INTERVIEW

Ken Yokoyama “These Magic Words” INTERVIEW!!

Ken Yokoyamaが6thシングル「These Magic Words」を11月29日にリリースした。

5月リリースの「Better Left Unsaid」、9月リリースの「My One Wish」に続く、シングルシリーズ第3弾となる本作。連続シングルリリースの手ごたえや本作の収録曲について、横山健(Gt,Vo)とMinami(Gt)に聞いた。


Text by Chie Kobayashi
Photo by Yuta Kato

 

ネガティブから始まったシングルリリースに思わぬ副産物が

──自身のホールツアーの合間に、DESCENDENTS Japan Tour「Milo Goes To Japan 2023」にゲスト出演されましたが、Descendentsとのライブはいかがでしたか? 最近は自分たちよりも若いバンドとやることのほうが圧倒的に増えていると思うのですが、キャリアの長いDescendentsと一緒にやることでの気付きや発見などがあれば教えてください。

 

横山健(Gt,Vo) いや〜、最高だった! 音楽的な気付きというよりも、自分が子供の頃から知っている人たちが今だにステージに立っているという事実に奮起させられましたね。

 

Minami(Gt)  もちろんミュージシャンとしてもそうだけど、人間的にすごく好きな人たちで。なんか妙な……っていうのもアレなんですけど、温かさがあったんですよ。まぁいつもなんですけど。いろんなバンドに尊敬されるところってそういうところだったりするのかなって。ああいう人になりたいなと思いました。

 

横山 誰もそんなこと言わないけど「俺たちパンクスは家族だからな」っていうメッセージを感じるんですよね。あ、でもカールが言ってくれたか。最後に「ハグさせてくれ」ってハグしてくれて、「俺たちはファミリーだからな」って。

 

Minami  へぇ!

 

横山 あれはなんかうれしかったな。

 

 

──今年は5月に「Better Left Unsaid」、9月に「My One Wish」、そして11月に「These Magic Words」と、シングルを定期的にリリースしています。Ken Yokoyamaにとって新たな試みだったと思うのですが、やってみていかがですか?

 

横山 もともとはすごくネガティブなところから始まっているんですよ。今はサブスクが主流で、みんなプレイリストでバイキングみたいにちょこちょこつまんで音楽を聴いている。比較的僕らのお客さんはアルバムを意識してくれているし、なんならパッケージが欲しいって言ってくれる人も多いけど、新しい人を取り込もうと思ったら、そこに安心してちゃいけないよなと思ったりもして。そんなことをいろいろ考えている中で、アルバムの中の1曲になるであろう曲を作っていたら、ふと「これって聴いてもらえんのかな」と思い始めたんですよね。「この曲、誰か聴くのかな」って。そしたら、情熱もエネルギーも時間も金も、すべてこんなもん無駄じゃないかと。新しい人に届けるには、とにかくリリースをして、いろんな人にこうやって取材に来てもらったりして、人の力を借りて世の中に発信していくしかないなと。だったら作品を連発するのが今の僕らにとっては有効かもしれないっていう、ネガティブなところから始まっているんですね。でもこれが思わぬ楽しさをたくさん呼んでくれて。

 

──へぇ!

 

横山 まずはライブで「新曲です」って言って少しずつ新曲を立てていけるのが面白いんですよ。アルバムだと10曲とか12曲とか、新曲がたくさんあるわけじゃないですか。でもシングルだと1曲とか2曲で、ライブにすごく緩急がつくんです。やっている本人たちも楽しいし。そういう思わぬ副産物がありましたね。

 

──ネガティブなところから始まった試みだったわけですが、やってみると意外とよかったと。

 

横山 そうなんです(笑)。結果、すごく良かった。正直、やる前は「シングルなんて」って思ってたんですよ。これまでにもたまに気が向いたときにシングルを作ったけれども、それでも最低4曲は入れてミニアルバム的な要素を持たせないとやりたくないなって思ってたんですよ。「2曲入りのシングルなんて、アイドルじゃないんだからさ」みたいな。バンドのメンバーに提案した僕ですら思ってたんです。メンバーに話すときも「決して面白い話じゃないけど」って話し始めたと思うんです。「新しい人にリーチしていくには、これやってみない?」って。だって面倒くさいんですよ。

 

──数ヶ月に一度リリースがあるわけですから、作業が一気に増えますよね。しかもジャケットもご自身で描かれていますし。

 

横山 そう。ベースのジュンちゃん(Jun Gray)なんかはレコーディングすれば終わりだけど(笑)、俺はその後にも。

 

Minami  そうですよね。

 

横山 だから本当に、やる前は「やってみたいな」と思いつつも、ものすごくブルーな気分だったんですね。でもやってみて、今だってこうやって取材に来てもらえること自体が発言の場を与えてもらっているということだし、トライしてみてよかったなと思っています。

 

──Minamiさんはいかがですか?

