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interview

SHANK "STEADY" INTERVIEW!!

Interview by 山口智男
Photo by Kohey Suzuki




「取り戻しにかかった」という2021年のSHANKの勢いを、心機一転となるに違いない2022年に繋げるのが、年明け早々にリリースする約5年ぶりとなるフルアルバム『STEADY』だ。
 その『STEADY』がこれまでのメロディック・パンク/スカパンクにとどまらないSHANKの新境地を印象づけるものになった理由は、インタビューで庵原将平(Vo/Ba)、松崎兵太(Gt/Cho)、池本雄季(Dr/Cho)の3人がたっぷりと語ってくれているが、要は「時間をどう使うかだと思う。3人それぞれに成長する期間だった」という松崎の言葉に尽きると思う。いつ終わるかわからない人生だ。腐ったり、躊躇したりしている時間は1秒たりとてないということだ。コロナ禍の中で試された3人のミュージシャンシップは、さらに研ぎ澄まされた印象だ。
『STEADY』を聴きながら感じたSHANKの新たな可能性が、3人の話を聞いたことで、確かな手ごたえに変わったのは今回のインタビューの大きな収穫だった。 


――アルバムの話の前に2021年がどんな1年だったか、まず聞かせてください。ライブの状況は、まだまだ元には戻ってないとは言え、SHANKは2021年、それぞれに「Candy Cruise Tour」「THE HEAVY CLASH TOUR」と題してツアーを2回敢行し、後者は念願の対バン・ツアーとなりましたが、さらに11月の6日、7日には2年ぶりに主催フェスである「BLAZE UP NAGASAKI 2021」も開催して、かなり充実していたのではないでしょうか?

松崎兵太(Gt/Cho):何だかんだとやることがずっとあって、ライブばかりやっていた年以上に忙しかったですね。家にいる間もずっと曲を作ってたんですよ。
庵原将平(Vo/Ba):その前の2年がほぼ記憶ないぐらい、何してたかわからないんで。ほんとに一気に、まぁ、状況は戻ってはないですけど、自分ら的には取り戻しにかかった1年でした。
池本雄季(Dr/Cho):BLAZE (UP NAGASAKI 2021)もやれましたし。
松崎:2020年にコロナ禍が始まってから、最初の2、3か月は投げてたと言うか、この状況を悲観して、ライブもできないし、家にいてもやることがないしって不貞腐れてたんですけど、2020年の後半ぐらいからやれることを、自分らで見つけ始めて、やることが見つかれば、動きやすかったんで、自分らでつまらなくないように動いたって感じですね。

――やれることを見つけたっていうのは?

松崎:感染拡大防止のガイドラインを含め、やっていい指標が出ているんだったら、その中でやればいいだけで。その状況に文句を言ってもしかたないから、その状況の中でやれることをいっぱいやろうっていう。
庵原:やることがあると、気が紛れると思いました(笑)。最初は、休みだぐらいに思ってましたけど、やることがないと段々おかしくなってきちゃって。

――その中でフルアルバムを作ったことが2021年を、さらに充実させたのではないかと思うのですが。

庵原:そうですね。アルバムのことは、何をやっていてもずっと考えてました。

――アルバムの制作はいつ頃から進めていたんですか?

松崎:実は2019年から制作は始めていて。

――あ、そうだったんですか。

松崎:本当は2020年9月に『Candy Cruise EP』をリリースしたタイミングで、フルアルバムを出せたらぐらいの気持ちで動き出したんですけど、もうちょっと時間をかけて、曲を詰めたいなというのがあったので、制作の時間を長く取って、その間にEPを出したんです。そしたらコロナの状況になって、だいぶ時間ができたから、1曲1曲、さらに詰めて、じっくりと作っていったんです。

――あぁ、なるほど。今回のアルバム、「Candy Cruise」というEPと同じタイトルの曲から始まるじゃないですか。でも、その「Candy Cruise」という曲は、EPには収録されていない。だから、ひょっとしたらEPと今回のアルバムは一続きと言うか、同じタームの中の2枚なのかなと想像したんですけど、今のお話からすると、2019年から始めたアルバムの制作からEPが派生したということだったんですね?

