Deviluse BRAND INTERVIEW!!!
Interview by SUNEO
Photo by Taiyo Konishi
SATANIC CARNIVAL出展皆勤賞であり、様々なアーティストが着用しているブランド”Deviluse”にインタビューを敢行。こういった取材はほぼ初ということもあり、設立から展望までを MAC(デザイナー)&AI(ディレクター)の両名に語ってもらった。
”Punk Equipment ”というコンセプト
--Deviluseはいつからスタートしたんですか?
AI:1999年にブランド設立になっているんですが、その当時は、原宿にあるパンクショップのオリジナルブランドとして、Deviluseが立ち上がったんです。
MAC:そうなんです。バンドTなどを取り扱っているショップから派生して生まれたブランドで。1999年当時、共通の知人がブランドをやっていて、その知人がアメリカに行くタイミングで僕らの方で引き継ぐことになりました。
AI:それが2003年位ですね。そこから本格的にDeviluseを始めましたね。
--Deviluseのブランドコンセプトは引き継いだ時?設立当時?から変わってますか?
MAC:設立当時から変わってないです。”Punk Equipment”をコンセプトにしていて、音楽とリンクしたブランドということを大切にしてます。
--ブランドを引き継いだ時に、ご自身たちが好きだった理由って覚えてますか?
AI:原宿にあったお店の店長さん(Deviluseを始めた方)が知り合いだったんですが、元は、立川にロックショップがあって、バンドTを買うのがすごく好きだったので通っていたら、Deviluseって Tシャツが売っていて。「かっこいいし、欲しい、、、でも、バンドでもないし何だろう。。。」って思っていて、MACに聞いたら「共通の友達が立ち上げたブランドだよ」って教えてもらって。知り合いだったらから、Deviluseを知って好きになったわけではなくて、純粋にDeviluseがかっこ良くてファンになって、その当時、LサイズとXLサイズとかのバンドTシャツが多かったんですよ。でも、DeviluseはSサイズから売っていて、優しい!って思いました(笑)。女の子の私にも着れるんだ!っていうのが、(私に)ヒットしちゃって。価格もバンドTと同じ価格帯でブランドのTシャツが買えたので、そこもすごい好きになった理由ですね。
MAC:価格帯とユニセックスという部分で、その当時パンクキッズ(女性へも)達に寄り添ったブランドってなかったので、いいなーと思いました。その当時の気持ちのまま、”Punk Equipment ”というコンセプトと、価格帯、ユニセックスブランドというガイドラインは変えずに今も運用してますね。
--ロックショップに通ってたということですが、そのきっかけはやぱりバンドが好きだったからだと思います。その当時、聴いていたバンドってなんですか?
MAC:海外のメロディックハードコアのバンドが大好きで。NOFXとか、FATWRECKのバンドだったり、Epitaphのバンドだったりのバンドが凄く好きで。そのバンドTが売っているようなお店、高円寺や原宿に通ってたのが原点ですね。
AI:私は初め、THE BLUE HEARTSが好きだったんですよ。高校に上がってMACに会って、洋楽とかHi-STANDARDとか教えてくれて。元々は80年代のバンドブームのバンドを追っかけてたんですけど、海外バンドやメロディックパンクとかを聴くようになったんで、好きな音楽はほとんどMACと同じです。
--バンドグッズと、ブランドのアイテムの差異は意識してますか?音楽をソースに持っていると類似してしまうところもあると思いますが。
MAC:初めて聞かれましたね。。。Deviluseという名前があるので、音楽の側面も持ちながら、「Devil」にフォーカスして、少しダークな世界観を当初は意識してましたね。バンドTやグッズとの違いになるかはわからないんですけど、ブランド名とそこからイメージされるものを伝えられるようにデザインを意識してますね。
--ブランドアイコンは、ハートがモチーフになってますね。これはいつ誕生したんですか?
MAC:ブランドのロゴ自体は、ブランドを設立した方が創ったんですが、ブランドのアイコンは2003年のボクらが引き継いだ時に改めてボクが創りました。キャッチーで一回見たら忘れないようなものがいいなと思って。最初は”BROKEN HEART”が気に留まって、デビルらしさを付け足したいなと思って、何度かバランスを見ながらデザインして、あまり深く考えず今のアイコンができました(笑)。
AIRJAMやWARPEDTOURで体感したような、音楽にプラスして何か洋服だったりARTだったり、カルチャーが混ざったかっこいい空間を作りたい
--ブランドを引き継いで、まずやったことってなんですか?
