LIVE REPORT

w.o.d. "I SEE LOVE Tour" LIVE REPORT!!

Report by ヤコウリュウジ
The BONEZ Photo by:Yoshifumi Shimizu
w.o.d. Photo by:Ayumu Kosugi

2024.12.15 @横浜ベイホール
w.o.d.  "I SEE LOVE Tour"

 

w.o.d.がメジャー1stアルバム『あい』のリリースツアー「I SEE LOVE Tour」を12月15日に横浜ベイホールにて開催した。11月13日の神戸太陽と虎を皮切りにスタートした本ツアーだが、年内は屈強なバンドたちを招いての対バン、年を明けて2月からワンマンという流れであり、本公演は対バン形式のファイナル。The BONEZとの真っ向勝負は言わずもがなテンションがアガる組み合わせ。早い時間からフロアは観客に埋め尽くされており、その期待感を物語っていた。


定刻を少し過ぎたところ、大歓声に迎え入れられ、ステージ中央でJESSE(Vo/G)、KOKI(G)、T$UYO$HI(Ba)、ZAX(Dr)が呼吸と気持ちを合わせてライヴをスタートさせたThe BONEZは、呼ばれたからにはぶちかますのが礼儀と公言した通り、1曲目の「We are The BONEZ」からバッチバチに前のめりのパフォーマンス。JESSEが熱っぽくラップを繰り出せば、KOKIも手招きのような素振りを見せながら弾き倒し、T$UYO$HIとZAXのリズム隊も鉄壁。始まったばかりとは到底思えないような盛り上がりにJESSEが「大丈夫か?」と観客を気遣いつつ、中途半端な二の足は踏まないとばかりに「チケット代、払ったんだろ。楽しもうぜ!」と声をかけて「Numb」へ。グルーヴ感も凄まじく、太陽に照らされるような熱さがあり、まさしくThe BONEZならではの空気に満たされていく。


イントロからアジテートしまくり、ダイバーも続出した「Love song」、歌い出した瞬間に無数の拳が突き上げられた「Rusted car」と続けた後、「最後までツアーが完走できますように」、「声が出なくなってもコイツらが歌ってくれる」とJESSEがw.o.d.へエールを贈り、「助け合う気持ち、忘れるんじゃねえぞ!」と観客に呼びか放った「New Original」はまさに絶品。The BONEZらしい輝かしさを誇る曲であり、会場中から大きなシンガロングも響き渡る。中盤にはフロアに出現したサークルへJESSEが飛び込んで「声が足りねえぞ!」、「かかってこい!」と大声を上げてから激しいシャウトを繰り出していくのだから、もうフロアはグチャグチャ。積み重ねてきた信頼があるからこその成せる技であり、痛快な光景でもあった。


KOKIが見せつけるようにギターをかき鳴らし、JESSEが鋭い眼光を飛ばしながら包容力のある歌を響かせた「YOU and I」で会場をよりヒートアップさせ、w.o.dが無事にツアーを完走できるように、まだ不自由な生活を強いられている能登半島の人々へ届くように、と呼びかけながらプレイしたのが「Thread & Needle」。ステージ上の熱気もさることながら、フロアから起こる歓声の量も凄まじい。圧倒的にポジティブなバイブスで会場を満たし、ラストナンバーは素晴らしきアンセムである「SUNTOWN」だ。「死にたいと思ったら(ライヴに)来い。寿命を伸ばしてやる!」とJESSEは曲の冒頭に叫んだが、その言葉に違わぬバイタリティに満ちたナンバーであり、得も言われぬ高揚感が広がっていく。誰しもが笑顔で声を上げて飛び跳ねていき、そんな最高なムードを加速させるよう、終盤にはフロア後方で楽しんでいた小さな子供2人をステージへ招き、その肩を抱きながら「子供たちが大人になるまで、お前ら、死ぬんじゃねえぞ!」と絶叫するJESSE。最後まで胸を熱くするステージだった。



