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interview

BACK LIFT「Twilight」INTERVIEW!!

Interview by Chie Kobayashi
Photo by Takeshi Yao



BACK LIFTが自主レーベル・HUNGRY YOUTH RECORDSを設立。8月より同レーベルより3カ月連続で配信シングルをリリースした。コロナ禍に加え、ギターの深谷'YU-PON'雄基の活動休止など、思うように動きにくい中でも彼らが歩みを止めない理由とは。小林'KICHIKU'辰也(Vo, B)と都築'HEAVIN'史生(Dr, Cho)に話を聞いた。


夢だった自主レーベル設立

──最初に、HUNGRY YOUTH RECORDSを設立した経緯を教えてもらえますか?

小林'KICHIKU'辰也(Vo, B):メジャー(ビクターエンタテインメント内レーベル・BLACK SHEEP RECORDS)ではいろんなことをたくさん学ばせてもらったし、いい経験になったんですけど、ずっとおる場所じゃないんかもなっていうことはなんとなく感じ始めていて。2020年1月に「So long」を配信でリリースしたのを最後にBLACK SHEEP RECORDSを離れることに。そのあとにどこか別のレーベルに所属するのか、自主レーベルにするのかというのは、そこから考え始めた感じです。



──じゃあ自主レーベルをやりたいからBLACK SHEEP RECORDSを抜けたということではなかったんですね。

KICHIKU:うん、そのときはまだ五分五分で。本当は2020年のうちには次の一歩を踏み出したかったんやけど、コロナ禍で動けんくなって……今年の頭に、自主レーベルを立ち上げようということに決まりました。

──最終的に自主レーベルに、という結論に至ったのはどうしてだったんですか?

KICHIKU:俺個人的には、自主レーベルでやるっていうのは夢やったから。バンド人生のきっかけがHi-STANDARDだったからPIZZA OF DEATH RECORDSに憧れたし、NOFXが好きやからFAT WRECK CHORDSにも憧れて。もちろん2つとも俺らとは比べものにならない規模感やけど、やっぱり自主レーベルから出すっていうのは夢の1つやった。

──HEAVINくんはどうだったんですか?

都築'HEAVIN'史生(Dr, Cho):俺は自主レーベルに対する憧れみたいなものは特にないですけど、KICHIKUの選択についていくっていう感じですね。

──とはいえ生活にも関わってくることですよね。

HEAVIN:まあ不安はありますけどね。でも、どの選択肢を選んでも不安はあるし。楽しそうだし、面白そうっていう意味では、自主レーベルを選んでよかったかなって。それに実際、BLACK SHEEP RECORDSの頃も、マネジメントは自分たちでやっていたので、自主レーベルになったところで、やることは増えるだろうけど、内容が大きく変わるわけでもないかなと。

──BACK LIFTはマネジメントもレーベルも自主なんですもんね。

KICHIKU:そう。完全に自主でやってるバンドって意外とおらんくて。だからアホやと思われてると思う。あとレーベルをどうしようか悩んでるときに言われたことなんやけど、自主レーベルを作ったあとに、それがうまくいかなかったりしてほかのレーベルに移ったとしたら、「自主レーベルなんのために作ったん?」って言われることも少なからずあるってことを知って。でも俺らは、もし失敗したとしてもあとから笑い話になればいいかなって。そのくらいの気持ちで始めようと思った。俺らのことを「バカやな」って思う人も絶対おると思うし、応援してくれる人もおると思う。どっちが正解かなんてわからんから、だったらやってみようと思ったんです。

──それこそBACK LIFTはTRUST RECORDS、BLACK SHEEP RECORDSと、インディーズのレーベルもメジャーのレーベルも経ているからこそ、いろいろなノウハウは持っているわけですしね。

KICHIKU:そうそう。いつか自主レーベルをやってみたいとは思っていたけど、昔はノウハウもお金もなくて始められんかったから。そのときにトラストに声をかけてもらって。当時はトラストも今みたいに大きくなかったから、「じゃあ俺らがトラストを有名にしよう」と思って入って。気がつけばバンドが増えて、俺らがいつまでもずっと大将みたいにいてもつまらんと思ってた頃にBLACK SHEEP RECORDSの人に出会って。でも、トラストを抜けたときに、トラストレコーズやから応援してるっていうお客さんが少なからずおったっていうことは、ビクターに移籍したときに痛感したのも事実。もちろんビクターに移籍して出会ってくれた人もおるし、移籍直後は離れたけど戻ってきてくれた人もおるけど。

──よくも悪くもレーベルの看板の重たさを知ったというか。

KICHIKU:「こんなにも変わるんや」って思ったよな?

