YON EXPO'25 LIVE REPORT!!
Report by Chie Kobayashi
Photo by Yao Takeshi /Fujii taku
2025年の04 Limited Sazabysは、1月に“04”曲入りEP「MOON」をリリースし、ツアーを回り、主催フェス「YON FES」を開催し、若手バンドと回るツアー「Human Communication tour 2025」を行い、もちろんさまざまなフェスやイベントにも出演してきた。そんな中、“04”年ぶり“04”回目の「YON EXPO」を開催した。今回の会場は今年開業したばかりのTOYOTA ARENA TOKYOで、11月8、9日の2日間開催された。ここでは9日公演の模様をレポートする。

アリーナの目の前にはシティサーキット東京ベイが広がり、メンバーは開催前にはサーキットで対決もしていた(テレビ東京系「超⚡️超音波」)。当日は、アーチェリーやフリースローなどのミニゲームを楽しめるアミューズメントエリア、コラボフードやお馴染み・麺や おがたなどが出店したフードエリアなど、充実したパビリオンエリアも展開され、午前中にグッズを買いに来たファンも開演までたっぷりと遊び尽くせる。彼らの優しさと遊び心が隅々まで行き届いていた。
毎回さまざまなコンセプトで楽しませてくれる「YON EXPO」。今年は「YON RACING」と銘打たれ、オフィシャルサイトには『2025年11月8日・9日、TOYOTA ARENA TOKYOで開催される「F-04 Grand Prix」。04年ぶりの開催となったレース、彼らはその期間を無駄に過ごしていたわけではない。幾多の予選を勝ち上がり、YON RACINGに所属する4人のレーサーがそのサーキットへ。デッドヒート間違いなしの最も過酷な展開が予想される...。』との説明が。

これに則り、席種は特典付きの「ハイオク」と、特典なしの「レギュラー」の2種で、会場内のリボンビジョンには「Night on」や「夕凪」などの広告……ではなく、彼らの曲名をさまざまなロゴに模した広告風のデザインが映し出され、期待を煽る。開演前にはレース前のアナウンスがなされ、客席からはチェッカーフラッグが振られる。そしてF1ではお馴染みの「TRUTH」が流れ、場内が暗転。するとレース場の前で興奮を隠しきれずアメリカンジョークを交えながら「YON RACING」について説明するキャスターが登場し、今回走行する4人のレーサーを紹介する。クセ強めの4人の紹介および意気込みが放送されたところでカウントダウンが始まり、ゼロになった瞬間、ステージを覆っていた幕が落ち、いざレースという名のライブがスタート。KOUHEI(Dr, Cho)の刻む高速ビートに乗せ、レーサー衣装に身を包んだ4人はTATに集まったたくさんの“5人目のレーサー”と共に「Every」で走り出す。さらにスタートダッシュとばかりに「climb」「swim」「Kitchen」を続け、軽快な走り出しを見せた。
“解説のオオモリさん”や“解説のオガタさん”から注目の選手を聞くというMCを挟み、次にGEN(Ba, Vo)が放ったのは「誰も置いていきたくない」という言葉。速さを競う「YON RACING」だが、彼らが目指すのは、個性豊かな4人と、会場に集まった“5人目のレーサー”全員で、ゴールすることなのだ。そうして選曲されたのは1stアルバム「CAVU」の1曲目で、<ライライ 未来へfly>と未来への希望を歌う「days」だ。そしてさらに未来へ向かう……かと思いきや、「Galapagos」「Galapagos II」を続け、「ストリートファイター」もしくは「刃牙」のような強くなったフォーリミが戦う映像が映し出され、すっかり彼らの遊びに誘い出される。
“放送席のカワイさん”から、暴走族とのシーンの撮影では実際に偶然撮影現場に通りかかった暴走族(バイカー)の方々が協力してくれた?という裏話も飛び出したあと、GENが「スピード勝負なので、スピンして衝突して黒い煙に飲まれることもあるかもしれないし、クラッシュしてスピンして目の前が暗闇、霧の中に……そんな4年前のコロナ禍に作った曲をお聞きください」との前置きから「fade」へ。「YON RACING」が、フォーリミのバンド人生とリンクしていく。<しゃがみ込んだ日々にそっと 意味を付けてみてはどうだろう>と、ただでは転ばないフォーリミの精神を歌ったあとは、RYU-TA(Gt, Cho)のボーカルが暗闇を切り裂く「discord」、<信仰方向 見失って 混乱中>から始まる「夕凪」、歌詞の通り“とっても歪でとっても複雑”な「kiki」と、カオティックな楽曲群が続けられた。
メンバーが去ると、控え室へと向かうレーサーの様子が映し出される。4人のレーサーたちはレースクイーンにつられて飲み会へ行くことに。4人が私服に着替えたところで、ライブも後半戦へ。先ほどまでステージを飾っていたエントランスのセットもなくなり、ステージには着替えた4人。レーサーではなく、04 Limited Sazabysとして改めてステージに立った4人が最初に鳴らしたのは「monolith」だ。4人の後ろにはバンドロゴが映し出され、改めて04 Limited Sazabysとして走り続けていることを見せる。「fiction」「Grasshopper」と初期曲が続けられたあと、最新EP収録曲「GATE」へと一気にジャンプアップした。そして舞台は夜へ。東京の夜景をイメージして作ったという「Night on」、星に灯る光に思いを馳せる「magnet」、流星群を描く「midnight cruising」が続けられた。

