INTERVIEW

MARIO2BLOCK “This is my life, This is my soul” INTERVIEW!!

Interview by  Ryuji Yakou
Photo by toya、サカイマサト、ジョネス、PE-SK(ライブ写真)

「今、勢いのあるメロディックパンクバンドは?」と問われたとき、真っ先に名前が挙がるのがMARIO2BLOCKであろう。KUZIRA、HONESTやFIVE STATE DRIVEといった同じ東海を拠点に活動する仲間たちに刺激を受けながら、自らのメロディック像を無骨に貫き、どこまでも真っ向勝負を続けてきた結果、昨年9月には1stシングル『The Savior』をTIGHT RECORDSからリリースし、今年は京都大作戦にも出演。いい流れを手繰り寄せていることは間違いない。更なる飛躍が期待される中、9月2日に配信リリースされた2ndシングル『This is my life, This is my soul』についてだけでなく、過去の悔しさも現在の充実もすべてをエネルギーに変換する3人にこれまでに至る歩みも含めて話を聞いた。
 

生きてるなら思いっきり生きるしかない。


――ここ数年、注目を集めて勢いに乗ってる感もあります。

シンテツヤ(G/Vo):でも、正直やれてるぜ、とは感じてなくて。1年毎にゆっくり進めてるな、と思ってますね。
ヅラ(Dr/Cho):追い風は感じてるんですけど、同じ東海のバンド、HONESTがハイスタのツアーに出たり、FIVE STATE DRIVEがPIZZA OF DEATHに入ったり。
シンテツヤ:KUZIRAがAIR JAMに決まって、とか。
ヅラ:だから、やれてると思わせてくれる隙がないんですよ(苦笑)。まあ、それがペダルを漕ぎ続ける活力にもなってるんですけどね。


――やっぱり、東海勢の活躍にはジェラシーを抱いたりする、と。

KEISUKE(Ba/Cho):正直、僕はあんまりないんですけど。
シンテツヤ:ジェラれよ!(笑)
一同:ハハハハ(笑)。
KEISUKE:昔はめっちゃ悔しかったんですよ。でも、今はこの3人で音楽をやれてる楽しさがあるから、周りと比べるよりも自分たち自身にフォーカスしてるというか。


――マリツーの歴史を簡単に振り返りたいんですけど、活動休止を経て今に至ってますよね。

シンテツヤ:2008年、高校1年のときに結成して、僕以外のメンバーが2014年ぐらいに抜けちゃって。そこからサポートメンバー2人とやってたんですけど、1年ぐらいで僕の心が折れまして。そのまま(マリツーは)活動休止になり、僕自身は別のバンドへ加入して5年ぐらいやってました。



――そこから再始動へ至った経緯は?

シンテツヤ:THRASHOUTやKUZIRAといった近しい友達が自分のやりたかったことを実現してるのを見て、悔しさのダムが決壊しちゃったんですよ。やっぱり、メロディックをやりたいと思い、2019年にKEISUKEに声をかけ、ドラムはサポートで再始動しました。


――KEISUKEさんもどこか燻ってたようなところがあったんですか?

KEISUKE:燻ってましたね。岐阜だけじゃなく、名古屋でもライヴをしてたバンドをそれまでやってたんですけど、CDを作ってツアーをやろう、っていうタイミングでメンバーが結婚して子供が生まれたり。そんな時期にテツヤから「マリツーをまたやりたい」という話を聞き、だったら僕が、と一緒にスタジオへ入ることにしました。


――ヅラさんはどういった経緯で関わることに?

シンテツヤ:ドラムがいなくてあんまりライヴもできてなかったとき、そのとき栄R.A.Dでブッキングをやってたヅラから「ドラムがいなかったら僕が叩くんで」っていう出演オファーをもらい、そっからずっとサポートをしてもらうようになって。


――あぁ、そんなキッカケだったんですね。

シンテツヤ:で、まさかのヅラから「入りたいです」って言ってくれたんで、万々歳で9年ぶりに正式メンバーが揃う、っていう。それが2023年ですね。



――ヅラさんはマリツーに対して勿体ないような気持ちも?

