ANORAK! “FINGERS CROSSED” INTERVIEW!!
Interview by BONE$ (HOLLOW SUNS)
Edit by SUNEO
Photo by hiro Itou
Age Factoryの清水英介氏が主宰するレーベル「0A」からリリースするANORAK!。名前は見たことがあるが、実像はまだ掴めてない方々が多いだろう。Age Factoryとの出会いの時でさえ、「君たちは一体どこにいたの?」と言われたくらい。結成から6年にわたるバンドの歩みを“旅路”という一つの主題のもとに描き出した全10曲を収録した、約2年ぶり・3作目のフルアルバム「FINGERS CROSSED」のリリースをきっかけとしながら、結成、出会い、マインドなど旅路をなぞるように語ってもらった。
普通にライブキッズしてましたね。/ MIKURU
ANORAK!って結成は何年ですか?
TOMOHO(Gt/Vo):2019年の夏ぐらいですね。僕だけ先に東京出てきてたんですよ。
東京で結成されてますが、出身は違うんでしたっけ?
TOMOHO:そうですね。この2人(Mikuru(Ba)・Crystal Kato(Gt))が横浜で、タローちゃん(Nakamura Kotaro(Dr))が岡山、僕が三重ですね。地元(三重)の先輩とバンドがやりたいって言って東京でなぜか集まったんですよ、めっちゃざっくり言うと。だけどそれが空中分解しちゃって。でも、もったいないからなんかやりたいなって、ずっとうにうにしてる時にタローちゃんと知り合って。Twitter(現X)だったんですけど。
KOTARO:FF外から失礼して。
SNSきっかけなんですね。
TOMOHO:SoundCloudに曲を上げてたんですよ。当時好きだったSnuffy Smileみたいな感じのエイトビートな感じのメロディックとか、Weezerみたいなど真ん中パワーポップみたいな雰囲気のデモを上げてて。チューニングだけはエモリバイバルみたいな。なんとなくのこう…軸みたいなのができてるって感じで。
ミッドウェストエモは最初から軸にあったんですね。
TOMOHO:地元にいた時から結構好きで。大阪のfolioっていうバンドとか、横須賀のweaveとか、その辺から入り、BREAKING FIRST ENTERTAINERとか。でタローちゃんが町田の方に出てバンドやったりとかしてたんだよね。結構エモっぽかったよね?
KOTARO:まあエモっぽいね。2000年代のCopelandとか。あとFall Out Boyとかそういう感じの。Maeとかそういう感じの雰囲気。シンセ入ったりとかして。
TOMOHO:で、全部じゃないけど、一応共通の趣味がある感じで、スタジオで顔合わせして、なんか一緒に作ってみよう、となったのが始まり。それが2019年9月とかです。で、スリーピースで活動を始めてから、対バンとかイベントで呼んでくれたりとか。そういう流れで知り合った4人です。
メンバーは当初から変更なく続いてますか?
TOMOHO:いや、Katoが加入一番遅くて、ANORAK!組んですぐコロナ禍になっちゃったから、一旦スタジオとかストップしてて。ちょうど、『くだらない一日』をコウさん(ungulates/HOLLOW SUNS)が「リリースをしようと思ってるんだよね」みたいなところで繋がって知り合って。で、もう本当に暇だったし、何かやりたいっていうので仲良くなって、くだらない一日で僕ギターを弾いてて。
お互いに加入してたんですね。
TOMOHO:で、そのノリでボーカルのタカネ君にANORAK!で弾いてくれないか、みたいな打診をして、ちょっとやってみたいなって。で、Mikuruも同時期に新宿NINE SPICESでブッキングをしていたんですけど、なんかベースを手に入れて、突然。全く弾いたことはなかったんですけど。
KOTARO:先にベース手に入れたんだっけ。
MIKURU:そう、先にベース手に入れた。
TOMOHO:で、Tomohoくんピックってどうやって持つんですか?みたいなところから。
MIKURU:一緒にタカネくんの家で練習週一でしてて。
それまでその音楽の素養はありましたか?
MIKURU:自分もエモめっちゃ好きですとか、メロディックハードコアとかパンク好きですみたいな話から入ったんですよ。
じゃあギター弾いてたとかではなく?
MIKURU:ずっとナイスパ(新宿NINE SPICES)でブッキングしてたのが先で。普通にライブキッズしてましたね。

だから、Mikuruさんはよくライブを見に行ってるんですね。
TOMOHO:だからその最初に認知したのは多分Tiny Moving Partsの来日にHaikiが帯同してた時に、Mikuruが下北沢ERAに行ってるのを見たんです。Twitterに動画上げてて、「この人ANORAK!の最初のEPをサブスク出した時に反応してた人だ」みたいな。で、ナイスパでイベントをやり始めたんだ、みたいな。で、呼んでくれて仲良くなって。
MIKURU:それこそANORAK!を知ったのが岡山でHomesafeのツアーかな。あの時にHOLLOW SUNSのアユムさんが紹介してて…最初のフックアップはマジでアユムさんなんですよ。
KATO:そうだそうだ。思い出した。
TOMOHO:それこそ吉祥寺WARPでHOLLOW SUNSのInto the Water EPのリリースパーティーにGAME CENTERとOTUSとilskaが出てたイベントにタローちゃんと一緒に遊びにいったんですよね。2019年の12月かな。ちょっと時期は前後しますけど、そんな感じで。東京で自然と近しい趣味の人たち、歳近い人たちと知り合っていったみたいな。Katoは、タカネくんが抜けるってなったタイミングで、もともと対バンもしてたし、チューニングが一緒だっていうので、「ちょっと誘ってみようよ」みたいになって。で、サポートから始まったけど、もうすんなりすぐこう…やっぱり同じより共通の話題があったから、すごくすんなりフィットして。で、本人から楽しいからやりたいっていう話があって。下北のミスタードーナツでね。
KATO:全然覚えてない。そうだっけ?
TOMOHO:まあ、そのミスドで「俺入るわ」みたいな話をしてくれたのが最初です。
最初から「こういうバンドがやりたい」という像はありましたか?