この会場は、もともとZepp Tokyoがあった場所。それに伴いGENが、「Zepp Tokyoがなくなったときは寂しかったけど、なくなるってことはまた新しいものが生まれるし、良くなるための変化が起きているんだなって思うと未来が楽しみです」と話してから選曲されたのは、ちょうど10年前のこの時期にリリースされたシングル「TOY」収録曲「Letter」。2025年に、Zepp Tokyoから形を変えた新しいアリーナで、現在のフォーリミが届けた“お手紙”は、切なさよりも温かさを湛えていた。そのままHIROKAZ(Gt)のクリーンなギターリフから始まった「hello」では、客席から温かな歌声が広がり、ぬくもりの残る会場にはさらに「soup」が続けられた。
ここでGENが「このバンドと、集まってくれるみんながいることが僕の人生の誇りです」と噛み締める。17年目に入ったバンド、さらには自身の人生を振り返り「若いときは自分の人生を自分でデザインして、自分の向かうべき方向に舵を切っている感覚があったんですけど、だんだん人生が自分に意味を持たせてくれているように感じるようになった。人生に祝福されている瞬間もあれば、人生に試されている瞬間もある。だけど人生は間違いなく続いていくんで、道は険しいですけど、この人生を一緒に進んでいきましょう」と呼びかけると、<新しい風を受け 何処へ行こう 希望の行方を追えよ>と歌う「Horizon」で再び前に進む姿を見せる。そして最後は、水色のレーザーが降り注ぐ中「Squall」で本編を締め括った。

アンコールは映像から。楽しく飲んでいたはずのレーサー4人は、なんとぼったくられていた! その場からなんとか逃げ出したGEN、HIROKAZ、RYU-TAがステージにたどり着くと、少ししてから包帯でぐるぐる巻きになったKOUHEIもステージに到着……という茶番を経て「YON RACING」の結果発表に。結果は全員優勝! 祝福の声が上がる中、2026年04月04日のフォーリミの日に“何かが開催される”という次の約束を発表し、再会の歌「Terminal」、フォーリミのワンマンライブの締めくくり「Give me」で、幸せな空気の中「YON EXPO'25」の幕を下ろした。
スピード勝負に挑んだ個性豊かなフォーリミメンバーが、クラッシュしてスピンして、車を降りて、たらふくお酒を飲んだらぼったくられて、夜景や星空の美しさに目を奪われたかと思えば、夜の暗さに足踏みをして……そして、ファンと共に、再び自分のペースで走り出す姿を描き出した壮大な今年の「YON EXPO」。速さを競っていたはずが、気がつけば寄り道した先での思い出や車窓からの景色を味わう旅に変わっていく。まさにフォーリミのバンド人生であり、きっと会場に集まった“5人目のレーサーたち”の人生でもある。GENは「YON EXPO」は、スタッフ陣総出で楽しみを生み出すことから「大人の文化祭みたいな感じ」と表現していたが、きっとフォーリミに関わるスタッフ陣の人生も同様だろう。去り際に、GENがぽつりと呟いた。「実はチケットが少しだけ売り切れなかったんだけど、俺たちのこと好きな人がみんな来れたんだと思うとうれしいです」。そうやって誰も置いていかないフォーリミの旅は、まだまだ続く。


