INTERVIEW

04 Limited Sazabys "SOIL" RELEASE INTERVIEW!!!

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Interview by Ryo Tajima



 

約2年ぶりのニューアルバムを04 Limited Sazabys(以下、フォーリミ)がリリースするわけだが、フォーリミがこの2年間で経験したことの重厚さは凄まじい。日本武道館公演を経て10周年を迎えアリーナツアーを大成功へ。AIR JAMではトリ前を務め、このシーンの先頭を走るメロディックパンクバンドとして誰もが知る存在となった。そんな彼らが発表した『SOIL』はまさにメロディックパンクアルバム。今のフォーリミが表現するフォーリミらしいサウンドとは何か。そこに込められた思いを、フロントマンのGEN(Ba, Vo)にインタビュー。

 

ボクらがキッカケや入口になるならば
"何をカッコいいとするか"という
ルーツに立ち返って表現したいと思って

ー待望のニューアルバム『SOIL』完成。1曲目から高速2ビートで驚きました。攻めに攻めた内容だなと思って。
 

GEN:制作前にメンバーとも「置きにはいきたくないね」って話をしていたんです。フォーリミが、今の状況でメジャー感溢れる作品をリリースするのは、ちょっと違うんじゃないかな? と考えていて。だから、あえて攻めた内容にしたいと思ったんです。バンドも10周年を迎えたこともあって、10年間やってきたうえでボクらが持っている武器や個性、強さを再確認しながら作り上げていったんです。
 

ー1曲目は久しぶりの英詞、高速パンクチューン。このアプローチにはファンや音楽シーンの想像を超えていこうという気持ちがあった?
 

GEN:そうですね。1曲目の「message」は英詞ですが、「フォーリミはもう英詞はやらないんだろうな」って空気が、ここ2年くらい出ていたと思うんです。やりたい気持ちもあったんですけど、今はやらなくていいかな、という時期が続いていて。そうなると、ボクらには天邪鬼なところがあるんで、逆にやっちゃおうって思って。だって「ないんだろうな」ってタイミングで期待を超えるような曲が聴こえてきたら、1番嬉しいじゃないですか。例えばの話なんですけど、ボクはずっと金髪だけど本当は黒髪が1番カッコいいと思っているんですよ。
 

ーまさかの黒髪派でしたか(笑)。
 

GEN:でも、金髪を何年も続けていて、ある日いきなり黒髪になっちゃって「あら、やだ」っていう、それが1番カッコいいと思っているんですよ(笑)。そういうのと同じで、ここ2年ほど英詞の曲をやっていなかったんですが、その分、やりたい気持ちを貯めていた感じもあります。だからアルバム1曲目は英詞でスタートさせるということは予め決めていましたね。ファンにも喜んでもらえると思って。
 

ー『SOIL』は全体を通して聴くと、メロディックパンクの強さだけではなく、ラウドの要素も感じられました。これは意識した部分ですか?
 

GEN:そうですね、途中でテンポが落ちる楽曲もあるので。『SOIL』の制作中にメンバーと話していたのは「メロディックにしたい、攻めたい、重心低くしたい」ということでした。ボクらも十年選手なんで、ある程度の重厚感を伴った内容にしたいと思って。でも、アルバムが全体的にヘヴィなサウンドに仕上がったとは思っていないですね。重厚さがありつつもメロディアスでキャッチーさがないといけないと考えていたので。
 

ーバンド結成10周年の思いをアルバムに詰め込もうという意思もありましたか?
 

GEN:ありましたね。これまでやってきた手法を使いつつも、今だからこそ理解できる心の迷いなども表現できたと思います。
 

ー自分たちが10年間で培ってきた経験を今、改めて表現した?
 

GEN:そうですね。前にやっていたことを、あえて今またやろうとしたり。でも、ボクら自身の存在は昔よりも確実に進化している実感があるので、同じことをやっても以前とは全然違うんですよ。それは普通に2ビートの曲をやっても思うことです。フォーリミが、このシーンの入り口、キッカケになれる存在なんだとしたら、"こういうものをカッコいい"と思っているという根本的なルーツに立ち返りたいという思いは強かったと思います。
 

ー『SOIL』はどのような制作期間を経て完成に至りましたか?
 