松崎:そうですね。大きく見ると、EPも今回のアルバムも同じ流れの中にあるのかな。EPの曲も含め、全曲が今回のアルバムを作る段階でできたので。

――時間をかけて、じっくりと作っただけに今回のアルバム、かなり聴き応えがあるものになりました。聴き応えがありつつ、変なたとえかもしれないですけど、胃もたれしないと言うか、SHANKの魅力が簡潔な表現の中にぎゅっと凝縮されている印象があって。変に聴き応えがありすぎると、1回聴いて、もうおなかいっぱいってなっちゃうこともあるんですけど、今回のアルバム、聴き応えあるのに何回でも聴けると言うか、聴きたくなると思ったんですけど、ご自身では、どんなアルバムになったという手応えがありますか?

庵原:おっしゃっていただいたように飽きないっていうのは、自分らも曲を作る上で意識したところですね。誰よりも自分たちが飽きたくないんですよ。フルというボリュームにするってなった時に、今までやっていないような、進化した部分もやっぱりないと、僕らは飽きちゃうんで。聴いているほうもそうだと思うんですけど、飽きないっていうのは、僕らもめちゃめちゃ意識したと思います。

――池本さんと松崎さんも手応えを聞かせてください。

池本:いい曲だなと思いながらドラムを叩いてました。
松崎:僕は最近、Apple Musicのプレイリストをよく聴くんですけど、たとえば、邦楽のトップ10を聴くと、1曲1曲、ぱーっと流れていかないと言うか、通しで聴かないと言うか、1曲流れて、また別のアーティストの曲が流れるじゃないですか。それぐらい個々で聴けるようにしたかったんですよ。

――あ、今回のアルバムは。

松崎:13曲でアルバム1枚と言うよりは、1曲1曲を13曲集めたと言うか。だから、SHANKのアルバムの中で曲間が一番空いてるんです。これまでは0秒とか、長くても2秒とかだったんですけど、今回、5秒とか空けてるんです。だから、一応、こういうふうに曲順を決めましたけど、曲を並び替えて、聴いてもらってもいいなという感覚があって。1曲単位の感覚が大きいと言うか、それぞれに色のある曲を並べたんですよ。だから、ほんとプレイリストみたいなイメージで僕は今回のアルバムを捉えてますね。

――でも、曲順を決めるって、すごく大変だったと思うんですけど。

松崎:もちろん、曲順に意味はあるし、アルバムとしての流れも考えてはいるんですけど、クロスフェードや曲の繋ぎがない分、そういう楽しみ方もできると思います。元々、マスタリングする前は別の曲順だったんです。それはエンジニアさんがたぶん作業の都合上、便宜的に並べたものだったんですけど、それはそれで僕は好きだったんですよ。だから、この曲順で聴かなくても、すごく聴き応えはあると思います。

――それぐらい1曲1曲が立っている、と?

松崎:ええ、1曲1曲、すごく時間をかけて作りましたから。
庵原:だから、曲順を考えるのがこれまでで一番難しかったんです。

――プレイリストのようなアルバムというのは、テーマの1つだったんですか?

松崎:いえ、結果的にそうなったと言うか、いろいろな曲をやりたかったんです。だから、いろいろな曲を、ほんとに今までやったことがないようなこともいっぱいやりながら作ったんですけど、将平が言ったように、まとめるのが難しくて。無理にまとめようとしてもまとまらないから、もう、まとめなくていいやと言うか(笑)、ほんとそういう感じで。流れは考えましたけど、曲単位で聴いてもらえればいいやって。

――4thアルバムの『Honesty』をリリースしてから、ミニアルバムの『Wandersoul』、『Candy Cruise EP』、アコースティック・セルフカバー・ミニアルバムの『THE SLOW SHANK』をリリースしているから、そんなに空いた気はしませんが、フルアルバムは5年ぶりなんですよね。5年ぶりだから、これまで以上に良いものを作らないと、ということはアルバムを作る上でモチベーションになっていましたか?

