LIVE REPORT

“G-FREAK FACTORY 25th ANNIVERSARY ONE MAN LIVE“ LIVE REPORT!!

Report by Chie Kobayashi
Photo by KAZUYA KOHSAKA

2022.10.23
G-FREAK FACTORY 25th ANNIVERSARY ONE MAN LIVE @ 日比谷公園大音楽堂

 

バンドにとって2度目の日比谷公園大音楽堂でのワンマンライブ。バンド結成25周年という節目に迎えたこの日のチケットはソールドアウトで、多くのファンに囲まれながらの祝福ムード満載のライブとなった。

原田季征(Gt)、吉橋伸之(Ba)、渡部"P×O×N"寛之(Dr)による「大地の勇者たち」で幕を開けたこの日のライブ。音が鳴り始めると会場からはいっぱいの手拍子が。そこにゆっくりと茂木洋晃(Vo)が登場。「2022年10月23日、群馬のG-FREAK FACTORY、日比谷野音、また迎えることができました。よろしく!」と挨拶をして「SOMATO」で勢いを加速させた。

 

前日には群馬で、後輩バンド・FOMAREの主催フェスに出演し、その背中をしっかりと見せた彼ら。その翌日には晴れ渡った東京で、バンド名と25thという文字を大きくかかげたフラッグを背負い、「日本のアフリカを25年守ってきました」と自己紹介する。その姿はあまりにもたくましい。<限りない故郷に愛を>と歌う「日はまだ高く」で再開させたブロックでは、「WHEN THE COUNTRY WAS YOUNG」「チャンダンの香るこの部屋から」と、メンバーが20代のときに作ったという楽曲を演奏。<選び抜かれた殿様方が>と歌う「チャンダンの香るこの部屋から」では、茂木が「霞が関に向かってこんな曲がやれるとはね」と声を上げ、客席からはひときわ大きな拍手が上がった。メッセージを、大きな音と大きな声で鳴らす。これこそがロックバンドだ。思わず拳にグッと力がこもる。

 

ライブ前には体調不良のため入院していたという茂木。「これでよくわかった。『当たり前、平凡、それは永遠じゃない』。そう言ってきたけど、自分がバグって、本当にそうだなって思いました」。その言葉のあと、原田の柔らかなギターのイントロが始まり、<もしも明日耳が聴こえなくなったら>から始まる「EVEN」へ。G-FREAK FACTORYというバンドが25年間で発表してきた楽曲は、当時だけでなく、“今”の社会や日本、そして今のG-FREAK FACTORYメンバーやリスナーにも必要な楽曲である。この日、日比谷野音で演奏されたどの楽曲にもそう感じられた。それはきっと彼らが25年間、常に社会とまっすぐに向かい合ってきたからだろう。

 

秋らしい虫の鳴き声をBGMに茂木がゆっくりと話し始める。「この間だけはリスペクトとリスペクトでいきたい。価値観がわかれました。タンポポもライオンも、おとなしく聞くことも暴れたいやつも。だけどみんな正しくて、みんな間違ってます。だけどリスペクトを忘れないでほしい。ちゃんとわかり合ってやっていくような仲間でいたいなって改めて思いました」。そしてバンドは最新曲「Dandy Lion」を届ける。バンドの優しい音に観客は体を委ね、体を揺らしながら歌詞を噛み締めた。さらに「すべての弱虫にすべての強者に、すべての優しいやつに」との前置きから演奏された「らしくあれと」では、最後に<いつもここにいるからライブハウスに帰ってこいよ>と歌詞が変えられ、返答のように大きな拍手が贈られた。

 

秋の屋外、涼しい秋の空気の中でのライブのはずなのに、会場の温度がどんどん上がっていくのを感じる。そしてその目に見えるように一体感も上がっていくのを感じる。そんな熱気を感じたように4人のテンションもさらに上がっていく。「Too oLD To KNoW」では「声が出せないから拳で来い!」と茂木が声を上げると、まさに大声の代わりに多くの拳があがる。その景色に茂木は思わず「最高か。お前らには敵わねえよ」と笑顔に。温かな空気な中で届けられた「ダディ・ダーリン」では「音楽は非力だけど無力ではない」と、会場のパワーを感じた様子で、同じく音楽のパワーを感じた観客からも力強い拍手が改めて贈られた。そして本編最後は「GOOD OLD SHINY DAYS」。<こたえを探し出す旅が 懐かしさを超えてくように>。そう歌ったあと、「この日を俺たちは忘れることはないだろう。最後までみんなありがとう」と達成感に満ちた表情で本編を締めくくった。

 

アンコールでは観客がスマホのライトを掲げ、光であふれた客席でメンバーを迎え入れる。「STAY ON YOU」「島生民」を、すっかり暗くなった日比谷のど真ん中で、全身で歌い上げたあとには、大成功の意味を込めて、持ってきていただるまに目を入れる。そして「25年やってきて大切な曲いっぱいあって。そのなかでも随分長いこと、俺たちの大事な曲としていてくれた曲です」と説明し「Sunny Island Story」をプレイ。「晴れ時々快晴」とうれしそうに空を指差し、「慌てなくても大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫」と言い聞かせるように何度も繰り返すと、最後に「30周年に向けて爆進します。ローカルバンドの最高傑作、G-FREAK FACTORYでした、ありがとう」と宣言して、25周年の記念ライブの幕を下ろした。

 

この日、終始「気づいたら25年やってたみたい。強いんだから残ったんじゃない。残ったから強いんだろ?」「やめる理由がいつもねえ!」と、25年間を振り返っていた茂木。最後に「爆進します」なんて言われたら、私たちもまだまだついていくしかねぇ!

セットリスト

01. 大地の勇者たち
02. SOMATO
03. 乞え~KOE~
04. REAL SIGN
05. 日はまだ高く
06. SOUL CONNECTION
07. WHEN THE COUNTRY WAS YOUNG
08. チャンダンの香るこの部屋から
09. EVEN
10. Unscramble
11. アシアトカゼノオト
12. Dandy Lion
13. らしくあれと
14. HALF-DONE
15. Fire
16. Too oLD To KNoW
17. ダディ・ダーリン
18. GOOD OLD SHINY DAYS
アンコール
01. STAY ON YOU
02. 島生民
03. Sunny Island Story

 

G-FREAK FACTORY OFFICIAL WEBSITE