって楽観視したい自分もいたんですけど、正直、“TSUTAYA O-WESTはこの間ソールドアウトしたから500人は来てくれるだろう。でも、1,000人入らなかったらどうしよう?”ぐらいの感じでビビってたんですよ。でも、POP SPEED RECORDSを一緒にやっているJMSチームとか、マネージャーやライブ制作チームとかから“余裕だよ、絶対。だから、やりましょう。このタイミングでO-EASTに行きましょう!”と後押しされて、いざチケットを発売したら、O-EASTも含め、ほぼほぼツアーが始まる前にソールドアウトしたんです。変な話なんですけど、俺、NAMBA69以前の自分のキャリアも含め、O-EASTを埋めたことってなかったんです。それに加え、ツアーが各地ソールドアウトっていうのも初めてだったんですよ。しかも、それはNAMBA69としても初めてで。なんか自分がイメージしていたソールドアウトを連発するバンドの雰囲気と全然違ったんですよね。いざ、自分がそうなってみたら。

――どう違ったんですか?

ko-hey:ソールドアウトを連発してたら、これは悪い偏見かもしれないけど、もっと気楽に回れると思ってたんです。お客さん、みんな味方だから。でも、真逆でしたね。

――ああ、なるほど。

ko-hey:で、“ここで下手なライブしたら、この人たち、もう来なくなっちゃうんだ。これは下手を打てないぞ”と気持ちを引き締めて、以前の“対バンのお客さんも含め、今日のお客さん根こそぎ持っていってやるぞ!”っていうハングリー精神とはちょっと違うベクトルの凄まじい熱量と気持ちを持って、ツアーを回ったんです。なので、そういう気持ちを持ったまま、自分たちのツアーと、出演させてもらった諸々のフェスに関しては、全部やれたので、期間もリアルに長かったんですけど、非常に濃くて、バンドとしても上がっていけた、いいツアーだったと思います。

――僕が見せてもらったO-EASTのファイナルもすごくいいライブでした。では、ツアーを通して、バンドとして確実にステップアップできたという実感があったわけですね?

ko-hey:そうですね。意識レベルは2段、3段と上がっていっていたと思います。ただ、それって振り返らないとわからないじゃないですか。ツアー中は、ずっと目の前のものに対して戦っていくと言うか、もっともっと音楽的にも研ぎ澄ましていきたいということだけ考えていたので、改めて振り返ってみれば、そんな気はしますね。

――O-EASTのライブの時、K5さんが以前よりもぐぐっと前に出てきた印象があって。それも含め、バンドが一回り大きくなったように感じたんです。

ko-hey:僕が言うのもおこがましいですけど、K5君、成長しましたよね(笑)。やっぱり、どうしても性格とか、キャラクターとかもあるじゃないですか。

――はい、はい。

ko-hey:見た目と違って、やさしいんですよ。俺みたいな末っ子気質の人間がガツガツ行くのを、“オーケー、オーケー。俺は演奏で支えるね”ってタイプだったんですけど、やっぱりステージを見た時に、俺がガツガツ行く。難波さんもけっこう行く。そうすると、どうしても引っ込んで見えてしまうっていうのはどうなのってバンドでも話していて。


――あ、話していたんですね。

ko-hey:それに、どっちがリード・ギターで、サイド・ギターって決めているわけではないんですけど、コーラスもやっている俺よりもK5君はリードを弾くことが圧倒的に多い上に音色のチェンジも多いから、あんまり足元のエフェクター・ボードから離れられないんです。それでもガツガツ飛び出すようになってきたから、難波さんも俺も“よしよし。K5がフロアを温めてくれてるな。じゃあ、もっと歌に集中しよう”っていうふうになれるという、いい作用が働き始めたんですよ。

――そんなことも含め、確実にバンドとしてステップアップして、“さあ、これからもっともっと行くぞ”っていうところだったと思うのですが。

ko-hey:そうなんですよ。

――そしたらSAMBUさんが。

ko-hey:そうなんですよ。

――好事魔多しとはよく言ったもので、突然、脱退してしまうという。

ko-hey:そうなんです。

――けっこうな衝撃が日本中に走りました。

ko-hey:サンちゃんは多くの人から愛されていただけに衝撃的でしたよね。

――O-EASTのファイナルが終わってから、SAMBUさんからやめたいという申し出があったんですか?