そんなThe BONEZを迎え撃つw.o.d.だが、激熱なパフォーマンスを受けても焦るような素振りは一切なく、暗がりの中、中島元良(Dr)のカウントからまずは「My Generation」をぶっ放していく。新作『あい』の冒頭を飾る曲であり、中野雅之(THE SPELLBOUND/BOOM BOOM SATELLITES)をプロデューサーとして迎えたことによって生まれた浮遊感も絶妙。激しい照明はトリップ感もあり、サイトウタクヤ(Vo/G)の色気のある歌声もグッとくる。加えて、最初に飛び込んでくる<あけまして新時代>という言葉もいい。フィールドをメジャーに移し、初めてのアルバム。とは言っても、肩肘張ることなく、自らのロックンロールを追求していくだけだろうが、それでもこのタイミングでこの言葉はとてもワクワクさせてくれた。

「w.o.d.です。よろしく」というサイトウの手短な挨拶からKen Mackay(Ba)が鳴らすフレーズでフロアから歓喜の声が上がった「イカロス」へ。小気味よいテンポ感ながら重みも凄まじく、速射砲に撃ち抜かれるような感覚がとても気持ちいい。休む間もなくつなげた「lala」では3人のアンサブルが炸裂。間奏やアウトロでこれだけフロアが沸くバンドもそうはいないだろう。サビだけじゃなく、そこら中にクライマックスと呼べるポイントがあるからこそ生まれる没頭感。ストレートにキレよく放たれた「1994」では素晴らしきロックンロールを共有できる喜びが表されたようにフロアの密度が増しに増し、ダイバーも生まれるほどだった。

圧巻の4タテの後、「The BONEZ、ありがとう!」と元良が大きな声を上げ、ようやくここで小休止。サイトウが「ライヴハウスって世界一自由な場所やから、JESSEも言ってたけど、助け合って、違いを認め合ってやっていければ楽しいと思います」と思いを語り、「遊ぼうぜ!」と呼びかけて「Take It Easy」を鳴らしていく。エッジを効かせるところはしっかり効かせたポップチューンだ。もっと自由に遊んでいいんだ、と心をほぐしてくれるような軽快さがあり、その音でメッセージをしっかりと提示。鼓動を刺激するドラムも光る「馬鹿と虎馬」では、少し間を空けてからのクライマックスで見せた爆発っぷりが秀逸であり、驚きと喜びが同時に体中を駆け抜けていった。


切り裂くギターリフに観客も拳を突き上げて応えた「あばく」でまっすぐに強烈な音塊を飛ばしてから、サイトウがギターを持ち替え、弾き語り調で始めたのが「喜劇」。声を荒げるように歌った瞬間にベースとドラムも重なっていき、生まれるのはとんでもない破壊力。ミディアムテンポが故、余計に食らったタイミングにもなった。スイッチを入れたときに見せる腕っぷしの強さは本当にたまらない。

「バンドとかミュージシャンとかアーティストとか、それ以外の人もそうやと思うけど、自分をちゃんとブレないようにしっかり持つみたいなのは、活動する上で大事なことやし、根本がそれやと思う。不思議とやってると、いろんないい影響も悪い影響も受けながら、変わっていったりしちゃう。今回、(ツアーの)対バンは好きなバンドばっかり呼んで、いろいろやって気づけたんやけど、オレらはオレらのままでいいんだな、と。オレもオレのままでいいし、みんなもみんなのままでいいと思うんで、自由に音楽で遊べたらな、って思ってます」――サイトウ

そう改めて進むべき道を再確認したと語り、「地元を出るとき、凄い不安になりながら作った曲をやります」とつぶやいて奏でたのが「サニー」。ソリッドなサウンドの中、自らを鼓舞するようにハリのある歌声を響かせていく。そこに想いを重ねるように聴き入る観客の姿もまた印象的だった。

夏の曲を、と絶妙なビート感へ引っ張る「陽炎」をドロップしてから、祈りを捧げるようにサイトウが歌い出し、そこへKenと元良が寄り添うように支えたのが「あなたの犬になる」。沁み沁みと響くバラードであり、激しいロックサウンドとはまた違い、w.o.d.の新たな表情とも言える曲であろう。ライヴの中でも改めて惹きつけられるポイントにもなっており、バンドとしてのポテンシャルを感じさせるところにもなっていた。

