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live report

“BLAZE UP NAGASAKI 2021 -DAY1” LIVE REPORT!!

Report by ヤコウリュウジ
Photo by 岩渕直人 / JON...(KENTA/WANIMA)

 

2021.11.6
“BLAZE UP NAGASAKI 2021 -DAY1”@出島メッセ長崎


 

SHANKが11月6日、地元・長崎にて<BLAZE UP NAGASAKI 2021>DAY1を開催した。一昨年までは長崎ハウステンボスで行われてきたが、今回会場となったのは11月1日に開業されたばかりの出島メッセ長崎。新長崎駅から屋根付きペデストリアンデッキで直結している好立地かつ短時間で十分な換気ができる設備も兼ね備えられている。
 本フェスは2年ぶりの開催、加えて出島メッセ長崎の開業記念、長崎国際テレビ開局30周年記念のお祝いも兼ねており、熱気が渦巻いていた。

 2DAYS開催となる初日の冒頭からそんなムードを加速させたのがオープニングアクトとして登場した龍招宝による龍踊りだ。日本三大祭のひとつ、長崎くんちで奉納されるだけあって、エキゾチックな音楽をバックに、巨大な龍が会場を練り歩く姿はド迫力。歴史ある郷土芸能に触れられる、貴重な機会にもなったはず。

 トップバッターとしてフロアを点火するどころか、焼き尽くさんばかりのヘヴィさと勢いで一気に熱気を高めたのがROTTENGRAFFTYだった。NOBUYA(Vo)とN∀OKI(Vo)の両ヴォーカルが噛みつくように咆哮し、「ハレルヤ」から躊躇なく踏み込んでいく。そこにオーディエンスが呼応しようとも「いけるやろ?」「もう始まってるんぞ!」と煽り、「相殺微量サイレンス」に「永遠と影」と生命力を吹き込みながらのラッシュを続ける。
 そんな流れからロットン流パーティーチューン「D.A.N.C.E.」でオーディエンスを別角度から高揚させ、「THIS WORLD」でトドメを刺す一撃を食らわせる抑揚もまさに極上。現在、体調不良によりKAZUOMI(G/Prog)が不在という編成ではあるが、そんなことは微塵も感じさせないようなド迫力。百戦錬磨のバンドが持つ力を存分に見せつけてくれる。
 N∀OKIが「朝、夜、時間を捻じ曲げて、この2日間は盛大に遊ぼうぜ!」とアジテートした後、<BLAZE UP NAGASAKI>を「SHANKが大事にしてきた宝物」と称したように、同じく生まれ育った街で<ポルノ超特急>を主催する彼らは共感する部分も多いのだろう。その溢れ出す想いが強靭なサウンドとして投下されていく。 ラストは「金色グラフティー」から「Error…」という、完全にオーバーキルな畳み掛け。さすがとしか言いようがないステージだった。

 もはや<BLAZE UP NAGASAKI>には欠かせないといっていいだろう、ローカルに軸を置くバンドとしてSHANKにも多大な影響を与えているG-FREAK FACTORY。暗闇の中でステージに立ち、いきなり「Too oLD To KNoW」で吉橋伸之(Ba)がフレーズを奏でるやいなや、オーディエンスは大きな拍手ですぐに気持ちを重ねていく。会場が太陽に照らされたような温かさに包まれ、そこに響くのは訴えかけるようでありながら、決して押し付けることのない茂木洋晃(Vo)の歌声。一気に彼らのムードで染め上げていった。 赤いライトを照らさせながら「REAL SIGN」を叩きつけ、よそよそしかった人たちと焚き火を囲むことでコミュニケーションがとれたという経験から、茂木が「後は火を見つければ新たなローカリズムが生まれる」と口にし「Fire」へ。くすぶりそうな火だとしても、何度でも着火してくれる頼もしい曲だ。
 原田季征(G)が奏でる音色も麗しかった「ダディ・ダーリン」やいいグルーヴ感で前へ前へ引っ張ってくれる「らしくあれと」等、淀みなくライヴは進み、N∀OKI(ROTTENGRAFFTY)が飛び入り参加した「日はまだ高く」を解き放つ。茂木からの無茶振り気味な要望でN∀OKIがフリースタイルを披露する場面もあったが、ビシッと決めるのは流石のひと言。たえず心と体を揺らし続けてくれた。

