INTERVIEW

BACK LIFT『Dream Wagon』INTERVIEW!!

Interview by Chie Kobayashi
Text by Teneight
Photo by Akira”TERU”Sugihara

 

BACK LIFTが6曲入りEP『Dream Wagon』をリリースした。今までのBACK LIFTらしさは踏襲しながらも、SEIYA(Gt, Cho)が新たに加入し、新たなBACK LIFTとしての一面も感じさせる1枚だ。新体制となってから初リリースとなったEPへ込めた想いや新体制になったバンドについて、3人に語り合ってもらった。

 

1回チャンスをもらったから、守りじゃなくて攻めの姿勢でいたい

──新体制になって初のインタビューなので、まずはSEIYA(Gt, Cho)さん加入の経緯から聞かせてください。SEIYAさんは公募での募集で加入となりましたが、どのような経緯だったのでしょうか?

KICHIKU(Vo, Ba):前のギターが脱退した2021年の6月から、いろんなバンドマンにサポートをしてもらっていたんですけど、正規メンバーは常に探していて。自分が思い当たるギタリストも考えたりしていました。でも1度バンドの世界を退いている人を呼ぶのもやっぱり違うかとかいろいろ考えていて。それなら、全く知らない可能性を見つけるために公募をしようと思ったのが去年の9月でした。

──そういう経緯で公募をしていたんですね。

KICHIKU:そこに応募してくれたのがSEIYAでした。公募してくれた人の映像の中で彼の映像が1番よかったからスタジオにも一緒に入って。半年間くらいは黙々と毎週スタジオで合わせるということをしていました。SEIYAはバンド経験もなくて、ライブもイメージでしかないだろうから早めに経験をしてほしいと思い、サポートという形で今年の4月ごろから参加してもらって、何本かのライブ活動を経て6月に正式に加入してもらいました。

──ライブでの手応えがあったから正式メンバーに?

KICHIKU:SEIYAは、こんな年上しかいないところに入ってきても受け身にならずに自分から求めてきてくれる人間だったんです。そういう人間性がいいなと思って。自分の想定と違ったのは背が低かったこと。

一同:あはは(笑)。

──HEAVINさんはSEIYAさんのどの部分に魅力を感じましたか?

HEVIN(Dr,Cho):KICHIKUと同じで積極性ですかね。曲も歌詞もコーラスのところもすぐに覚えてくれましたし。僕ら100曲くらいあるんですけど、それをこの短時間で覚えてくれたのはすごいなって。僕だったら絶対無理です。

KICHIKU:オレも無理や。

──それでいうと、SEIYAさんは100曲くらい覚える必要があると分かった上で応募したんですよね。なぜですか?

SEIYA:元々BACK LIFTが好きでライブを観ている側でしたし、自分も社会人をやりながら仕事が落ち着いたらオリジナルでやってみようという気持ちもあったんです。そんな中で好きなバンドが公募していて。更にその理由も「自分達の知らないところから新しい風を吹かせたい」という、応募する側のやる気を駆り立てられる内容でした。BACK LIFTが好きだったから、もともとほぼ全曲知っていたんですよ。なので正式メンバーになる前から自分が選ばれることを想定して、毎日仕事を頑張って定時に上がって、ギターを練習して寝て、仕事行ってギターを練習して寝ての繰り返しでした。

KICHIKU:しかも、スタジオのために毎週長野から名古屋まで車で来て。

──それは心打たれますね!

SEIYA:正式にメンバーになった今は、仕事も辞めて名古屋に引っ越して活動を共にしています。

──それまで、バンドはやっていたんですか?

SEIYA:大学の軽音サークルでやっていたコピーバンドだけでした。大学は名古屋だったんですけど、ちょうど先輩にFIVE STATE DRIVEのYoshikiさんがいたこともあって、オリジナルの楽曲を作って活躍している人って凄いなってずっと思っていたので、自分もそうなれるチャンスをうかがっていました。

──もともとBACK LIFTが好きだったとのことですが、BACK LIFTにはどんな印象を持っていましたか?

SEIYA:捻くれることもなくストレートなバンド。日本語の歌詞とかも自分達の気持ちに真っ直ぐな姿勢が伝わっていましたし、ライブでもそれは変わらなくて。バンドマンって「お前、どんなもんやれるん?」くらいのテンションで来るんかなと思っていたので。

KICHIKU:バンドマンのこと何やと思っとるん?(笑)。

SEIYA:あはは(笑)。でも実際はすごく良くしていただいて。

──一緒にスタジオに入る中で、BACK LIFTのメンバーになるという実感が沸いてきた?