ko-hey:O-EASTが終わった時は、まだその話は出てませんでしたね。そのあとに追加公演で東北大作戦3か所と沖縄と渋谷のCYCLONEでやって、そこでもまだ出てなかったんですけど、12月に入ったら急に。ただ、さっきも話したとおり、『CHANGES』という自信作を作って、月に5本から10本、ライブを続ける中で意識レベルがどんどん上がっていたんですよ。メンバー全員。なので、もちろんそこでサンちゃんも“もっとやらなきゃ。もっとやらなきゃ”ってがんばってくれていたんですけど、最終的に限界と言えるところまで来てしまった。それを本人から言われたわけなんですけど、ずっと一緒にツアーを回っていたら、サンちゃんの変化は、みんなも気づいていたと言うか、ツアー中、“大丈夫やで”と言いながらも、プレッシャーを抱えていることは、こっちもわかっていたんです。サンちゃから直接、そういうことを聞かされたのは後々のことでしたけど、なんとなくわかってはいたんで、“そうだね。ここまでがんばった。よくやったよ”って。

――青天の霹靂ではなかった、と。

ko-hey:複雑でしたけどね。でもそれはそれとして、“やべえ。ドラムがいねえ”ってなりましたよ。だから、“サンちゃんの申し出は受け入れるけど、すぐドラムは見つからないかもしれないから、脱退発表のタイミングや、いつまでやってもらうかは相談させてほしい”って言って、“わかりました。抜けるにしてもちゃんと最後までやりきります”ってなったんですけど。

――そこでバンドの士気は下がらなかったんですか?

ko-hey:各々思うところはもちろんあったと思いますが、まったく下がらなかったです。それはその後、いい流れで続けられたからなんですけど、サンちゃんから申し出を受けたあと、PIZZA OF DEATHの『The Very Best of PIZZA OF DEATH III』というオムニバスに収録する曲のしめきりが年末にあったんですよ。ドやべえじゃないですか。しかも、クリスマスの直前にレコーディングを予定していたから、マジでドやべかったんですよ。

――確かに。

ko-hey:サンちゃんとその話をしてから、レコーディングまでに2週間しかなくて、やばすぎるってなったとき、そこがラッキーだったんですけど、MOROが現れたんですよ。元々は俺が前にやっていたARTEMAとMOROがやっていたINFECTIONっていうハードコア・バンドが仲良くて、その頃からのつきあいだったんですけど、MOROはShiggy Jr.っていうポップスのバンドもやっていて、そのバンドが去年の9月に解散したっていうのは、なんとなく知っていて。そしたら、MOROが山にドラムの3点(スネア、ハイハット、バスドラム)を持っていって、自分らがアップした「TALK SESSION」<*新作「FRIENDS」についてや、この期間にそれぞれメンバーがどう感じているのかを赤裸々に話すYOUTUBE企画>でも話したとおり、小鳥とセッションって言いながら遊んでる様子をツイートしていたんです(笑)。俺、それを見て感動しちゃって。職業ドラマーになりたいと言うよりは、ドラムを永遠に叩いていたい奴なんだ、リズムを生み出すのが好きな奴なんだって思って、それが頭の片隅に残っていたんですけど、それをレコーディングが2週間後に決まっているのにドラムがいない、やばいってなっている時に思い出して、速攻でMOROに連絡して。それも全然連絡を取ってなかったんで、ツイッターのDMですよ(笑)。“おつかれ、飲みに行こうぜ”って送って、そこから1回飲みに行ったんですけど、ちょうどMORO的にスタジオ・ミュージシャン的な活動プラス、できることは何でもやってやろうっていうマインドになっていて、“1回、音を合わせてみたい”って言ってくれたんで、“実はレコーディングもあるんだよね”って(笑)。そしたら、“バンドに加入するしないはさておき、俺で良かったら叩きます”って言ってくれたんです。でも、なんだかんだ、みんなで合わせたのはドラムを録る前日になっちゃったんですけどね。

