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interview

タイトル

Who’s Next by SATANIC Editing Room Vol.06:FUNNY THINK

Interview by Chie Kobayashi


SATANIC ENT.を編集するスタッフが、今現在気になっているけど、まだSATANIC ENT.ではピックアップしていない次世代のバンド・アーティストに会いに行き、ルーツや活動、それを取り巻くカルチャーなどを一方的に紹介するというシンプルかつ偏愛極まりない連載企画"Who's Next"。第6弾はシンプルながらも、熱量と優しい歌声で魅了するパンクバンド・FUNNY THINK。岩手・大船渡出身、盛岡在住の彼らに、ルーツや理想のバンド像を聞いた。

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L to R: 森亨一(Dr, Cho)、Marcy(B, Cho)、金野一晟(G, Vo)

きっかけは「AIR JAM 2012」のDVD

──最初に自己紹介をお願いします。

金野一晟(G, Vo):ギター&ボーカルの金野一晟です。

森亨一(Dr, Cho):ドラム&コーラスの森亨一です。

Marcy(B, Cho):ベース&コーラスのMarcyです。

金野:僕と森と、前のベースが1998年生まれの同級生で。中学3年のときからFUNNY THINKをやってたんですけど、数年前にベースが辞めちゃったので、一番年下に見えない年下の彼(Marcy)に入ってもらいました。

──FUNNY THINKを結成した経緯はどのようなものだったんですか?

金野:あの……SATANIC ENT.に媚びてるとかじゃなくて、本当の話なんですけど(笑)、Hi-STANDARDのコピーをしたくて始めました。

──どうしてHi-STANDARDを? 1998年生まれだとHi-STANDARDが活動していた頃のことはリアルタイムでは知らないですよね?

金野:はい。教育実習の先生に教えてもらいました。カッコいいなと思って、仙台での「AIR JAM」のDVDを見て(「Live at TOHOKU AIR JAM 2012」)。とにかく“圧倒的主人公感”に憧れました。

森:僕は一晟に教えてもらって、GREEN DAY、Hi-STANDARD、10-FEETなどを聴くようになりました。

──中学生だと周りにバンドを組んでいる人、そんなにいなかったんじゃなかったですか?

金野:本当にクソど田舎出身なんで、いなかったですね。

森:市民会館の一角のスタジオで練習してました。

──Marcyさんの音楽遍歴はどういったものだったんですか?

Marcy:僕は最初X JAPANとかメタルばっかり聴いていたのですが、Hi-STANDARDを好きになってパンクバンドも聴くようになりました。僕は2人と違って出身が盛岡なので、盛岡のライブハウスに行って、「ハイスタ 好きそう」と思うようなバンドを見に行って仲良くしてもらって……って感じでした。

──そこでFUNNY THINKと出会った?

Marcy:そうです。

──どんな印象でした?

Marcy:パンチのある人たちだなあと(笑)。ライブのMCが尖ってたりとか、打ち上げも……(笑)。

金野:はい、打ち上げは大切にやらせていただいております!(笑)

──大切にというのはいわゆる……?

金野:はい。古き良きとでも言いましょうか、長く朝までみたいな。そういう文化を守りたいんです!

大船渡出身、盛岡在住

──現在FUNNY THINKはClub Changeをホームとして活動していますが、盛岡のバンドシーンはどんな感じですか?

金野:若い人たちが多いイメージはありますね、俺らと同じくらいか、少し先輩くらい。地元バンドの数は多いんじゃないかと思います。盛岡には大学がいくつかあることもあって、Club Changeが企画・制作している「いしがきミュージックフェスティバル」だったり、大学生の野外フェスもあるので、実はバンド数はけっこういるんですよ。

森:そうだね。

金野:今はコロナ禍でちょっと減ってますけど、地元バンドの公演がソールドアウトすることもあるし、バンドシーンはそれなりに盛り上がっていると思います。仙台とかに比べたらお客さんの数は少ないとは思いますけど。

──FUNNY THINKはClub Changeを代表とするバンドの1つだと思いますが、Club Changeや岩手を背負っているというプライドのようなものはありますか?

金野:あります。生まれ故郷なので、これからも岩手のバンドであることは大事に活動していきたいです。自分たちが岩手で一番知られているバンドになれるようにという気持ちもありますし、同時に岩手出身のバンドで目立つバンドって、今までそんなにいなかった印象は自分たちにもあるので、そこも引っ張っていけたらと思っています。

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──東日本大地震を東北で経験しているということは、自分たちの活動や表現に影響していると思いますか?

金野:大船渡にいるときは、FREAKSで活動していたんです。そういう意味でも、震災があって、東北ライブハウス大作戦でできた場所で生まれたバンドなので、考えることはたくさんありますね。FREAKSの地元バンドって、俺らともう1つくらいしかいなかったので、G-FREAK FACTORYとかCOUNTRY YARD、OVER ARM THROWがライブをするときに対バンさせてもらえたんですよ。いい経験をさせてもらいました。いろんなバンドが地元にライブをしに来てくれるのもうれしかったですし。

森:FREAKSで10-FEETが高校生限定ライブをしてくれたことがあったんですけど、そのときはライブの前日にドラムスクールを開いてくれたんです。そこでKOUICHI(Dr / 10-FEET)さんとお話しさせてもらったのがすごく印象的です。もともと好きだったけど、さらに好きになりました。今もずっと「10-FEETみたいになりたい」と思ってます。

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Marcy:僕は盛岡だったので、いろんなバンドが大船渡に来ているのを「うらやましいな」と思って見てました。

金野:実は、中学生のとき、Hi-STANDARDが好きすぎるのと若気の至りから、難波(章浩)さんにTwitterのDMで「対バンしてください」と送ったことがあって。難波さんが「するから店長に言っといてよ」みたいな返信をくれたんです。そしたら一昨年、FREAKSで本当にNAMBA69とツーマンさせてもらうことができて。本当にFREAKSには夢をもらっています。

──それはうれしいですね。

金野:はい。対バンもうれしかったし、お酒を一緒に飲めたのも最高でした。

ライブハウスには奇跡が散りばめられてる

──Hi-STANDARDのコピーバンドから始まったFUNNY THINKですが、今、歌詞は日本語ですよね。オリジナル曲を日本語詞で歌っているのはどうしてですか?