庵原:いえ、気づいたら5年経ってたなってくらいで(笑)。個人的にはミニアルバムが好きだったんですよ、ずっと。聴きやすいし、飽きが来ないし、そういう意味でミニが好きだったんですけど、その飽きない作品っていうのを、ミニに逃げずにフルに落とし込むってことを、ここまで考えてやったことはなかったので、作品としては、すごくいいものができたと思います。

――フルでも飽きないものが作れるという1つの自信になったわけですね?

庵原:そうですね。変化球ばっか投げたことがいいのかどうかわからないですけど、自分らとしては、もうこれですって言えるものにはなりました。

――『THE SLOW SHANK』を作ったことは、今回の曲作りに何かしらの影響を与えましたか?

松崎:少なからずはあると思うんですけど、明確にこれだっていうのは、言葉にするほどはっきりはしてないかな。でも、良かったことはあると思います。

――『THE SLOW SHANK』以降にできた曲も今回、入っているんですよね?

庵原:けっこうありますね。「Mind Games」「High Tide」「Poker Face」「Steady」は、そうです。

――なるほど。話を聞いてみないと、わからないと言うか、聴きながら想像していたことと事実って違うんだなと今、思ったんですけど、アルバムを聴きながら、R&B調の「Karma」とか、レイドバックした「Lazy Daisy」とかが『THE SLOW SHANK』を作ったことでできた曲なのかなと思っていました。

庵原:「Lazy Daisy」に関して言えば、ずっと前から兵太が最初のフレーズだけ送ってくれてたのに全然手を付けてなかったんですけど、フルアルバムにするってなったタイミングで、すでにアコースティック・ツアーもやってたんで、こういう曲に何の違和感も抵抗もなくやってみるかって手を付けてみたところはあるかもしれないです。

――「Karma」はどうですか?

松崎:「Karma」もけっこう前からあって、将平にも雄季にもデモとして送ってはいたんです。
庵原:でも、入れるならフルアルバムだろうって。

――つまりフルアルバムの中のバリーエションの1つと考えていたわけですね。いわゆるメロディック・パンク・ナンバーももちろん聴きどころだとは思うんですけど、個人的には「Karma」「Lazy Daisy」、オルタナと言うか、インディ・ロックっぽい「High Tide」がすごくいいなと思っていて。

松崎:ありがとうございます。
庵原:「Lazy Daisy」は、もっとふざけた感じでやろうと思ってたんですけど、できあがってみたら、意外に良い感じになりました。
松崎:「Karma」と「High Tide」は、言葉でビート感を出せるものを作りたかったんです。「Karma」のサビじゃないところって、テンポのいい言葉が並んでいるんですけど、それをやってみたかったんです。「High Tide」はドラム以外でビートの感じを出したいというのがあって、テイラー・スウィフトの「We Are Never Ever Getting Back Together」って曲はテンポ感の良いギターがリズムとバッキングを担っているんですけど、そういうのをやりたかったんです。そういう意味では、今回、すごくビート感を大事にしたと言うか、自分がお客さんとして、リスナーとして聴くんだったらと思って、ノリをすごく意識しながら作りました。

――その意味では、レゲエの裏打ちのリズムに加え、跳ねるリズムも使った「Poker Face」も聴きどころですね。

庵原:ライブがなくなかったから、ライブを想定して作ることが一番なかったかもしれないです。

――あぁ、ライブがなくなったから。なるほど。

庵原:それで、そういう曲を聴きたい、やりたいって突っ走っちゃったかもしれない。
松崎:ライブがなくても聴けると言うか、そういう音楽としての要素を強く盛ったというのはありますね。

――ライブができなかったことは、決して良いことではないですけど、結果、そういう曲ができたのは、バンドにとって良かったんじゃないでしょうか?

庵原:そうですね。
松崎:不本意ながら。やっぱりライブがないのはつまらないですけどね。
庵原:時代に合わせて変化したんじゃないかなと思います。

――3月から「STEADY TOUR 2022」と題してリリース・ツアーを開催することを発表しましたが、「Karma」「Daisy Lazy」「High Tide」ももちろんやるんですよね?

