Crystal Lake "HELIX" INTERVIEW!!!
Interview by SUNEO
Photo by John Gyllhamn
ヘヴィーでラウド。この言葉が安っぽく聴こえてしまうほどの楽曲クオリティや圧倒的な音圧、それを超えていくライブパフォーマンスでシーンを切り裂いているCrystal Lake。国内だけに留まらず、世界を巻き込みつつある彼らの新作に迫る。本人たちによる全曲解説もお見逃しなく。
(海外のFesで)メインステージのオファー来たからね。
ーー“True North”のアルバムから約2年、今回のアルバムは前作からの2年間をどう活かして制作されましたか?
RYO:前回のアルバムが出てから相当な本数のツアーをやって、、、でも、結局、キッカケになったのは“Apollo”をリリースしてからだとは思うんですよね。あれは世界中で凄く良い評価を受けて、それは自分たちでも予想外でした。“Apollo”リリース直後にヨーロッパツアーに行ったんですよね。そのツアーがもう予想以上の、というか現地での「待ってました」みたいな期待感が(現地のファンに)凄くあって。自分たちも良いショーが出来たし、かなり良いツアーになって。それが凄い自分たちの中で自信にも繋がって、やっぱこうやって自分たちがやってきたことは間違ってなかったし、俺らはHeavyな音楽をストレートにやって、“Crystal Lake”らしさっていうのをずっと追求して来ましたけど、それがどこだろうと通じるんだっていうのが改めて感じられた。さらに、それらがこのアルバムで形になったというか、まあ凄く自然にHeavyかつ、こう…自分たちの良さである『世界観』っていうか『シネマティックな世界』みたいなものをさらに深く、的を絞ってズドンと(笑)凄い言い方難しいんですけど、かなり真っ直ぐ向いたアルバムになってる様な気がします。
ーー海外ツアーでも認識できたであろう、Crystal Lakeとしての強みだと思いますか?
RYO:やっぱり、Heavy。それは色んなHeavyがあると思うんですけど、感情からくるものだったり、こう…何て言うんですかね、、、難しいですね、、、ハードコア的でもあるし、メタル的でもあるし、そういう色んなエクストリームな音楽を全て煮詰めて凝縮されたものって言うか…かつ濾(こ)されたもの。色んな人に、色んな層に通じるHeavyさなんじゃないかなっていう。
ーーYDさんはこの2年間どうでしたか?
YD:RYOが言った様に、すげぇツアーして、色んな人と会って、また出来る場所も変わってきて、感じるものもすげぇ変わった。自分たちがやる音楽の向く方向っていうのももちろん変わって、要は「日本でこの音楽広めたいな」って思う気持ちが、それがもう日本だけじゃなくて、全方位的に「カッコイイ音楽あるよ」っていうことと、「日本でも生まれてるぜ!」っていうことを伝えたいなっていう気持ちに変わって、この2年間で。今までよりも、自分が表現してる音楽に直接向き合う様になって、音楽をもっと自分の中でプライオリティ高めて、出来る限りやってみようかなっていうのを2年間の中で判断したことがあって、それが結果アルバムに色々詰め込まれた部分はあるかなと。自分の家のシステムとか制作環境も変えて、出来ることも広がって。シネマティックってRYOが言ってくれたことも、今まで出来なかった表現がCDの中で出来る様になったのは、デカかったかなって思ってる。
ーー制作環境の変化とは?
YD:いや、今まで本当にMTRの「よーいドン」で録って、あとはギターだけで出来ることでやってたけど、今コンピューターが凄い進んで、オーケストラの音だったり、ワールドミュージックのサウンドをサンプリングしたりとかDJチックなことも出来るし、自分の作曲スキルも色々あがったかな。
ーーアルバム全体で変わったなっていうところは、シーケンスって言い切って良いのか分からないですが、デジタル音というかサンプリング音が随所に「あ、入って来てるな」と感じる部分。今まで「ギター1本で仕上げられてたのかな?」っていうのも疑問に思うぐらいですが(笑)、今回のアルバムはよりそういう部分は増てるなっていう風に感じました。
YD:「ハードコアって」「メタルって」とか、「自分たちがやることってこういうことだよね」っていうのを作品に閉じ込めたり、逆にそのジャンルを拾いにいこうとして手伸ばしたりとかっていうのはあったけど、今回のアルバムはもう何も考えなかった。とりあえず、もう自分たちがやるものはCrystal Lakeになるし、「だったらどうするの?」っていう話を追求した。ライブを行っていく中で、ヨーロッパとか行ける様になって、アジア行ける様になって、これからアメリカとか行くけども、その中で自分たちの強みってやっぱりHeavyなんだっていうのを改めて、3周くらいして実感出来たから、「Heavyってなんだろう?」っていう所に神経を持って、感覚を持って、あとは自由にやればCrystal Lakeになる、っていうのが今回の2年間で導き出せたのかな?アルバムに対して。
ーー“Apollo”リリース以降、UKツアーでフェスや現地でのライブハウスでプレイしてきましたが、反響はどうでしたか?また、フェスとライブハウスでの熱量の違いなどはありましたか?
RYO:国によってやっぱり全然受け取り方っていうのは違うなっていう。ただ、総じて凄いみんなウェルカムで。
ーー違いっていうのは?