――えっ。

ko-hey:それも3時間だけ。ただ、その時のリハーサルがめちゃめちゃ良かったんです。もちろん、レコーディングする「BEST OF THE BEST」もやったんですけど、“遊びたいから2曲ぐらい覚えてきてよ”って、「MANIAC」とか、「CHANGES」とか、うちの代表曲と言われている曲もやったんですけど、ちょっと涙が出るレベルで、みんな感動しちゃって。こっち3人はもちろん、MOROもそうで、音楽ってこんな感情にしてくれるんだっていう初期衝動に似たようなものを、全員が感じたんですよ。で、翌日、レコーディングに臨んだわけなんですけど、リズム録りする時に変な言い方ですけど、MOROが譜面どおりに叩いたら、上手すぎると言うか、きっちりしすぎていてつまらないと思ったのか、難波さんが“MOROちゃんさ、もっと何て言うかさ、やっちゃっていいんじゃない? 自由にやんなよ”って言ったら、その瞬間にMOROが覚醒しちゃって。

――ほぉ。

ko-hey:「TALK SESSION」でも言っているとおり、マジで次のテイクが9割、採用されたんですよ。勢いと言うか、ノリの気持ちよさが段違いで。その後、念のために2、3テイク録ったんですけど、超えられないねってことになりました。そしたら、MOROも“自分でもわけがわからないくらい気持ちよかったです”って言い出して、もうその日ですよ。その日に“やる?”→“僕はこのバンドでトライしてみたいです!”っていう話になって。正式に加入ってなったのはもう少しあとですが、マジかよ、めちゃめちいいじゃんって。

――良かったというのは、テクニックの話じゃないわけですよね。

ko-hey:そうなんですよ。もちろん、サンちゃんも上手だったし、MOROも上手だし。でも、テクニックじゃなかったんですよね。何だろうな? なんだかよくわからないんですよ、ほんとに(笑)。一番感動してたのはK5君だったんですけどね。“こんな気持ちのいいドラムとやったことないよ”って(笑)。

5曲になると、永遠にリピートできるんで。

――そこから今回の『FRIENDS』を作っていったわけなのですが、当初の予定では6月10日のリリースだったじゃないですか。それは前々から考えていたんですか?

ko-hey:考えてました。6月10日が水曜日だったんですよ(CDの発売日は水曜日とほぼ決まっている)。そうすると、フラゲ日は6月9日になるじゃないですか。

――あ、なるほど!

ko-hey:何か出さなきゃって(笑)。ツアーが終わったあと、どうしようかって考えながら「CHANGES TOUR 2019」を回りながら、フラゲ日が6月9日なら、3曲のシングルでもいいから出したいねって話は元々していたんです。敢えて難波さんの誕生日って言い方ではなく、NAMBA69の日って言い方をしますけど、だから、ツアーの最中から曲の元になるネタは難波さんと僕で作っていて。

--そうだったんだ。あれ、じゃあMOROさんが現れなければ、その話はトンでいたわけですか?

ko-hey:あぁ、あり得ましたよね。サンちゃんに叩いてもらうのは違うじゃないですか。それが世に出る時は、すでに脱退しているかもしれないんだから。だから、最悪、ドラムを打ち込みでやってたかもしれないです。俺が宅録大好きなんで。最悪、それができるんでってことも話してたんですけど、とは言え、生ドラムの空気感と、いい意味でのリズムの揺れ感は欲しかったんですよね。そしたらどんぴしゃでMOROがそこにハマったっていう。ほんと、奇跡なんですよ。このタイミングで来たっていうのは。ただ、その時は「BEST OF THE BEST」のレコーディングのことしか考えてないから、6月のリリースをトバすとか、レコーディングのスケジュールどうするとか、そういう話はまったくしなかったです。今言われて、確かにそうだなって思いました。すみません、場当たり的なバンドですね。ハハハ。

――場当たり的と言うか、局面局面で対処していっていると言うか(笑)。じゃあ、MOROさんの加入が決まってから曲を完成させていった?

ko-hey:そうです。1月の半ばぐらいから、まず難波さんと俺で“フルコーラス、大体こんな感じにしよう”って「YOU’RE MY FRIEND」「PLAY THE GAME」「IT’S ONLY PUNK ROCK」の3曲を形にしたあと、そこから先はMOROとやってみようってスタジオに持って行って、大まかにここは2ビート、ここは8ビート、ここは頭打ちのビートでってことだけを伝えて、“それ以外は好きにやってみて”ってやってみたら、それがイケたんですよ。それで難波さんと俺の求めることがめちゃめちゃ増えたんですけど、MOROはそれにも応えられたんです。たとえば、難波さんが“ここは2小節前からフィルを入れて、その後、1小節ブレイクして、入りキメで元に戻ってみよう”って、そういうことをその場で言ってもついて来られたんです。それができる人ってそんなにいないと思うんですけど、そこにガッと来たからうれしくて。そんな時、K5君はウワモノを考えてくれてるんですけど、そんなこんなで感動しつつ、3曲が形になったところで、収録内容を話し合った時に難波さんが“MOROちゃんと最初に作った音源が「BEST OF THE BEST」だから、無理を言っているのはわかっているけど、なんとかPIZZAにお願いして、入れさせてもらいたい。どうかな?”って。