MAC:まず、最初にオンラインストアを立ち上げました。ライブハウスで着てもらいたいって気持ちがすごく強かったので、友達のバンドや、先輩のバンドにお願いして、ライブハウスの会場で販売を2003年から始めました。オンライストアを立ち上げて、すぐその後に行動しましたね。bullionというレーベルがあったんですが、その当時仲間が手伝っていて、海外のバンドを招聘して来日ツアーの時にブースを作って販売させてもらったりしてました。バンドではKEMURIの方々にお世話になって、 KEMURIのライブ会場でも販売させてもらいました。
AI:元々、WARPED TOURとか行ってたので、ライブ会場でブランドが販売しているのを体験してたんですよ。2年に1回、それまでの間にアルバイトしてお金を貯めて、辞めて、WARPED TOURに行くっていうのを繰り返してたんで(笑)。お金貯めて、WARPED TOURのためだけにお金を使っていたので(笑)、クレイジーなジャパニーズみたいな感じになっちゃって、グッズもブランドのアイテムもすごい買ってたので(笑)。
MAC:実家とかにはその当時に買ったアイテムとかも残ってますね(笑)。
AI:FamousやVolcom、Porn Star Clothingとかありましたね。ライブ見て、ブースで買い物して、ライブ見て、ブースで買い物して、、、を繰り返してましたね。荷物いっぱいにして(笑)。
--原点としてはWARPED TOURだったのかもしれないですね。今のDeviluseのユーザーはFACTなどのバンドと仲良くしていたブランドとしての認識が強かったと思うので、ルーツを知れてよかったです。
AI:原点は、WARPED TOURももちろんなんですが、、、WARPED TOURの前に、AIRJAM2000が初めて行った音楽のフェスで、AIRJAM2000に行った時に野球場がいきなりライブハウスみたいになってて、スケートランプやクライミングもあって、AIRJAMのボトルの水が販売してたり、千葉だけど、もう日本じゃないみたいな、別世界で。その時の感動というか衝撃が忘れられなくて、初めて、自分達の周り以外でDeviluseを着た人を見たのもAIRJAM2000で。すごく感動したのを覚えてます。こんなすごいフェスに来てるお客さんがDeviluse着てる!Deviluseすごい!って思って、ブランドを引き継ぎたいと思ったきっかけになった体験だと思ってます。
MAC:FACTは元々知っていたんですが、ちゃんとした接点は、bullionツアーのクアトロ公演だったと思います。Deviluseはブースを出させてもらっていて、FACTはそのツアーに参加していて隣のブースでバンドグッズを販売していて、そこで仲良くなったんですよね。
AI:Tシャツを渡したら、ライブで着てくれて。仲良くなったあと、すぐにメジャーデビューするということを聞いて、、、同世代で、FACTすごいなって、自分たちも頑張ろうって思ってました。
MAC:ボクもバンドをやっていて、FACTとは対バンしてたんですけど、めちゃめちゃ仲良くなってて、、、という感じでもなかったんで、bullionツアーでブランドとバンドで隣同士になったのが大きなきっかけだったかもですね。
--ライブハウスで草の根活動のようなことをしていながら、さらにブランドとして飛躍するきっかけがあったと思うのですが、それは何ですか?