 

Minami  コロナの時期の話になっちゃいますけど、あのときは2年くらい動かなかったじゃないですか。だから今、こうやって1年間ずっと忙しいのが単純にすごくうれしいです。

 

──しかもシングルごとにツアーをやったり、野音をやったり、ちゃんと付随するライブもあって。

 

Minami  そうそう。ライブのバリエーションもあって。なんかすごく楽しいですね。

 

 

──そう考えると、今までのKen Yokoyamaの中で1番振り幅のある1年間ですよね。

 

横山 そうなんですよ。

 

──まさか来年20周年を迎えるというタイミングで、こんな時期が来るなんて。

 

横山 そうそう。いろいろトライするにはちょっと体力落ちたなって思うこともありますけど(笑)。でも面白いです。僕54歳になったんですけど、54になってまだ新しいチャレンジができるっていうのはありがたいことだなと思います。


Ken Yokoyamaはロマンスグレーロック?

──先ほど、こまかくリリースをする理由として「新しい人にリーチするには」とおっしゃっていましたが、その必要性みたいなことは感じていらっしゃるんですか?

 

横山 いや。必要性は感じてないですけど、欲があるんですよ。僕らみたいなバンド、キャリアがあってコアファンがたくさんついてくれているバンドは、正直、そこ目当てに活動をしていればいいっていう思考に陥りがちだと思うんですよね、それで十分回るとも思うし。でもやっぱりそれじゃ嫌なんです。なるべく前線にとどまりたい。今、僕たちを聴いてくれているのはたぶん30代から40代の男性がメインだと思うんですけど、20代の女性にだって聴いてもらいたいんですよ。

 

Minami  ちょっと離れちゃうかもしれないんですけど、音楽的に豊かな世界にしたいというのもあって。例えば僕らが音楽に夢中になった頃って、そのとき活動しているバンド以外にも、掘っていけば古くて良い音楽に出会えた。でも今そうやって音楽を聴く人いるのかなって思っていて。例えばアメリカだと、僕らが聴いていた音楽が「ダッド・ロック」、お父さんが聴くロックって呼ばれていたりして。

 

横山 親父ロック的なね。

 

Minami そうそう。でもそれってポジティブじゃないじゃないですか。「古い=ダサい」とか、そういう考え方が浸透しちゃうと音楽が浅くなるっていうか……。「いいものはいい」でいいはずなのに。

 

──年代や時代に関係なく。

 

Minami  そうそう。まさか自分がこういうことを言い出すとは思わなかったけど、実際こういう世の中になってきたことに危機感を感じているところがあるんだろうなと思います。だから、そういう音楽に対する聴き方が変えられたらいいなと思いますね。

 

横山 「ダッドロック」って言葉がよくないよね。「ナイスミドルロック」とか?(笑)

 

Minami 「ナイスミドル」も、なかなか古いですよね(笑)。「ロマンスグレー」みたいな?

 

横山 「ロマンスグレーロック」ね!(笑) これだけ音楽が増えていると、自然とこうなっていくのもわかるんですけどね。だから生きている人全員にそうしてもらいたいとまではさすがに思わないけど、例えば、今すごく元気な20代のロックバンドがいて、そのバンドを好きだったとしたら、そのバンドがどういったバンドに影響を受けているのか、「海外のこういうバンドに影響を受けているんだ」って、そういう深掘りをしていくという文化が、今も残っているのかはちょっと疑問なんですよね。そこは知ってほしいなって思います。

 

Minami 今なんて調べようと思ったらいくらでも情報が出てくる時代。だからそれを生かしてくれたらなと思います。

 


こんなにまっすぐ「大丈夫さ」と言うのは大西ライオンか横山健くらい

──ここからはシングル「These Magic Words」について聞かせてください。まず表題曲ですが、こんなにまっすぐに「大丈夫さ」と言ってくれるKen Yokoyamaってひさしぶりですよね。

 

横山 まぁ、大西ライオンか横山健くらいですよね(笑)。

 

一同 あははは(笑)。

 

横山 でも冗談抜きで、僕もこんな歌詞を書くことになるとは思わなかったです。それくらい自分のなかにこういう感覚はなかったけど、出てきたんですよね。

 

──どうして出てきたんだと思いますか?