SEIYA:そうですね。最初はどんな感じなんかなって思っていて。実際にプロとしてやれるのかなっていうのも気になっていたんですけど。

KICHIKU:補足しておくと、SEIYAはバンドマンのこと「プロ」って呼ぶんですよ。

一同:あはは(笑)。

SEIYA:みんなそうっすよ。だってコピーバンドして真似てるんですから。

HEAVIN:バンドマンはプロって呼ばれ慣れてないから恥ずかしいですね。「プロの人たちと一緒に入れて光栄です」って言われましたもん。

一同:あはは(笑)。

KICHIKU:なんやねん、その発想。照れて「おう」ってなったわ。

──すでに雰囲気がいいのは感じますが、6月に発表して半年くらい経って、バンドとしての変化はありますか?

KICHIKU:6月にやっと正式メンバーの発表ができてからは、余計な考えは捨てて、前に進むためのことを考える期間に入れたから、そういう変化はあったかもしれないです。SEIYAが入ってまた1からやろうって感じですね。それに、こういうときが1番トライしたい気持ちになるんです。

──「こういうとき」というのは、3人が揃ったときということですか?

KICHIKU:そうですね。オレらはギターが3人目で、毎回メンバーが入ったときが切り替わりのタイミングにもなっている。BACK LIFTがもう1回生き返るチャンスをもらったから、守りじゃなくて攻めの姿勢でいたいって感じですね。

──SEIYAさんはどうですか? 正式にメンバーになってからの変化はありますか?

SEIYA:バンド1本の生活にしたことで、ギターを弾く時間も増えたしライブの動画を見返して、どういったプレイをしたら良いかとか、楽曲制作のことに時間を割くようになったので、ライブ1本1本の気の乗り方が上がっていることを実感していますね。バンドに対してのめり込んでいっていると思います。

──そういうSEIYAさんの熱量を感じることで、2人の気持ちに変化はありますか?

KICHIKU:年齢も、オレやHEAVINと8個も違ってて、考え方もこんなに違うんだと驚きが多いです。あとオレとHEAVINは大学1年でバンドを始めていて、ずっとステージに立つ側の人間やったから、フロアで観てくれている人たちの感情を分かっているつもりだったけどこんなに違うんだって。そこが新しい発見でもあります。あとは聞いてきた音楽とか流行ってた音楽も全然違うから。

HEAVIN:SEIYAの修行期間としてやっていたけど、オレもそれに合わせて修行期間だなと思っていて。なので、“プロ”として頑張ります(笑)。

──バンドとして作り直す気持ちになっていると。

KICHIKU:SEIYAに教えられることは全部伝えて1秒でも早く成長してほしいし、それを伝える人間として自分が出来てないとダメですから。自分自身を見つめ直す良い機会でもあるなって思います。


自分のルーツやカルチャーを含めて融合させまくったEP

──新作EP『Dream Wagon』の制作にはSEIYAさんは参加しているんですか?

KICHIKU:そうですね、SEIYAも楽曲制作に加わっています。そもそも、BACK LIFTがここまでまとまって曲を出したのは2018年のミニアルバム『Reach』以来4年ぶりですし、メンバーが変わってからリリースすること自体初めてなので凄く新鮮でした。

──曲作りをする上でメンバーが変わるのって、大きな変化ですよね。

KICHIKU:3ピースのメロディックパンクを基盤にしたバンドは全パート大切なので、バンドとしても大きな変化でしたね。SEIYAは探究心があるから、オレが指示を出した部分は的確にやってもらいつつ、それ以外の部分は任して自由にやってもらおうと思っていて。やっぱり彼の色も欲しかったんですよね。

──2人が思うSEIYAさんの彼らしい音というのは、どのようなものですか?

HEAVIN:ドラムとこういうのがやりたいって発言してくれることもあって。「こんなリズムをやってもらってもいいすか?」とか。加入して間もないのに積極性があって、刺激になりますね。

KICHIKU:SEIYAは響きが綺麗なものが好きなんです。そういうところは実際にEP内の楽曲でも随所に現れている部分はあると思います。

──KICHIKUさんが「SEIYAさんは綺麗な響きが好き」だと言いましたが、どのあたりがルーツになるんですか?

SEIYA:ルーツはラウドロックで、特にPay money To my Painのリードギターとかは好きでしたね。

──BACK LIFTの楽曲に自分らしさを加えるうえで、難しかったことはありましたか?

SEIYA:個人的には、KICHIKUさんが持ってきてくれるタネは、思い描いている景色も伝えてくれるんです。そこに合わせつつも自分のテイストを出すのはやっぱり難しかったですね。あとは、ギターの音色は良いけどバンドサウンドになるとぶつかっちゃうということも今回初めて学んだことでした。

KICHIKU:ギターだけ弾くと気持ちいいけど、バンドにすると濁っちゃうからね。

──でも、ちゃんとSEIYAさんが臆することなく発言できる環境というのはいいですね。

KICHIKU:自分で曲やフレーズを考えたりするだけでも、だいぶ心持ちが変わると思いますから。

HEAVIN:めちゃくちゃ頑固ですけどね(笑)。

SEIYA:実際に加入して気づいたんですが、自分で作った曲って本当に全曲満遍なく好きだなって思うようになりました。

──すごくいい感想ですね。

KICHIKU:いい話したから、SEIYAもう帰っていいよ(笑)。

SEIYA:あはは(笑)。

──1曲目で表題曲の「Dream Wagon」。これはどのような想いが込められた楽曲なんですか?

