INTERVIEW

Look Back “Birth Tour” Vol.1 Takuya × Yui × Sota

text by Teneight



Crystal LakeのYDらが立ち上げたCUBE RECORDS主催の、次世代バンド3組のユニットEP「Birth」とそれに伴うBirth Tour。このシーンで注目の3バンドに声がかかり、スタートしたこの企画は、YDやお客さんの期待以上の楽曲とライブパフォーマンスで、東名阪の3箇所を沸かせ、大盛況にて幕を閉じた。ライブで魅せた3バンドの熱量は、今後このシーンを担っていくであろう彼らの意思の塊であり、ライブに足を運んだ人であれば、その想いに感銘や衝撃を受けたハズ。そんな、熱いツアーまでの道のりや手応え、そしてこれから先の新たなビジョンについて、ライブ後日にEarthists.とGraupelとSable Hillsのフロントマンから窺った。

  photograph by Kawado

 

“これから先の未来が見えました”(Takuya)

“ネクストステップへの流布となるツアー”(Yui)



ーツアーお疲れ様でした!ライブはギリギリ間に合って、Earthists.の「Fade Away」から観ていて。

Yui(Earthists.):「Fade Away」のライブ動画はTwitterでめちゃ伸びたよね。結構BL系の映像なんですけど。

ーYuiさんは何回かSotaさんと抱き合ってましたよね?

一同:(笑)。

Yui:Sotaは異常な服装だったよね。

Takuya(Sable Hills):俺も見てた。

Sota(Graupel):あれさ、お腹の上から服を結んであったんだけど、ステージに上がって拳を上げた瞬間に、一発で解けちゃってめっちゃ腹を露出しちゃった。もうやらない(笑)。

Takuya:あれはイケすぎてるファッションなのかと思った。でも、Yuiは仲良くなったら頻繁に乳首を触るから、気をつけた方がいいね。

Yui:結構バンドマンの乳首を触ってますね。

Takuya:まじスケベな触り方するよね。

Yui:1番くらってるのはウチのYuyaなんだけどね。

Takuya:GraupelのYuuにはいかないの?

Yui:ちょっと違うんだよね。なんかYuuが『アッ』てなるのも嫌だし。Yuuって目がエロいじゃん。

一同:(笑)。

Takuya:なんだっけ?酒飲む目がエロいんだっけ?

Yui:淫乱だよ。まあYDさんもそうなんだけどね。

  photograph by Kyoka Akiwa


ーではまずは、3箇所回っての率直な感想は?

Takuya:これから先の未来が見えました。

Yui:ネクストステップへの流布みたいなツアーになりましたね。

Sota:始まる前は どうなるのか想像がつかない部分もあったけど、いざツアーが始まると最初からぶっ飛びましたね。『あぁ、この先もこの音楽をもっとやって大丈夫だし、続けていきたいな!』と思えるツアーでした。

ーライブの熱量すごく良かったんじゃないですか?

Takuya:そうですね。それはすごく感じました。

Yui:大阪もぶち上がったよね。始まるまで不安だったんですけど、トッパーでステージに立った瞬間に、お客さん来てくれてるじゃん!って。

Takuya:最初はチケットの売り上げが伸びなくて、このままやって大丈夫なのかって不安もすごくあったんですけど、インスタライブをしたり、自分たちでツアーを盛り上げていこうって方向性にシフトしたんです。それが、バンド同士のグルーブに繋がったから、結果的にライブは楽しめたし、お客さんにも俺たちの考えが伝わって、熱量をぶつけて来てくれたのが印象的でしたね。

Yui:お客さんとの二人三脚感がすごく強かったよね。

Takuya:そうだね!

Yui:お客さんも自分たちのシーンをRepしている印象をすごく感じたし、自分たちでこのシーンの未来を創っていこうってのも、強く感じました。

Sota:主催はCUBE RECORDSでしたけど、『俺達だって主催だし、これは俺たちのリリースツアーなんだ』って、このツアーを乗っ取るくらいの勢いでやったら、CUBE RECORDSの面々と更に共鳴して、ツアーに箔がついた気がします。

Yui:本気なんだなって分かってくれてたんだよね。

  photograph by Kyoka Akiwa


ーCUBE RECORDSの主導ではなく、自分たちで積極的に進めていったんですか?

Takuya:最初はCUBE RECORDSが主催で、俺ら3バンドはゲストとして呼ばれている側だって認識だったんですけど、それだったらいつものイベントと変わらないし、ツアーの熱量がお客さんには伝わってないと思ったんです。なので、発表から1ヶ月くらいで俺らがマインドチェンジして、俺たちの音楽の魅力と、ツアーで3バンドが回るっていうBirth Tourの魅力を、自主的に発信していこうって切り替えて。

Yui:レーベルに対して、全然やってくれないって不満もあったんですよ。ただ、そこをみんなで擦り合わせて会議していきました。あれがかなりモチベーションのブーストになったかなって思ってます。YDさんがケツ叩いてくれて。

Takuya:ケツ叩くってよりは、めちゃめちゃ怒られてたよね俺ら。やる気出せって(笑)。

ーそれは全員ですか?