RYO:ライブハウスでの熱量とフェスでの熱量って、日本だとイコールではなかったりするケースが多いと思ってます。
YD:確かに。
RYO:でも凄く近い、ライブハウスともフェスもそんなに違わない様な…。ステージのフロントから見てる感じは、そんなに違う感じはしなかったですけどね。みんな自由に酒飲みながら楽しんで、ライブハウスでも飲みに来て、騒いでみたいな感じはそんなに違わないのかなっていう。やっぱそういう文化的なものが凄くしっかり根付いてるというか。
YD:シンガロングはどこ行っても凄かったよね。
RYO:そうすね、シンガロング。本当の意味で、みんなで歌うっていうのは初めての体験でしたね。日本だとやっぱこうサビだけ歌うとか、ライブでちょっと歌ってると横のお客から怒られる(笑)、っていうのを聞いたりしますけど、向こうの人たちは全員がイントロのギターから歌う、みたいな。
ーー確かに。先日RYOさんのアカウントでアップしていたTwitterの動画がそうですよね。“Apollo”一番始めからガンガン歌ってる。
RYO:まさに!ああいうのはどこでもありましたね。
ーー特にイギリス、オランダ、イタリア、オーストラリア、スペイン、チェコのフェスに参加してるけど、ここヤバかったなってとこあります?
RYO:スペインはフェスもローカルショーもやっぱり一番ハンパなくて。先日アップしてたのが、スペインのローカルショーなんですけど、もうなんか本当にここにお客さん来るの?みたいな(笑)。
YD:ヤバかったよね(笑)。
RYO:俺らの前座のバンドとか、10人くらいしかいなくて。と思ったら、一気に最後ライブハウスに人が来て、あのシンガロングだったり。あとはフェスでも、たまたま俺らがやる時間が凄い良い時間で。他のステージで演奏してない時間で、Crystal Lakeコールが最初と最後で鳴り響いて。
YD:入りきらないくらい、いたよね。
RYO:外もバーって広がって(ステージ)横もハンパない数の人たち。
YD:4番目の(大きさの)ステージだったんだけど、次、メインステージのオファー来たからね。
ーーヤバイですね!凄いアガる。UKツアーは今作に向けても、良い実りのあるものだったと。
YD:うん。
RYO:そうですね。
ーーそのツアーを受けて、方向性を決めて制作に一気に取り掛かったのでしょうか?
YD:みんな誰でもそうなのかもしれないけど、アルバムへのヴィジョンはあって、いついつに出したいなっていう気持ちに向かって、どういうアルバムを作ろうかっていうのは話してるけど、いざ動き出すのがライブやら何やらで、直前の3ヶ月前くらいかな。。。
RYO:そうっすね。3月の頭くらいから始めて。
YD:“THE CIRCLE”のリリースがあったから、「やべぇー!あと3ヶ月で、6月末にはヨーロッパ行っちゃうから全部終えないと!」って思ってたの。でも、3ヶ月でアルバム作るってライブもバチバチ入ってるから、「これ本格的に今回ヤバイな」と思って。まぁ、、、でも、絶対に奇跡が起きて(笑)、絶対出来上がるっていう謎の確信だけは持ってたから。最初のコンセプト決めたことに対して、やっぱり自分たちが制作に入っちゃえば早かったし、苦戦することは俺はあんまり無かったかな。なんか、苦しかったけど、すっげぇ(笑)。
RYO:時間的な苦しさですよね。出来るまで半年掛かって。そういう、いつ終わるんだろうっていう様な苦しみはありましたけど、制作段階での苦悩は少なかったですね。今までに比べたら、生みの苦しみ無かったですよね。
YD:何が面白いかなーとか、色々なことをブラッシュアップして、何が次にいく(時代を先取る)のかなーみたいなこと、結構考える時間じゃん、ああいうのって。文章もそうだし、本読んだり、語学を学んだり、映画見たりするのもそうかもしれないけど、色んな影響受けて、自分に投影して、表現することってあんまり普段ないじゃん。レコーディングって良い機会だなと思いながらやってるんだけど。楽しいし、出来上がった時には。
ーーインプットは多めにしたということですか?
RYO:インプットは常にしてるっていう感じですかね。アルバムに向けて特別にっていうことはそんなには無かったかもしれないです。
YD:でも、「リバイバルの面白さ」みたいなのは自分たちも上手く使える様になって。今までは自分たちに無い、リフや歌い方、メロディーみたいな所をすげぇ追求しようとしてたけど…特に“True North”の時とか。この和的メロディ、和的感覚っていうのをすごくフューチャーしたくて。色々トライしたけれども、なんかそこを無理にやらずとも、自分たちがやれば絶対和なテイストが入るっていうのはもう“True North”やった時点で分かったから、今回は自分が昔聴いてたものとか、良いなって思うものを自分たちが今やるとどうなるの?っていうのを出したかな。
ーー今回のコンセプトは「リバイバル」ですか?
YD:それも、一部。コンセプトは違うんだけど。まぁHeavy。
ーーコンセプトはHeavyなんですね。サブタイトルでリバイバルみたいな感じですか(笑)?
YD:遊び方で。Heavyで、あとはコンセプトは5次元?
ーー5次元ってなんですか(笑)?