――PIZZA OF DEATH RECORDSから3月に出るオムニバスの収録曲だから、普通、6月に出る作品には入れませんよね。

ko-hey:そうです。だから、K5君も俺も“できるならそうしたいです。けど、難しいんじゃないですか”って言ったんですけど、ダメモトで話をしたら、そういう思いを汲んでくれるPIZZAの器の大きさがあって、ありがとうございますって「BEST OF THE BEST」を入れて、その4曲で行こうってなったんですけど、4曲を並べた時にポップだな。聴きやすい曲が並んだなという印象があったんですよ。

――ああ、確かに。

ko-hey:それもありつつ、もう1曲入れたら5曲になって、いわゆるミニ・アルバムの収録曲数にもなるっていうのもあって、もう1曲、ハードコアのショート・チューンが欲しくなったんですよ。それで、なんとかがんばって、レコーディングの前日に1曲目の「LIFE IS GOOD」ができて。

――並べた時にポップな曲が揃った印象があったとおっしゃったじゃないですか。

ko-hey:ええ。サウンドの方向性じゃなくて、キャッチーさという意味で、ポップという言葉を使ったんですけど。

――最初の3曲を作った時に、多少なりとも次はキャッチーな印象を打ち出したいと考えていたんですか?

ko-hey:いえ、まったくなかったですね(笑)。

--じゃあ、たまたまキャッチーな印象のある曲が3曲できた、と?

ko-hey:そうなんですよ。今回は3曲とも大元のネタは難波さんが持ってきてくれたんです。サビだけとか、Aメロとサビだけとかっていう形で。そこに俺が肉付けして、ワンコーラス作ってというふうにやっていったんですけど、そこでもそんな意図はなかったですね。狙って作るっていうのは、俺が元ネタを持っていく時が多いのかな。「MANIAC」シリーズは狙って作ったりしてますけど、でも、思いついたネタを形にしていって、良かったらバンバン録っていくって感じなんで、ほんとに狙ってはいないですね。その話の流れで言うと、さっき言った「LIFE IS GOOD」が後半、ズタズタズタってファストコアみたいになるっていうのは狙いましたけど。

――キャッチーな印象があった4曲に「LIFE IS GOOD」を加え、5曲揃った今回のミニ・アルバム、どんな作品になったという手応えがありますか?

ko-hey:いやぁ、めちゃくちゃいいんじゃないですか?(笑)

――めちゃくちゃいいと思いますよ(笑)。

ko-hey:手前味噌になりますけど(笑)。曲の尺もそんなに長くないから、サクサクサクサク聴けて、変な話、J-POPの人たちと比べたら、短けえなぁみたいになるかもしれないけど。

――5曲で12分ちょっとっていう。

ko-hey:そうそうそう(笑)。だから、あれ、けっこうあっさりしているのかなと思ったんですけど、しっかりボリューム感もありつつ、5曲で12分しかないからエンドレスで繰り返し聴けるんですよ。

――あ、それは思いました。

ko-hey:それ、すげえなって。でも、これも狙っていないんですよ。すげえのできたなと思います。さっきも言ったように、最初はメロディが聴きやすい、キャッチーな印象が強い曲が集まったと思ったんですけど、1曲目に「LIFE IS GOOD」を入れたこともあって、全然ポップだとは思わないし、ちゃんとNAMBA69が続けてきた正しいメロディックのハードコアと言うか、メロが良くて、ハードコア・マインドを持ったパンク・バンドって言うか、そういうのがちゃんと音源からアグレッションが感じられると言うか、そこはちゃんと継承されているから、すげえな、この5曲って思いますね。ほんと、早くみんなに聴いてもらいたいです。この5曲を。1曲だけ聴いてもらっても、1曲1曲それぞれにカラーが違うから、全曲いいと言ってもらえる自信はあるんですけど、1曲だけじゃ永遠にリピートってなかなか難しいじゃないですか。それが5曲になると、永遠にリピートできるんで。

