THE FOREVER YOUNG「君を輝かせて / もういっかい」INTERVIEW!!
Interview by Chie Kobayashi
Photo by Ruriko Inagaki
THE FOREVER YOUNGがデジタルシングル「君を輝かせて / もういっかい」を5月25日にリリースする。「君を輝かせて」は餃子専門店「餃子の雪松」のCMソングで、バンドにとって初の書き下ろし。前作「証」を携えたツアーの手ごたえや、初の書き下ろしの制作について、メンバー全員に話を聞いた。
THE FOREVER YOUNGを好きなやつらと気持ちを確かめ合えるツアーに
──まずは、昨年10月から行なっていたツアー「証を見つける旅」について聞かせてください。ナカオタイスケ(Gt)さんが正式加入し、4人体制で回る初めてのツアーでもあり、またコロナ禍でのリリースツアーとなりましたが、いかがでしたか?
クニタケヒロキ(Vo, Ba):こういうご時世になってから初めてのリリースツアーだったので「どんな感じになるかな」と不安もあったのですが、フロアとの信頼関係が見えるライブだったというか。THE FOREVER YOUNGを好きなやつらと、THE FOREVER YOUNGが気持ちを改めて確かめ合えるツアーだったなと思います。俺らはTHE FOREVER YOUNGを好きなやつらのために音楽やライブをやれているし、その人たちの生活の中にTHE FOREVER YOUNGが居続けてくれていたんだなって再確認できた。それと同時に、ちゃんと新しいTHE FOREVER YOUNGの自己紹介もできたツアーになったんじゃないかなと思います。
タカノジュンスケ(Gt):一本一本、やるたびに曲に一体感が出て、良くなっていくのを感じられて楽しかったです。
オガワリョウタ(Dr):前回のインタビューで、いい作品ができたという話をさせてもらったと思うんですが(THE FOREVER YOUNG「証」INTERVIEW!! )、それをこのツアーで育てていくことができて楽しかったですね。新曲を中心にセットリストを組むのもそうだし、昔を思い出すような感じがありました。
──ナカオさんは初のTHE FOREVER YOUNGとしてのツアーでしたね。
ナカオタイスケ(Gt):はい。サポートメンバーだったときも一緒にツアーは回らせてもらっていましたけど、自分で作った曲を演奏できたし、やっぱりサポートメンバーのときとは違う気持ちで。楽しかったし、これからはTHE FOREVER YOUNGの一員としてもっと頑張っていかないとなと思いました。
──ファンの方から言葉をかけられたりはしましたか?
ナカオ:はい。僕はけっこう物販にも立っていたので、そのときに「おめでとうございます」みたいな言葉をたくさんいただきました。
THE FOREVER YOUNGという塊が存在の証
──『証』収録曲の中でお客さんの反応が意外だったものや、想像と違う育ち方をしたものはありますか?
クニタケ:リリース前にミュージックビデオを出していた「人間合格」。THE FOREVER YOUNGの曲は誰かの背中を押す応援歌が多い中で、この曲は自分のことを念頭に置いて作った曲で。でも聴いてくれている人が「明日もがんばろう」と思える曲に変化していたのがうれしかったですね。もちろん、そうなればいいなとは思っていたんですが、実際にそうなっているのを感じられてうれしかったです。
──聴いている人のものになっていく感じがしたと。
クニタケ:そうですね。ライブ中に、全員の表情を見ているのですが、「人間合格」では特にマスク越しに泣いている人が多くてうれしかったです。
──メンバー間での変化や印象的な出来事はありましたか?
クニタケ:メンバーで酒を飲む回数が増えましたね。ツレと遊ぶ延長でツアーができた感じがあって。友達と遊ぶノリで回れたんじゃないかな。
ナカオ:ツアー先でのホテルで、クニさんと同じ部屋になることが多かったんですが、打ち上げで飲んだのに、部屋に帰ってからまだ2人で朝まで飲むみたいなことが多くて楽しかったです。お互い好きなバンドのミュージックビデオをYouTubeで見せ合ったりして。
──「証を見つける旅」というツアータイトルでしたが、“証”は見つかりましたか?
クニタケ:もちろん。メンバーとお酒を飲むこともそうですし、自分が生きていくために、聴いてくれる人やライブが必要で、THE FOREVER YOUNGというバンドというか、THE FOREVER YOUNGという塊が俺らの存在の証だという答えが出ました。
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「わっ、すご! よく見るCMの感じだ!」
──ここからは5月25日配信リリースのデジタルシングル「君を輝かせて/もういっかい」について聞かせてください。「君を輝かせて」は餃子専門店「餃子の雪松」のCMソングとして書き下ろした楽曲ですね。
クニタケ:最初、話をいただいたときは福岡に「餃子の雪松」はなかったんですが、東京でレコーディングして久留米に帰ってきたら、高速降りてすぐのところに「餃子の雪松」ができていて。それから福岡にもどんどん店舗ができたんですよ。めちゃくちゃ美味しいですよね。
──曲はどのように書いていったのでしょうか?
