INTERVIEW

Who’s Next by SATANIC Editing Room Vol.39: Hollow Suns

SATANIC ENT.の編集スタッフが気になるバンドをピックアップする連載企画"Who's Next”。
今回ピックアップするのはHollow Suns。11年以上に渡るキャリアを誇り、2024年にはアメリカツアーも敢行。実力派として知る人ぞ知るバンドでもある。そのサウンドはまだ日本で明確なシーンがないグランジゲイズ、ヘビーゲイズを軸にしたもの。3月13日にはニューEP『BACK TO DUST』をリリース。3月28日には、Good Grief、Launcher No.8とリリースパーティを下北沢ERAで開催。この日を皮切りに『BACK TO DUST WORLD TOUR 2026』と銘打ち、全国ツアーを開催する。そんなバンドの今について、フロントマンのShuhei Dohiをインタビュー! (撮影はメンバー全員で実施!)

Photo: Masamichi Hirose, Interview&Text: Ryo Tajima

L to R_Kou Nakagawa(Dr)、Shuhei Dohi(Vo&Gt)、Kosuke Saito(Ba)、Ayumu Sugiyama(Gt)


グランジゲイズにポップな要素を取り入れて自分たちらしく

ーHollow Sunsはキャリアもありますし、すでにアメリカツアーも行っているほどの実力派ですが、改めてバンドの成り立ちから教えていただけますか?

Shuhei Dohi:Hollow Sunsがスタートしたのは2014年で、当時自分が参加していたCleaveというバンドを脱退してから始めました。オリジナルメンバーはもう自分1人ですね。最初はJimmy Eat WorldやFoo Fightersをベースにしたサウンドをやろうと思っていました。

ー現在のメンバーになったのは、いつ頃ですか?

Shuhei Dohi:2017年リリースの2nd EP『Hollow Suns II』の頃にギターのAyumu Sugiyama(Gt)が加入し、いろんなメンバー変遷を経て、ドラマーとしてKou Nakagawa(Dr)、しばらくサポートメンバーとして手伝ってくれていたKosuke Saito(Ba)が正式加入して4人体制に落ち着きました。

ー所属レーベルやこれまでのリリース関連の情報については?

Shuhei Dohi:2019年にアメリカのレーベルSunday Drive Recordsとサインして3rd EP『Into The Water』を発表しました。その後に日本のICE GRILL$とサインしてざっくり今に至るような感じです。3月13日にリリースしたニューEP『BACK TO DUST』に関しては、ICE GRILL$とSunday Drive Recordsに加えて、オーストラリアのLast Ride Recordsも交えたトリプルネームでのリリースになります。

ー日本のシーンを追いかけている読者に対して、ICE GRILL$は主にどういうバンドを招聘したりリリースしてきた過去があって、Hollow Sunsが現在一緒に活動しているのかを教えてもらえますか?

Shuhei Dohi:今までに彼らがリリースしてきたのは国内バンドだとAfter TonightやCastawayとか。これまでに招聘してきたバンドの例でいくとThe Story So Far、State Champs、Lagwagonだとか。いわゆるポップパンクやメロディックパンクに留まらず、Soul BlindやSuperheaven、Tigers Jawといったオルタナティヴなバンドも呼んでいて、Hollow Sunsの方向性とすごく噛み合っているので一緒に活動しています。そもそもレーベルと自分の付き合いは10年以上のものだし、レーベルが立ち上がった当初から友人関係にあったので、そういう繋がりがあったのが1番の理由ですね。

ー現在、Hollow Sunsがやっている音楽はどういうジャンルだと言えますか?

Shuhei Dohi:端的に言うとオルタナティヴロックになると思うんですけど、海外で使われている言葉で言うなら、ヘビーゲイズ(Heavy Gaze)やグランジゲイズ(Grunge Gaze)になりますね。このサウンドの大元にあるのは、名前に入っている通りシューゲイズです。My Bloody Valentineや、現行のバンドだとNothingなどを思い浮かべてもらうとわかりやすいと思います。僕らはそういうヘビーゲイズ、グランジゲイズをそのまま輸入したスタイルでやっているわけではなくて、もう少しグランジの要素を強めてやっていますね。だから、Quicksand、Helmet、Rival Schoolsなどのバンドは明確にバンドのルーツとしてあります。

ーその辺りの音像はニューEP『BACK TO DUST』を聴いても感じられますね。一方で、ヘビーゲイズならではの叙情感や寂寥感より、ポップで乗れるサウンド感がHollow Sunsの特徴でもあると思いますがいかがですか?

Shuhei Dohi:そうですね。自分たちが1番大事に考えているのは、そういう複雑な音楽性の中に必ずキャッチーなパートを入れるということで、その辺りは自分たちのルーツに最初に話したバンドや00年代のポップパンクがあるからだと思います。だから、Hollow Sunsの音楽性をひと言で伝えるならキャッチーなグランジ/シューゲイズという感じだと思います。

ーそういったバンドのスタイルが確立されたのはいつ頃だと思いますか?