ここでひと呼吸おいて、サイトウが「The BONEZ、やべぇ! 泣いちゃったもん」と口にすると、すぐさま「わかる!」と元良が同意。ただ、「でも、今のところ、いい勝負できてるかな」とサイトウがバンドマンらしい言葉を付け加えると、会場中から大きな拍手が贈られる。そこから観客への感謝を伝え、ライヴハウスは自由な場所なんで、とビールで喉を潤してから改めて胸の内を語っていく。

「人によっては、人前に立つヤツがなんて軟弱な精神をしてるんだ、と言うかもしれないんですけど、めちゃくちゃ不安になるんですよ、しっかり。でも、音楽があるから最高やな、をずっと繰り返してる。さっきもThe BONEZがカッコよすぎて、喰らいすぎて、もう無理って思って。でも、改めて考えたんですけど、w.o.d.ってオレら3人でやってて。めちゃくちゃ音がデカいドラムと、めちゃくちゃ音が歪んでるベースと、オレがいるんですよ……最高じゃないですか。オレらがカッコいいと思う音楽と一緒に遊べる人たちがこれだけいて、マジで楽しいし。ずっとこれ、やれたらなって思います」――サイトウ

そんな頼もしい言葉に観客も大歓声で応えたところ、お互いにそれぞれの遊び方をしようと、抜群の瞬発力で投下したのが「STARS」。イントロのギターリフからフロアの盛り上がり方も鮮烈だったが、まだまだ限界は先にある突きつけられるような轟音を繰り出していき、抜け出したくないロックンロールの迷宮を生み出したのが「楽園」だ。さらに白熱する歌とプレイ、そこに共鳴する観客。行くところまで行くしかない、そんな空気に包まれ、ダメ押しのようにけたたましいベースから始まり、破裂音のような歌声やバッチバチなドラミングも刺激的な「Fullface」、頭を空っぽにして踊りまくれる「踊る阿呆に見る阿呆」と畳み掛けてから、「またライヴハウスで遊ぼうぜ」とサイトウが告げ、ラストナンバーとして狂乱に拍車をかける「エンドレス・リピート」をドロップ。すべてを使い切ろうと踏み込むアウトロまで最高だった。

対バン編を終え、年明け2月からはワンマンで各地をまわっていくw.o.d.。難しい説明抜きでシンプルにカッコいいという表現が似合うロックバンドはその轟音で凄まじい熱気を生み出し続けることは間違いだろう。


 

SETLIST
■The BONEZ
1.We are The BONEZ
2.Numb
3.Love song
4.Rusted Car
5.New Original
6.You and I
7.Thread & Needle
8.SUNTOWN

■w.o.d.
1.My Generation
2.イカロス
3.lala
4.1994
5.Take It Easy
6.馬鹿と虎馬
7.あばく
8.喜劇
9.サニー
10.陽炎
11.あなたの犬になる
12.STARS
13.楽園
14.Fullface
15.踊る阿呆に見る阿呆
16.エンドレス・リピート


<ツアー情報>
『I SEE LOVE Tour』
■2025年
2月7日(金) 岡山・IMAGE
2月9日(日) 鹿児島・SRホール
2月11日(火・祝) 福岡・BEAT STATION
2月13日(木) 高知・X-pt.
2月14日(金) 香川・高松DIME
2月16日(日) 京都・KYOTO MUSE
2月20日(木) 宮城・仙台darwin
2月21日(金) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
2月23日(日) 北海道・札幌PENNY LANE24
2月24日(月・祝) 北海道・旭川CASINO DRIVE
3月1日(土) 大阪・なんばHatch
3月2日(日) 愛知・ダイアモンドホール
3月7日(金) 新潟・GOLDEN PIGS RED STAGE
3月8日(土) 石川・金沢AZ
3月16日(日) 東京・豊洲PIT
3月23日(日) 沖縄・Output
※終了分は割愛

【チケット情報】

前売:4,600円(税込)
※ドリンク代別途必要
https://w.pia.jp/t/wod-tour2425/

<各地地域別 プレイガイド先行 受付中>
<一般発売>2025年1月11日(土)10:00~


w.o.d. 公式サイト:
https://www.wodband.com

The BONEZ 公式サイト:
https://thebonez.com