YD:相対性理論とか、SFとか。ああいう非日常、スーパーサイエンスみたいなところを自分たちが音楽でやる時に、ジェント(Djent/プログレメタル)じゃないんだけど、それとはまた別のシネマティックな感覚をどう表現するかっていった時に、「時間」、例えば『インターステラー』(クリストファー・ノーラン監督による2014年のSF映画)っていう映画が俺は凄い好きで、その中でスピードを増すごとに時間の捉え方が変わるっていうのが映画の中で表現されてて、そこから鳴って来る音とかストーリーとかが、音で表現したらどなるのかな?みたいな。音楽だけで。とかをコンセプトにしてる。Crystal Lakeだからそういうのは、ハマって面白いかなと思って。パンクバンドがそういうこと言ってもフィットしなかったりするのか分からないけどね。でも、自分たちがやるとどうなるんだろう?そういう夢だったり、おとぎ話とか悪魔モノとか(笑)。
ーータイトル含めて、SFやダークファンタジーの要素が多いですよね。
RYO:メンバーみんな、SF的な映画だったり小説だったり凄い好きで。それをいかに哲学的かつ日常的な表現で出来るかっていうのをリリックでも凄く考えましたし、さっきYDが言ったテーマに沿ったリリックにもちゃんとなってたりして。結局ファンタジー物でもフィクション物でも結局は人間っぽいっていうか、哲学的で人間の根源を表現してるのかなってずっと思ってて。そういうのを上手く詰め込んだつもりです。
ーーアルバムに収録されている楽曲タイトルだけ羅列してみてるだけでも世界観がすごいですね。1曲目“Helix”は「螺旋」ってことですよね?意味深なタイトルですよね(笑)。
RYO:「螺旋」っていうのはタイトルが最後に決まったんですけど、DNAってよく「螺旋」って言うじゃないですか。このアルバムが1曲ずつDNA、連なりで出来てるじゃないですか。そのDNAがCrystal Lakeを表現してて、それってこう今までの自分たちの歴史だったり、はたまた地球が生まれて今までの歴史っていうか、遺伝子の連なりで時間が刻まれてきて、今に至るっていうそういう凄い広い世界を表現したかったんですよね。
ーー確かに。2曲目の“AEON”ってラテン語(永劫/えいごう)ですよね?
RYO:あとスーパーのAEONです(笑)。これは凄いジョークみたいなモンなんですけど。哲学的な表現を模索してて、これは凄い宗教的なテーマなんです。
ーー歌詞は難解(笑)過ぎますよね。
RYO:簡単に言うと世紀末の中で人間がだんだん機械を神様として崇めていって、最終的に身体に組み込んで一体化して神になるんですが、それが、最終的に世界が終わった時の、最後に(本当の)神様が出てきて「別にそんな信仰したって救いなんて結局無いんだよ。結局みんな死ぬだけじゃん。消えるだけじゃん。」みたいな、ニヒリスティックなテーマになってるんです。
YD:一番最後に出来た曲なの、これって。
RYO:そうっすね。
YD:「Heavyなの、もっと狂ったヤツ欲しいな」って思って。「日本帰って作ってみるわ」みたいな、レコーディング終盤の中で。1日、2日で仕上げたね。
RYO:そうっすね。まとまったのは。元々別の曲で使ってたリフとかもあるんですけど。
YD:そうだね、マッシュアップ的にくっつけたり、調整して。
ーー曲展開が異常で、ガテラルも入ってくるし、バスドラの壁にぶち当たる瞬間もありますよね(笑)。
YD:全部ハードコアもビートダウンもメタルもブラックメタルみたいな所もあったり、The Dillinger Escape Planみたいなパートもあったり。
ーー確かに。
YD:でも、どこかでデジタルなノイズが鳴ってて、だからRYOが言ってるリリックもすげぇ合ってて。俺のイメージは狂ったデジタルノイズの世界が最終的には全て塵になっていく様なイメージで曲作ったら、歌詞もリンクして。
RYO:ちゃんとストーリーが曲にフィットして。
YD:面白いなっていう。
RYO:「バスドラの壁」って言ってたパートが世界崩壊の(笑)デジタルダストになって消えていくみたいな(笑)。
YD:デジタルダストパートっていう(笑)。
ーーライブでどう表現するんですか(笑)?
RYO:(Drumの)楽さん頑張ってます(笑)。
YD:結構イケるよ(笑)。曲自体も5音下げとか、一部6音?下げとか?カオスだよね。
ーー「Heavy」いうか「狂ってる」っていう言い方が正しいかと。そんな狂った曲が2曲目にきてるアルバム、、、「いきなり崩壊してんじゃん」みたいな(笑)感覚に陥ります。
YD:そのぐらいの方が良いよねって言う話になったんだよね。
ーー世界が壊れたところから始まって、次が“苦しみ”=“Agony”ですよね(笑)?
RYO:ドンドンと重いテーマ続いてますけど、これは結構俺の中で哲学的かつ、内省的かつ、ゲームからのインスパイアとかもあったりして。それこそ“Agony”っていうゲームがあるんですよ。PS4のソフトです。一昨年くらいからトレーラーみたいのはあってやりたいなと思ってたんですけど、地獄を旅するゲームなんですけど。
ーー悪魔に見つかったら終わりのゲームですか??
RYO:そうす!悪魔に見つかったら終わりのヤツです。
ーー分かった!知ってます!