AI:JMSの健太郎くんに会って、、、からですかね、完全に。2010年ですかね。
MAC:REDLINEというイベントをJMSがやるってなって、「コラボアイテムを制作して欲しい」と依頼を受けたところからですね。その後も(鈴木健太郎氏から)「ブランドとして勿体ないからもっとアイテム作って欲しい」って言われて、それから一緒にやるようになったんですよね。そこがギアが上がった瞬間ですね。自分たちも今までしてた仕事を辞めてDeviluse一本に絞って、覚悟を決めた感じですね。
--出版社にいた時の媒体をインタビュー前に見てきたんですが、2011年位からは掲載も多くなってましたよね。
MAC:そうですね。
AI:健太郎くんには色々引っ張ってもらったよね。
MAC:雑誌とかも掲載してもらう入り口とか全く分からなかったので、そういうのも窓口になってもらって。それこそPunkOllieってイベントにもブース作らせてもらって。MADOllieにも出店しましたね。そういった機会が増えていく中で、それまではTシャツだったり簡単なトップスしか作らなかったんですが、パンツだったりコートだったりを作れるようになっていって、オリジナルのロックスタイルをちゃんと目指して、本当の意味で”Punk Equipment”を体現できるようになりましたね。それからさらに、バンドマンにも着用してもらえるアイテムを作っていきたいと思って、スキニーパンツでもしっかりストレッチが入ってたりとか、トップスでもアームホールに余裕を持たせて動かしやすくしたりとか、アクティブに動けるアイテムをリリースするようにもなりました。ライブハウスのお客さん、ステージに上がるアーティストにも同様に”Punk Equipment”を伝えられるアイテムを提供したかったので、自然とそうなりましたね。
AI:ライブハウスだけでなく、もっと多くの人にDeviluseを手に取ってもらいたい気持ちも出てきて、2014年には原宿にショップもオープンしました。現在は色々あって、閉店してしまったんですが(笑)。
MAC:コロナ禍で、イベントの出展とかも減って、変えていかなきゃいけないなと思う部分もあって、ショップがクローズした時に思い切って、商品の発送などブランドに関わる業務をD.I.Yでやろうって切り替えました。それと、ショップがクローズしたので、毎月POP-UP STOREを行なうことも決めました。自分たちでお客さんと触れ合う機会を作っていかないと、という気持ちもありましたね。
AI:ブランドとして卸先も15店舗ほどあるんですが、私たちが直接お客さんと接する機会は大切にしたいと思ってます。
--ブランドも大きくなり、運用も長くなってきましたが、バンド好きのお客さんのスタイルに変化を感じたりしますか?
AI:お客さんの変化というよりかは、私自身が女性なので、バンドTにパンツというお決まりのスタイルじゃなくて、ワンピースとか女性らしさも持ったアイテムを提案して、そういったスタイルを徐々に受け入れてもらっている雰囲気はありますね。Tシャツでも普通のクルーネックではなくて、デコルテの開いたカットソーに近いアイテムを出してみたり。ライブハウス以外でも着てもらって、何も問題ないアイテムをリリースするようにしてます。
MAC:ライブハウスに行く時にしてる格好と、普段の格好が違うんだな、ということにお客さんと話しててわかって(笑)。ブースにきて「あ、これ普段着れる」とかの話を耳にしたりとかして。
--ライブハウスと日常の格好が少し切り離されているイメージはありましたね。
MAC:イベントごとじゃなくても、街でも着てもらえるようなアイテムも提案したいと思っています。イベントでのブース出店と、POP-UP STOREの違いは感じることはありますけどね。バンドや音楽を通して、 Deviluseを知ってもらう機会が多かったですが、POP-UP STORE等ではできたら、ボクらが洋服を通して、バンドや音楽を伝えられるようになりたいとは思ってますね。
洋服の価格もTシャツであれば、バンドTと変わらないような価格帯で、その他のアイテムもなるべく買い求め易いレンジで作ってます。
僕らの企業努力っていうのもあるんですが、協力してもらっている業者の努力もあってですね。なるべく価格は上げないでこれからもやっていきたいですね。高くて良いもの作るのは当たり前なんで、価格を抑えても良いものを作るっていうのはブランドを引き継いだ時から思っていたことなので、続けたいです。
--今後の展望などはありますか?
AI:今、毎月東京で POP-UPSTOREをやっていますがコロナが落ち着いてきたら、なるべく多くの場所で、POP-UP STORE48都道府県ツアーができたらと思っています。店内の雰囲気だったり、レイアウトだったり、接客だったり、ブランドの世界観をお客様に体感してもらいたいと思っています。そこで、例えばお客様と一緒に来てくれたお友達もDeviluse知ってくれて、好きになってくれて、Deviluseの好きな音楽にも興味を持ってくれたりしたら嬉しいなと、そうやってちょっとずつでもカルチャーを広げることが出来たらいいなと思っています。
MAC:みんなで目標にしてるのは、またお店を設けて、直接お客さんと話せる場所をつくること。それと、ライブハウスやイベントで何か一緒にできることがあったらいいなと思っています。音楽を純粋に体感する場所、ってことも素晴らしいことだと思うんですけど、AIRJAMやWARPEDTOURで体感したような、音楽にプラスして何か洋服だったりARTだったり、カルチャーが混ざったかっこいい空間を作りたいと思っています。音楽を体感する場所に付加価値をつけられる何かをDeviluseとしてできることを探し続けていきます。
※今回のインタビューをきっかけに、DeviluseとSATANIC ENT.によるコラボアイテムを制作することも決定。アイテム詳細に関しては後日発表。