TOMOHO:最初にあったのは、上京する前にFallsとかSUMMERMANとか、八王子だとmalegoat、Shipyards、rem time rem timeとか。で、「アルペジオがこういうかっこいいバンドってどういうやつなんですか?」ってハッチさんとかに聞いたら、「エモじゃない?」みたいな。そこから入っていった感じです。
いわゆる売れてるバンドっていうよりは、結構割と身近なインディのバンドから入ってった感じなんですね。
TOMOHO:そうですね。そこにすごく興味が湧いたんです。ただ、何者でもない一人のお客さんとして関わって、会話をしたり関係性を築いていったりすることには少し違和感があって。どうせなら、自分から何か持っていけるものが欲しいと思ったんです。そこで、バンドを始めれば自然と会話が生まれるし、関係性も築いていけるんじゃないかと。それで、とにかくまずはバンドを組んで、一つ音源を作ってみよう、というところから始まりました。19年、20年とか、その境ぐらいですかね。
なるほど。その後ファーストを出す流れに?
TOMOHO:そうですね。で、コロナ禍が割と緩和され始めた頃、2020年の秋口頃とかに、ある程度デモがまた溜まってきてて。で、レコーディングしたのは多分秋冬ぐらいだよね?
KOTARO:9月、10月ぐらいかな。
TOMOHO:そうだよね。その時には若干そのメロディックパンク的な速い8ビートで、The Ergs!とか、RANCIDとかベースソロ弾きまくるみたいなバンドも好きだったんで、結構その要素もあったところから、もっとYou Blew It!とかInto It. Over It.とか、あと、あの当時めっちゃインフルエンスされたものとしてはやっぱりmalegoatがでかくて、徐々にそういうエモの音楽性により近くなっていった時に出たのがあのファーストみたいな感じですね。もともとungulatesから出す予定だったんですけど…まあいろいろあって。別にコウさんとの関係も良好ですけど。でも今何かしらのこう自然なつながりでやれることって、もう自主で自分たちでやれること全部やる方がいいんじゃない?っていうので、あれは自主で出しました。勝手になんかSUPERNICEBOYSとかって出版元を名乗って。やってみたって感じです。
以降、現在に至る、と。その後のリリースは?
TOMOHO:その後でなんだなんだ。その後も別に何も。
KOTARO:いやスプリットとか。
TOMOHO:なんかそこからかなり、まあやっぱり近しいコミュニティにまずこう仲良くなっていきたいっていう欲が一番最初の原動力だったんで、やっぱりみんな聴いてくれたんですよね、すごく。ファースト。めちゃくちゃウェルカムな感じで。自然な口コミで広がって、都内のライブで全く知らないお客さんが来るようになり始めたりとか。

なるほど。
TOMOHO:COUNTRY YARDのユウキさんとかも興味持ってくれて、Pile Of Loveの来日ツアーに一緒に来ないか?って誘ってくれたりとか。で、あと、もちろんそのmalegoatのみんなもすごく良くしてくれたので、で、DIMWORKっていう新しいバンドをmalegoatのメンバーだったり、MUGWUMPSのメンバーだったりとか、合わさって始めようってなってて、そこでさらにレーベルも作ろうみたいな話をベースのハジメさんから話をもらって。あとレコーディングもThe Firewood Projectだったり、それこそmalegoatだったりFallsだったりを録ってるハヤシさんにファーストを録ってもらったんですけど、ハヤシさんもハジメさんと一緒にそのレーベルをやり始めるみたいな。
それがShore & Woodsですか?
TOMOHO:そうですね。で、出してみないかって話からセカンドにつながるんですけど、あとはDIMWORKとかSignals Midwestとのスプリットとか。
Signals Midwestってスプリット出してましたっけ?
TOMOHO:出してます。日本ツアーする時に。
なるほど。DIMWORKとも出してるんですね。
TOMOHO:で、Algernon Cadwalladerの来日の名古屋公演とか出させてもらったりとか、結構その自分たちのルーツになってるような音楽により直に触れていく機会が増えてたりとかして。で、アルジャーノンのピーターに何が好きなの?って聞いたら、結構ダンスミュージックを聴いていたりとか、とGAME CENTER & Future Brothersもそれこそ組む前からライブは一応見てましたけど、その頃から仲良くなり出して、よりトリップホップとかさ、モータウン(Motown Records)みたいな、ああいうダンスミュージックのムーブメントとかすごく掘ってる人たちと触れ合う機会というか。あとはもうハイパーポップ的なもの。コロナ禍以降のすごく新しい音楽とかの刺激もあって、ちょっとエモからよりインディーとか、エレクトロニカの世界に行ってみたりとかね、欲求から出たのがセカンド。
KATO:非常に分かりやすい言語化だ。
TOMOHO:ありがとう。
セカンドの後は海外ツアーに行ってますね。
TOMOHO:そうです、すぐ海外。Nothing Feels Realのツネカワさんが、その全てを組んでくれて、アジアとアメリカツアー行って、帰ってきて日本ツアーやってとかっていう、がんがんライブ音源出してツアーしてっていう流れができ始めたのが本当に2024年ぐらいですね。
なるほど。海外ツアーは、どちらに行かれました?
TOMOHO:アメリカと韓国、シンガポール、タイ、フィリピン、インドネシア、香港、中国って帰ってきたのか。で、アメリカその翌々月ぐらいにもう一回行ってみたいな。で、サンディエゴのAren't We Amphibiansっていう、サンディエゴエモの若いバンドと一緒にツアーを回ったりとか。その後EPかな。
それを経て、今回の作品リリースに至る。
TOMOHO:そうです。
めちゃくちゃrawです。生卵って感じで。/ TOMOHO
今回新しいレーベルから出すことになったと思うんですけど、その経緯を教えてください。
TOMOHO:Age Factoryとはもうあの対バンで知り合って。でもKatoはベースのナオトさんとDTM繋がりで、その「これってどうやってミックスしたらいいですか?」みたいな。
KATO:なんかあんま覚えてないです。ゲーム仲間っていうか。バンド(Haiki)をストップしたタイミングで「ソロでいろいろやってみたいんですけど」みたいな相談をしてました。
元々面識はありましたか?