 サウンドチェックの段階からとんでもない爆音とキレッキレのシャウトでオーディエンスを圧倒していたのがcoldrain。万雷の拍手で出迎えられた彼らは、常軌を逸脱した攻勢をかけていく。スケール感を後押しするコーラスワークも秀逸な「ENVY」から「RUNAWAY」へ。抜群の鋭く重いサウンドと色気のあるメロディーを叩きつけていきながら、Masato(Vo)は常にアジテートすることも忘れない。現在、絶賛ツアー中ということもあって、バンドとしての状態の良さがみなぎっている。
 また、着用を義務付けられるマスクや座席指定用に設置されたイスは敵ではなく、今ライヴをする為に必要な仲間なんだと語るMasato。そんなことよりも生の音楽をぶつけることで生まれる力を信じているのだろう。とにかく、前のめりに「THE REVELATION」や「THE SIDE EFFECTS」といった強靭な楽曲たちをドロップしていく。
 10数年前にSHANKと出会った際、自身は名古屋から東京へ拠点を移すことがバンドのステップアップだと考えていたが、ローカルから全国へ発信する気持ちをすんなりと口にした彼らに負けたと感じたというMasatoが「今日は勝ちに来ました」と大声を上げた後はまさに鬼神のごとく攻め倒す。
 「REVOLUTION」で現在のバンドが誇る凄まじいスケール感を誇示し、「F.T.T.T」に「PARADISE(Kill The Silence)」を続けるという、彼らの激情がそのまま音となる展開。最後の1秒までオーディエンスを焚きつけていった。

 中盤戦に入り、高まっていたボルテージをまだまだとさらに上昇させていったMAN WITH A MISSIONはさすがと唸らせるパフォーマンスで会場全体を異空間へ連れ去っていく。まずは挨拶代わりにと「database」を食らわせ会場と一体感を初っ端から生み出したかと思えば、続く「Get Off of My Way」ではキレの良いラップも披露したJean-Ken Johnny(G/Vo/Raps)が「イコウゼ、長崎!」と煽れば、オーディエンスは飛び跳ね、一心不乱に手を振り上げ、そのムードがどんどんと増幅される。 そして、「<BLAZE UP NAGASAKI>、2年ブリ。SHANKガ持ッテ帰ッテキテクレマシタ。ミンナデ続ケテイキマショウ」とJean-Ken Johnnyが呼びかけ、改めてローカルに根付くフェスの意味合いを伝え、ドラマティックな展開でその世界観に引きずり込まれる「INTO THE DEEP」やDJ Santa Monica(DJ/Sampling)が斬り込むスクラッチも印象的な「Take What U Want」を披露し、懐の深さを見せつけてくれる。 SHANKへ謝辞を述べ、「気負ウコトナク楽シンデクダサイ」とJean-Ken Johnnyが投げかけ、皆へエールを送るように「Remember Me」、お待ちかねのアンセム「FLY AGAIN -Hero's Anthem-」を投下。歓喜の表情に会場が埋め尽くされていった。

 登場するやSHANKの「submarine」を突如としてカバーするという愛に溢れたスタートを切ったのが04 Limited Sazabysだ。RYU-TA(G/Cho)が「かかってこいよ!」と狼煙を上げ、<BLAZE UP NAGASAKI>への感謝を歌詞に加えながら披露した「monolith」から、ノンストップで駆け出していく。サウンドチェックで軽く奏でただけで踊りだすオーディエンスが続出したこの曲だけでも強力だが、そこに留まらず、「fade」、「fiction」、「Alien」とメロディックチューンを矢継ぎ早に連投。対SHANK仕様とでもいうべきか、勝ち気なスタンスでライヴを進めていく。 後半は「一緒に伝説を作れる?」とGEN(Ba/Vo)が投げかけ、キャッチーなポップさだけでなくコミカルさも携えた「Kitchen」、一歩前へ踏み出す力となる「Jumper」を響かせ、「この瞬間、この時間を味わいましょう」とGENの言葉から「Just」をドロップ。バンドとしての盤石さをアピールし、決意の曲ともいえる「Squall」で締めくくりかと思いきや、ほんの少しの隙間でも楽しみたい、楽しませたいとそこからこの日の思い出を刻み込むようにショートチューン「Remember」をねじ込んでいく。常に現場の最前線で戦い続けるライヴバンドはこういった対応力も群を抜いているのだ。その姿は実に痛快でしかなかった。