HEAVIN:うん。

KICHIKU:そういうことを経て、ほかのレーベルに移籍する可能性も含めていろいろ考えた上で、自主レーベルをやろうと決めました。


メジャーレーベルの音作りに感動

──BLACK SHEEP RECORDSはずっといる場所じゃないかもと感じたというのはどうしてだったんですか?

KICHIKU:仕方ないことなんやけど、違法ダウンロード防止のためにMVをフルでYouTubeに上げたり、SNS用にさらに短い尺に切り出したりが禁止で。

──アーティストの権利を守るための施策とは言え、確かに少しもどかしさもありますね。

KICHIKU:そう。ありがたい反面、俺らはもっとたくさんの人に知ってもらいたいから、モヤモヤして。もちろんメジャーレーベルが一概にそうっていうわけじゃないから、俺らがいたところはっていうだけやし、その中でもうまくやれる人もいるんだろうけど、俺らには合わんかったって話かな。

──とはいえ、メジャーレーベルの環境だからこそできたこともいろいろありますよね。

KICHIKU:もちろん。特に音源としての音作りはかなり勉強になった。レコーディングスタジオとミックスしてくれる人はインディーズの頃と同じ人やったんやけど、マスタリングエンジニアはビクターが紹介してくれた人で。その人がいろいろ教えてくれたんですよ。パンク系のサウンドはどうしても音が潰れがちなんやけど、「爆音感を失わずに聴きやすくすることもできるんだよ」って作ってくれた音が、それまでと全然違った。圧がなくなったわけじゃないのに聴きやすくて。フルアルバムでも何周でも聴けるみたいな。メジャーにいったらさらに音作りにはこだわりたいと思ってたので、時間をかけて音作りにこだわらせてもらえたのは本当によかったな。

──HEAVINくんはメジャーレーベルでの経験で特に学んだことや得たことはありますか?

HEAVIN:マネジメントを自分らでやってたぶん、ライブハウスとのやりとりとか、そういうスキルが身につきました。



KICHIKU:トラストにおったときからマネジメントは自分たちでやってたけど、一部手伝ってもらってて、逆にメジャーに行ってマネジメントの契約はしやんかったから、完全に自分たちでやるっていうインディーバンドっぽい活動をし始めたんですよ。進化しとるのか、退化しとるのかわからん(笑)。でも俺らはそういう環境にいたことで、強くなったなと思う。

──自主レーベルを設立した今後は、どんな活動をしていこうと考えていますか? ライブを増やしたいとか、大きい会場でやりたいとか。

KICHIKU:大きいところでやりたいっていうのは、自分の中で大前提としてある目標。大きい会場のステージに立つことでしか見えないことってたくさんあると思うから。例えば3000人キャパのライブハウスを埋められる人は2〜300人キャパのライブハウスでもできるけど、2〜300人のライブハウスでしかできんかったら3000人のキャパのライブハウスではできやん。俺らは先月やった江ノ島OPPA-LAのライブとか、そういうおもろいことをやっていきたいんやけど、選択肢を増やすためにも大きい会場でできるようにならないといけないと思ってて。

──やりたいことをやるためには売れる必要があると。

KICHIKU:そう。そのために、もちろん曲もブラッシュアップしていかなアカンし、スキルも磨いていかなアカンし、俺らについてきれてくれる人をもっと増やさんとアカン。そのためにも、“知ってもらうための活動”をしていきたいんです。俺は、「俺はカッコいい曲を書ける」っていう変な自信だけはずっとあって。だからリリースするたびに、1人でも2人でも聞いてくれる人を増やせるような活動を、改めてしたい。「結成15年目でそんなこと」って自分でも何回も思うんやけど、結局はそれしかないので。

──「俺はカッコいい曲を書ける」というのは間違いない事実だと思います。近くにいるHEAVINくんがそれを一番感じているんじゃないですか?

HEAVIN:そうですね。とにかくメロがいい。それは常に思います。KICHIKUが持ってきた曲は基本的に大きく変えることもないし、曲作りに関しては全面的にお任せ。今回の「Twilight」もめっちゃいい曲ですよね。

KICHIKU:ありがとうございます(照)。