TOMOHO:元々面識ありました。で、だからそのKato繋がりでANORAK!を向こうが認知してくれてて。で、年始にAge Factoryが奈良のNEVERLANDでやってる新年パーティーとか呼んでくれたり。でもすごく仲良くなったきっかけとしては、苫小牧。ENTHのアルバムツアーで、FREE KICK、ENTH、Age Factoryっていう日があって。というのも、BANGLANGっていうその苫小牧のバンドの友達がいるんですけど、彼らの遊び場のスタジオ兼バーがあって、そこでANORAK!とツーマンやってDJやって遊びたい、と言って誘ってくれたんですよ。ちょうど別のライブで札幌でライブしてたんで、流れで行こうってなった時に、ちょうど近くのELLCUBEではENTHがツアーしててみたいな。で、NOT WONKのカトウ君がそのENTHとAge Factoryをルームにアテンドしてくれて、なんかセッティングしてたら、「ENTHとAge Factory来た」みたいになって。で、もう本当にもう十畳ぐらいのフロアで。
KOTARO:全員いたよね?
TOMOHO:全員いた。FREE KICKの人たちもいたね。そこでやっぱりすごくフラットに。ただなんかみんなベロベロで、でライブもやっぱりもうゼロ距離なので、なんかすごく食らってくれたようで、「めっちゃ良かった」みたいな。「君たちは一体どこにいたの?」みたいな。
KATO:「東京にいました」とか言って。

その時は認識はしてくれてたけど、どんなバンドとかは知らなかったみたいなノリですか?
TOMOHO:そうですね。エイスケ君がそこで「すごく気合いを感じた」って言ってくれてて。で、僕もセカンド出した頃から、ANORAK!をどういう風にマネージメントというか、そのブランディングとして見せていくのが一番フィットしてて高まっていくのか、みたいなのがちょっと伸び悩んでた時期ではあったんですけど、Age Factoryって音楽性もノリもお客さんの層も全然違うけど、魅力的だなって一番感じてた部分、今思うとやっぱりその100パーセント自分らのかっこいいと思うことを音楽以外にも全部多方面でアウトプットしきるところにお金と時間を投資してるなっていう印象がすごかった。ファッション性だったり、出すマーチャンダイズだったり、写真もそうだし、インタビュー媒体とかでの見せ方とか、全部もうその自分の発想からすごく高い鮮度でアウトプットまで持ってくチームと意思があるなと思って。だからなんかレーベルをやろうと思ってるって話を聞いた時に、コンセプトを聞いた時も、音源だけじゃなくて、いろんなバンド以外のアーティストもカメラマンも、あとはそのアパレルだったりとか、多方面のいろんな奈良に集まるつながりを、一つの組織を作って、そこからアウトプットしていきたいっていう話をされて。まさにこれは自分たちが今やりたい方向性とフィットしそうだな、っていう感覚があって、それで正式にリリースしたいっていうことで話をしてっていうのが経緯です。
なるほど。それがいつぐらいですか?
TOMOHO:2025年の頭ぐらいですか。夏ぐらいですかね。
では、かなり急ピッチですね。
KATO:結構急ピッチでした。
TOMOHO:でもその前からどういうマネージメントがいいアイデアだろうねみたいな。ちょっとした情報の共有のし合いみたいなのはちょこちょこやってて。
KATO:でも最終的にそれがすごく自然にバンドの先輩とバンドの運営について話し合うみたいな。すごく自然な流れから始まって、タイミングとかもよく。0Aが本格的に始動するってなった時に。
そこから、では「はい、やりましょう」ってなったのが2025年あたりですか?
TOMOHO:俺財布落として御殿場まで取りに行ってクソ暑かったの覚えてるから。夏だな。最悪だった(から覚えてる)。
2025年の夏に「じゃあアルバム出しましょう」ってなったわけですね。
TOMOHO:そう、まあ第一次ミーティングみたいなのがしっかりあったのが。キックオフが2025年夏頃で、2026年の年始あたりから一気にアルバム制作をデモ制作からかなり加速させていって。
制作期間は半年くらいってことですか?
TOMOHO:ものすごい急ピッチで10曲作りました。しかもやばかったのが、本当にキワキワぐらいの、マジで作曲中ぐらいの時に、Age Factoryのツアーが入るっていう…
もう本当じゃあギューっと制作を詰めた感じなんですね。1月から始めたとして、今作用に何曲書いたんですか?
TOMOHO:その前にアルバムに収録されている曲で出来上がってたのって、『DARKISH GREEN』っていう1曲ぐらいで、だから…6〜7ヶ月でデモを揃えて、1〜2ヶ月でレコーディングした感じですね。7、8月とかで。
えー、では、本当にこの間終わったみたいな感じなんですね。アルバムのジャケットも自分で描いてますよね?それも並行して?
TOMOHO:なんか良かったのが、エイスケ君もゼロイチで音楽を作っている人だから、どういう…僕がデモを逐一共有してて。ボツ曲とかも含め。だからこのマインドとか、この曲の雰囲気に一体どういう見せ方が合うんだろうねっていうのも同時に並行して2人で話し合ってたんですよ。
最初の段階からエイスケ君とは組み上げてった感じですか?
TOMOHO:いわゆるプロデュースっていう感じではなくて、思考する場を与えてくれたみたいな。Age Factoryの事務所にもお邪魔してデモ作ったりとか、そこでRY0N4君っていうラッパーの人とそのエイジ周りの人と一緒にデモを聴き合って、いいねいいねとか言ってたり、なんかメンターみたいな存在としていてくれて。
それは編曲みたいなことを?
TOMOHO:いや、全く。俺が作った曲のデモを聴いて、「え、じゃあこういうミュージックビデオどう?」とか。「こういうなんかショートな映像作るのどう?」とか。「このTOMOHOが今作り出している、まさにその生み出そうとしているところをドキュメントするのはどう?」みたいな。そこから『SUMMER TOUR』って、あの先行シングルのジャケットを描いてるところをそのまま撮っちゃうみたいなミュージックビデオにつながるんですけど。なんかアルバムを作っている様をそのまま映像にしたいみたいな。
結構rawな仕上がりになってるってこと?
TOMOHO:めちゃくちゃrawです。生卵って感じで。
なるほど。では、そのrawな感じっていうのも割と今回コンセプトにありました?
TOMOHO:めっちゃそうですね。バンドのrawみたいな。だから一発録りでクリックも使わないでやれる曲は全部クリックなし一発録りで録って、すごくバンドの今をドキュメントしようみたいな機運が高まってました。
なるほど。それはエイスケ君と結構話し合って、こう決まってた部分ではあるってことですか?