庵原:そうですね。

――そうすると、SHANKのライブにこれまでと違うノリが生まれそうですね?

庵原:そうだと思います。

――それ、楽しみじゃないですか?

松崎:押せ押せで行けた2年前とはライブの状況は違うじゃないですか。お客さんが動けなかったりとか、声を出せなかったりとか、そういうことを踏まえると、そういう曲があれば、どういう状況でもできる。アコースティック・ツアーをやったことも含め、自分らが表現したいものに関しては、素直に表現できるっていうのはあるんで、ガイドラインがどう変化しても、できるなっていうのは思いながら作ってましたね。

――曲調の幅が広がったことで、庵原さんの歌い方にも幅が出てきた印象がありましたが。

庵原:出さざるを得なかったですね。とりあえず勢いだけでっていうのはなくなった気がします。

――そういう意味で、今回、ボーカリストとして挑戦した曲を挙げるとしたら?

庵原:「Karma」もそうですし、「High Tide」もそうですし、今までの比じゃないくらい言葉を詰め込んだりしてますからね。それこそ英語の発音を見てもらう先生をつけてもらったりとか、歌詞の韻をチェックしてくれる人をつけてもらったりとか。やっぱり33歳になると、成長するスピードって自分の力だけじゃ限界があると思ったんで、そこはプライドを捨てて、どれだけ成長できたかはさておき、人の力を借りてやろうと思いました。ベーシストとしてと言うより、ボーカリストとして成長したいという気持ちが強かったですね。この2年、コロナ禍で無駄にしちゃったんで。だから、「Karma」とか、「High Tide」とか、今までやれてなかったことに挑戦したっていうのもあると思います。

――最後の「Steady」は、もちろん庵原さんが全部、1人で歌っていると思うのですが、Aメロの声の感じが別人なんじゃないかってくらい違って聴こえました。

庵原:その曲はサビで「がっ!」と開けるために自分の声のレンジの一番上から下まで使っているんです。アルバムを出すたびに、そうなっていったと思うんですけど、それが一番顕著に出たんだと思います。低いところを出すのってすごい難しんですよ。そこもやっぱり難しかったですね。初めは、余裕でやれんだろうぐらいに思ってましたけど、やってみたら、歌って難しいなって改めて思いました。

――そういうところも聴きどころになっていると思いますよ。

庵原:これまで自分だけで判断してやってきたところに、今回、たとえば英語の発音を見てくれる人に入ってもらって、シビアにジャッジしてもらったんですけど、心が折れそうになりながらも、自分的にはプラスになったという意味で、良かったと思いました。
松崎:将平にはそういう英語の歌詞の発音をアドバイスしてくれる人がいたわけですけど、雄季にはこれまでやったことがないことに挑戦してもらったんです。SHANKは僕がある程度、曲を作って2人に渡すんですけど、これまでは雄季がやったことがないことはできるだけ入れないようにしてきたんです。でも、『Candy Cruise EP』から今回も含め、やったことがないことを敢えて詰め込んだんです。将平もさっき言ってましたけど、2年間、何もしない時期があって、成長してないのは、さすがに音楽をやっている意味がないと思って、だからこっちからかなりハードルを上げて。雄季はきっと自分に厳しくできないタイプだと思ったから、もう外から厳しくしちゃおうと思ったんですよ(笑)。ドラムのレコーディング、めちゃめちゃ大変だったと思います。
庵原:すごい顔してましたね(笑)。
松崎:僕ら、レコーディングの2日目から行かなかったんですよ。もう見てられなくて。

――見てられなくて⁉

庵原:ドラムテックの方から来るなと言われて。
松崎:僕らがいるとプレッシャーになるからって。だから、雄季にとっては自分のドラムを見つめ直すタイミングを、強制的に与えられたレコーディングでもあったと思います。
庵原:人って30歳を越えるまでにやってきたことって、そう簡単に変えられないと思うんですよ。