金野:B-DASHが好きだったこともあって、高校生のときは日本語でも英語でもない適当なめちゃくちゃ語で歌ってたんです。でも高校を卒業して、バンドを続けていくことを決めて盛岡に出たタイミングで、日本語にしました。英語詞ってライブで聴いたときにすぐには意味が伝わらないじゃないですか。だから聴いてすぐに伝わる日本語で勝負をしようと。

──歌詞ではどんなことを大切にしているんですか?

金野:簡単な日本語でわかりやすく、素直な気持ちを歌うようにして言います。とは言え、歌詞は自分に向けて書いているところも大きくて。誰かの背中を押すというよりも「俺も頑張るから、お前も頑張れよ」っていうスタイル。なので、まずは自分を鼓舞するような曲が多いんじゃないかな。
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──「パンクロックが鳴る夜に」という曲が、1stアルバムのリードトラックになっていて、現時点での代表曲にもなっていると思いますが、FUNNY THINKにとって“パンクロック”はどんなものなのでしょう?

金野:マインドの部分ですかね。負けん気とか反骨精神、気合い、根性みたいな。そういう部分をパンクロックとして自分の胸に秘めてます。

Marcy:そうだね。あとは酒!

──先ほども、打ち上げも含めたパンクバンドの文化を守りたいと言っていましたね。

金野:先輩たちが海賊のようにガーって酒を飲んでる姿がカッコよくて、憧れてたんですよ。

──バンドを始めたとき、中学生ですもんね。

金野:そうなんです。実際に酒を飲める年齢になって、朝まで飲むみたいな打ち上げをやってみたらすごく楽しくて。ずっと続けてます。



──世間では宅録だったり、TikTokから火が着いて…といった音楽の広まり方が注目されていますが、そんな中でも表現方法としてバンドを選んでいるのはどうしてですか?

金野:これはライブハウスでやる意味ということにもつながると思うんですけど、単純にライブハウスが好きなんですよね。バンドでライブをするということをカッコいいことだと思っているんで。あとはさっきの難波さんの話もそうですけど、奇跡の対バンがあったり、そういう偶然がライブハウスには散りばめられてる。俺、この春に大学を卒業するんですけど、大学に1人も友達がいないんです。でもライブハウスにはいるんですよね。メンバーもそうだし、先輩も後輩も。

森:ライブハウスがなかったら、俺ら、ゴミクズ3人衆なんで(笑)。

金野:ライブハウスでなんとか人間としての尊厳を保っています(笑)。

──卒業後は就職? それともバンド1本に?

金野:バンドに専念する生活になります。でも「よし、やるぞ!」って感じじゃないんですよね。もちろん気合いは入ってますけど、気張ってるつもりはないというか。今までずっとやってきたことなんで、これが続くだけって感じですね。

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ずっとライブバンドでいたい

──昨年リリースされた1stアルバム「陽はまた昇る」が今年1月に各種配信サイトやサブスクリプションサービスで解禁されたこともあるので(https://fanlink.to/esDc)収録曲の中で特に好きな曲を1曲ずつ教えてもらってもいいですか?

金野:最後の「COMPASS」ですね。このメンバーになって初めて作った曲なので。あとは短い曲ですが、歌詞もメロディも気に入っています。かなりいい曲なんじゃないかなと!

森:僕は1曲目の「keep the edge」です。自分のマインドを再確認できる曲というか。ライブでやっていて、自分も身が引き締まるんで。

金野:この曲は確か、打ち上げで先輩にムカついて帰ってすぐに作った曲なので、素直な感情があふれ出ている気がします(笑)。

Marcy:僕は「桜が咲く頃に」です。この曲は震災のことを歌っている曲で。震災を経験して、そこでできたライブハウスで育った人たちが、8年越しに震災のことを書いて世に出せたというのはすごいことだなと思うんですよね。重みが全然違う。

金野:いいこと言うねえ(笑)。今までも震災についての曲を書こうとしたことはあったんですけど、なんか自信を持って書けなかったんですよね。でも自分も成長して少しは大人になったからか、今なら自信を持って書ける気がして書きました。

──去年、アルバムを出して全国ツアーを回りましたが、そこで得たものや変化はありますか?

金野:各地でいろんな経験をして、いろんな話を聞いて、自分たちの曲ややっていることに説得力が増した気がします。コロナ禍でしたけど、各地のライブハウスの協力もあってツアーを回らせてもらえたことは自信にもなりましたし。でもその中で、打ち上げがちゃんとできなかったのでリベンジもしたいです(笑)。

──では最後に、今後のバンドの目標を教えてください。

金野:これからも音源を出してライブして……をずっと続けたいです。とにかくずっとライブバンドでいたいです。



「陽はまた昇る」配信中

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