ヅラ:3枚目か4枚目のデモが良すぎたから、長文の感想LINEを送りつけたりもしてて。まあ、「ありがとう」って簡素な返信しかなかったんですけど(笑)。
シンテツヤ:照れくさかったからね(笑)。
ヅラ:それに僕も20代中盤まで思い描いていたバンド活動ができず、8割ぐらいは裏方の人間になってたんですよ。でも、音楽の入りはKen Yokoyamaでずっとパンクが好きだし、その欲をしれっとマリツーで解消していったというか。最初はサポートでしたけど、レコーディングにも参加させてもらうようになり、僕のしたいことはこれだな、って。仕事も辞め、全ベットすべきだと決心したんです。


――バンドをやりきれなかった3人が集まったという。

ヅラ:でも、脚光を浴びれなかった20代が必要だったんだな、と思えるぐらい、今は充実した活動ができてますね。そこから生まれるポジティブなパワーがお客さんにも伝わってる気がしてるし。


――サウンド的なところだと、マリツーってジャパニーズメロディックパンクの系譜を強く感じるんです。今だとポップパンク的なアプローチなバンドも多いですけど。

シンテツヤ:オレは海外のバンドも好きなんで、そのへんも意識しながら曲を作ってるんですけど、みんなからは「古き良き日本のメロディックパンクバンドだね」と言われることも多いですね。嬉しいんですけど、そこを狙ってるとかはなくて。


――ちなみに皆さんのルーツはどのあたりになりますか?

シンテツヤ:日本だったらHi-STANDARD、ELLEGARDEN、Ken Yokoyamaが大好きで、海外だとGreen Day、Blink-182、New Found Gloryといった00年代初頭のポップパンクですね。


――今だとThe Paradoxにシンパシーも感じたり?

シンテツヤ:正直、めちゃめちゃ聴いてます。


――KEISUKEさんはいかがですか?

KEISUKE:楽器を始めるキッカケは中学のとき、ハイスタの「Stay Gold」のMVを観たことでした。で、大学の先輩でメロディックパンク好きな人がいて、そこでハイスタがメロディックだということを知り、SHANKやdustboxとかを教えてもらったり。


――ヅラさんはKen Yokoyamaが音楽にのめり込むキッカケとお話されてました。

ヅラ:高1のときでしたね。地元が茨城なのでFC FiVEやFACTもいたし、兄貴の友達でPIZZAパーカーを着てるような人もいて、その影響でメロディックパンクやハードコアばかり聴くようになりました。



――あと、マリツーって特徴的なリフから始まる曲が多いですよね。

シンテツヤ:そこは結構こだわってて。メロディーからできる曲もあるんですけど、ギターのフレーズからできる曲の方が多いんですよ。トム・デロング、(横山)健さん、生方さんのような頭に残るリフが大好きなので、そういうフレーズを作りたいと常に考えてます。


――曲のアプローチで言えば、1stミニアルバム『Peace Back To My Heart』では「M2B WAVE」みたいなダンスチューン、1stシングル『The Savior』では「G.F.C」のようなキャッチーでパーティー感のある曲が出てきたりもして。ストレートなメロディックパンクだけじゃ満足できなくなってきてるのかな、と。

シンテツヤ:たしかにそれだけじゃ満足できないというのはあって。メロディックパンクを軸にはしてるんですけど、もっといろんなことがしたいし。ただ、最近はそれでめっちゃ空回りしてます(笑)。
ヅラ:いやいや、そんなこともないっすよ(笑)。スタジオで合わせていくと「これはどうなるんだ?」ってときもあるんですけど、曲としてまとまると凄えなといつも思うし。


――曲はスタジオで作っていくような流れなんですか?

ヅラ:そうですね。テツヤさんはDAWとかできないんで、頭の中にあるモノを3人で磨いていくような感じです。せっかくPCも買ったのに……
シンテツヤ:エロサイトしか見てない(笑)。
一同:ハハハハ(笑)。
ヅラ:だから、どの曲も作詞・作曲テツヤ、アレンジがマリツーですね。


――ここ1年ぐらいの中で刺激を受けたことはありますか?