TOMOHO:さっきKATOが言ってた、その制作の大詰めでツアーに呼んでもらって、すごくパキパキの状態でホテルで作曲しながらツアーして、楽屋でデモを聴いてもらうみたいなノリだったんですけど。エイスケ君と静岡かどっかで打ち上げ後にホテルでめちゃくちゃ話し込んだ時があって。「俺たちはDTMを上手くなるためにバンドをやりすぎたかもしれない」みたいな。DTMでかっこいい音を作って、バンドでどう体現していくかを後から考えるみたいなプロセスをもうやめたいみたいな…
KATO:"DTMer"になっちゃいますもんね。
TOMOHO:そのDTMで、それこそセカンドとかEPでやってた打ち込みと共存している音楽性をやってた時に、Ableton使ってるんですけど、ミックスとか、DAW上のTipsみたいなのをいろいろ情報を集めて、音をまず構築して、バンドサウンドにする時はどうしようみたいな。それはそれで一個の形だけど。

「逆」になっちゃうってことですね。
TOMOHO:演奏こそが本質で、それをドキュメントするためにある音源みたいな考え方、すごく原初的なオーガニックなバンドのあり方みたいなところに、そこでハッと立ち返って、なるほどと。で、かつ、その2025年って、Hotline TNTとかOrigami AngelとかForestsとか。パンクハードコアに出自がある、めっちゃ自分たちの本当に体を使った、オーガニックなエネルギーがライブで体感できるようなバンドとの対バンですごい刺激を受けたのもあって、それこそICE GRILLSの招聘のTouché Amoré、あれで、ライブめっちゃ食らったのもあって、今一度、今4人で鳴らしてるバンドサウンドのかっこよさ、自分たちすらちょっと通り過ぎて見落としていたけど、実はめちゃくちゃそれが面白いし、本質かもなみたいなのがあって、そういうrawな仕上がりを目指したみたいな。
では、そのセカンドと、ちょっと音楽性が違うのはそういう理由になってるってことですか?
TOMOHO:そうですね。でも今回のアルバムって、ファーストが憧れから始めた真似っこが原点、セカンドはそこからの広がりみたいなとしたら、サードはそれまでの道のりの包括だと思ってて。原点回帰じゃないんですよね。
なるほど。戻ったんじゃないってことなんですね。
TOMOHO:そう。テーマとしても歌詞とか、結果出来上がったものがバンドのやってきた旅みたいなものがすごくあるなと思ってて。それは自分たちが辿ってきた音楽遍歴の総括という意味でもあるし、一緒にツアーを経験してきた中で生まれた会話だったりとか、いろんな人たちとのつながりみたいなところから来た経験みたいなところも一個パッケージしたかったみたいなのがあって。じゃあそれってrawなものが一番合うね、みたいな。自分の中でだけですけど。いろいろ多角的な解釈で生まれた作品かなみたいなところがあります。
やっぱ怒んないとダメですよ。/ KATO
アルバムタイトルの『FINGERS CROSSED』。これはどういう意味が?
TOMOHO:まあ幸運を祈るっていう直訳なんですけど、カジュアルな使い方的には、絵文字であるこれです。指クロス。アメリカのカルチャーから出たスラングというか言葉ですけど、「この大学に行きたいんだ」とか、「俺はこういう夢があるんだ」とか、何かやりたいことに対してうまくいくといいねみたいな。とライブ始まる前に友達に「FINGERS CROSSED」みたいな。ライブ頑張ってみたいな。軽い頑張ってねとか、そうなるといいよね的な意味なんですよ。なんかバンドとしてのこうありたいみたいなところとか、まあ自分が東京で生きてて、いろいろ感じる…なんかちょっとしたモヤつきとか。まあ直接作品には出てはないけど、大人になって感じる…なんだろうな、社会の大きな流れとか、自分には全部把握しきれないし、どうしようもない、なんかいろんな動き、言っちゃえば戦争とかもそうですけど、いろんなものに対して、音楽でやっぱ自分なりに抗っていきたいなっていうか。で、そういう自分のささやかな「こう生きたい」という願いに対して、軽く「そうなるといいね」って言ってくれてるみたいな。これはAren't We AmphibiansのジョシュっていうボーカルのやつとDMしてて、一緒に日本でツアーしたいねみたいな。そしたら「FINGERS CROSSED」って送られてきたんですよ。「その単語めっちゃいいな」って思って、「アルバムに使っていい?」みたいな話したら既読無視されたんですけど…そこから取りました。
では、友達との会話の中から出た単語なんですね。
TOMOHO:はい。今回はかなりドキュメント性が高いというか、実体験から来たアルバムっていう感じが一番強いですね。
MIKURU:うん。でもやっぱファーストの流れから見て、客観的に見ると、まあこうなるよなみたいな。海外ツアーも経験して、サードだったらまあこうなるよなみたいな流れは、メンバーの中でも自然とあった感じがするし。
TOMOHO:結果的に、僕が全部ディレクションして、100パーセント作り込んでからメンバーに渡してはいるんですけど、インスピレーションの源は、メンバーと一緒に過ごす時間の中にあるんですよね。普段の会話や「こういうことがやりたいよね」っていう自然な音楽の話、一緒にツアーを回ったときの思い出話とか、そういうところから自然とアイデアが生まれてくる。だから、感覚的には、みんなで「こういうものが一番フィットするよね」っていうイメージが、自然と自分の中でつながっているんだと思います。本当にメンバーと遊んだり、会話したりするところから始まっているからこそ、僕が100パーセント作り込んで持っていっても、みんなが自然とそのイメージに寄り添って、演奏をさらに良くしていこうというマインドになるのかなと思っています。
作曲のプロセス的には、基本全部TOMOHOさんが?
TOMOHO:そうですね、大体は。スタジオで若干アイデア出しの時間があったりとかはありますけど、最終的な完成形を一旦僕が全部作って。
DAWで組んじゃってってことですか?
TOMOHO:オケは特にそうですね。歌は割と後から乗せるんですけど。だからみんなにこうやって叩いてほしいとか、ここのアレンジなんだけど、ベースはこうやってるんだよね、みたいな細かいすり合わせをしていきながら。でもみんなが出す音の癖で、それが実際演奏されるとだいぶ印象が変わるので、それはレコーディングとかでいろいろみんなでやりながら、こういう風になったね、っていうのを分析しながら。
KOTARO:確かに特に今回はレコーディングされたものを聞いても、「これこいつ演奏してるなー」みたいな、めっちゃ思った。
KATO:演奏してるよね。
KOTARO:そう。なんかその、Mikuruのベースだねー、みたいな。
KATO:そうそう。だからまだちょっとなんかちょっと俺ここ上手くできる気がするんだよな、とか。
KOTARO:そういうところも含めての、全部いいよねみたいな。
一発録りで録った曲もあるってことですか?