 

横山 これにはバックグラウンドがあって。僕、そろそろ3歳になる息子がいるんですが、この歌詞を書いたときはまだ2歳にもなっていなかったんです。その赤ちゃんと母親の接する姿が、この歌詞に書いたようなことだったんです。例えば頭をぶつけて泣いていたら「大丈夫、大丈夫」と声をかけて、何が怖いのかわからないけど夜中に猛烈に泣いていたら「大丈夫、大丈夫」って無償の愛を与えている。その姿を見ていると、なんかすごく……生き物だなって。人格を形成していく上でも、これがあるのとないのでは大違いだし、僕も言ってもらいたかったなって。なんなら今だって言ってもらいたい。そういう気持ちが芽生えてきたんですよね。そこには責任はないのに。

 

 

──責任がない?

 

横山 だって「大丈夫」なんて、なんの保証もないじゃないですか。今までの僕だったらそこで止まっていたんだけど、責任の有無が問題なんじゃなくて、そう言ってくれる人が周りにいるかどうかなんですよね。僕、子供が3人いるんですけど、長男・次男のときにはあんまりそんなこと言った覚えがないんです。でも3人目の子には言うようになって。そうやって言ってると、自分の父性本能みたいなものが刺激されて生き物だなと思うんです。そうさせてくれたのって、この子なんじゃないかなと思って。それが<オレがお前に教えられること でもオレがお前から教わったことでもあるんだ>(和訳)っていう歌詞に繋がりました。

 

──ご自身でもこういう歌詞が出てきてびっくりしたとおっしゃっていましたが、いざ曲が完成してみていかがですか?

 

横山 最高っすね!(笑) 曲自体もものすごくいいし。そもそも僕たちは曲先行なので、今回も先に曲ができて。その時点で「いい曲ができた」という実感があって。なんて表現したらいいのかな……「大きい」でいいのかな……うん、すごく大きな愛情というか、本能的というか、そういうものがしっかり内包されているものを歌いたいと思ったんですよね。

 

──それで無償の愛を歌う歌詞ができたんですね。

 

横山 はい。

 

──Minamiさんはこの歌詞を読んだときはどう感じましたか?

 

Minami  それこそ曲の持つ、強くもあれば温かくもあるという世界観が、この歌詞によって一気に完結した感じがしました。ほかの歌詞でも成立はしたんだろうけど、これが完璧な感じがしました。

 

横山 自分で言うのもあれですけど、ちょっとここ最近だとずば抜けていい曲が書けたような気がしました。歌詞も。

 

──もしかして……だから3部作の最後のシングルに?

 

横山 そうです。ちょっと話は飛んじゃいますが、3作それぞれ狙いがあって。1作目「Better Left Unsaid」では自社通販を使ってみたかったんです。だからちょっとグッズ的に音源を扱ってみた。2作目「My One Wish」はしっかり流通に乗っけたけど、ゲストシンガーを迎えて(「Tomorrow」カバーに木村カエラが参加)幅を持たせたかった。で、今回はアルバムからのリードシングルという位置付け。だからこの曲をここに取っておいた感じです。

 

「Bitter Truth」は昭和の頑固親父からのメッセージ

──2曲目は「Bitter Truth」。「こんなの現実なんてふざけてる!」と怒りを歌いそうなものを、「これが真実だから、その中でどうカッコよくいるか」という、ある種横山さんの提示する処世術のようなものだと思いました。「These Magic Words」と同じく、お子さんの影響だったりするのでしょうか?