YD:知ってるんだ。あの血だらけの世界…
RYO:肉片で出来た世界を…
YD:よくそんなん知ってるね。
RYO:途中で悪魔が出て来てっていう。
YD:(インタビュアーは)よくそんなの知ってるね。俺知らなかったよ。
ーーあれ元々パソコンのゲームで出てたヤツをPS4に移植してるんですよね。
RYO:あ、そうなんですね。ゲームみたいに自分の中の世界が、そういう風に見えてしまう瞬間とかってきっと誰しもあると思うんですけど、そこからどう抜け出して、どう新しい世界に向かっていくかみたいな感じで、最終的に曲のストーリー的にもスーパーHeavyで、異次元にいったりするパートもチューニング下げて厚みのあるパートもあったりして、そこから最後パーっと開けて神聖なパートというか、クワイヤ(合唱)っぽいパートになって曲が終わるっていう感じで、歌詞のストーリーもそういう風に巡り巡って最後開けるっていう感じになっています。
ーーアルバムの3曲目までは、シネマティックかつ、クリスチャンに近い様な世界観で進行してますが、4曲目から日本の国ナンバー「+81」に。しかも、歌詞の中に「ビッチ&酒、ゴジラ」(笑)という文字がありますね。
RYO:これは最初は歌詞のテーマ的にも日本レペゼンというか、俺らがゴジラになって世界を踏み荒らしていく、みたいなニュアンスで。これもちょっとふざけた感じで作ったんですけど。歌詞的なテーマで言うと、、、色んなパーティーバンドとかいるじゃないですか。俺らもそういう人たちとやったりして来たんですけど、結局はギミックみたいな感じで、みんな良いヤツだし、フツーじゃんみたいに思ってるのを皮肉って、「俺らはそんなパーティー卒業して、大人な嗜みをやってるぜ」みたいな(笑)、例えばヤツらが女やら酒をガンガン飲んでる中で、「俺らはナイフとフォークで優雅に飯をくってるぜ」みたいなちょっと皮肉っぽい、ふざけた感じのリリックのイメージですね。
ーーここは一気にシンガロングが出来る様なパートがいきなりこの曲にきて登場して、キャッチーに仕上げてるのかなっていう感じはしています。いわゆるHeavyって言われるものとかラウドって言われるものって、どこかしらでキャッチーさが失われている気がしてますが、客を巻き込んでいく様なシンガロングの部分があって、凄い良いなと思ってます。
YD:凄い自然な感じでイントロも自分の手グセで作ったし、リフも、ちょっと腰を据えたビート感みたいな感じのイメージなのね、バースのところは。サビとかは俺の中での解釈はCloverのギターリフを思い浮かべながらEVERY TIME I DIE聴いて、ちょっとPanteraの平メロの要素を入れたりとか、ちょっとなんかそういう感覚ではいたんだよね。
ーー感覚じゃないと説明出来ないですね(笑)。
YD:なんかどっかしらああいうムーディなメロディ、アダルトなメロディっていうのが面白いかなって。実は、、、サブタイトル、ネオンだったんだけど。
RYO:そう、ネオン。
YD:東京の歌舞伎町の街なのか、銀座の街なのか、東京の上から見たネオンの光なのか分からないけど、そういう街並み、ジャパンの良いところ、相撲、空手、忍者、酒、寿司、芸者なのか分からないけど、そういうカオスなのを結構サウンドの中で表現して、電子音みたいなのも、YMOじゃないけどシンセトラックの番組を見てる時に入れ替えるじゃん、ああいうのをなんかでやりたいなと思ってて。実はそういうところから影響を受けて。あぁいう形にはなってるんだけどね。
ーーなるほど!次は“Lost In Forever”はシングルで先にリリースされてますね。僕だけの感覚か分からないですけど、結構王道のニュースクール感というか、まだRYOくんが入る前のDAYLIGHT(CLEAVEとのスプリットCDに収録)をすごく思い出しました。
YD:ストレートな感じはあるね、昔からの。
RYO:王道感は一番。
ーー2ビートでしっかり疾走するニュースクールって、最近はめっきり減ったと思います。
RYO:逆に確かに少なくなりましたよね。
YD:確かに。なんかストレートで、こうスピーディーで、グッドメロディが来るものって、意外と少なかったから、今回の作品。前作までは意外とあったんだけど。じゃあなんかこう、実はすげぇ細かく複雑なギターとかいっぱい入っちゃってるんだけど、でも気持ちはそういう形でこの曲は作って。やっぱり、THE GHOST INSIDEとか自分たちは好きだったし、あの音楽の良さの感覚を今に表現したいなと思って。
ーーCircle Pitの情景が思い浮かびますね。
RYO:そうっすね。
YD:LIVE!!、Circle Pit!!みたいな(笑)。
RYO:かつ、シンガロング。エモーショナルなところはやっぱり自分たちでもしっかり表現したいなと。リリック的にも自分の中の時間を表現してて、“Lost In Forever”は。自分はまるで永遠に生きるかの様に生活してる中で、その中での時間の流れというか、、、時間が止まってる様にも思うし、気づいたら「もうこんなに経ってるわ…」とか「もう東京来て10年近く経ってるわ…」とかそういう瞬間を、曲のスピード感と同じ様に表現してたり。あとはちょっとした遊びで、俺が昔大好きだったMY CHEMICAL ROMANCEのリリックを使ってシンガロングっぽくしたり。最後の方のパートに“Are you near me? Can you hear me?”っていうリリックが出て来るんですけど、それは“Helena”っていう曲のブリッジに出てくるリリックなんですよね。で、それが凄いなんていうか、、、この曲にリンクするというか。直接的にっていうよりは、かなり自分の中で繋がったんで、敢えて入れましたね。インスパイアを受けて。
YD:リリックオマージュは面白いよね、結構。サウンドでもアリだし、なんか、面白い。
RYO:ラッパーとか結構やるじゃないですか。そういうのすぐパクりだって言う人いますけど、オマージュはリスペクトがあってのものなので。それはパクりじゃないと思ってるんで、頻繁にちょこちょこ入れたりはしてます。
自分が思ってた感覚を同じ様にこれを読んでくれてる人たちがしてたら、やべぇ面白いかなっていうのを楽しみにしてて。
ーー良いことですよね、理解度がしかっりしてればしてるほど。次、“Outgrow”=“成長”です。これボーカルから始まりなんですね。
RYO:この曲で表現したかったのは、メロディックで壮大なトラック。で、バラードっぽさを出さないっていうか、、バラードっぽいけど、実はリリックはめちゃめちゃ怒ってる、ひたすらスピットしてるみたいなこと表現したんです。ギャップを表現したくて。「こういう曲だったら、こういう歌詞でしょ?」みたいな、決まった形みたいなのを崩したくて。皮肉っぽい感じを極めた形を自分的には表現したかったんですよね。
ーーその怒りの方向性は、他者に向いてるのか、自分に向いてるのか。
RYO:色んな方向っすね。自分を含めたあらゆる方向に。色んなこと言うヤツが周りにはたくさん居て。インターネット、もちろんSNSとかでも。「訳分かんないこと言いやがって」みたいなヤツたくさんいるじゃないですか。「誰々がああいうこと言ってたよ」、「そんなのクソどうでも良いよ」みたいな。「そんな一々俺に対して文句言うぐらいなら、自分の問題解決しろよ」みたいな(笑)そういうのを表現したんです。
ーーリリックには葛藤も込められてるんですね。トラックには鍵盤も入ってますね?