TOMOHO:めっちゃあります。
MIKURU:なんかレコーディング感なかったというか。みんなよっしゃ演奏するぞ、みたいな。
KOTARO:でかい丸太を持ってスタジオの壁に投げつけるみたいな動きを10曲繰り返しただけみたいな。
何ですか、それ…?
TOMOHO:マジお前ら準備はいいか、みたいな。レコーディングハイで。必死に演奏して、本当に演奏荒いんですけど。で、ミックスのバランスも完璧かって言われたら全然バランス良くないというか、凸凹なんですけど、めっちゃその普段の自分らの音してて、すごく面白かったですね。
今は、完璧な音が溢れてますからね。
TOMOHO:そうなんですよ。
KATO:あの…全然話変わるんですけど、僕ミートソースパスタあんまり混ぜない派なんで、やっぱ完全に混ざっちゃうとやっぱ…
何を言ってるんだ…丸太とかミートパスタとか。、。
KATO:やっぱちょっと混ざってるぐらいのがうまいというか。わかります?カレーぐちゃぐちゃにしない派みたいな。
KOTARO:卵かけご飯の白いとこみたいな?
KATO:あ、そうそう。残すみたいな。
TOMOHO:牛肉生で食ってる感じです。
なるほど…とにかく、人の手で作ったっていう感じのものを作ろうっていうのが全体の大きなテーマではあったってことですね?
TOMOHO:そうですね。だし、そういうのが聴いてて伝わる音源って今なかなか見つからないなって思って。だから今自分たちがやる価値はあるな、すごくっていう話も、そういうすごく精神的な話をエイスケ君といつもしてたんですよ。だからそういう面ですごく助かったというか。
すごくいいメンターと出会ったってことですね。
TOMOHO:とはいえ、Age Factoryとなると、ものすごく音楽性が違うバンド同士だから、最初どういう感じなんだろうって、4人とも多分ちょっとずつ探りながらだったんですけど、気づいたら本当にめちゃくちゃ僕にとっていいメンターと出会ったなっていう感じがしてて。うん。まだ3人は知らない…私とエイスケ君と脳みそがくっついてる感じがします。
本当に、師匠的な感じなんですね。。
TOMOHO:うーん、師匠のような友達のような。なんか同一人物に感じる部分があるけど、すごく考え方も違うし、面白い人っていう感じです。
KATO:ホワイトゴレイヌとブラックゴレイヌ…。
?
KATO:HUNTER×HUNTERです。
え、、、エイスケ君と君たちどれぐらい年齢差がありますか?
TOMOHO:でも。そんなにないはず。ドラムのタローちゃんは同い年だよね。
KOTARO:うん、同い年。
TOMOHO:94年生まれだよね。
KOTARO:そう。
今、皆さんおいくつですか?
TOMOHO:32。31。28、27です。だからちょっと世代というか、若干の差はありますけど、いいと感じていたものの原体験が若干被ってたりもしてるから。
話が合うんですね。
TOMOHO:通常のレーベルとアーティストの関係よりも、さらにもうちょっとこう…先輩と後輩みたいな。
お互いバンドですしね。
TOMOHO:バンドなのでそれはでかいですよね。だからあんまりないクリエイティブの形かなみたいな。の面白さの一つかなと思っております。要チェック!

では曲のことを聞かせてください。シングルは自分で決めましたか?それとも相談して?
TOMOHO:自然となんですが…最初、先行は『BRITE』っていう曲のつもりだったんですけど、ミュージックビデオも元々撮る予定で、先行を決めるタイミングとビデオを撮るタイミングが全く一緒で、『BRITE』で話が進んでいたんですけど、撮影ロケ地とか、あと一緒にツアー回ってたのもあって、生でやっぱり新曲を演奏するとみんな聴いてくれてて、その時に『SUMMER TOUR』が自然とすごくいい曲だねってなったんですよね。で、自分たちも演奏していて、今のところ一番しっくり来ている、みたいな。まだまだ制作途中で、デモも揃ってなかったんですけど。なんかしっくりきてるよね。しかも今から撮るビデオのロケーションとかに、もしかしたら『BRITE』よりこっちの方が合うんじゃね?ってなって。っていう話をエイスケ君含め、カメラマンというか、エディターとして入ってくれたゲーセンのヤスタカくんとかメンバー含め、「良くない?」って言って、「あ、いいんじゃない?」みたいな感じで、自然と『SUMMER TOUR』になりました。
なるほど。どんな曲に?
TOMOHO:あれはTurnover完全にリスペクト系のアレンジ。あと、あのTurnoverの辞めちゃったギターの人がSPINってバンドやってるんですけど、ソロで。そのSPINを最近聴き始めてめっちゃいいなと思って。俺が好きなTurnoverにある成分のかなりの要素をこの人が占めていた部分もあるんだろうな、みたいな人がいて。個人的にはすごくそれに影響されて作ってて。で、歌詞的にもすごくアルバムのテーマに沿ってるというか、結構ツアーのロードムービー感がある雰囲気の内容の歌詞、ちょっと抽象的ですけど。とかもあって、アルバムの世界観を分かりやすく伝えるのにいいかもねっていうので選びました。
『HUMMINGBIRD』は、いかがですか?
TOMOHO:『HUMMINGBIRD』はたしか本当に最後の最後にできた曲なんですけど。
KATO:レコーディングの1日2日前じゃない?
TOMOHO:そうそう。レコーディング直前、1週間前ぐらいにデモを起こして。で、喧嘩同然のようなスタジオに入り、あの休憩時間に一瞬危ねえとか言ってスタジオから逃げ…みたいな。なんかもう準備する時間なさすぎて、必死に覚えて必死にスタジオに集まったんですよ。で、そのスタジオの機材がかなりボロボロで、うまく音決まらずに…アレンジも曖昧なまま、とにかく全てが進行してたんで、全員もうパキってて。で、喧々諤々とした、「お前はここをこうしろよ」の言い合いが始まり。
あ、ちょっと喧嘩になっちゃったってことですか?