KICHIKU:オレは昔からパッションがあるアツいものが好きなんです。具体的にいうとライブ中に汗をかいているバンドマンや、歌っているときの顔がクシャってなっている瞬間とか。なのに、そうなりたいはずの人間が、恥ずかしいとか周りから笑われるからって理由でクールぶろうとする姿が苦手なんです。それがサビの歌詞の意味ですね。もちろん時代も変わるし、いろんなバンドがいて、熱くてもクールでも斜に構えてても、カッコいいバンドはカッコいいのでそこがダメというわけではなく、やりたいことがあるのに、周りを気にして行動できないでいる人に向けた、モヤモヤした気持ちを表現した楽曲です。

HEAVIN:オレもこの曲はめちゃ好きで。でもサビ自体は、最初はなかったよな?

KICHIKU:日本語のサビは途中で付け加えているんです。

HEAVIN:このサビがめちゃいいってなって。ハモリとかも気持ちいいしこれ名曲やん!って思いましたね。

KICHIKU:サビがほぼ同じキーで、そこに言葉を詰め込んでいる感じなんですよ。

──音の動きがないのにサビになるってすごいですよね。

KICHIKU:そうですね。土台となるコードの進行感とかもあると思います。あとは、このバンドでは1度も使ったことないリズムを採用していて。

HEAVIN:このリズムもKICHIKUが提案してきて。

KICHIKU:ここ2年くらいは、すぐ歌えるようなキャッチーさを自分のテーマにしていて。この曲を作っている途中に、キャッチーなフレーズが降ってきたので、ハマりそうと思ってやってみました。

──すごいですね。

KICHIKU:もとはサビがない曲にするつもりだったんです。でもサビのフレーズが入ってガラッと変わりましたね。

SEIYA:僕もサビが入って、出来上がった瞬間にめちゃ名曲やんってなりましたね。

──メンバー全員が認める名曲なんですね。ちなみに、ここ2年くらいのテーマとして「キャッチー」を目指したのはどうしてですか?

KICHIKU:自分たちがひとつ上のステージに登りたいと思ったときに、いろんな有名な音楽を聴いてキャッチーさって本当に大事なんだなって気づいたんです。

──その気づきは大きいですよね。

KICHIKU:ただ、キャッチーってそんな簡単に作れなくて。めちゃ難しいんですよね。他と似やすいし、キャッチーを求めすぎるとチープになったりもして。ただ今回の「Dream Wagon」やEP収録曲に関しては、満足のいくキャッチーさが出せたと思います。

──全曲について聞いていきたいところではあるのですが、何時間あっても足りなさそうなので、それぞれ今作の特に好きなところを教えてください。

KICHIKU:今作は6曲とも全て違うテイストで作ることができたところ。なおかつ新しいことにも挑戦することができて。自分のルーツとか育ってきたカルチャーとかも含めて融合させまくった感じのEPになったと思います。

HEAVIN:ドラムの視点で言うと、今までBACK LIFTでやっていないリズムを「Dream Wagon」以外でも結構使っていて。今回のEPは攻められたかなと思っているので、是非聴いてみてほしいです。

──新しいリズムを取り入れたのはどうしてですか?

HEAVIN:今までのBACK LIFTだけじゃなくて、新しい側面も見せたいという気持ちがあって。メンバーからの要望も取り入れてスタジオでセッションしながらも、新しいリズムにトライしつつ、いろんなバリエーションでやれたかなって感じですね。

SEIYA:僕は曲順が気に入っていますね。これだけ全曲テイストが違うのでなかなか決まらなくて。そうこうして時間をかけて決めたこの曲順は、いざギターを弾いてみると、弾くたびに気持ちがノッていって、「あ、もう1周しよう!」ってなるんですよ。なので、弾ける人は是非ギターも弾いてもらって(笑)。

KICHIKU:ほぼおらんやろ。

SEIYA:でも、全編通して気持ちが上がっていく。そんなEPになったかなと思います。

──そんな『Dream Wagon』をリリースしたBACK LIFTは、この先どうなっていく予定ですか?

KICHIKU:EP『Dream Wagon』は、めちゃいいモノに出来ました。まずは一旦このEPをいっぱい聴いてほしい。僕らは活動を始めて15周年経っていますが、メンバー編成も変わって、今はまた1年目くらいの感覚でやっているので、ツアーに来て応援してくれたら嬉しいです。今後もBACK LIFTというひとつのジャンルになれるくらいのものを作っていきたいなと思っています。


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