YD:この曲、実は3段階のアレンジした曲で。本当はキーも違った。主線は冒頭のメロディがあったんだけれども、まずそのキーが違う段階、もっと柔らかい内容だった所に、Crystal LakeらしいHeavyさを加えて。Heavyなんだけどバラード。静と動が1曲の中であって、それをHeavyに表現するためにアレンジを加えて、最後に、RYOのキー、ベストシャウトが出来て、どこまで出せるかっていう音域に合わせてアレンジをして、って感じかな。自分たちの中では、キーから音階あらゆることを把握出来るようになったからこそのアレンジなんだけどね。
RYO:3回くらい曲変わりましたもんね。アレンジして。
YD:モッシュじゃなくて、ライブじゃなくて、このHeavyさをライブで聴いた時にどう響くのかな?みたいな。グワァーって入り込む様な、ヤベーって入り込む様なHeavyもありなのかなってことで作った。
ーーいわゆるそのHeavyの与え方の提案に近いのかなっていう気もしてます。
RYO:リリックとしてもHeavyだし、曲としてもHeavyだし。静と動のダイナミクスがHeavy。そういうことですかね。
ーー1番初めににA Perfect Circle聴いた時みたいな感じを受けました。
一同:あぁ~。
RYO:当時まさにA Perfect Circleのアルバム聴いてたんですよ。
YD:それも聴いてたかな、ちょっと。
ーーHeavyだけど、モダンヘヴィネスって言われるとちょっと安っぽい感じですが、圧倒的な圧と深淵に近い様な音を拾って来る感じが、この曲からは感じられます。
YD:次のフェーズっていう感覚で俺はいるんだけど、ToolとかA Perfect Circleとか、聴かすHeavyじゃん。大地を感じさせる瞬間もあったり、宇宙を感じさせる瞬間もあったり。あとはトラックミュージックじゃないけど、ループするようなところも凄い利用するし。そういう意識はあったけど、、まだ出来てはないんだけど。
ーーかなり迫って来てる気はします。
YD:どうしても(曲に)ストーリー付けちゃうんだよね。あの人たちは結構、サァーーーっと流していくじゃん(笑)。
RYO:その流れの中で、1本の流れの中で、でよね。
YD:そんなに強弱することは無いんだけど、なんか大人な感じがあるんだよね、あの人たちって。
ーーありますね(笑)。深淵にたどり着いたところで、次に曲は“儀式”ですよね?
RYO:儀式、リチュアル、“Ritual”。
ーーこれ、曲じゃないですね(笑)。
RYO:次の曲のイントロというか。自分たちを鼓舞するだけじゃなくて、お客さんに対してもよりプリミティブな感じを感じて欲しくて。「ウッ!」っていうのだったら誰でも言えるじゃないですか?そういう原始的な感覚で、みんな鼓舞したいっていう思いがあって。
YD:原始的な、人間本来生まれて何も無い感覚の時に笑うとか、叫ぶとか、そういう感覚に近い何かでライブをしたいなと思ってて。それがこの“Ritual”のある意味儀式だよね。俺らが来たらこれをやろうぜみたいな。それが全員でさ、「ウォッ!」か言ってたらさ、超ヤバイじゃん(笑)。
ーーヤバイですね(笑)。
YD:で、そっから次の曲に流れ込む良さ。
ーー次の曲が“Hail To Fire”ですが、この掛け声は、ズンバ?ゾンバ?
RYO:ゾンバ。
ーーゾンバってどういう意味ですか?