クニタケ:一応、テーマとして“家族団欒で餃子を食べているイメージ”ということはもらいましたが、基本的にはお任せいただいて。いろいろ考えていたら、小学生くらいの子供が晩飯を楽しみに学校から帰る情景が思い浮かんだので、そこから膨らませていきました。俺らっぽさも入れたかったので、シンガロングも入れて。
オガワ:CMの仮映像も送ってもらっていたので、プリプロで録ったものをあわせて見たんですよ。そのときに「わっ、すご! よく見るCMの感じだ!」ってグッときましたね。
クニタケ: CMを、酔っ払っている夜中にふと見たりすると泣いてしまいます。家族団欒を味わえるのって、人生で本当に一瞬なんですよね。子供の頃と自分が親になったとき。えらい淡いところを俺は歌ってるんやなと思うとエモくなってしまって。しかも、ふたり(タカノ・ナカオ)はまだ20代ですけど、俺とサン(オガワ)は30代半ば。子供もいなければ結婚もしていないんですけど、「俺、こういうの望んどったんやな」と思って。それに気づけたことに対してもエモくなって。同い年の人たちが、家族団欒しながら、このCMを見て「青春パンクがCMで流れるんや!」って思ってもらえたらうれしいな、とかも考えましたね。
──初の書き下ろしでしたが、普段の曲作りとは違いますか?
クニタケ:これが「自分がキムタクだと思って、イケメンの曲を書いてください」とかだったら難しかったと思いますけど(笑)、「THE FOREVER YOUNGらしい曲で」という話だったので、やりやすかったです。
──THE FOREVER YOUNGの曲に、家族をテーマにした曲ってこれまでなかったですよね? そういう意味でもいい機会になったのではないでしょうか。
クニタケ:はい、初めてかもしれない。自分は家族団欒を望んでいたんだな、家族というものに対して強い思いがあったんだなと気づけたので、これを機に家族の曲が増えていくかもしれないです。
ばあちゃんが自慢してくれたりしたらいいなぁ
──クニタケさん以外の皆さんは、この曲をどのように捉えて演奏しましたか?
ナカオ:僕は自分が好きな感じの曲調だったし、ストレートに出したほうが伝わりやすいのかなと思って、まっすぐ演奏しました。サンさんも言っていましたが、仮の映像にプリプロの音源を当てたものを見たときに、自分が小学生のときに母ちゃんが餃子を作って待ってくれていたことを思い出してエモい気持ちになりました。
タカノ:僕も「ばあちゃんがCMで見てくれたらいいな」って思いました。
クニタケ:あー、そうやね。自分の大切な人に見てもらえるっていうのは、純粋にうれしいよね。ばあちゃんが自慢してくれたりしたらいいなぁ。
オガワ:僕は“CMだからこう”みたいなのは嫌だったので、いつも通りのTHE FOREVER YOUNGとして演奏しました。その結果、いい感じに盛り上げられてよかったです。
──「君を輝かせて」、改めてどのような楽曲になったと思いますか?
クニタケ:すごく好きな曲になりました。本当は「雪松」って言葉を入れるかどうかも悩んだんですけど、一点集中のほうがTHE FOREVER YOUNGっぽいかなと思って。でもサンが言っているように、CMソングとは捉えていなくて。単純にTHE FOREVER YOUNGの新曲として好きな曲ができました。
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スポーツの疾走感あふれる「もういっかい」
── 一方の「もういっかい」は福岡県にある「ワン・ツウ・スポーツクラブ中央」のイメージソングです。
クニタケ:福岡の情報番組の企画で作らせてもらいました。初めは水前寺清子さんの「三百六十五歩のマーチ」っぽいものとかも考えていたんですけど、考え過ぎるのも違うかなと思って、いつも通り、背中押す感じのTHE FOREVER YOUNGっぽい曲になりました。
ナカオ:個人的には、歌詞がスポーツジムにマッチしていて良いなと思っています。スポーツジムで流れたらいいだろうなと想像できるというか。
オガワ:逆に僕はスポーツジムっていうテーマをなんとなくイメージしていて。ずっと突っ走っているというか、止まらないで最後まで走り抜くみたいなことを意識して、疾走感が続くようなドラムにしました。
──ちなみに皆さん、スポーツ経験はありますか?
