CULTURE

SC’19開催直前! アーティストインタビュー:Hirotton

Phorograph by Ryo Kuzuma, Text by Genty, Edit by DMRT

SATANIC CARNIVAL’19開催直前特集!今回は3回目の参加、ライブペイントを担当するグラフィックアーティストのHirottonに話を聞いてきた。スケートボード、ファッション、ハードコアパンクのアートワークを中心に国内外問わず活動している彼のイラストは、一本芯の通った無骨なこだわりを感じさせてくれる。パンクロックを聴いて育ち、DIY精神を掲げ、何人にも頼らず自分の世界を切り拓いていく彼のスタンスに、バンドマンやアパレル関係者は絶対的な信頼を置いている。今年は、どんなライブペイントを行うのか。そして改めてHirottonのアート的なルーツを教えてもらおう。


"DIY精神でなんでもやる。チャレンジしてわかることってあるじゃないですか"

ーSTANIC CARNIVALに参加するのは何回目なんですか?

Hirotton:今回で3回目ですね。半分参加させてもらっていることになりますね。

ーSTANIC CARNIVAL当日はどんなことが楽しみですか?

Hirotton:僕は普段、ライブペイントをあんまりしないので、あの大きなサイズ感で短時間にライブペイントすることに挑戦できるのが楽しみなんです。会場については、外にスケートパークみたいなブースがあるのもいいですよね。カルチャーがクロスオーバーしている感じがあって好きです。

ーライブペイントの際、何か事前に準備することはありますか?

Hirotton:自分の場合はデザインが細かいから、あらかじめ全体の構成を考えていかないと絶対に時間内で終わらないんですよ。今日も当日ライブペイントするラフを描いていて。次はこんな感じでやろうって感じで、大体の配置を決めています。



ーSTANIC CARNIVALに対しては、どんな印象がありますか?

Hirotton:やっぱり例年、自分よりも若いお客さんが多いですよね。でも、普段から自分がいるパンクやハードコアシーンにいるバンドも出演しているというのが他の大型フェスにない特徴だと思います。今年で言うと、仲良くしているOLEDICKFOGGY(6月15日のEVIL STAGE 16:10)が出るのが楽しみです。世間的にも人気があるバンドと、アンダーグラウンドで活動しているバンドが入り混じって、大きな会場でライブしているのがいいですよね。自分以外にもライブペイントをしている人がいるし、アプローチの面でも新しさを感じています。


 


ーOLEDICKFOGGY以外に、今年のラインナップで注目しているバンドはいますか?

Hirotton:SMORGASですね。僕はTシャツなどのシルクスクリーンプリントの仕事もやっているんですが、一緒にやっているメンバー、友人の従兄弟らしいんですよ(笑)。これ、最近知ったことなんですけど。だから観なくちゃな、と。

ー改めて、Hirottonさんのデザインやアートワークのルーツを教えてください。

Hirotton:もともとはスケートボードのアートワークやハードコアパンクのメッセージ性に影響を受けて絵を描きはじめて。白黒の絵をずっと描いていたんですけど、今はスタイルが進化してきている感じですね。色彩を使ったり、デジタルで色をつけたりして、その面白さや魅力に気づきはじめたところです。それを今回のライブペイントでもできたらって考えています。

 

ー影響を与えたデザイナーやバンドなどはいますか?

Hirotton:バンド、CRASS(クラス:70年代後半から80年代中旬にかけて活動していたUKのパンクバンド)がすごく好きなんです。彼らは「自分の力で何でもやってみろ」っていう、つまりはDo It Yourself=DIYの精神を体現し続けていたバンドです。アートワークを担当しているGEEVAUCHERのメッセージ性やスタイルにも、かなり影響を受けました。自分もTシャツを自分自身で刷っているし、絵にしたって独学で習得したことですし。とりあえず、何でもチャレンジしてみる大切さを彼らから学んだんです。それによってわかることがあるのかなって思います。イギリスにいた期間があるのですが、その頃の経験がモチーフになっているのが家の絵ですね。ダイヤルハウス(イギリスにあるCRASSのメンバーらが集団生活を送っていた家)にも行って、その写真を撮って描きました。

ーモチーフと言えば、Hirottonさんの絵にはガイコツが多いですよね。

Hirotton:それは単純にガイコツが好きだからですね。自分の選ぶモチーフは主に2種類あります。1つはメッセージが強いもの、もう1つは自分が好きなもの。好きで言うと、他には花や家、毛並みが描ける感じの鹿とか粒粒が多い爬虫類系とかの生き物も好きですね。細かく描きこんでいくのが好きなので。

ーでは、今後の企画していることがあったら教えてください。

Hirotton:6月28日から原宿にあるSan Francisco Peaksというレストランでアートショウ「SHAKEDOWN BOULEVARD」を行います。期間は6月28日から7月7日まで。初日の6月28日にはオープニングパーティを開催して、友人のバンドやDJも出演するので、よかったら是非来てほしいですね。ライブもカッコいいと思いますし、展示自体も楽しめるものを企画しています。
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