KOTARO:そんなに?そうだっけ?
MIKURU:喧嘩にはなってないけど。めちゃくちゃピリピリして。みんな仕事もあって寝てないし、みたいな。
KATO:なんなら僕は前日とかに聴いて。聴く時間なくて、ずっとバイトとかで。で、結構頭の中でもう完全にイメトレして、あ、いけるかもなって行って、さあやるぞで一発目結構うまくいけたなと思ったら、「ちょっとそれとそれと」って言って、「結構頑張ったんだけど…」なみたいな。
TOMOHO:で、俺もその頑張ったとかじゃなくて、「デモ通りにやれ」みたいな。そういう訳の分からないパキパキの状態で。
KATO:僕もそれに「いや俺も聞いてない」から、その細かいの同じ音なのかわからんとかそういう。お前の思考プロセスはいらんねんみたいな。いやでも、労わってくれよみたいなことも言っちゃうっていう。
KOTARO:「ちょっと待って、逃げよう」とか言って部屋から出たりして。
KATO:でも一旦落ち着いてよかったな。
TOMOHO:まあ、Militarie GunとHotline TNTとかの感じの曲作りたいなとか。割と新しいバンドも結構参考にしたり。意外とThe Story So Farとかもあったり。
Transitっぽいなとか、Polar Bear Clubっぽいなと思いながら聴いてました。
TOMOHO:ファーストとかは結構その辺好きで。本当に2010年代のポップパンクとかも多分にやりたいものとしては一応あって。
成分的には?
TOMOHO:そう、アレンジメント的に。歌詞は結構『HUMMINGBIRD』は特殊だと思ってて。僕、Charli XCX xcx好きなんですけど。なんかあの人って、やっぱりあのポップスターアイコン的な自分のポジションだったり、出す世界観だったり、ものすごく若いティーンズに伝わるようなアウトプットで、歌手としてめちゃくちゃ出してて、それで評価されてるけど、そのペルソナをめちゃくちゃかっこよく歌詞で演出するみたいなものにめっちゃインスパイアされて、歌詞的にはめっちゃバカな感じで、「みんな俺のヒット曲を歌ってるぜ」みたいな。俺は天才だぞ、みたいな。だからもうとにかく高ぶれるもんなら何でも俺にくれみたいな。だけど俺はまだバカだから、そういう何か享楽的なものに溺れてガタガタになってるみたいな。そういう自意識が強いダメな男のペルソナみたいな、そういうちょっとテーマを作って歌詞を書くみたいなものが割とうまくアウトプットできたんじゃないかなみたいな。
それは自分のことを書いてますか?それとも想像上の誰かをテーマにして書いてます?
TOMOHO:割と半々というか、結構自分のことでもあるんですけど。制作の締め切りがすごく近いのもあって、すごくハイになってるというか。半ばやけくそのような状態で生まれた歌詞なので。あとやっぱりまず音があって、それにどんな英語の単語がはまるかとか、音から始まるので。だから、結果的にはそのチョイスしてた単語ってはまるピースみたいなのをはめてった中で、整合性が取れてて、かつ自分の言いたいことが言えるみたいな。全部がはまるところを探す作業をした結果、歌詞の内容が決まるんですけど、それとやりたいことがうまく合致した気がしてて。だからアルバムの中でもしかしたら一番手応えを感じたものが『HUMMINGBIRD』かもしれないですね。
『BRITE』はわかりやすく提案しやすい曲だったのかなっていう気がするんですが。
TOMOHO:2曲目か。
『SUMMER TOUR』の前にそれでいいんじゃない?って思うぐらいだから、手応えがあった曲だったのかな、と。
KATO:そうです。僕はかなり一番ぐらい手応えあったですね。
TOMOHO:アルバム制作の割と初期に作った曲で、すごくオーセンティックなギターロックをやりたいみたいな。曲ですごくまっすぐなエイトビートの曲ってあんまりないし、しっかりギターソロも弾いちゃうみたいな。なんかあれができたから、他の曲でもあれだけこういろいろやれたみたいな。枝分かれしてなんかできたのは俺は結構あるかなと思うんだよね。割とアルバムのモードを決めてくれた曲があの楽曲な感じはします。
KATO:そうですね。なんかファーストでやってたことともちょっと違う。
それもすごく聴いてて思いました。
TOMOHO:ピックスクラッチをガンガン入れたりとか。
パンクになったんですね。
TOMOHO:そうです。今回アルバム珍しく全部ほぼリアで録ってて、今まであの、それこそエモらしいミックスのセンタートーンでキラキラさせたリフを弾いてたんですけど、今回は割とザクザクバッキングしたりブリッジしたりとか。まあ『SUMMER TOUR』はフロントなんですけど、いろいろそういう、なんか自分たちの殻をいろんな方向で破りたくて。それの取っ掛かりがポップパンクと普通のギターロックのいいところというか…俺の好きで聴いてた洋楽の美味しい成分集めたいな、みたいな。
今作はポップパンクが結構キーワードに入ってますか?
TOMOHO:最終的なサウンドにそこまで大きく影響はしてないですけど、でもありますね。やっぱり好きで聴いてはいるから。ただ僕らの多分人が出てると思うんですけど、ポップパンクのような、あのライブのアティチュードが全くないので。陰の者ですから。やっぱ悲しい音楽、悲しい歌詞世界を明るくしゃかりきに前向きなアティチュードでやるのがポップパンクだと思うんですけど、俺らは悲しい曲をただただ悲しそうにやるっていうタイプなんで。
そこはエモバンドですね。
TOMOHO:ムカつきながらやるみたいな。ムカつきかな。どっちかというとハードコアとかパンク、メロディックっていうのは。
KATO:やっぱ怒んないとダメですよ。
KOTARO:なんか演奏してて、今回の曲は感情がより出てくる感じがめちゃめちゃある。なんかね、それまでの曲と比べるとソリッドなその気持ちがこう入っていくみたいな。まっすぐ入ってくる感じがすごい。すごく気持ちいいはずなのに、だんだんムカついてくるみたいなところがあって。
KATO:ムカつくようなものかと。気持ちいいんじゃないですか?