 

横山 そうですね。長男は今、高校3年生で、Jun Grayの子供も、この歌詞を書いた頃は専門学校に行こうとかそういう時期だったと思うんです。だからといって別に特定の人に向けたわけではないけど、その世代に向けて。知り合いのお子さんでも大学4年生で今就職活動中だっていう子がいて「でも就職がゴールじゃない。君がしたことはすばらしいことだけど、そこからが勝負だからな」っていうのをよく電話で話したりしてたんですね。うん、この曲はそういう人たちへの、昭和の頑固親父からのメッセージですね(笑)。

 

──どうしてそういうことを歌うようになったんだと思いますか? Ken Yokoyamaだったら「こんな現実、おかしい、ふざけるな」って歌っていてもおかしくないと思うんですが。

 

横山 いや、あのね、散々「ふざけるな!」って言ってきたけど、「ふざけるな」って通用しないんですよ。変わりゃしないんですもん。僕は音楽の力で世の中を変えられると思っていたし、歴史的な出来事も起こせると思ってきたけど、今の2023年の日本は、音楽じゃ変わらないです。そう冷静に考えたら「君たちが生きていく世の中はとんでもないぞ。じゃあこの中をどう生き抜くのか」と。それをちゃんと言ってあげたかったんです。僕ももう54になったし、「変えようぜ」っていうよりも、身近な子や僕の音楽を聴いてくれる子がサバイブできる方法を考えたほうがいいような気がして。

 

Minami 僕はちょっと健さんと考え方が違って……まぁ当たり前なんですけど。僕はもともと音楽で世界を変えられるとまでは思っていなくて。だからどちらかというと、元からこの曲のようなことを考えていた人間なのかなと思います。

 

 

横山 あれ、ちょっと待って。Minamiちゃん、90年代にHi-STANDARDが日本変えたの見なかったっけ?(笑)

 

Minami そうですね。おかげさまで、自分も今ここにいます(笑)。うん、自分の人生は変えられたし、個人個人の人生は変えられるんですよ。音楽ってすごい力があるから。でもじゃあそれで戦争を止められるかっていったら、道のりが遠くてあんまり現実的に考えられないですよね。

 

──だからこの曲のように、現実を歌うという音楽がリアルだし、音楽でやるべきことの1つだと。

 

Minami そうそう。


「自分で書いておいて、何のことを歌っているんだかわかんないんですよね」

──最後の「Sorry Darling」はグロッケンが入っていたりして、すごくドリーミーな一曲です。<オレにとって大切なのはなんだろう?>を考えた結果が前作の表題曲「My One Wish」なのかなとか推測してしまいましたが、そういうわけではないですか?

 

横山 いや、これはね、わかんないんです。実は僕、この歌詞を自分で書いておいて、何のことを歌っているんだかわかんないんですよね。

 

──それってよくあることなんですか?

 

横山 初めてかもしれないです。何のことについて歌っているのかぼやかして、何かを表現したような歌詞ってあったりするじゃないですか。そういうものなのかもしれないし、でも僕はそういうことを書く人間ではないし。ただ、書いたときのテーマは明確に覚えていて。世俗を絶って隠遁生活してる自分みたいな、そういった風景が自分の中にあったんですよ。だから1番にはそれが出ていると思うんですけど、なんでそれが「Sorry Darling」に繋がるのかはわからないし、2番は別の人なんじゃないかっていう説もありました(笑)。でもなぜかこれでいいと思ってMinamiちゃんに送って英訳してもらって。

 

Minami 英語にするために「これはどういうことなんですか?」ってたぶん質問したと思うんですよ。でも「よくわからない」みたいなことが返ってきて。

 

横山 あはは(笑)。

 

Minami だから、意味は一旦置いておいて、ちゃんと曲に合うような英語にすることに集中しました。

 

──ご自身でも何のことを歌っているかわからないという、いわゆる“降りてきた”ような形でできた曲ですが、それが曲として完成してみていかがですか?

 

横山 ライブで披露する機会があったら、その日によって自分のなかで思い浮かぶ風景とか感情が違うのかなと思いますね。

 

──ものすごく余白がある。

 

横山 まさにそう。余白がすごいあるんですよ。余白がありすぎて「今は、ライブでやらなくていいよ」ってなってます(笑)。そのうち気が向いたらできるように一応練習しておこうって。

 

──ちなみにこの<オレにとって大切なのはなんだろう?>という歌詞がありますが、その答えも出ていない?

 

横山 うん、たぶんこの歌詞のまんまだと思います。今でも「俺にとって大切なものは何なんだろう」って考えています。まったく答えは出ていないですね。


人の気持ちとか人の存在ってそんなに軽んじちゃいけないんじゃない?

