LIVE REPORT

G-FREAK FACTORY "山人音楽祭 2018" LIVE REPORT!!

Report by Mame

Photo by HayachiN

 

 

2018.09.23 G-FREAK FACTORY “山人音楽祭 2018" @ヤマダグリーンドーム前橋




茂木洋晃(Vo)は「群馬には、意地を張ってやってるフェスやバンド、マイク持ちがいる。G-FREAK FACTORYはそのお山の大将をやってるつもりなんだけど、その“山”が日本一じゃないといけない」と話していた。それが群馬県に住み、群馬から発信してきた彼らの意地でもあり、彼らの役目でもある。彼らがお山の大将であること、そしてその山が日本一であることを確信させられたのが、初の2日間開催となった今年の「山人音楽祭」だった。

開演前には高崎頼政太鼓が躍動感あふれるパフォーマンスで場内を温め、開演時刻になると群馬のラッパー・NAIKA MCがフリースタイルで開会宣言。さっそく群馬のアーティストたちがその意地を見せつける。

この日の赤城ステージのトップバッターとして、スタートダッシュのごとくマイナーコードに乗せた激しいメロディアスなハードコアチューンを連投し、HATANO(Dr)が思わず「朝イチからいいじゃねえかよ!」と声を上げてしまうほど、場内をヒートアップさせていったのはHAWAIIAN6。彼らは「GUNMA ROCK FESTIVAL」の前身イベントがライブハウスで行われていた頃から出演している。「自分たちのことよりも先に群馬のことを言う、頭の悪いやつ」と独自の言葉選びでG-FREAK FACTORYを称したHATANOは、彼らが「シャッター商店街の増えていくこの街を活気付けたい」との思いから群馬でイベントを始めたことなどを明かし、「まさかこんな規模になるとは」と感激した様子を見せていた。




ROTTENGRAFFTYは「限りない故郷に愛を!」とG-FREAK FACTORYの歌詞を叫ぶという愛に満ちたパフォーマンスでライブをスタートさせる。ROTTENGRAFFTYは「長年連れ添った」と表現できるほどにG-FREAK FACTORYとはほぼ同じような道を歩んできた。地元で主催フェスを行い、地元から発信し続けるという意味でマインドも同じ。N∀OKI(Vo)はそんなG-FREAK FACTORYが背負う群馬についても「京都と群馬はまるで姉妹都市のよう」と親近感を抱き、バンドは「夏休み」「70cm四方の窓辺」「金色グラフティー」などのナンバーで、まるで地元のように場内の一体感を生み出していた。




パンキッシュなサウンドを鳴らしつつも、レゲエの精神や音楽的要素をしっかりと踏襲しているG-FREAK FACTORYならではラインナップとして、赤城ステージの3番手に登場したのはFIRE BALL with HOME GROWN。彼らは軽やかなハンドクラップに乗せた「Reggae Bus」や、ダンスホールレゲエナンバー「Raggamuffin」など、さまざまな表情を見せながらレゲエの素晴らしさを体現していく。また「日本にはプレハブ小屋が多すぎ」とG-FREAK FACTORYと同じ目線で日本の現状を嘆き、「孤独な人を孤独にさせないためにもここを楽しみませんか」と「みんなのうた」へとなだれ込んで、ハートウォーミングな空気で会場を満たした。




終始メッセージを畳み掛け、オーディエンスの心を打っていったのはサンボマスター。山口隆(Vo, G)は「俺が知ってる山人って、1人ひとりが優勝できるくらいなんですけど。山人、こんなもんじゃねえだろ」と焚きつけると同時に、イントロや間奏といったボーカルの隙間にもメッセージを叫び続けたり、メンバー全員が全身で音を鳴らしたりと、自らも熱を帯びたライブを展開していく。それでいて、ただ熱いだけではなく「俺たちがなんでここに立ってるのか。お前の不安無くしに来たんだよ」「自分殺してえとか、手首切るとかじやなくて、ニコニコ笑うこの居場所選んでくれよ!」と優しい言葉と共に「輝きだして走ってく」を力強く歌い上げるなど、観客の心の隙間にもするすると入り込んでいった。