KOTARO:それも気持ちいい。
KATO:ムカついてることの方が多いもんね、最近。
TOMOHO:そんな曲ですね。だから結構アルバムのモードを決めてくれるからこそ、2曲目っていう、すごく勢いを出したいポジションに入っていったっていうのもあります。
他に聴いてほしい曲あります?ここはこだわったんだよね、みたいな。
TOMOHO:ドヒさん(インタビュアー)が一通り聴いた中でモーメントと感じた部分があれば。
えー、、、難しいこと言いますね。
TOMOHO:でもHOLLOW SUNSも実はすごく僕OTHERSIDEはかなり聴きましたよ。
本当?じゃあ大きい文字で書いときますね、それ。
KATO:マジでめっちゃ聴いてました。
TOMOHO: Will Yipの音も参考にしたんですよね。Flycatcherだったり、Turnoverだったり、HOLLOW SUNSだったり。
Flycatcher聴いてます?
TOMOHO:Flycatcherめちゃくちゃ今回参考にしました。『BRITE』とかまさにそうですね。
Flycatcher好きな人日本にいるんだな〜。
TOMOHO:いますよ。しかもKatoが教えてくれたんです。
あんな地味なバンドよく聴きますね。
KOTARO:地味ですかね。
地味っていうか、だからあんま目立たない。Flycatcherもっと大きくなってほしいバンドではありますが。
KOTARO:声が、声がええよ。Flycatcherめっちゃいいバンドだなって思う。
TOMOHO:そんなFlycatcherが好きなドヒさんが今回のアルバムでモーメントと感じた…何かこういう音入ってたじゃん。あれいいねみたいな。あります?
難しい。。。でも、全体的にそのPolar Bear ClubとかTransitっぽい感じになってるのがかなり意外でした。今まで割とミッドウェストっていうキーワードで、ANORAK!を聴いてたから。でも、要所要所にそれが入ってくるか「らしいなー」と思う時もありますし。でも、ストレートになったから、それがどの曲っていうよりはね、アルバム全体の流れがすごい押せ押せで来るから、意外だな、と。
TOMOHO:押せ押せのアルバムにしたかったんですよね。
期間も短いとそうなりがちですよね。
TOMOHO:それも多分に影響してますよね。じっくり作り上げるというかは、今のこの俺たちの状態をなるべくそのままやっぱり出したかったから。で、なんならツアーもしちゃってるし、全員もうそのバンドハイになってるから、なんかパキパキなアルバムになってるっていうのはある。
短い期間で作ると、アルバムのテーマがギュッとするし、長いスパンで作ると、いろんなこんな曲もある、あんな曲もあるみたいになりがちで。
TOMOHO:でもそういう何かいいものを作れたタイミングって、結局いろんなことで忙しい時にギュッとした時間で作ったものが、結局すごい純度高くていいものを作れてる気はしてるんですよね。なんかそのいいところが出たのかなっていう気はします。スタジオで録りながら、もうその場の思いつきでこういうアルバムの曲の流れにしましょうとか決めたり、ここにシーケンスを入れましょうとか。録っていた素材がたまたまミュートしてなくて流れて。あ、これそのまま残したいですとか。慌ててスマホから友達のボイスメッセージとか探して入れたりとか。
KATO:あれもありましたよ。本当にまんま全部ずらすみたいな。
KOTARO:タイム感がちょっと早いみたいなね。
TOMOHO:なるべく粗いまま残したかったんですけどね。Kato君、ちょっとどうしても気になるって言っちゃって。ミスタッチすら残したいみたいな。感じでした。

ミスタッチすら残したいっていうのはだいぶ根性ありますね。
TOMOHO:なんかもう何かを追い求めるのをやめようと思って。セカンドとか特に。UKガレージ、ツーステップとかダブステップとか何でもいいんですけど、そういう自分たちの元にある音楽じゃないところに何かこう、別のものを見つけたいみたいな時に、やっぱり今の自分たちの知識と経験じゃ、「それ本物にたどり着けてないんじゃないか?」みたいなコンプレックスがずっとあって。でもそれって自分たちだけで、結局その出来上がったものしか人は見ないわけだから、そこに自分たちの認識してない面白さが絶対あるというか、「そのままでよくね?」みたいになっちゃって。だから、この今のまま自分らが面白がってるのをなるべく拾うことの方が大事だなと。完璧な音源を作ろうって全然思わないし。それこそ完璧な音源なんか別に今いっぱいあるから作んなくていいじゃん、とすら思ってるっていうか。それよりもこの4人であることみたいなのがドキュメントできる方がバンドの魅力としては一番いいよね、っていうのはすごくありますね。まあ同時にめちゃくちゃ練習もしてますけど。なんか全部多角的にそうやってバンドに対しての考え方っていうのをどんどんいろんな方向から見て、何が自分たちのバンド哲学にフィットしてるのかなってずっと探しながらバンドやってて。それが今一個いい形になってきたんじゃないかなって。
KATO:それだとウンコみたいになっちゃうよ。
TOMOHO:そう。まあでも一本グソみたいなもんだよね。お前らだから準備はいいかみたいな。
KATO:そのあれだと結構ウンコなっちゃう。でっかいウンコになっちゃう。
TOMOHO:です。
もう腹を括るしかないなと。 /TOMOHO
こういうところがANORAK!のいいところだと、思ってます。では、ツアーの話を。初日、Age Factoryが対バンで、皆さんのキャリア的には大きい会場ですか?
TOMOHO:はい。自分たちの冠としてやらせてもらうっていう中では 最大キャパではありますよね…?
KOTARO:あります。
なんていうか、今までで一番でかいツアーなわけですよね?どういう心情ですか?
TOMOHO:いや、あの…気合いです。
ツアーの規模感も自分たちで決めたのか、それともエイスケ君と決めましたか?
TOMOHO:エイスケ君の「どんどんやろうよ」という意見も多分にありつつ、自分たちとしてもどんどんツアーの規模は大きくしていけたらいいよね、っていう話はしてて。だから、お互いの目指すところがちょうど合致して。
レーベル側とバンド側と?
TOMOHO:そう。ちょうどやりたいねっていう。で、制作していただいてみたいなのが今回なんですけど。気合いでしょう。というか気合いないのなんて意味ないですから。
KATO:どのくらい普通に来るのかなっていうのは僕は気になりますね。
TOMOHO:とかもありつつ、別に最大規模だなんて全く思ってないですね。
規模というより、超えたいハードルを自分たちで設けたみたいな感じですか?