GEN:時期で言うと、けっこう前から制作していたんですが、本格的な作業は6、7月頃でした。それまで、ボクはもちろん、メンバー全員でたくさんの曲の種を作っていた気がします。そのうえで、制作初期の段階では、なかなか確信が持てなかったんですよ。「これだな!」というのが出てこなくて。アルバムの要みたいなものが見えてこなくて、なかなか思うように進まなかったのが正直なところです。
 

ー難産なアルバムだったんですね。どのように完成に向けた道筋を切り拓いていったんですか?
 

GEN:細かく言うと、レコーディングは2クールに分けて最初に「Brain sugar」、「Milestone」、「Password」、「Shine」などを録ったんです。そこでKOUHEI(Dr, Cho)と話しているときに「意外と2ビートの曲が少ないな」ってことになって。そこで「Utopia」や「Galapagos」の方向性が定まってきて、最後に「Squall」を持ってくることで、作品の全体図が見えてきましたね。アルバム全体のバランスを考えたときにシックリくる楽曲が揃って内容が固まってきたと思います。
 

ー作品の軸となった曲と言えば?
 

GEN:やっぱりシングルの「My HERO」と「Squall」ですね。この2曲は真っ直ぐで分かりやすく、明確なメッセージ性を持った楽曲なので。歌詞に関しては、そこを軸に展開していった感覚です。
 

ーでは、アルバムを通しては、どのような思いが込められていますか?
 

GEN:今作については、10周年というのが1つのキーワードになっています。この10年を思い返すと、この期間に、もう何周もしていると思うんですよ。それはボクの好みだったり、メンバーとの関係性だったり。『SOIL』はそのまま訳すと"土壌"という意味なんですが、時間によって循環していく様を、土壌が改善されていくことに例えようと思ったんです。土って時間によって生まれ変わっていって好転しても、それまでのすべての要素を記憶しているじゃないですか。耕して、耕して今までやってきて、そこを土台として、これからに繋げていく、という気持ちを込めています。アルバムの最後は「Shine」から「Squall」へ繋がっていく流れですが、最後には大雨(スコール)が降って、また始まっていくんだ、という感覚を示すことができたかな、と。
 

ーそういった10年間の思いは『裏 10th Anniversary Live』で各地のライブハウスを巡るという点からも感じられますね。
 

GEN:やっぱりボクらはライブハウスを主戦場にやっていきたい気持ちが強いんです。もちろんアリーナツアーも楽しかったですし感慨深かったんですけどね。そういう意味では、『SOIL』にはライブハウスで演奏されることで映える曲がたくさん詰まっている作品になったんじゃないかと思います。
 

ーやはりライブハウスはバンドの原点という気持ちがある?
 

GEN:そうですね。『裏 10th Anniversary Live』に記載されている文字を見るだけで、各ライブハウスの店長の顔が見えてくるというか。『SOIL』という10年の土壌を共に作ってくれた人たちであり、その土の要素に入っている人たちがツアースケジュールを見ると思い浮かびますね。このツアーに関しては会いたいから行くって理由も大きいですね。過去に話してくれたことも全部覚えていますし。あの人たちがいなかったらフォーリミは続いていなかったと思います。
 

ー現代のライブハウス・ヒーローとして『SOIL』をどこに届けたいと考えますか?
 

GEN:例えばお茶の間まで届けたいとか、そういうことは全然考えていないんですよ、ボクの場合。今は流行りだとかシーンの動向を細かく気にしながら活動していく必要がないと思っていますし。いい意味で、そこに捉われることなく発信していけていると思います。でも、ユースの心には刺さってほしいという気持ちはありますね。そこはずっと一貫している気持ちかもしれない。ボクらがパンクやロックに出会って、ぶち抜かれて人生が変わったという部分があるので、今を生きるユースには届いてほしい気がします。ある意味、代弁者でいたい気持ちもありますから。このシーンやメロディックパンクを伝えていかなくてはいけないという使命感に駆られているわけじゃないですけど、Hi-STANDARDを聴いていたボクらが、ツアーに誘ってもらえたり、AIR JAMに呼んでもらったりした現状を考えると、そういう役目なのかな、と感じる部分があるんですよ。





3rd Full Album
“SOIL”
01. message
02. My HERO
03. Brain sugar
04. Utopia
05. Milestone
06. Password
07. Alien
08. Kitchen
09. Galapagos
10. memory lane
11. Shine
12. Squall

2018.10.10 RELEASE
[初回盤CD+DVD]¥3,500 (+Tax) / COZP-1474~5 / [通常盤CD]¥2,700 (+Tax) / COCP-40494 / 日本コロムビア


 

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