Yui:はい。実働はMITSURUさんがやってるんですけど、たまにYDさんが天の声みたいな感じで現れて。

Takuya:YDさんはボスだから後ろに控えているからね。まあ3バンドのゴッドファーザーみたいな存在ですね。最終的に3バンドが困った時には手助けしてくれる存在なので、一緒にツアーを迎えられてよかったです。

  photograph by Leo Kosaka

“俺らは東京メタルコア大学の同級生”(Takuya)


ーこのツアーで3バンドは更に結束していったんですね。

Takuya:そもそも3バンドが同世代で、同じ年に活動を始めたバンドで。ツアー中に何回も言っていたんですけど、俺ら東京メタルコア大学の同級生なんで。

Yui:それTakuyaしか言ってない。

Takuya:いや、これはちょっとバズるよ。バズり要素散りばめてるから。

ーこれから後輩が出て来るかもしれないですからね。

Takuya:入学希望者結構いるんじゃないですか?

Yui:確かに。

Takuya:東京メタルコア大学(笑)。

Yui:の6年生(2留)。

一同:(笑)。

Sota:卒業してねーのかよ俺たち(笑)。

ーツアー中の思い出は?

Takuya:陽陽ラーメンってお店が栄のR.A.Dの目の前にあったんですけど、お客さんからそこが美味しいから、是非行ってくださいって言われていたんです。ここマジでヤバいらしいんで行きましょうねって、そのお店をみんなにプレゼンして。Yuiだけはマズいって言っていたので、みんな勘ぐりながら行ったんですけど、一口食った瞬間にメロイックサイン。マジでうまかったよね?

Yui:ラーメンは美味しかった。でもチャーハンが味しなかったんです。

Takuya:いや、チャーハンの味がしないとか言ってるけど、みんな味覚バグりすぎ(笑)。

一同:(笑)。

Takuya:マジで味するし、ラーメンも味濃いし。どうやったらあれが味しなくなるのか全然わからないですね。同じ卓で4人が食べていて、そのうち3人がチャーハンの味がしないって言っていて。マジ頭おかしいなって思いながら俺は食ってましたね。最高でした。

  photograph by Kyoka Akiwa

“ライブで表現していることが1つ上のステップに”(Sota)


ー今回のツアーを経てレベルアップしたと思う部分は?

Yui:ウチは超明確で。メンバーの熱量や主体性がグンと上がりました。今までは一つのことに向かい続ける事に対して、熱量の差があったんです。でも今回のツアーで、グループラインに『お願いします』って言ったら、『今日もかましましょう』って自発的に言ってくれて。Yuyaも『今日、最高のライブやります』って言ってくれたんです。そこで半端ねーじゃんってぶち上がっちゃって。『これだったんだな俺たちのバンドに足りなかった部分は』って。なので、今回のツアーでバンド全体として同じレベルまで熱量が高まっていて、俺らは燃え盛っています。

Sota :Graupelは前作の「Fade Away」から今回の「Apathy」と、徐々に曲のスケールを大きくしているんです。『Bereavement』のアルバムの時は、小箱で早いリフを聞かせるって曲調から、一回り大きい箱で挑戦するためのキラーチューンとして添えたかった「Fade Away」と、それに続く「Apathy」は、今回の大阪や東京のような大きな規模の会場でやることで噛み合って、俺らがライブで表現していることが、1つ上のステップに上がって、バンドとしての成長に繋がったかなって感じですね。

Takuya:我々Sable Hillsは、今回のツアーからライブ後に反省会を導入しまして。ライブ終わりに楽屋に集まって『今日はここのどこが改善できる』とか、『ここが失敗した』とか、ライブ映像を見ながらお互いに意見を出し合うことで、次のライブで更に良くなっていくように試みたんですよ。3日間だけでしたが、ツアー最終日の渋谷は初日の大阪と比べてレベルアップしたなって。3日間でも感じたので、これが1年経った時には、更に成長できて良いモノを作り上げられるんじゃないかなって。

ーなるほど。

Takuya:この反省会は、Crystal Lakeに聞いて自分達もやってみようって導入したんだけど、すごくいいなって思いました。

  photograph by Kawado

 “自分たちのカルトを増やしていきたい”(Yui)

“最先端を走ってるのは俺たちだ”(Sota)

“もう楽しすぎてバンドもお客さんも壊れちゃう”(Takuya)


ー今回のEPは、それぞれのバンドが他の2バンドを意識して制作をしていましたよね?