 登場しただけでポジティブな雰囲気が広がっていき、オーディエンスも準備万端なのが手に取るようにわかるほどの盛り上がりを見せたのがWANIMA。<BLAZE UP NAGASAKI>には6年ぶりの出演ということもあり、来たるべきときを待ち望んでたのは彼らも同じ。
今か今かとはやる気持ちを抑えきれないまま、いきなり「BIG UP」でそのエンジン全開っぷりを見せつける。 そして、ツアーファイナルを終えたばかりのエネルギッシュな姿を披露するべく、3部作として発表した作品のタイトル曲「Cheddar Flavor」「Chilly Chili Sauce」「Chopped Grill Chicken」を3連投。メロディック調な曲もあればアグレッシブに攻め立てる曲もあり、アプローチは様々な曲だが、共通するのはその強靭さ。どれだけ今の彼らが充実しているのかがありありと感じられる。 「良かった、雨が上がって。あとは心のモヤモヤだけ」とKENTA(Vo/Ba)が叫び、そのモヤモヤを吹き飛ばすように奏でたのは「雨あがり」。威勢よく鳴らす姿がとても頼もしい。 また、ハイライトとして焼き付いたのは何と言っても「1106」だろう。KENTAが父親代わりだった亡き祖父を想い生まれた曲であり、この日はその命日にあたる11月6日。KENTAは「大事な人を思い浮かべて聴いてくれるといいな」と投げかけ、必要最低限の音数を背に歌い出す。その想いが空へ届くよう、ありったけの声を振り絞る。
 そして、「みんなとWANIMAやったら、新しいライヴの楽しみ方が見つけられる気がした」とKENTAが話し、「ともに歌うよ、心の中で」とオーディエンスへ語りかけてプレイした「ともに」はやはりというべき存在感。誰のことも置いていかないという彼らの矜持を示してから、「次はSHANK!」と大声で叫び、ステージを後にしていった。

 いよいよ初日もクライマックス。締めくくるのはもちろんSHANKだ。普段からしのぎを削っている猛者たちが強烈なライヴを繰り広げてきたこともあり、少しぐらいの気負いがあってもよさそうだが、そんなことに動じた様子はまったく見られない、何ら普段と変わらぬ登場。そのリラックスしたスタンスを崩さないのが何とも彼ららしいところだろう。
 とは言え、いつものように庵原将平(Vo/Ba)が「長崎、SHANK、始めます!」と宣言し、曲が始まれば張り詰めたテンション感で突き刺してくるのが彼らの持ち味。冒頭を飾った「Rising Down」からフルスロットルで真っ向勝負。ただただ全力でぶつかっていき、オーディエンスも地元が誇るパンクロックヒーローと共に高みへ上り詰めようと両手を突き上げる。妖艶なイントロから松崎兵太(G/Cho)が鋭いカッティングを見せた「620」も心が突き動かされる爆発力を持つ曲だが、この日もやはり凄まじい。庵原の歌声も空間を切り裂いていく。
 オーディエンスが飛び跳ね、踊り、手を掲げ、心の赴くままに自らを解放し、ここぞというタイミングではフロア中から拳が突き上げられた「Good Night Darling」でさらに熱気を高める様も見事だ。様子を伺う素振りなど一切なく、敢然と力をふるっていく。
 ここで「神の島公園でやったときと同じく、今日も(セキュリティに)止められた。圧倒的パンピー、一般人代表SHANKです」と庵原が笑いながら話した後、そう見られない為には、というお題のくだらないやり取りで会場を緩ませつつ、「お前ら、一般人の本気を見せてやる!」と投下したのが「Departure」。ほんの少し前まで笑いに包まれていたとは思えないほど、気持ちがグッと持ち上げられるパワー感で会場を揺らしていく。
 その後も攻め手を緩めず、曲展開の押し引きが見事なスカナンバー「Life is...」から続けたのは、庵原が「正直でいたい」と呟いてからの「Honesty」。短く、何気ないひと言ではあるが、SHANKというバンドを表すにこれほどふさわしいモノはないだろう。彼らはどんな場所であろうが、どんなときであろうが自分たちそのままで勝負している。大きく見せることもへりくだることもない。そんなことも頭をよぎり、曲がより鮮やかに聴こえてきた。
 シリアスなムードを持ちつつも適度な軽さがいいスカチューン「Take Me Back」や堰を切ったように溢れ出す情熱がサウンドに乗り移り、とんでもない勢いで襲いかかってくる「Hope」で縦横無尽に暴れまわり、ライヴも最終盤へ。 「楽しかったっすわ、マジで。みんな、カッコよかった。また、やろう。コロナもしつこいけど、迎え撃っていきましょう。僕らは腐らずにサバイブしていくので、また遊びましょう」と庵原が語り、ゆっくりと覚醒を促す「Wake Up Call」、縛られることなんかないんだと強く支えてくれる「Set the fire」とプレイし、本編ラストは残ってるエネルギーをかき集めて「submarine」。ショートチューンで駆け抜ける、彼らならではの潔い締めくくりだった。
 「submarin」の音が鳴り止まないタイミングから盛大な拍手が湧き、再びステージに呼び戻されたアンコールでは「誰も知らない新曲をやろうという暴挙に出ます」と新曲「Steady」をプレイした後、「Long for the Blue moon」をフルスイング。確かな熱さがしっかりと胸に刻みこまれるパフォーマンスを披露し、感謝の言葉を何度も口にしながらこの日の幕を下ろした。

 

BLAZE UP NAGASAKI 2021 OFFICIAL PLAYLIST

>>SHANK Official Web Site