w.o.d. “バック・トゥー・ザ・フューチャーVI” LIVE REPORT!!
Report by SUNEO
Photo by 小杉歩
2023.12.02 @Zepp Shinjuku
w.o.d. “バック・トゥー・ザ・フューチャーVI”
シンプルで格好いい。これに尽きる。が、だからこそ、そう在ることが難しいとも言える。禅問答のような道に迷い込んでしまいそうな夜だ。w.o.d.の"バック・トゥー・ザ・フューチャーⅥ"ファイナルのZepp Shinjukuを出て、人で溢れた歌舞伎町を歩きながら思う。
無駄な演出は一切なかった。オープンから流れるBGMはライブ直前を煽るようなBGMではなく、普段メンバーが聴いている、そのイヤフォンから漏れてきただけの音楽のようにも思える。あれよあれよという間にZepp Shinjukuは埋め尽くされた。オーディエンスは揃いのw.o.d.ツアーTシャツを着ているわけでもなく、フラッと音楽を聴きにきたような出で立ちが多い。この人たちが熱狂の真っ只中にこれから突き進むなんて、この時は思えなかった。
お馴染みのSE/ヴァニラ・ファッジによるビートルズのカバー「Ticket To Ride」と共にオンステージし、TVアニメ「BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-」のオープニングテーマにもなった「STARS」、いきなりのフルスロットルで幕を開ける。
「w.o.d.です。よろしく」とサイトウタクヤ(Vo/Gt)が一言短く放つと、「楽園」へ。ドラムに合わせてoioiとオーディエンスが咆哮してる。ベースがリードし、フロアをいきなりバウンスさせる「Fullface」まで一気に駆け抜けると、打って変わって暗転からの静寂。静寂とは言い過ぎか、w.o.d.の爆音が、空間から抜け落ちるだけで”静寂”に感じてしまう。もう、w.o.d.の音楽に持っていかれてしまっているのだ。カッティングギターが前に前にグルーヴを引き出している「QUADROPHENIA」。ギター、ベース、ドラムの押し引きが絶妙な「HOAX」、ダンサブルなロックチューン「THE CHAIR」と2ndアルバム”1994”からの固め打ち。このブロックが終わった瞬間、オーディエンスから野太い声援が飛ぶ。正直、ここは黄色い声援だと思っていた。顔推しが存在していても問題ないレベルだと個人的には思ってもいる。で、野太い声援。よくわからないけど、ロックだ。サイトウタクヤがポツリポツリと「東京、、、新宿、、、」と語り始めると、すぐに野太い声で「歌舞伎町!」とオーディエンスから合いの手が入り、「言うなよ、、、」というツッコミを入れる。「Zepp、、、どうなん?」と煽るでもなく問うと、「最高!」とレスポンスがあがる。
「自由に遊びましょう」と、ノスタルジーとグランジがカクテルされたような「煙たい部屋」から、ボーカリスト・サイトウタクヤが際立つ前半とバンドの爆発力が凄まじい後半を持つ「relay」。「バニラ・スカイ」ではミュージックビデオを想起させるような哀愁のある映像を背中に背負いながら、フロアまでも包むライトでZepp Shinjukuの情景を一変させた。そして、「オレンジ」を投下。これ以上にこの楽曲が生きるセトリはない。断言してもいい。素晴らしいライブ構成。プレイリストを作るとしたら「ダオデの哀愁」にしておきたい。空が、橙から濃紺に飲まれていく時間帯にちょうどよく聴きたい。なんて、思っていたら、ライブも中盤を越えていた。
「ファイナル感あるかも」とサイトウタクヤ。「素敵なライブハウスやし、みんながこうして来てくれてたのも嬉しいし、、、ファイナルっぽさでさ、、グッときてる。」拍手が起こる。その拍手に照れを隠すように笑う。昨日の大阪公演から新幹線で東京にきたが、携帯以外の全てを(新幹線に忘れて)失ったというサイトウが、「俺には今、ただただ音楽しかないんで。音楽で遊びましょう」と言った言葉は、真意を照れ隠しの中に包んで放ったようにも思えた。MCのトークが抜群に上手いわけでもない、独特の、天然の間を有するサイトウの一種の不器用さを孕んだMCは、音楽と向き合っている濃さや音楽への愛を楽曲以外でも感じることができる。