MIKURU:元々やりたいなっていう話はしてたけど…
KOTARO:LIQUIDROOMだけ先に 1年以上前ぐらいから押さえてたんだよね。で、それをどうしようかみたいな。
TOMOHO:だからLIQUIDROOMに関しては割と最初の発想としてはチャレンジ的な要素はありましたね。
MIKURU:各々のメンツもやりたいなっていう名前は出てたりしたバンドですけど、いざこうツアースケジュールで並べてみたら、おおみたいな。気合いは入ってるなっていう。
TOMOHO:結果としてすごく意味のある共演だし。あと自分たちとシーンだったり文脈が割と近いというか、元々交流のあるTexas 3000とかTIVEもいたりして。なんかすごく、嘘がないというか。
KOTARO:なんかインディペンデントにやってる人が 結果的に多くなってる感じありますよね。
それは結構こだわりました?
TOMOHO:意図せずですね。自然と自分たちがいいと思うもののアンテナが同じ方向を向いているというか、やっぱり俺らいいよね、っていう。制作チームやライブのチームも含めて、すごく意識の高い人たちばかりなんです。そういう意味では、現実的に自分たちはまだその途中にいると思うので、ステータスの違いはありつつも、ライブでどこまで気合を見せられるか、お客さんにどれだけ自分たちの気合やアルバムの世界観を感じてもらえるか。そこが今、全力で取り組むべきところだと思っています。だから、共演バンドのライブのクオリティにあまり圧倒されすぎず、自分たちの魅力をまっすぐ伝えられたらなと思っています。それだけだよね。
KATO:食らっちゃうんだよな、でも俺。
TOMOHO:Katoは食らっちゃうね。
KATO:良かったら普通に食らっちゃいますよね。
仕事はされながらバンドやってるんですか?フルタイムバンドマンっていう感じではまだないって感じですか?
KOTARO:現状はそうですね。

フルタイムバンドマンになりたい。結構ここ分かれ道だと思ってまして。フルタイムのバンドやってなくても、自分たちがかっこいいと思うものを自分たちと同じ目線のお客さんの前でやって、時間を共有したいっていうバンドスタイルの人もいれば、「いや僕らこれをちゃんと仕事としてやりたいんです」っていうバンドマンの方がほとんどで。フルタイムでバンドをやることで濁りが出てくるぐらいだったらやりたくないっていう可能性もあるのかなと。Age Factoryは多分それができたから、今彼らはああなってるとは思っていて。濁りがない状態でやりたいから、メジャーでもやらないでインディーでっていうところで、自分たちで全てをやる。DIYになる。それ結果、濁りがなくなること。でも、それをフルタイムでやってお金を稼ぐっていうのはすごく難しいことだなとも思っていて。そこを目指すのか、いや、フルタイムじゃなくても、自分たちの好きなことをまず念頭に置いてやり続けることが目標なのか、どこら辺を皆さん思ってるんでしょう?
TOMOHO:結構難しい。まさにそこは今もずっと各々が揺らいでいる部分っていうのはありながらの活動ではあったんですけど、ちょっと特殊だなって思うのは、このバンドは本当にそういう見せ方とか楽曲とか、そういうブランディングとか含め、やっぱり僕の発信から始まるバンドで、かなり僕がこうしたいっていうのをみんなに伝えて、みんなが寄り添ってくれるっていうやり方だよね。
KATO:そうね、究極なんならTomohoだけがそういうフルタイムでバンドの状態にあれば、僕らはもちろん協力するし。
TOMOHO:結構難しい問題ですよね。でも、このバンドは僕の発信から始まっていて、僕が「こうしたい」というビジョンをみんなが面白がって寄り添ってくれるスタイルでやってきました。ただ最近は、中途半端な時間の使い方をするくらいなら、自分がバンドに全時間と全エネルギーを全ベットした方がいいんじゃないかって本気で思っていて。このアルバムを作り始めた頃から、もう腹を括るしかないなと。
KATO:例えばTomohoがフルでバンドに集中したとしても、僕らのパンクらしさだったりとかっていうのが消えることはないんじゃないかなって。Tomohoにはそこは全幅の信頼を置いてます。現状僕は、もうどうなってもいいというか、ヨスティー状態(※世捨て人のこと)、あとは野となれ山となれ状態なんで。
Katoさんがヨスティーなのは知ってます。
KATO:だからもう任せてます。
TOMOHO:逆に各々のライフバランスにそこまで足を踏み入れることをちょっと避けてたところあるんですよ。なんかみんなどうするつもりなの?みたいなところまでは言わないというか。今俺は自分の音楽制作に全部時間使いたいし、ANORAK!はやっぱりそれをすごく良いものにしていくことで良くなっていくバンドだから、すごく寄り添ってくれるんですよね。

ANORAK!
FINGERS CROSSED
2026年10月21日(水) / 0A-005 / CD ¥2,500(税込)/LP 未定 / Label:OA
配信価格: アルバム ¥1,833(ハイレゾ版 ¥3,666)/各曲 ¥255(ハイレゾ版 ¥510)
01. FINGERS CROSSED
02. BRITE
03. SUMMER TOUR
04. FINCH 2 STEP
05. WE GREW
06. CHILDLIKE
07. ROADKILL
08. DA BOYS
09. DARKISH GREEN
10. HUMMINGBIRD
ANORAK! Presents FINGERS CROSSED Tour 2026
11月27日(金) 東京・恵比寿LIQUIDROOM(レコ発)
OPEN 18:45 START 19:30
出演:ANORAK! / Age Factory / Texas 3000
12月10日(木) 名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 18:15 START 19:00
出演:ANORAK! / ENTH
12月11日(金) 横浜F.A.D
OPEN 18:30 START 19:00
出演:ANORAK! / NOT WONK
12月20日(日) 大阪・難波Yogibo META VALLEY
OPEN 17:15 START 18:00
出演:ANORAK! / KOTORI
12月21日(月) 奈良NEVERLAND
OPEN 18:30 START 19:00
出演:ANORAK! / aryy / TIVE / Texas 3000
<全公演共通>前売 ¥4,000 / 当日 ¥4,500(税込)
▲ ANORAK! Official HP https://anorak.jp/
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▲ ANORAK! Instagram https://www.instagram.com/superniceboys/
▲ ANORAK! YouTube https://www.youtube.com/@anorak_official