04 Limited Sazabys『YON EXPO’25』
11月8日(土)・9日(日) 東京・TOYOTA ARENA TOKYO
https://www.04limitedsazabys.com/feature/yonexpo25
#YONEXPO
セットリスト DAY2(11/9)
01. Every
02. climb
03. swim
04. Kitchen
05. days
06. Galapagos
07. Galapagos Ⅱ
08. mottö
09. fade
10. discord
11. 夕凪
12. kiki
13. monolith
14. fiction
15. Grasshopper
16. GATE
17. Night on
18. magnet
19. midnight cruising
20. Letter
21. hello
22. soup
23. Horizon
24. Squall
en1. Terminal
en2. Give me
セットリスト プレイリスト
DAY1 https://04ls.lnk.to/yonexpo25_1
DAY2 https://04ls.lnk.to/yonexpo25_2
U-NEXTで独占ライブ配信決定!
【配信詳細】 https://t.unext.jp/r/04limitedsazabys
ライブ配信:2025年12月24日(水)20:00~ライブ終了まで
見逃し配信:配信準備完了次第~2026年1月7日(水)23:59まで
※見放題配信のため、ライブ配信/見逃し配信の時点で無料トライアル期間中の方は追加料金無しで視聴可能です。
--------------------------------------------------------------------------------
<プロフィール>
04 Limited Sazabys (フォーリミテッドサザビーズ)
2008年名古屋にて結成の4 ピースロックバンド。
GEN(B, Vo)、HIROKAZ(G)、RYU-TA(G, Cho)、KOUHEI(Dr, Cho)
Vo.GEN の少年のようなハイトーンボイスから繰り出されるグッドメロディーかつ疾走感溢れる楽曲と、圧倒的なライブパフォーマンスは観る者の心を掴む。
2015年に1st Full Album『CAVU』をリリースしメジャー進出。2016年からは毎年、地元・愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)にて、バンド主催の野外ロックフェス“YON FES”を主催している。2018年には結成10周年を迎え、東名阪アリーナツアーを敢行。2019年にさいたまスーパーアリーナで単独公演"YON EXPO" を初開催。2022年10月に4th Full Album『Harvest』をリリースし、全36公演の全国ツアーを開催。2023年4月8日(土)9日(日)に"YON FES 2023" を主催。バンド結成15周年を記念し、11月11日(土)12日(日)に日本武道館ワンマンライブを開催。2024年1月から当日開演までゲストが明かされないツアー「MYSTERY TOUR 2024」を敢行。6月22日(土)23日(日)に"YON FES 2024" を主催。2025年1月29日にEP『MOON』をリリース。3月よりワンマンツアー「MOON tour 2025」を敢行。6月21日(土)22日(日)には"YON FES 2025" を主催。11月8日(土)9日(日)にはTOYOTA ARENA TOKYOにてアリーナ単独公演「YON EXPO'25」を開催。
HP:https://www.04limitedsazabys.com
X:https://twitter.com/04LS_nagoya
Instagram:https://www.instagram.com/04limitedsazabys_official/
YouTube:https://www.youtube.com/user/04LimitedSazabys
LINE:https://line.me/R/ti/p/@04limitedsazabys
Official FC「YON TOWN」:https://sp.04limitedsazabys.com/
_________________