東京スカパラダイスオーケストラは、緻な演奏と軽快なスカチューンで観客を踊らせていったのはもちろん、お得意のコラボパフォーマンスでもオーディエンスを喜ばせる。しかし、そこはスカパラ。コラボ相手の登場の仕方にも一工夫が凝らされていた。マイナー調の「Samurai Dreamers <サビレルナ和ヨ>feat.TAKUMA(10-FEET)」のイントロが始まると、スーツ姿の10-FEETのTAKUMA(Vo, G)がステージに登場するも、すぐには演奏に入らず、まずはお手並み拝見といった様子で谷中と殺陣のパントマイムを見せる。そしてチャンバラの決着がつくかつかないかのタイミングで歌い始め、スリリングな掛け合いでオーディエンスの興奮を煽っていく。さらに谷中が「もう1曲歌っていけよ!」と声をかけ2組は「閃光」もコラボで届けた。




イベント会場の外に設けられた、ご当地メニューやフェス飯の店が立ち並ぶフードエリア「MAEBASHI PARK PARTY」。そこに用意されていた寄せ書きボードに多く見られたのが「UVERworld、群馬に来てくれてありがとう」との文字だった。年がら年中、機材車で日本中を駆け回るバンドが多くラインナップされた「山人音楽祭」の出演者の中で、そう頻繁に群馬に足を運ぶことのないUVERworldすら呼んでしまえるのがG-FREAK FACTORYであり、「山人音楽祭」なのだ(UVERworldも年中、ライブを行う生粋のライブバンドであることは付け加えておく)。彼らは初出演となった「山人音楽祭」にTAKUYA∞(Vo)いわく「自分たちの信じる一番いいセットリスト」をひときわダイナミックなステージングで届けていった。誰も口にこそしなかったが、UVERworldとG-FREAK FACTORYの付き合いは古く、互いにリスペクトし合う理由はUVERworldの前のめりなステージングを見れば明らかだったと思う。




10-FEETは「太陽4号」をしっとりと歌い上げたあと、KOUICHI(Dr, Cho)に「面白いこと言ってくれ」と振ってみせたあとには、またもや「蜃気楼」をエモーショナルに届けるなど、TAKUMAが楽しげに歌唱していたスカパラのステージとは対照的に、自らをも鼓舞するようなヒリヒリしたパフォーマンスを見せる。TAKUMAが「G-FREAKは俺らが次の目標をなくしたときにいっつも次の目標を教えてくれた。いつもヒントとかいろいろ……何よりも勇気をくれてます」「意地でもいろいろこじつけてやってる。その理由の1つが『山人音楽祭』。いつも理由と目標をありがとう」とG-FREAK FACTORYへの思いの丈を語り、バンドはさらに「その向こうへ」「ヒトリセカイ」とミディアムチューン多めのセットリストで、オーディエンスの感情を揺さぶり続けた。




……と、ここまでメインステージである赤城ステージの様子をレポートしてきたが、「山人音楽祭」にはほかに榛名ステージ、妙義ステージと合計で3つのステージがあり、すべてのステージに特徴やドラマがある。この日で言えば、榛名ステージに出演したアルカラは、昨年の「山人音楽祭」にて、出演者に配布されるダルマに左目を書き入れ「来年も『山人音楽祭』に出られたらダルマの右目を入れる」と宣言して、1年間このダルマを持ち歩いてライブを行ったと言う。そして見事、今年のステージで右目を入れることに成功した(今年また新しいダルマをもらったため、また1年間、ダルマを持ち歩くことになるらしいが)。屋外の妙義ステージでは恒例の「山人MCバトル」が今年も白熱。この「山人MCバトル」は計12名のラッパーがフリースタイルのトーナメント戦に挑戦し、オーディエンスの歓声や拍手で勝敗が決まる。今年は開会宣言も担当しG-FREAK FACTORYともコラボしているNAIKA MCや、ROTTENGRAFFTYのN∀OKI、群馬の小池潔宗などが熱戦を繰り広げた。接戦の末、チャンピオンの座を獲得したのは輪入道。また茂木は「群馬のバンドに耳を傾けてほしい」という思いから、初日の全ステージのトリを群馬出身のフロントマンが所属するバンドにしたと話していたが、この日の榛名ステージのトリも群馬出身のFOMAREだった。彼らの人気は今や全国区ではあるが、高崎のライブハウスで育ち、今も節目には必ず高崎のライブハウスに帰ってくる。「GUNMA ROCK FESTIVAL」時代からこのイベントには遊びに来ていたと言う生粋の群馬の元ライブキッズの彼らは、10-FEET終わりで次々と駆け込むファンと共に、闘志に満ちたライブでその爪痕を残した。