――はい。

庵原:無意識に言い訳して、逃げると思うんです。でも、そういうふうに生きてきてからしかたない。だったら、無理やりにでもそういう状況を作るしかないっていうのは、確かに兵太の言うとおりだなと思いました。
松崎:もちろん、制作に関しては、これまで自分らもチャレンジしなかったところもあると思うんですよ。今までやってきた流れをそのまま汲んでいるところもあるし、SHANKの音楽って、こうあるべきだって勝手に決めてたと思うんです。それを取っ払って、純粋に、そういうのを抜きにして制作して、良いものっていう純度を高めて出すってことをやりたかったから、それが雄季がやったことないことだろうが、将平と俺がやったことがないことだろうが、とりあえず全部、1回放り込んでみようってやってみたんです。ただその中で一番大変だったのは雄季だったと思います。
庵原:自分でやろうと思ってやることと、人からやれって言われてやることって感覚が違いますよね。相当、大変だったと思います。
松崎:うん、すごく大変だったと思います。でも、僕はドラム叩けないから。ドラマーとしてやってもらえて助かったなと思います(笑)。

――今回、池本さんが一番大変だと思ったのは、どの曲ですか?

池本:どの曲って言うか、全曲、大変でしたよ(笑)。でも、意図があってそうしているとあらかじめ言ってくれていたから、俺は楽しくできましたけどね。これを言ったら、次のアルバムが怖くなりますけど(笑)、やりたくないとか、もうイヤだとかっていうのは全然なくて。難しいけど、自分のためにもなるし。こういうドラミングがあるんだって、自分の中にはなかった新しいものを発見と言うか、教えてもらえたんで、そういう意味では楽しかったんですよ。
松崎:できないことができるようになるって、この年になってもうれしいじゃないですか。知らないことを知ることもそうですけど、成長する期間ではあったんじゃないかなとは思ってます。それは3人それぞれに。

――松崎さんも今までやっていないことに挑戦したわけですね。

松崎:曲を作っている僕は自分のハードルを自分で決められるので、そういう意味では、2人よりは緩かったかもしれないです(笑)。自分にできる範囲内で新しいことをやりました。僕は自分がギタリストとして、そこまで優れているとは思ってないし、僕よりすごいギタリストはいっぱいいると思ってるし。その人たちみたいになりたいという強い憧れはあるから、できないことをできるようにしたいとは思ってますけど、たとえば、ギターとボーカルだけでずっとひっぱる「High Tide」みたいな曲は、あまりやったことがなかったから、こういう曲はすごくシビアにやらないといけないってところで自分にプレッシャーをかけてたとは思います。

――憧れているギタリストって、たとえば?

松崎:いっぱいいますよ。最近、エリック・クラプトンの映画を見たんですけど、浮き沈みが激しかったり、若くして、地位も名誉も手に入れたのにバグってたりして。でも、ギターを聴くとみんな感動するし、ああいう人っていいなって思いますし。身近なところで言ったら、G-FREAK FACTORYの原田(季征)さんは、昔からすごいと思っていて。ギターだけ聴いてもめちゃくちゃかっこいいし、こういうギターを弾きたいと思いますし。コロナ禍で時間があった分、いろいろなことを見詰め直す中で、僕はギターを弾く人間だと思ったので、ギターをちゃんと勉強しようと思って、いろいろな人のプレイを聴いたんですよ。向き合った時間で言うと、制作もそうですけど、ギターにはすごく向き合った期間だったと思います。

――エリック・クラプンの映画があったんですね。

松崎:『エリック・クラプトン~12小節の人生~』っていう、それこそブルースみたいな人生を歩んでるみたいなドキュメンタリーで、偉大な人に対してこんなことを言うのは失礼なんですけど、クラプトンってほんとクソ野郎なんですよ(笑)。でも、そこが人間臭いと言うか、「Lazy Daisy」のフレーズにブルースの要素があるのは、あの曲はブルースじゃないですけど、クラプトンから影響を受けたことが反映されてると思います。アコースティック・ギターを弾いた時間が今までで一番長いと思うんですけど、今回のアルバムはアコースティック・ギターからできた曲が多いのも間違いないですね。