──そしてこの先にアルバムが出るわけですが、リリース予定のアルバムはどんな作品になっているのか教えてください。

 

横山 んー。

 

Minami オジロック?(笑)

 

横山 ナイスミドルロックね!(笑)

 

──お話を聞く限り、Ken Yokoyamaにとっての新しさみたいなものが吹き込まれているんじゃないかなと。

 

横山 ああ、そうですね。シングルでもいろいろチャレンジしたけど、アルバムの楽曲でもまた違ったチャレンジをしています。すごくいいアルバムができたと思います。親父ロ……いや、ナイスミドルロックとしては(笑)、今の若い子も絶対にたどりつかなきゃいけない名盤になっているはずです。

 

──それは楽しみですね。

 

横山 でも今の若い子に、俺らみたいなスタイルの曲ってどう響いているんだろうって結構不思議な気分になります。そもそもバンドをやること自体が意外と面倒だと思うんですよ。昔は音楽をやりたいと思ったらバンドをやるしか選択肢がなかったけど、今は一人でできるじゃないですか。家でトラックを作ったりして。もちろんいろんな人と切磋琢磨することはあるんだろうけど、バンドって3人だの5人だのと、日常的に関わってやらなきゃいけないことなんで、意外と面倒くさいんですよね。

 

──まずは集まるところからですもんね。

 

横山 そう。予定立てて、曲作って……って長期的な目が必要になる。だから面倒くさがられてるのかなとかもちょっと思ったりするんですよ。実際僕も若い時から面倒くさい思いをたくさんしたし。一人でやっちゃう方が当然気軽だよなと思う。

 

──「でも人と一緒に音を鳴らすことは楽しいよ」ということは伝えていきたい?

 

横山 もちろん! 音楽じゃなくても人と関わるってすごく大切で。人と関わることでマジックが起こるんですよ。この会話だってそうじゃないですか。どちらかが一方的に話すものじゃなくてセッションなんですよ。だから思わぬところに話が行ったり、「ナイスミドルロック」って言葉が生み出されたりするわけで(笑)。世の中が便利になって、いろんな仕事が奪われていくけど、やっぱり合理性を求めるが故に大切なところを見落としていくんじゃないかなっていうことは2000年代初頭からずっと思っています。人の気持ちとか人の存在ってそんなに軽んじちゃいけないんじゃない?って。

 

──その1つがバンドであると。

 

横山 そうそう。音楽でいうとバンドには、そういう面倒くささがある。

 

──それと通ずる話かもしれませんが。今回のツアーは全公演にKUZIRAが帯同します。Ken Yokoyamaはそうやってツアーに必ず若手バンドを呼びますが、そこには繋いでいくという気持ちがあるからですか? それとも単純に若いバンドとやるのが楽しい?

 

横山 両方ですね。これも僕の哲学なんですけど、上の人間は下の人間を引っ張り上げなきゃいけないと思うんですよ。本人が望もうが望まなかろうが。それは日常のあらゆる場面での上の者の責務。それは何屋さんでもそう。そういった感覚があるから若いやつら、これからチャンスを掴みたいって思っているやつらとやりたい。でも彼らは彼らで、僕らじゃ届かないシーンを持っているんですよ。だからそこにも入っていきたい。僕らだって「Ken Yokoyamaのことはよく知らないけど、KUZIRAは好きだ」っていう子にも見てもらいたいですもん。だからwin-winです(笑)。

 

Minami  うん、そうっすね!

 



Ken Yokoyama「These Magic Words」

1.These Magic Words
2.Bitter Truth
3.Sorry Darling

Live from DEAD AT MEGA CITY(DVD)※初回盤のみ付属
01. Let The Beat Carry On
02. Better Left Unsaid
03. I Won’t Turn Off My Radio
04. Still I Got To Fight
05. Ricky Punks III

Ken Yokoyama New Single [These Magic Words] リリース特設サイト
https://www.pizzaofdeath.com/ken6thsg/

 

Ken Yokoyama「These Magic Words Tour」

12月9日(土)滋賀 U STONE
12月10日(日)岐阜 Club Roots
12月12日(火)浜松 窓枠
12月13日(水)清水 SOUND SHOWER ark
12月22日(金)横浜 Bay Hall

ゲスト:KUZIRA(全公演共通)


>>Ken Yokoyama(Band) OFFICIAL SITE