INTERVIEW

SATANIC CARNIVAL 2023 開催直前クリエイター インタビュー YOZI SHIMODA

photograph by Yuta Kato, text by Ryo Tajima

いよいよ今週末はSATANIC CARNIVAL 2023が開催。それに先立って、アーティストのコメントムービーなども到着しているが、ここではSATANIC GRAPHIC EXHIBITIONに参加するクリエイターをインタビュー。今年もライブペイントをしてもらうわけだが、改めて作風などについて教えてもらいたいと思う。まずは、今回で4度目の参加となるYOZI SIMODA(シモダヨウジ)さんをインタビュー!

ジム・フィリップスやエド・ロスに漫☆画太郎がルーツ

 

ーどういう経緯で絵を描き始めたんですか?

シモダヨウジ:絵自体は物心ついた頃から描いていて、その後、専門学校で3DCGを学ぶことになるんですけど、ゼロから自分で描く今のスタイルの方が自分に合っていると思って、結局CGではなくイラストやグラフィックの方向にいったんですよ。

 

ー今の作風やスタイルに近づいていったのは、いつ頃からですか?

シモダヨウジ:10代後半頃ですね。影響を大きく受けたのはスケートカルチャーやサイクルカルチャーなんです。例えば、ジム・フィリップスやエド・ロスといったアーティストたちの作品、スクリーミングハンドやラットフィンクがルーツにありますね。それ以前だと、小学生の頃は漫☆画太郎の作風にめちゃくちゃクラって。みんながドラゴンボールZとかを模写している中で、自分だけは画太郎作品をマネしたりしていました。

ー共通しているのはドロドロ感というか。シモダさんのアカウントには自己紹介として「万物を溶かす漢~」とあります。そういう溶けた表現にも通じるものがありそうですね。

シモダヨウジ:ああ(笑)。あれはDALLJUB STEP CLUBのHoshi(samplerのYuta Hoshi)くんが、オレのデザインを見て、そう呼んでくれて、そこからいただいた感じですね。たしかに、ドロドロ感は影響を受けてきたアートにも共通するところがあります。

ーデザインやグラフィックの他、今日着てらっしゃるTシャツはシモダさんが手掛けているデザインブランド『INC NOXXX SCREAMING』のものですよね。このブランドについても教えていただけますか?

シモダヨウジ:このブランドに関しては、自分が好きに絵を描ける場所がほしくてやっているものですね。クライアントワークの他に、そういうプライベートな表現場所があることで、どちらも楽しめると思ってやっています。作風的な差でいくと、普段は線がしっかりとした輪郭線があるイラストが多い中で、『INC NOXXX SCREAMING』では絵画的というか、写実的なものであったり、普段のイラストとは少し違うニュアンスで自分らしい要素を表現して楽しみながらやっています。

 

ーシモダさんが手掛けられたバンドのアートワークと言うと、どういったものが思い出されますか?

シモダヨウジ:けっこうたくさんやっているんですけど、TOTALFATやEGG BRAINだとか。ROTTENGRAFFTYも1度やらせていただきましたね。あと、今年出演しますけど、Hi-STANDARDのTシャツデザインもやらせていただいたことがありますね。あのイラストは、難波さんとやりとりしながら好き勝手に描かせていただいたんですけど、今思い出してもすごく楽しい経験でしたね。

 

ー音楽的な側面でいくと、好きなのはどういうバンドになりますか?

シモダヨウジ:10代後半の頃からファット(Fat Wreck Chords)やエピタフのバンドが好きだったんですよ。当然ですけど、デザイン方面に関してもその影響は強いですね。

 

ー特に影響を受けたバンドはありますか? NOFXやBad Religionだとか。

シモダヨウジ:当時、VOODOO GLOW SKULLSがめちゃめちゃ好きでした。来日して、昔の高円寺20000Vでライブをしていたときに観に行って、メンバーの出待ちをしてCDにサインしてもらったくらい好きでしたね(笑)。ジャケットのアートワークだとか、あの雰囲気からインスパイアを受けている部分も大きいと思います。NOFXも、Tシャツのデザインがポップアート的だったりするじゃないですか。ああいうのはすごく好きです。

 

あえてアウトラインを描かずに進めていく

ーでは、SATANIC CARNIVALについて。何度目の出演になりますか?

シモダヨウジ:次で4回目になりますね。今回もライブペイントをさせていただくんですけど、自分と同じように活動してる人が、あの大きなキャンパスに向き合って何を描くんだろう? っていう単純な面白さがありますし、ステージの雰囲気も好きですね。今年は久しぶりに幕張メッセでの開催となるので、そこも含めて楽しみにしています。

 

ーライブペイントならではの表現だったり、配慮している点はどういうところですか?

シモダヨウジ:観ている人にとって、ライブペイントの面白さは徐々に絵が出来上がっていくというところにあると思うんですよ。なので、全体のアウトラインを描かずに、何が出てくるのかわからない状態で進めるようにしています。本当は先に全体の様子を描いた方が描く側としては安心できるしスムーズなんですけど。だんだんと絵が浮かび上がってくるような流れを大切にしていますね。

 

ー目の前で徐々に絵が出来ていくというのは、ライブならではの醍醐味が感じられますね。今回のSATANIC CARNIVAL用に描いてもらったデザイナーTのグラフィックですが、どういったコンセプトがありましたか?

シモダヨウジ:今回のSATANIC CARNIVALのテーマでもあると思うんですけど、コロナ禍明けというのは強く意識していますね。前にコニファーフォレストでライブペイントをしたときにピエロ2人を描いていて、そのときはコロナウイルスを引きちぎっているような絵を描かせてもらったんですよ。そこを乗り越えて、やっと幕張メッセでやれますよ、という雰囲気を今回のデザインで出したかったんです。それで注射器や錠剤が下敷きになっているような構図にしているんです。

 

ーなるほど、そういったストーリー性もあったんですね。今年のライブペイントも楽しみにしています!

シモダヨウジ:ありがとうございます。今回、何が描けるのかっていうのは1番大きなところですね。幕張メッセで開催されること自体が久々なので、なんとなくのイメージを沸かせておこうと思います。そうでなくてはキャンバスの前で立ち尽くすことになってしまいそうですし、それは避けたいですからね(笑)。あとはライブももちろん楽しみにしています。描いているときにライブの音が聴こえてくるのっていいんですよ。それを楽しみに幕張へ向かいたいと思います。

シモダヨウジ

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