Shuhei Dohi:1stアルバム『Otherside』が大きいですね。レコーディングは2020年12月〜2021年1月の約1ヶ月だったんですけど、TurnstileやTitle Fightのプロデューサー、Will Yipにフルプロデュースしてもらって、楽曲制作のイロハを改めて学ばせてもらったんです。あの体験が自分の人生を変えたと言っても過言ではないというか。本場の文化に触れて、何かリミッターが外れたような感覚がありましたね。それまでどこかで“やり過ぎないようにしよう”と変なブレーキを自分の中でかけている部分があったんですよ。そういう自制的な部分から解放されて、より深いところにタッチできるようになってきた感覚がありましたね。それに、そうやって作った楽曲の方が周囲のリアクションが良くなりましたし、意外と考え過ぎずに自分の好きなことをやった方が認めてもらえるんだなっていうのは、その時から感じるようになりました。


ルーツでもあるニューメタルの要素を取り入れたニューEP

ーでは、アルバム以降のEP『Free Fall』やニューEP『BACK TO DUST』は1stアルバムでのスタイルを踏襲して制作した作品だと言える?

Shuhei Dohi:いえ、アルバムでは本当にいろんな楽曲を作ったんですよ。ヘビーな曲もあればシューゲイズっぽいものもあるし、ポップなものもあるし。自分の中ですごく満足いく内容になっているんですけど、Turnstileを聴いたりしていくうちに、もう少し楽曲の世界観を統一させたいと考えて作ったのが『Free Fall』です。Rage Against The MachineやDeftonesだとか、そういった10代の頃に聴いていたルーツ中のルーツを盛り込んだ作品でもありますね。

ーそして、『Free Fall』リリース後にはバンド初のアメリカツアーを敢行しましたね? バンドにとってどのような影響がありましたか?

Shuhei Dohi:レーベルメイトのLeaving Timeっていうフロリダのバンドが手を挙げてくれて、アメリカ東海岸を回る16本のツアーを組んでくれたんですよ。彼らとずっと一緒に行動できたのは本当に大きくて単純に演奏がよくなったり、ライブの見せ方が変わったり、良いことだらけでした。リアクションも日本でのライブと全然違って反応があったり、自分としても手応えを感じたツアーでした。1番大きな出来事は、NYでやったライブのポストをRival Schoolsがチェックしてくれていて、オファーをくれたのが感無量でした。2024年は2回アメリカに行ったんですけど、2度目は憧れのバンドと一緒に出来て最高過ぎました。

ーそんな活動を経て、2026年3月リリースのEP『BACK TO DUST』にたどり着いたわけですね。具体的にどんな作品になったと感じていますか?

Shuhei Dohi:実際には去年の頭ごろには出来ていた作品なんですけど、出すタイミングを温存していてようやく出せるという感じなんです。『Free Fall』の時のように、ラウドな音像にチャレンジしたらオーディエンスのリアクションがグッと良くなったこともあったので、今まで遠慮してフタをしていた部分を解き放ったような感じですね。あと、よくバンド内でデフ・コアって言い合っているんだけど。

ーああ、Deftones Coreですね。デフトーンズっぽいメロディやリフという。

Shuhei Dohi:そうそう、そのデフ・コア感を思いっきり出していこうっていうのはありましたね。あの時代のニューメタルなノリを今っぽく表現したいっていうのが今回のテーマでした。同時にハードコアのエッセンスも自然と出せるように意識しましたね。そこでいくと、Vision of DisorderやSnapcase、Trapped Under Iceといったバンドはずっと大好きで、そういうハードコア感は常に意識してうまくリフとして取り入れようとしています。あと、『BACK TO DUST』の制作時に聴き込んでいたのはAlice in Chainsですね。3曲目の「The Passing Ghost」はその影響が大きく出ていると思います。

ーちなみにアルバムタイトルにはどういう思いがあるんですか?

Shuhei Dohi:結局、こうやって休まず活動を続けてきて、国内もツアーして回ったり海外にも行ったりしてきて、正直なかなか見向きもされなかったけど、やっぱりやればやるだけ反応はあるものなんですよね。新しい発見があったり人生観が変わったり。他メンバーを見ていても思うんだけど、当たって砕けろ、みたいな考え方があって。自分も最後には塵に帰るというか、燃え尽きたいと思ってやっているので、その辺りをストレートにタイトルに込めました。

ーでは、今度はどう活動していきますか?

Shuhei Dohi:やっぱり日本におけるグランジゲイズの第一人者を目指していきたいですし、具体的な活動としてはしっかりツアーしていきたいですね。今回、20本以上のツアーを組んでいますけど、“World Tour”と銘打っていて国内だけではなく6月にヨーロッパにも3週間ほどいく予定です。『BACK TO DUST』は、これまで以上に世界で活動していくための布石でもあるので、グローバルにしっかり活動していきたいですね。行くだけではなく海外からバンドを招聘してツアーをしたり。

ーやはり、海外での活動をメインに考えた行動になっていきそうですか?

Shuhei Dohi:いえ、そういうわけではなくて、活動の範囲が海外まで含んでいるという意味ですね。日本のバンドとして、国内でホームと言えるシーンを作りたいし、もっともっと広めていきたいんだけど、なかなか自分たちの音楽性もあってシーンとはミスマッチというか。もっと国内でみんなが振り返ってくれるようになっていきたいし、だからこそ全国をツアーするわけですからね。そうやって、Hollow Sunsがシーンに認められたら嬉しいし、自分たちらしい居場所を作っていけるように、もっと頑張っていきたいです。


INFORMATION
Hollow Suns
https://hollowsuns.com/
https://www.instagram.com/hollowsuns/