シンテツヤ:この前、KEISUKEと一緒に観たオーストラリアのThe Living Endですね。ライヴは初めて観たんですけど、3人とも楽器だけで飯を食ってけるんじゃないか、っていうぐらい上手いし。特にギターのクリスは怖いぐらいクリーンな音で正確なタッチで弾く。3ピースバンドの可能性をめちゃめちゃ見出してくれたというか、ホントに喰らいましたね。
KEISUKE:僕はThe Living End以外だと……身近なバンドになりますが、SABANNAMAN。それこそ、悔しいって思ったんですよ。大雨の影響でスタートが15分ほど遅れたとき、すでに来ているお客さんへ向けて楽器隊3人でずっとセッションして、それをヴォーカルの涼くんがフロアで酒を飲みながら観てたり。何か、いろいろ含めて音楽だなと思わされたし。
ヅラ:ひとつはハイスタのKアリーナですね。ライヴ自体もヤバいんですけど、長いモノには巻かれないで貫いて、それが数万人の塊になってる。凄まじい規模感にも圧倒されたし。あとはHEY-SMITH。DElicious BUns FESTIVALで同じステージだったんですけど、ちょっと別次元だな、っていうぐらいの感じがあって。
KEISUKE:あれ、ヤバかったね。


――それを超えなきゃみたいな気持ちが芽生えたりも?

ヅラ:ここは超えます、って言わなきゃいけないとは思うんですけど、ポジティブな意味で僕らは僕らだ、とも考えてて。尻込みしてるわけじゃなく、自分たちなりのアウトプットを探してる感じですかね。


――そして、新作となる2ndシングル『This is my life, This is my soul』が完成しました。

シンテツヤ:もともと、アルバムを作りたいと思ってたんですけど、もうちょっと先になっちゃうだろうし。だったら、その前に何かを届けよう、と。今年は自分たちのツアーもやってなかったから、それもやりたかったし。


――そうなると、現段階における渾身の2曲のような。

シンテツヤ:今回は配信なので1曲だけでもいいかな、とも考えたんですけど、ライヴでもっと新曲をやりたいし、ここは2曲あった方がいいかな、って。


――まず、タイトル曲「This is my life, This is my soul」に関して、これはどういった構想から生まれたんですか?

シンテツヤ:去年、地元の先輩であるkiddのSATOSHIさんが急に亡くなっちゃって。好きなバンドの好きなギタリストだったし、凄く落ち込んだんですよね。そのとき、終わりはいつ来るかわからないことも思い知らされ、何があっても全力で生きよう、っていう曲を作りたくなったんです。



――悲しみを振り払う為、自分を奮い立たせる為の曲。

シンテツヤ:完全にそうですね。自分に言い聞かせるように、生きてるなら思いっきり生きるしかない。そういう気持ちを込めました。


――曲としては伸びやかなリフから始まって、突っ走るというより、メロディーが響くテンポ感で仕上げてますよね。

シンテツヤ:今までやってこなかったフレーズもありますし、kiddっぽいところも自分なりのリスペクトを込めて入れてみたり。曲調自体はそんなに速くないんですけど、力強さを出す為にシンガロングを入れたり、こういう曲でも戦えるところも出したかったですね。


――疾走感満載というわけじゃないですけど、フロアが爆発するキッカケになりそうな曲です。

ヅラ:この曲は何パターンも試してみて、1年ぐらいかかったんじゃないかな。で、最終的にどのバンドにもない、かつ今までの僕らにもない感じになったと思ってます。パワフルでハッピーだけど、芯を食ったシリアスなことも歌ってて。ストレートのように見えるけど、たくさん捻りもあるし。


――サビの《This is my life, This is my soul》を言い切るように発声してるじゃないですか。そこも凄くフックになってていいなと思ったんです。

シンテツヤ:あぁ……そこはあんまり意識してなかったっすね。
ヅラ:えっ!? 今の「あぁ」はよくわかりましたね、じゃないのか(笑)。
一同:ハハハハ(笑)。
シンテツヤ:完全に感覚でやってるんですよね。


――どんなことがあっても前へ進む、お前たちの夢も背負う、という決意をこの曲で歌ってるじゃないですか。その強さが歌い方に反映されていると思ったし、いいニュアンスだな、と。

シンテツヤ:嬉しいです。ありがとうございます。


――もう1曲、「Pitfall」は落とし穴を意味するタイトル通り、自戒の念を歌ってます。

シンテツヤ:曲としては00年代ポップパンクみたいなのを作りたいなと思ったんですよね。歌詞は大学生のとき、名古屋の伏見で中国人マッサージの人にプラス1万円を払ったらもっといいことができるよ、と言われてそのまま払ったことがあるんですけど……
KEISUKE:ハハハハ(笑)。
シンテツヤ:そのときに「自分は死んだな」と思ったという曲です。