そしていよいよ赤城ステージにG-FREAK FACTORYが登場。原田季征(G)、吉橋伸之(B)、渡部“PxOxN”寛之(Dr)、サポートキーボディストが、インストゥルメンタルナンバー「大地の勇者たち」で場内をバンドの世界観に誘ったところで、茂木がゆっくりと登場する。彼が「『山人音楽祭 2018』最後のステージいただきましたG-FREAK FACTORYです」と雄叫びのような声を上げると、バンドは性急な「Unscramble」、三線による和の音色が彩る「REAL SIGN」を続けて、場内をパンキッシュなムードに染め上げた。茂木が「始まったら終わるんです。なんとか2日間できそうだ、ありがとう、みんな」と寂しそうにつぶやき「風林花山」を歌い始めると、場内からは大合唱が湧き上がる。



この瞬間、はたと気付いた。「山人音楽祭」の会場、ヤマダグリーンドーム前橋は前橋駅からも、新幹線の停車駅・高崎駅からもそれなりに距離がある。つまり多くの来場者は、群馬県民はもちろん、他地域からの来場者も、会場に向かうまでに、群馬県の山々を目にし、赤城山から吹き下ろされるという強い風を感じてきているのだ。茂木が全国各地で「日本のアフリカ」と呼び、しかし愛してやまない群馬県の空気を吸った来場者たちは、群馬をモチーフにしたドラマおよび映画「お前はまだグンマを知らない」の主題歌である「風林花山」が、もう他人のものには思えなかったはず。会場いっぱいに「風林花山」の大合唱が広がった様子は、この日のハイライトの1つと言えるだろう。ここからライブはさらにエモーショナルに。茂木がいつものように客席に進んで歌唱した「Too oLD To KNoW」「ダディ・ダーリン」では、早口でまくし立てるように届けられる歌詞や、いつも以上に熱のこもった叫びのような茂木の歌声に、ドームのオーディエンスがじっと息を飲んで見守り、バンドの熱演や彼らのメッセージに賛同するかのように、フロアからは何度も大合唱が発生した。

後半、茂木は「ここに集まった全員をライブハウスに連れて行きたい。もうちょっと群馬県民に災害意識を持ってもらいたい。この2日間でたくさんの人と知り合ってもらいたい」とこのフェスへの思いを語る。「GUNMA ROCK FESTIVAL」が3年で終わったことに言及し、「誰もこのフェスの4年目を見てねえんだ。だから今年3.5年目に挑戦した」と今年の2DAYS開催に踏み切った経緯を説明し、来年も必ず「山人音楽祭」を開催できる確約はないと正直に話しつつも、「もし来年もやれたら必ずここで会おう」とオーディエンスと約束を交わした。そしてマイクを下げると、肉声で「このフェスのトリは地元・群馬のG-FREAK FACTORYでした!」とドームいっぱいに響く声を上げ、バンドは最後に穏やかに「EVEN」を届けた。




この日のアンコールがまた面白かった。G-FREAK FACTORYにとってテーマソングとも言える「日はまだ高く」をバンドが演奏し始めると、茂木はさっそく客席へ進む。するとステージにはROTTENGRAFFTYのN∀OKIがフリースタイルで登場したのだ。茂木とN∀OKIはステージとフロアで自由に掛け合いをし始め、レゲエミュージックの音楽の自由さやライブの面白さを見せる。途中にはN∀OKIがフロアにいる茂木に向かって「茂木ー! 群馬最高やなー」と声をかけ、フロアの観客と一体となった茂木が破顔するというひと幕も。バンドのタイトで軽快なサウンドに乗せて、ステージには続々と出演者が集まり、柔らかな空気感で満たされる中、茂木が「『山人音楽祭』、大成功!」と2日間を締めくくった。

一体感にあふれた会場を見て、茂木はこの日何度も「本当にこれ群馬かよ!」とうれしそうに声を上げていた。そんな光景……“日本一のお山”を生み出したのは、間違いなく、G-FREAK FACTORYと、彼らを信頼しリスペクトして集まった仲間たちである。さらに言えば、群馬のバンドシーンを途切れさせず、ライブでは自由に踊り、暴れ、でも信用する人の声や信頼するバンドの音には耳を傾けるという、サンボマスター山口の言葉を借りれば「全員優勝できる」ような、ルールではなく個々人のモラルやマナーを育ててきたのも、G-FREAK FACTORYとその仲間たちである。今年初めて3年の壁を破った「山人音楽祭」。ぜひ4年目も、もっともっとその先も見たい。







【SETLIST】
G-FREAK FACTORY
1. 大地の勇者たち
2. Unscramble
3. REAL SIGN
4. 風林花山
5. Too oLD TO KNoW
6. ダディ・ダーリン
7. EVEN
en1. 日はまだ高く




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