切り裂くようなギターリフで歓声が上がり、「モーニング・グローリー」が始まる。続け様に、「Kill your idols, Kiss me baby」、「lala」へ。完全にぶち上げにきてるセットリストだ。「lala」ではKen Mackay(Ba)もステージから落ちる勢いでフロアとゼロ距離で激しくプレイ。もの静かな男の激しいプレイ。オーディエンスも熱狂というか発狂している。アンセム「1994」では、クラウドサーフも発生。熱狂よりも発狂してないと、ダイバーなんて生まれないんだな、と思った。正直、ダイバーが湧いてくるような音楽性ではない。それでもクラウドサーフが起こるということは、本当の意味での衝動をオーディエンスに与えられている証拠ではないか、とさえ思う。
チューニングをゆっくり行なうメンバーに、またまた野太い声援が飛ぶ。「ボーカルには大事な仕事があって。。。告知をしないといけない(苦笑)。」と、彼らが敬愛するアーティストをゲストに迎える企画"TOUCH THE PINK MOON"と、SPARK!!SOUND!!SHOW!!とのスプリットツアー"痙攣"を発表した。「ライブやるにも、曲を作るにも意図があったりするんやけど。そうじゃなくて。ただ、音楽をやりたい、俺は。わかる?」とオーディエンスに投げかけると「イカロス」へ。アクセル踏み込みっぱなしで「Mayday」に繋ぐとサビではオーディエンスも二階席に届くくらい歌う。「踊る阿呆に見る阿呆」のベースが唸るとまた一際に歓声が高まり、灼熱のダンスフロアになったところで、「My Generation」を投下し、オーディエンスを踊らせながら、さらにしっかり歌わせる。ーこの曲ではこう盛り上がってください。ここで合唱っぽく歌ってください。ーなどの予定調和が一切ない。サイトウタクヤが何度も言う「自由に」がそこには確かにあった。
本編で全部やり切りたいから、アンコールはなし。潔い。「(来てくれる)皆さんが希望です。」と感謝を述べ、希望と憧れの曲と語った「陽炎」を、この日、披露となったMV映像を背に演奏し、”バック・トゥー・ザ・フューチャーⅥ”の幕を閉じた。
「こんなバカみたいにデカい音でライブやって。うわぁ、疲れたーって思って。スタジオとかも入るから、毎日デカい音聴いてる。もう、音楽聴きたくない!って思いながら家に帰って、また音楽聴くのよ。どんだけ音楽好きやねんって思うけど、、、最高っすよね。」
音楽が好き。最高にシンプル。たぶん、これがw.o.d.の1番の魅力だ。
[SET LIST]
SE Ticket To Ride (Vanilla Fudge)
01.STARS
02.楽園
03.Fullface
04.QUADROPHENIA
05.HOAX
06.THE CHAIR
07.煙たい部屋
08.relay
09.バニラ・スカイ
10.オレンジ
11.モーニング・グローリー
12.Kill your idols, Kiss me baby
13.lala
14.1994
15.イカロス
16.Mayday
17.踊る阿呆に見る阿呆
18.My Generation
19.陽炎
[Info]
New Digital Sigle 「陽炎」
2023.11.01 Release
http://wodband.lnk.to/kagerou
w.o.d. presents "TOUCH THE PINK MOON"
2022.04.12(金)東京/恵比寿LIQUIDROOM
GUEST:TBA
OPEN 18:00 START 19:00
2022.04.19(金)大阪/梅田CLUB QUATTRO
GUEST:TBA
OPEN 18:00 START 19:00
TICKETS:Adv ¥4,800(+1D)
< オフィシャルサイト先行(抽選)>受付期間:12/2(土)20:00~12/11(月) 23:59
受付URL:https://w.pia.jp/t/wod-touchthepinkmoon/
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