このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

live report

Survive Said The Prophet “something BOLD tour” LIVE REPORT!!

 

Report by 柴山順次
Photo by toya

 

2021.11.10
Survive Said The Prophet - “something BOLD tour” -
Zepp Nagoya

Survive Said The Prophetが全国6都市を回るライブツアー「something BOLD tour」が11月10日の名古屋はZepp Nagoya公演を皮切りに開始となった。名古屋、大阪、福岡、仙台、札幌、横浜、その内5会場がZepp公演となる大規模なツアーだ。昨年より、新型コロナウイルスの感染拡大のため、制限がある中での活動を強いられたバンドシーン。そのなかでもサバプロはリテイク・ベスト・アルバム『To Redefine / To Be Defined』リリースに伴う「Redefine Tour 2021」開催など精力的に活動してきた。彼らが10年という月日をかけ積み重ねてきたそのひとつひとつが2021年今この瞬間に繋がっており、それを体現するであろう「something BOLD tour」初日名古屋をレポートする。

壮大なスケールのSEがZepp Nagoyaに響き渡り会場が青く染まるとメンバーがステージに登場。先制攻撃といわんばかりにサバプロのラウドな面を最大限に打ち出した攻めのレパートリーで猛襲。コロナに奪われたもの、コロナで失ったものは計り知れない。そんな現実と向き合うこと、現実から目を背けないことを叩きつけられる。しかし叩きつけるだけじゃなく抱きしめるのがサバプロ。同じ時代に生き、同じ痛みを抱えた者同士が丸裸の心をぶつけ合えるのもサバプロのライブの醍醐味だ。声を出せないオーディエンスの最大限のアクションである真っ直ぐ上がった拳が会場を埋め尽くす。その姿を観てYoshも「音楽って楽しいね!」と満面の笑みを浮かべ叫ぶ。声を出せなくたって意思疎通出来ることはコロナ禍におけるライブハウスでバンドとオーディエンスが築き上げてきた結晶だ。固く握った拳の強さ、真っ直ぐ掲げられた拳の強さを、僕らはこの2年間ライブハウスで沢山見てきた。その無数の拳が大きなひとつの塊となってZepp Nagoyaに挙がった。

 立て続けに重厚感と疾走感が入り乱れるサバプロのライブの定番曲にオーディエンスは興奮の坩堝に。「ルールを守ってくれてありがとう。壊してなんぼみたいなイメージもあるけど、俺らよりも音楽が大切。」と音楽に対する愛と感謝を語るYosh。バンドの意思はしっかり伝わったから、オーディエンスも壊すんじゃなくて作るのが流儀。もういちいち文字にするのも飽きてきたけれど声は出せない。だからといって黙っているのではなく、ハンドクラップで応戦するのが今の戦い方。左右に揺れる手の動きだってコロナ禍における大きな意思表示だ。バンドもかっこ良ければオーディエンスもかっこいい。それがサバプロのライブだ。

激しい一面のみならず、聴かせるナンバーや、壮大なロックバラードをライブで魅せることが出来るのもサバプロの魅力だ。「名古屋、聴かせてくれ!」とYoshが叫ぶと聴こえないはずのオーディエンスのシンガロングが聴こえてくるからライブって本当に不思議だ。こういう奇跡が起きてしまうのもライブハウスの醍醐味だろう。その奇跡のような瞬間に立ち会ったYoshは思わず「幸せな時間を本当にありがとう」と漏らすほど。空気が一変したのは古くからファンに愛されてきたあの名バラードだ。世界感に入り込みながら目の前のライブを眺める。本当に色んなことがあったけれど、上を向いて歩こうと強く思う。その気持ちがそのままギターに反映されたかのようなギターソロに涙腺が崩壊する。会場を覆いつくすオーディエンスが掲げる手を前に「その手を下げないでくれ」と投げかけるYosh。その願いの言葉にはステージの上も下もないことを感じた。


「音楽を辞めるのは簡単だけど、ネガティブなフィードバックもポジティブなフィードバックもある中で、俺達が取った手段は続けることだった」と語るYosh。オーディエンスの拍手を聞いたYoshは「拍手でさえ大切な音なんだね。音楽をやっている俺らがそれを忘れちゃいけないね」と噛みしめるように言葉を紡ぎ、その穏やかな空気のままライブはアコースティックタイムに突入。ここでYoshから「FIXEDをリリースした2016年くらいからアコースティックアルバムを作りたいって話は出ている」という話も。たしかにサバプロの楽曲にはアコースティックギターも多用されているしアコースティックアルバムは期待してしまう。音源ではピアノが印象的だった曲もまた違う感覚で楽しむことが出来た。このレンジの幅や自由度からもサバプロの飽くなき音楽欲求を感じる。


「去年アルバムを出した瞬間に色んなことが起きた。だけどみんなと一緒に前に進まないといけないと思った。みんなが聴いてくれて、俺たちの音楽を持ち帰ってくれるから音楽が続きます。一緒に空間を作ってくれているみんなに感謝しています。」と真っ直ぐな表情でありのままの気持ちをオーディエンスに伝え、曲が始まるとそのまま大自然にいざなわれたかのような音像に包まれていることに気付く。後半は誰もが待ちになった名曲のオンパレードで多幸感に覆われるZepp Nagoya。音源も、ライブも、CMソングも、こうやってサバプロが積み重ねてきたことひとつひとつを体感出来るんだからやっぱりライブだ。お互いを見せ合って、また次の約束をしてしばし別れる。そうやってライブで会えることが普通だと思っていたけれど、普通が普通じゃなくなったときに、普通がどれだけ大切だったのかを思い知った。「君たちは最高だ。俺達に勇気を与えてくれてありがとう」とライブは大団円を迎えた。困難を切り裂いて、前に進むことを宣言したサバプロ。ツアーの最中に11年目に突入する彼らとの約束の言葉であり、コードネームでもある「Do you?」の問いかけの応え、それは勿論「I do」であり「We do」だ。



>>Survive Said The Prophet OFFICIAL HP