LIVE REPORT

FOMARE ”be with you” Tour FINAL Zepp Haneda DAYS2 LIVE REPORT!!

Report by Chie Kobayashi
Photo by Rui Hashimoto

2024.4.19 @Zepp Haneda
FOMARE ”be with you” Tour FINAL Zepp Haneda DAYS2 LIVE

 

FOMAREが1月から開催していたライブツアー「“be with you”tour」が、4月18、19日のZepp Hanedaでのワンマンライブ2daysをもって終幕した。

1月にリリースしたアルバムタイトルが『be with you』であることからツアー名も「“be with you”tour」となったわけだが、ステージ上でアマダシンスケ(Vo, Ba)は、これまでにないくらい、しきりにファンへの感謝を口にしていた。演奏される楽曲は、ほとんどが自然と大合唱が発生するほどリスナー一人一人に馴染み、それぞれの曲になっていた。「“be with you”tour」というタイトルしかありえないほど、“FOMAREとみんな”で作り上げられたツアーファイナルだった。

場内が暗転すると、スクリーンにゆっくりとバンド名、ツアー名、ツアー日程が映し出されていく。アマダ、カマタリョウガ(Gt, Cho)、オグラユウタ(Dr, Cho)の3人は、ツアー1本1本を背負って今日にたどり着いたのだ。そしてアマダの「よろしく!」との声を合図に、余韻をかき消すようにカマタがギターをかき鳴らし、バンドは序盤から凄まじい熱量で「君と夜明け」でライブをスタートさせた。<僕らの夜が明ける>と歌う同曲を1曲目に選曲した彼らは、次に<あなたが求める愛の歌を 僕なら歌える聴いてほしい>と歌う「Melody」をチョイス。3人の想いを高らかに、明確にしていった。

最初のMCから「ライブ1本1本が自分の人生の財産に変わった。みんなと俺たちじゃないと作れない思い出を25日間続けて今日を迎えられています」と、あふれんばかりの今ツアーへの想いを口にしていたアマダ。「あの頃の俺たちだったら考えられない景色を見れてます。今日目撃しに来てくれて本当に本当にありがとう」との言葉から続けられたのは、「HANABI」「君の涙が乾く頃」と、2018年リリースの『0.02』収録曲。さらに「この曲を書いたとき18歳。そこから9年経って、群馬の小さな小さな実家の部屋で書いた歌、Zepp Hanedaで歌えてます」と噛み締めてから歌い始めた「タバコ」では、ビジョンに歌詞が映し出されていないのにも関わらず、大合唱が発生。彼らの音楽がいかにリスナーの体に馴染んでいるかを感じさせられる。幻想的なムードから始まった「REMEMBER」では、ミラーボールが場内をきらびやかに彩っただけでなく、アマダの提案からファンがスマホのライトを点灯。<誰にも奪われたく無いこの夜空の中に光る僕達よ>の歌詞の通りの光景が生み出された。

中盤のMCでアマダが「FOMAREは失恋ソングのバンドなんじゃないかって勝手に思われた時期もありましたし、自分たちからそうやって発信した時期もありました。だけど本当にやりたいことはもっと違う。みんなで盛り上がって、みんなで楽しい、1つになるライブハウスが作りたいって思ってた」と本音を吐露。続けて「CDだったり、サブスクだったり、YouTubeだったり、TikTokだったり、Instagramだったり、いろんな音楽が聴けるツールがある中で、一人一人がちょっと無理してライブハウスに来てくれる、“be with you”tourに来てくれる。そんな人たちを見て、自分たちがやってきたことは正解なんじゃないかなって思いますし、正解に変換してくれるみんながいるから、こうやってライブができています」と、ファンへの大きな感謝を伝えた。そして大きく息を吸うと、アルバム収録曲のバラード「k i r a k i r a」を歌い上げる。演奏が終わると、静寂が場内を包む中、初期のバラード「23:12」を続けて、さらにリスナーの胸を打った。