RYO:これ、単純にデモ作ってる段階で、“ズンバズンバ”って言ってたんですけど、なんて言うんですかね、咄嗟に出て来た、YDが咄嗟に出て来た言葉みたいな感じで。そういう感覚って大事だなって思ったんですよ。RECの時に、ゾンバに変えたのはズンバだと、エクササイズ、エアロビみたいなのあったんですよ。それじゃ違うなと思って。ゾンバに。
YD:要は、造語。
RYO:造語です。でも、アフリカの国でゾンバって国があるっぽいんですけど、関係なく使おうと思って。
YD:本当に、音楽の本来の鼻歌に近い感覚を曲にしただけっていう。
ーー途中の掛け声というか、も、結構ヤバイと思ってます。何事だって(笑)。
RYO:“ゲバンバンバゲバンバンバオー!”みたいな(笑)。言葉関係なくこう、本当に心の底からこう、原始期的な感覚で出て来る掛け声みたいなのを表現してますね。これも実は儀式って曲で。イメージ的には真ん中に火があってそれを囲んで、原始人たちが祈祷している様なイメージなんですよね。イニシエーションっていうその通過儀式っていうのをイメージしてて。アフリカの昔の国がやってるような、例えば割礼だったり、バンジージャンプだったりとかあるじゃないですか。こう俺らのクラブに入りたいならこの儀式を通らなきゃダメだよっていう様なニュアンスでやってます。
ーー儀式が終わった後半いきなりビートダウンをがっつり(笑)としてきますね。
YD:あれはもう本当ハードコアの自然な形で生まれた、メタルとハードコアが合体した感じなのかな、ビートダウンとか。
RYO:そうっすね。
YD:リアルではあるよね。自分で言うのもアレだけど。表現している音楽は、今までやってるし、聴いてきたし。それが自然と出て曲になっているのがヤバイかなみたいな。ちょっとエジプティアンな古代の印象を与える様なメロディが自然に湧きあがってくる。オーガニックなんだよね、全部が。別に何かを捕らえようとしてやってる訳じゃなくて、イマジネーションで、古代の何かがそこから生まれて1つになる様をイメージするとあぁいうサウンドになって。で、ブチギレて表現したいパートってやっぱあぁなるし、「ウォー!」って高揚したら、みたいな(笑)。
ーー9番目“Devilcry”。これ、メロもあってラップもあってボーカルとして表現の幅がすごくある曲ですね。
RYO:まず、その色んな生きてる中で、死っていうものが普通に生活してる中で、いざ自分の身に起こったら?っていうのをストーリーっぽく表現していて。これも学のテーマになってる。人が死に直面する時、自分が死の宣告を受けた時に心理的にどういう段階を踏むかっていう5段階があって、それを、自分の身近な人が死ぬってなった時に自分がどう思うかっていうのを置き換えて表現してるんですよ。最初はどうしても受け入れたく無いっていう拒否するところから始まって、段々気持ちが変化していって、最後のサビではそれを受け入れて、最終的にどうこの世を離れるかっていうので終わってるんです。ボーカル的にはかなりスムーズに出来た感じですね。メロもあまりキャッチー過ぎないというか、気持ちの悲しさを表現したくて。全体的にエモーショナルなトーンにはなっています。
ーーこういうボーカルで歌ってほしいとか注文をすることはありましたか?
YD:ポイント、ポイントで。そのメロディ、自分たちが表現する歌のメロディをどう付けてくのかって話した時に、今までは結構フックになるキーワードみたいなのを歌にすることがあって、それをみんなで歌えるとかってのを尊重してた。この“Devilcry”は、ちゃんとリリックを歌にする、スクリームだったり、スクリームメロみたいなのあるけど、キーワードを主張する様な歌じゃなくて、本当に文章が自然に流れていく様な歌にしたいなっていうのがあった。DNAから始まって、人間がいつのまにか病気になって死んじゃうんだけども、それが文化が発達してそれを治す、いつのまにかDNA改造しちゃった時に自分たちの気持ちってどう変わってくのかなって。それが本当に良いのかな…みたいなのを勝手にストーリーで作って曲の展開にしてたりした。最初は悲しいって気持ちなのに、いつのまにか機械とか科学の力で、サイエンスの世界になっちゃった時に自分たちの気持ちが失われて。。。でも、いつの間にかデジタルがアナログに戻る瞬間っていうのもどっかで来るんだったら、曲もアナログな状態からデジタルに変わって、最後アナログに戻る、みたいな歌の表現とかはしたりしてる。
ーー次の“Just Confusing”は、マジで混乱する曲なんですが(笑)。携帯電話の着信バイブ音で始まって、自分の携帯を見てしまう混乱(笑)。
RYO:それも実は狙ってます。あれ最初は着信音も入れてたんですよ。さすがにそれはカットして。タイトル、混乱ですからね(笑)。これは最初トラックがあって、ここにボーカルを乗せて、やるっていう感じだったんですけど、色々組み替えてアレンジする中でああいう形になって。感情の起伏みたいのを表現したかったんですよね。1つの曲の中で、ボーカルだけでどこまでダイナミクスを付けれるのかっていう。最初はボソボソ言ってる中で、いきなりブチ切れて一気に上がって、また下がる。で、また上がって、下がってサビで広がるみたいなの表現したくて。
YD:色々トライしたよね。
RYO:色々試して、「ああじゃない、こうじゃない」って。最終的にリリックも変わったり、何回も変わったりして。サビがあんな感じになる予定じゃなかったんですよ。最初はサビもあんまり無いような、結構平坦な曲だったんですけど、フックをしっかり付けて。イメージ的には自分の携帯に電話が掛かって来て、「取りたくねぇな」みたいな。で、1回無視するんですよ。で、その中で無視して外を歩いて、頭の中で歩きながら色んな事を考える。頭の中で色んな感情がブーって切れたり、逆にこうディプレッションしたり、っていうのを表現してて。最終的にまた電話鳴るじゃないですか。鳴った最後に出るんですよね、「もしもーし」って言って。あれ俺なんですよ(笑)。俺が超フツーな感じで、デモで録ったテイクを使ってるんですけど、普通に。自然に出た「もしもーし」なんですよね。自分の中で問答する中で最終的に電話に出るっていう、ストーリーなんです。
ーーこの問答してる対象が電話掛けて来てる対象だと思うけど、歌詞追ってくと女に振り回されてるのかなっていう感じにもちょっと聴こえたりとかして(笑)。
RYO:それ歌詞をよく見てますね(笑)。俺は別に1つのことに対して何か言ってる訳じゃなくて、色んなあらゆる方向に対しての問答なんですよね。だからこう、、、何ていうんですかね、4方向くらい、4つが平行して色んな感情が絡み合って、だから1つの文章だけみてもなんか上手く意味が分からないっていうか、最終的に最後まで歌詞を通して聴いて、色んな人のことを言ってる曲なのか、みたいなニュアンスっすね。だからそういうの(女に振り回されてる感じの歌詞)が1つあります。
ーーこれは、ライブではどうやって表現しようと考えてますか?