――シリアスな深刻さはないんですね。

シンテツヤ:でも、当時はお金がなかったからめっちゃシリアスでしたけど(笑)、情けなさすぎた、っていう。でも、同じことがあったらまた1万円を払ってしまいそうで怖いんですよ。


――その為に戒めの歌詞を書いた、っていう(笑)。そのエピソードは知らなかったので、曲としては切ないムードが漂ってるけど、イントロとアウトロのギターリフがキャッチーだから全体が沈み込みすぎなくていいなと感じてて。もしかしたら、ファニーなエピソードが発端だからこういうニュアンスにもなったのかな、と思いました。

ヅラ:ハハハハ(笑)。
シンテツヤ:完全に正解ですね。


――10月からはリリースツアーも始まります。発表になっているところだと、初日の名古屋がlocofrank、仙台がHOTSQUALLとHONEST、下北がNorthern19、福岡がEGG BRAINと39degrees、大阪がGOOD4NOTHINGですね。

シンテツヤ:今回のツアーは全体的に挑戦の意味合いが強いというか。全ヶ所、自分たち仕切りでやるし、2マンか3マンっていうのも濃いですし。
ヅラ:地元バンドと一緒にやるのも好きなんですけど、それはアルバムのときに取っておいて。その前に都心部で日程もギュッとし、先輩たちと普段できないような長尺でやる、っていう。



――マリツーとして、今はリリースツアーとアルバム制作という大きな目標がありますが、もっと先を考えたとき、何か目指すモノはありますか?

シンテツヤ:ざっくりなんですけど、もっといろんなところでライヴがしたくて。まずは47都道府県ツアーもしたいし、アジアやアメリカといった海外にも行きたい。たくさんの人に触れたいんですよ。
KEISUKE:僕も海外でライヴをしたい気持ちはありつつ、まずは日本で自分たちのツアーをソールドさせたいっていうのがありますね。めっちゃお金を稼ぎたいとかじゃないけど、バイトはもうちょっと減らしたい!(笑)
シンテツヤ:全然バンドで稼ぎたいよね(笑)。


――でも、わかりやすい目標のひとつだと思いますよ。好きなパンクロックを貫いて、音楽やバンドが生活の中心になったら最高じゃないですか。

KEISUKE:そうなんですよね。あくまで自分たちのスタイルは変えず、やりたいことをやりながら、っていう。
ヅラ:数年前、メンバーで夢を語り合うみたいなことをやったことがあって。そのときの僕の夢は千葉LOOKでツアー初日をやることだったんですけど、それはもう叶ったし。それ以外にも漠然と思ってたことがここ1年とか2年で実現もしてて。だから……僕もソールドですかね。例えば、僕らはまだ岐阜ANTSをソールドさせたことがなくて。


――それは意外ですね。

ヅラ:パンパンにはなるんですけど、あと数枚は残ってるみたいな。ソールドさせたことで何かがいきなり変わるわけじゃないけど、まずその壁を越えたことで次の目標に向かえるところはあるだろうし。このツアーも初日の名古屋HUCK FINNとファイナルのANTS、東海2ヶ所は何とか売り切りたいんで、このインタビューを読んだ人は全員来て欲しいです。3、4年前の僕らを知ってる人からしたら、マリツーが(ライヴハウスを)埋めた、って夢があると思うんですよね。



2nd Single 『This is my life, This is my soul』

TIGHT RECORDS / 2026.09.02 Streaming Release
01. This is my life, This is my soul
02. Pitfall

 

"This is my life, This is my soul Tour 2026”
10/2(金) 今池HUCK FINN w/locofrank
10/12(祝月) 仙台enn 3rd w/HOTSQUALL/HONEST
11/4(水) 下北沢SHELTER w/Northern19
11/24(火) 福岡LIVE HOUSE OP's w/EGG BRAIN/39degrees
11/27(金) 心斎橋pangea w/GOOD4NOTHING
12/6(日) 柳ヶ瀬ants w/TBA

 

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