“be with you”ツアーということで、ゲストとしてLACCO TOWERの真一ジェットを招集。“FOMARE feat. 真一ジェット”のブロックへ。真一ジェットのキーボードから静かに始まる「赤と青」、情景を美しく描いた「雪あかり」と2曲のバラードが、壮大かつドラマチックに彩られる。2曲を歌い終えると、アマダは「やっぱりFOMAREはバラードバンドとして言われるのが間違いじゃないぐらい、バラードも良くないですか?」と自信をのぞかせた。最後にレゲエナンバー「One Day」を明るく届け、真一ジェットとのスペシャルステージを終えた。

「本当にずっとずっと、俺たちはみんなと一緒に年を取っていきたいと思っています」と話したあと、<心沈んだら少し飲んでライブハウスへ行こうよ>と歌う「ルー・ティーン」を選曲。さらに地元・群馬を走っていた列車がテーマの「かぼちゃ列車」、“大好きな大好きな大好きな先輩に書いた曲”だという「アルバ」と、ひときわ想いの強いナンバーを全身全霊で届ける。思えば、FOMAREの曲はいつも、誰かやどこか、大切な人を想って歌われている。これまでもずっと“be with you”のバンドだったのだ。

最後のMCでアマダは改めてツアーを振り返る。「いろんな場所、いろんなライブハウスで待ってくれている人たちは、いつも俺たちを地元のバンドのように受け入れてくれました。いろんな人の愛情が、気持ちが、この空気が、俺たちを強くしてくれています。本当にありがとうございます。地方には地方のシーンがあって、そういうシーンに少し憧れたりして、俺たちはまだまだこれから先もあるんだなと思いました。日本各地の音楽シーンを持って帰って、ちゃんと群馬につなげて、また群馬からいろんな場所に行って。それを繰り返して繰り返して、みんなと一緒に年を取りながらバンドも少しずつ成長していきたいなと思っています」と、地元・群馬への想いを語ったあとは、アマダいわく“FOMAREのテーマソング”「夕暮れ」。この日のアマダの言葉を聞いたあとの<遠回りをしたっていいんだよ 行きたい所はきっと心が知ってる>という歌詞に、葛藤や紆余曲折を経て、自分たちの作りたいライブハウスの形を実現しているこの日のZepp Hanedaの景色が眩しく映った。そして本編を締めくくるのは、アルバム『be with you』の1曲目であり、この日の1曲目「君と夜明け」と対になっている「僕と夜明け」。疾走感あふれる1曲で、ツアーファイナルの最後を駆け抜けた。

アンコールでもアマダは「ツアーが終わっても期待を裏切らないバンドでいたい。Zepp2daysじゃ足りないバンドになりたい」と想いを語り続け、「新しい歌」「雨の日も風の日も」を熱演。3人がステージを去ったあとも、さらなるアンコールを求める声は止まず、みたびステージに登場すると「Continue」をドロップ。最後の最後まで“be with you”してツアーを締めくくった。

 

ツアーを締めくくるワンマン2days。バンドにとって初の試みで、セットリストも2日間で異なる。バラードも、ダイバー続出のパンキッシュなナンバーも、クラップが広がるハッピーな楽曲も、たっぷり届けられた2日間になったことだろう。何より、アマダが終始、今回のツアーで自信がついたことや、ファンを含む周りの人たちのおかげでツアーを回ることができたことへの感謝を語り続けていたことが印象的だった。きっと今回のツアーで得られたものが多かったのだろう。この日、彼らは主催フェス「FOMARE大陸」の開催を発表した。今回のツアーで自信と共に各地の音楽シーンを群馬に持って帰ってきた彼ら“with”仲間やファンが、今度はそれを群馬で輝かせる番だ。

 


FOMARE大陸

2024年10月5日(土)、6日(日)
会場:群馬県 Gメッセ群馬 展示ホールA/B
出演:FOMARE / and more

先行受付中
4/19(金)21:00~5/6(月祝)23:59まで
https://w.pia.jp/t/fomare-tairiku/

 

FOMARE official website
https://fomare.com/

FOMARE大陸 
https://fomaretairiku.com/