YD:どうなんだろうねー、やるのかな?でも、バンドセットに変えちゃえば自由だし。
RYO:アレンジすれば。
YD:全然出来る。
ーー“Just Confusing”は新しい方向性を提示しているのかなと。Crystal Lakeはバンドの様で、プロジェクトの様な見え方もしています。Heavyって、今回コンセプトも、出し方としてバンドサウンドのみに拘らなくても表現できる力を持っていることを証明したと思います。このアルバムでっていうよりかは、この次のリリースに向けてなのか、新しい球を落としてって、「“Just Confusing”は伏線であって、後々に回収するのかな」っていう。
YD:自分たちには色んな友達がいたり、自分もOZROSAURUSとか他のことやってたり、RYOも友達がいたりとかっていう中で、Crystal Lakeの曲をリミックスしたりとか今までずっとして、音楽を楽しんでやって、リリースしてるんだよね、実は。それの延長線上っていうか、表現の自由さみたいなのも「もう気にしないでやっちゃえば良いじゃん」みたいなのがこれの1つで、もしかしたら色んなことが始まるのかなっていう。DJ BAKUさんともやったりもしてたからね。
RYO:相当あれで色んな繋がりが増えましたし。
ーーシングル“Apollo”、太陽神っていうことで良いんですか、これは。
RYO:そういう感じです。音楽の、芸術の神様を表現していて。これは自分たちの15年ていうのを俺の中で表現したものなんですけど、リリック的には。新しい次元へ向かって行こうっていう凄いメッセージ性のある曲なので。アルバムには入れたいなっていう気持ちは凄いあったんです。
YD:タイトルからいって凄いじゃん。「その先へ」から“Sanctuary”だからね。
RYO:そうなんですよね(笑)。
ーー“Apollo”でもクワイヤ系のシンガロングした後に、最後聖域に行く訳ですよね(笑)?もう、賛美歌なのかなっていうような前振りが凄いですね(笑)。
YD:凄いね、それ、冷静に考えると。
RYO:確かに壮大っすね(笑)。
ーー“Sanctuary”って聖域ですよね?
RYO:聖域っていうのはもちろんその自分たちが守るべき領域、自分たちが貫くべき信念、みたいな感じで表現していて。改めて色んなツアーする中で、「間違ってなかったなー」って思っていて。逆に「ここは絶対守らなきゃいけないんだ」っていうところが自分の中で出来たんで、そういう思いを表現しています。最初この曲、結構ムーディな感じで作ったんですけど、最終的にかなりスピード感のある曲にしてかなりコンパクトにまとめて、ストレートにメッセージも伝える様にしてますね。
YD:確かに最初は全然もっとバラードみたいな感じだったんだけど、それも一気に転換してビートや符割とかも変えて“Sanctuary”になったんだよ。この曲、本質的に持ってたメロディだったり、実は日本人が作る優美さみたいなのを俺は表現してて。日本の文化、アニメーション、音楽、映画とか色んなエッセンスを細かい音に入れたらああなって、ジブリ的な印象もよく聴くとあったりとか、そこはやっぱりリスペクトするところだし、自分たちの強みだから、ちょっと和な感じっていうのをどこかしらでリンクさせたかった。
ーー表現できていると思います。だいたいHeavyなアルバムって、最後がズンズン落としていくか、最後がトラック沈めてスーって終わっていくかっていうところを、外に向かってかなり開いていったな、と。“Apollo”から“Sanctuary”で世界が広がっていって、次を期待させてくれるっていうのが凄いあります。“Just Confusing”に関しても「あ、もうなんか転換期を迎えてるのかな」っていうところの前振りにも思えたりして、次が見えるアルバムというか、見させよう、描かせようとしてるアルバムなのかなっていう風に勝手に想像してしまいますね。
YD:コメント、ハンパないっす(笑)。もう当分作りたくないです(笑)。
RYO:ハードル上がりましたね(笑)
ーー前のアルバムから考えたら2年でリリースしていて、この手のバンドとしては早いペースですよね。しかも、前のシングル“THE CIRCLE”は入れて無いですよね。リリースの構想はもうありますか?