――確かに、確かに。

ko-hey:そういう聴き方してもらえたらうれしいですよね。フルだと、もしかしたら飛ばしちゃうかもしれないけど、5曲だとそのままずっと回っていくんですよね。

--歌詞は「CHANGES TOUR 2019」のステージから見た景色がインスピレーションになって生まれた感情が多いのかなという印象がありました。

ko-hey:リアルに対面するお客さんとの関係は少なからず難波さんに影響していると思います。自分たちのツアーはもちろん、各地、フェスにも出演させてもらって、めちゃめちゃ大勢の人に1年通して会ったわけじゃないですか。そこで歌詞のネタ、ネタって言うか、元になるような思想とか、考えとかに影響していたと思います。

――しかも、現在の状況にぴったりなんですよね。

ko-hey:そうなんですよ。SNSのうんたらとか、今、めちゃめちゃあるじゃないですか。「YOU’RE MY FRIEND」なんて、Aメロの歌いだしから《I fake like I’m alright(僕は大丈夫だって嘘をついている)》ってけっこうショッキングなことを歌っている。そういうところがまさに今の時代なんですよね。しかも、タイトルが「YOU’RE MY FRIEND」。1人に対して歌っているっていうのが難波さんの中のテーマで。俺が説明するのもどうかと思うんですけど、3曲目の「PLAY THE GAME」もゲームを始めろって意味もありつつ、ゲーム・チェンジャーって時代を変える人という意味で使われる言葉がダブルミーニング的になっていたりして。ブラック・ライブズ・マターとか、コロナウイルスの影響による、我々がいるエンタメ業界も含めた、いろいろな業界のうんたらかんたらとかが起こったとき、ほんとにドンズバで、ちょっと怖いくらいでしたよ(笑)。


――きっと大きな視点で世の中を見ているんでしょうね。

ko-hey:そうだと思います。メンバーがメンバーをホメるってちょっとあれかもですが(笑)、難波さんのすごいところって超俯瞰的に見ていることもあれば、その視点を持ちつつ、個と個のやりとりみたいな視点も絶対になくさないんです。だから、歌詞に関しては、ほぼノータッチで。でも、あれか。「YOU’RE MY FRIEND」はオケができたとき、俺から言ったのか。“これ、友達に向けた歌のような気がします”って。そしたら、歌詞が完成した時に“ko-heyが言ってたように友達の歌になったよ”って言ってもらえてうれしかったです。

――今日、お話を聞かせてもらって、SAMBUさんの脱退という危機を乗り越え、バンドがすごくいい状態であることが伝わってきました。

ko-hey:サンちゃんの脱退はバンドにとって大きなターニングンポイントになりましたけど、けしてネガティブなことばかりではなくて、それを経て、サンちゃんが今やっていることも含め、全員がポジティブに向かっていけてるんじゃないかなと思ってます。これでライブができたらねぇ、ブチかませてほんと良かったんですけどね。このインタビューがアップされる頃にはMVもあがっていると思うので、それを見てもらえれば、バンドの雰囲気は伝わると思います。

――MVは「YOU’RE MY FRIEND」ですか?

ko-hey:いえ、「PLAY THE GAME」を最初に。

――おっ。オールドスクールのハードコアの要素もあるかっこいい曲ですね。どの曲もかっこいいと思いますが、今回の5曲の中でも、この曲が一番好きかも。

ko-hey:来た!うちのチームでも「PLAY THE GAME」推しが多いんです。公開されるMVからもバンドの雰囲気はきっと伝わるんじゃないかな。



”FRIENDS”
[CD]
01. LIFE IS GOOD
02. YOU'RE MY FRIEND
03. PLAY THE GAME
04. BEST OF THE BEST
05. IT'S ONLY PUNK ROCK


[DVD]” CHANGES TOUR FINAL at TSUTAYA O-EAST”
01. GO FUCK SHIT UP
02. HEROES
03. MANIAC Ⅱ
04. PROMISES
05. LET IT ROCK
06. MANIAC Ⅲ
07. LIVE LIFE
08. I DON’T WANNA KNOW
09. SUMMERTIME
10. BLOOD SUCKING DOG
11. LOOK UP IN THE SKY
12. DREAMIN’
13. MANIAC
14. DON’T JUDGE ME
15. CHANGES
16. INTRO


POP SPEED RECORDS / PSR-1004 / CD+DVD / 価格:¥2,500(税抜)



>>NAMBA69 OFFICIAL HP