Takuya:曲を発表する前の動画インタビューの時も、このツアーはバトルロワイヤルだって話していて、それに勝つための曲を準備してきました。なので、Sable Hillsなりのメタルの強さを全面に出していこうって方向性です。

Sota:うちも意識はしましたね。他の2バンドがどんな曲を作るかは全然わからなかったんですけど、Takuyaが言ったように、俺たちが一番なんだっ!て主張するための楽曲を、それぞれが書いているんだろうなとは思っていて。なのでGraupelは、「Departure」と「Fade Away」のながれを汲んで、俺らなりの一番の強みと、俺のボーカルとしての良さが一番出る楽曲っていうのを1つにまとめあげています。キャッチーさというか、みんなの耳残りが良くて3バンドの中で目立つ曲をYuuが考えて書いていて。なので2バンドを意識はした上で、いつものスタイルでもいる感じですかね。

Yui:自分たちの音の在り方の中で、この立ち位置を考えた時に、いつも自分たちが鳴らしている音の良さを、もっと分かりやすくリッチに出すっていうのをすごく意識してやりました。それに、各所で用意されている箱があったので、そういうところを考えた時に、初日の大阪のライブハウスとかもそうですけど、スケールが大きいところで、ハッピーな前向きな曲かつ、シンガロングでお客さんとコミュニケーションをとれるように意識した曲ですね。今までの自分たちの曲って、お客さんとのコミュニケーションやモッシュパートってあまりないので、今回は逆に意図的にコミュニケーションが取れるような楽曲です。

  photograph by Kawado



ーお客さんのリアクションも良かったですよね。では最後に、このツアーを経て見えた部分や今後目指していくところは?

Yui:僕らは、来年にツアーを用意しています。いつも通りのブッキングライブに戻るのも嫌だったし、この熱量をずっと続けていきたいから、もう一歩踏み込んでいこうって気持ちもすごくあって。それで急遽自分たちの企画を年末に組んだりとかして。12月にPaleduskとツーマンやるんですよ。それも無理やり入れたりしていて。年明けすぐも、3バンド同時に出演するBLOODAXE FESTIVALもありますし。そうやって、どんどん熱量のバケツリレー的な感じで、自分たちのツアーのスタートまで気持ちを持っていきたいなって思っていて。あ、今Takuya笑ったっしょ。

Takuya:笑ってない。。。いや、熱量のバケツリレーやばいね(笑)。名言飛び出すな~。

Yui:なので、もっと自分たちから発信できることを増やしていきたいって思いました。自分たちのカルトを増やしていきたい。それをやらなきゃいけないなって。

Sota:まさに今Yuiが言ってくれたようにGraupelも、、

Yui:熱量のバケツリレー?

Sota:いや違う(笑)。僕らは今まさにツアー真っ最中で、Birth Tourの熱量はそのままに、日本各地17箇所に俺たちの音楽を届けるということをしています。Graupelは比較的に曲を出すペースが早くないのもあって、今回の「Apathy」に籠っている熱量は半端なく高いと思ってます。「Fade Away」をリリースした時も、コロナ禍ということもあり大阪と東京でしか自分らの企画では出来なかったですし、チャンスは今しかないと確信して今我々は全国を回っています。

ーなるほど。

Sota:そこで、『日本のメタルコアはまだまだ死んでいなくてこれからだ。最先端を走っているのは俺たちだぞ!』ってことが見えてきて、いろんな会場のMCで話しています。それは、Birth Tourをして、さらに一つ確信めいたものに変わりました。

Takuya:あれ?質問なんでしたっけ?ちょっとまじで申し訳ないですけど、一瞬お手洗い行ってきていいですか?(笑)。

ーどうぞ!

Yui:動画のインタビューやったじゃないですか。俺は質問内容が全然入ってこなくて。Takuyaが答えてる内容を元に想像して答えるってことをしていたら、Takuyaがそもそも質問に答えてなくて。

Sota:そうだったね(笑)。

Yui:全部ずれていて、Sotaだけ質問と回答があってるみたいな(笑)。

  photograph by Kyoka Akiwa



Takuya:お待たせしました!このジャンルって、モッシュやシンガロングにダイブっていうのが、ライブの楽しみの醍醐味だったはずなんですけど、それが奪われてしまって。それでも俺らはライブを続けていて。その中で、我々のパフォーマンスもちょっと変わったと思うんですよ。一緒に作り上げるというより、俺らが魅せるってスタンスに変わってきていて。体を動かさなくても楽しめるものになっているなって。本来ならあり得ない状況になっているけど、バンド側もお客さんも楽しめてきているなってよく感じています。今までSable Hillsがしてこなかったこと、例えばお客さんが手を振ったりするようになったり。だから、この状況下ではそれがすごくいいんだけど、今後モッシュやダイブが解禁されたら、もう楽しすぎてバンドもお客さんも壊れちゃうんじゃないかなって。

ー確かに。

Takuya:それと、今はニューアルバムを製作中なんです。Sable Hillsは来年リリースも控えていて、ぶちかます予定なので。ドイツのWacken Open Airも開催するなら行くし、楽しみにしていて欲しいです。おす!

ーありがとうございます!

  photograph by Kyoka Akiwa

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