YD:インディペンデントでやってる訳だし、みんなが動いてる軸じゃなくて、バンドが1個の作品を作ったら十分にそれを伝える活動に入りたいなと思って。パッとツアーして終わるんじゃなくて、自分たちのフィールドが日本だけじゃなくて外にも向ける様になったから、国内外含めて。だったら1年なのか1年半なのか、2年掛けて色んなところに行って伝えて、Crystal Lakeの音楽のベースをもう1ランク上げようかなっていう。そういう風にしたい。2年後なのか3年後なのか分からないけど。
RYO:リリースを期待されているって生きてるバンドの証拠だなって、凄い思いますね。あの頃は良かったっていつまでも言われる様な人達もいる訳じゃないですか。Metallicaだって、KISSだって「もうアルバム出さなくていいよ」って言われるんじゃなくて、やっぱり「次が聴きたい」って思わせられるっていうのは凄い良いことだと思います。
YD:確かに。
ーー音源をかなり解説してもらい、ありがとうございました。さて、ライブですが、BURY TOMORROWとUKツアーがありますね。
RYO:そうです。「出ない訳にはいかないでしょ」みたいな感じで決まったのと、やっぱそういう大きいバンドのオープニングとしてどこまでやれるのかっていうのも自分でも見てみたかったですし、かなりやり甲斐は今までとはちょっと違った感じになると思うんですけど。
ーそのUKツアー終わったらいきなりHi-STANDARDと対バンですね(笑)。
RYO:アリーナっすからね。
YD:ヤバイよね。一応Hi-STANDARDのマネージャーさんには言っておいたけど、先にカバーとかもやらしてもらうし、仕掛けも仕込んでます(笑)。
ーーそれ多分ネタバレになるのでインタビュー使えないですね(笑)。1月からワンマン公演ですね。
RYO:そうっすね。新曲のお披露目会じゃないですけど、新しい表現をどう伝えて行くか、ライブで伝えて行くかっていうところで今ちょっと試行錯誤しつつ。
YD:アルバムツアーはいつもCrystal Lakeの世界観満載系でやってるから、ギミックや、色々ショーとして出来ること、舞台として出来ることみたいなのを色々チャレンジしたり、面白く。
ーー全世界というよりかは全方向に向けて活動していくのであれば、ぜひSHOWとして色々とチャレンジして欲しいですね。Crystal Lakeは今やれる位置にいるし、やっていって欲しい。それが新しい他のクリエイター達にも刺さっていくことなのかな、と。お客さんの中から「ああ!これやりたい」とか「VJやってみたい」とかっていう風になる可能性もあるでしょうし。その位置にいるという様な気がしてます、僕は。最後に、ツアーやワンマンに向けてこのアルバムを聴いてくれる人に向けて一言ずつあればお願いします。
RYO:取り敢えずワンマンツアー、いや、アルバムだな、アルバム“Helix”は凄く色んな聴き方が出来ると思いますし、何よりスーパーHeavyなんで、そのHeavyな音楽を聴いて湧き出たものを一緒にライブで楽しんで、ワンマンみんなで遊びましょう。すげぇまとまんなかった(笑)。
ーー散らばったままだったけどそれはそれで(笑)。
RYO:それが今の気持ちっす(笑)。
YD:これも文章に起こして貰っちゃって良いんだけど、今ここでこれを読んで、とか、聴いてくれてる人たちが学校なのか会社なのか仕事してる場所、仲間内でいる場所、それぞれ色んな場所で、例えば「Crystal Lake好きです」とかって言った中で学校で知ってるヤツどんぐらい居て、とか、それを自分がどういう感覚で持ってんのかっていうのがすげぇ気になって。自分が高校生の頃とか、アメリカの音楽とかヨーロッパの音楽、世界の音楽を聴いた時に、なんか自分が凄く特別な感覚というか。自分が好きなものに対して凄く大切に思ってたんだよね、バンドのことを。まぁもちろん今言葉で言うとハイスタもそうだし、当時はああいうHeavyなバンドにとっても凄くなんていうんだろ…デカい…自分の中に何か凄い大きな存在で。それを本当に仲良いヤツとか音楽好きなヤツに伝えたりしてたんだよね。教えてあげて、一緒にライブ行ってとか。「このアルバム本当良いよ」って伝えてたんだよね、当時。それをこの“Helix”ってアルバムでやってくれたりしてるのかなって。“THE CIRCLE”とか“Apollo”をリリースした時に、これ読んでくれてる人の一声が誰かに伝線したら、100人がやったら200になるし、1000人がやったら2000になるし、そのネズミ講じゃないけどさ(笑)。でも、そういうもんじゃん。人に何かが伝わっていく、とか。何かが生まれる瞬間ってそういうことだから、自分が思ってた感覚を同じ様にこれを読んでくれてる人たちがしてたら、やべぇ面白いかなっていうのを楽しみにしてて。アルバムに向けてとか、ツアーに向けての感覚じゃないけど、そういうことを、自分の目の前では起きていないことを楽しみにしてて。それが最終的にライブにみんなで来てくれれば、「ハンパないもん見せてやるよ」みたいな感じではあるから。
※2018年末UKツアー前にインタビューを敢行し、校正しており、インタビュー内容に時系列的なズレがあることをご了承ください。
“HELIX”
01. Helix
02. Aeon (feat. AJ from ISSUES)
03. Agony
04. +81
05. Lost In Forever (feat. Daniel & Tyler from GIDEON)
06. Outgrow
07. Ritual
08. Hail To The Fire
09. Devilcry
10. Just Confusing
11. Apollo
12. Sanctuary
CUBE-1010 (¥2,500 + tax)
>>Crystal Lake OFFICIAL HP