タカノ:はい、僕はテニス。
オガワ:僕もテニスです
クニタケ:僕はずっと剣道をしていました。
ナカオ:僕も小中は剣道でした。
──タカノさん、オガワさんのテニス歴は長いんですか?
タカノ:僕は中学だけです。
オガワ:僕は中高やっていましたけど、もうずっとやってないですね。「やりたいなー」みたいな話はよく出るんですけど、行ってないんですよね。
タカノ:きっと間もなく……(笑)。
オガワ:ふたりは剣道しに行ったら?
クニタケ:剣道、もうやりたくない(笑)。
ナカオ:僕もやりたくないです。ずっとやめたかったですもん。
オガワ:「ひさしぶりに剣道でもどう?」ってならんの?
ナカオ:絶対にならないです(笑)。
雪松を探すツアー&「SATANIC CARNIVAL」初出演
──6月からは「FOREVER YOUTH TOUR 2022 ~雪松がさぁ待っている~」が始まります。どんなツアーになりそうですか?
クニタケ:ほとんどの公演がツーマンなので、いつものツアーよりも中身の濃いぎゅっとしたツアーになるんじゃないかな。対バン相手も、好きな人たちですけど、最近一緒にやっていたバンドとはまた違うから面白いかも。
──久留米公演の対バン相手は地元のジ・エンプティです。このバンドについて教えてもらってもいいですか?
クニタケ:地元でがんばっている、俺たちのことを好きな青臭いバンドです。
──後輩を引き上げる側にもなってきたんですね。
クニタケ:引き上げるというよりかは、近所の兄ちゃんみたいな感じで、友達になってわからないことがあれば話を聞いてあげたいっていう感じですかね。かわいがりたいやつらが増えて、うれしいです。
──久留米のバンドシーンを盛り上げるみたいな気持ちも?
クニタケ:それはもちろんあります。一時期はめちゃくちゃバンドが少なかったんですが、今は地元でスタジオ入っていると隣にも練習しているバンドがいて、純粋に「いいなぁ」と思います。俺らがそのキッカケになれたらうれしいし、それが久留米でバンドやっている宿命かなと思いますね。
──そして今年の「SATANIC CARNIVAL」に出演が決定しました。初の「SATANIC CARNIVAL」ということで、意気込みを聞かせてください。
タカノ:初めて出演するので、いいライブをしたいです。
ナカオ:イベント自体はもちろん知っていて映像も見ていたので、自分がそこに出るとなると……。しかもほかに出るバンドもずっと僕が聴いてきたバンドばっかりなので、ドキドキワクワクするし、頑張らないとなと思います。
オガワ:俺は、毎年アーティスト発表を見て、知っているバンドが出ているのを見て悔しい気持ちがあったんです。だから今年出られるのはめちゃくちゃうれしいし、かましてやりたいなという気持ちです。
クニタケ:とにかく楽しみです。「SATANIC CARNIVAL」ってパンク、ロックのオリンピックみたいなイベントだと思っていて。そこに福岡県久留米市のTHE FOREVER YOUNGが出る。THE FOREVER YOUNGだからこそできることがあるという自信があるので、緊張しないように頑張れたらいいなと思います。
THE FOREVER YOUNG「君を輝かせて / もういっかい」
5月25日リリース
配信URL:https://lnk.to/tfy_yukimatsu
THE FORVER YOUNG presents FOREVER YOUTH TOUR 2022 ~雪松がさぁ待っている~
日程:2022年6月7日(火)
会場:東京都 SHIBUYA CLUB QUATTRO
出演:THE FOREVER YOUNG / ハルカミライ
日程:2022年6月8日(水)
会場:神奈川県 Yokohama B.B.street
出演:THE FOREVER YOUNG / NUBO
日程:2022年6月10日(金)
会場:岩手県 the five morioka
出演:THE FOREVER YOUNG / INKYMAP / FUNNY THINK
日程:2022年6月11日(土)
会場:宮城県 石巻 BLUE RESISTANCE
出演:THE FOREVER YOUNG / INKYMAP
日程:2022年6月13日(月)
会場:愛知県 名古屋HUCK FINN
出演:THE FOREVER YOUNG / YONA YONA WEEKENDERS
日程:2022年6月14日(火)
会場:京都府 KYOTO MUSE
出演:THE FOREVER YOUNG / BUZZ THE BEARS
日程:2022年6月16日(木)
会場:香川県 高松DIME
出演:THE FOREVER YOUNG / Hump Back
日程:2022年6月17日(金)
会場:大阪府 LiveHouseANIMA
出演:THE FOREVER YOUNG / Hump Back
日程:2022年6月19日(日)
会場:福岡県 久留米ウエポン
出演:THE FOREVER YOUNG / ジ・エンプティ