ONE'S PROPERTIES Vol.02:Kazuki from SHADOWS
SATANIC ENT.がお届けするアーティストの私物紹介的な特集企画。
バンドマンのルーツは、どんなモノがあるのだろう。それを音楽、ファッション、その人のクリエイションから探ってみる。
第2回目はSHADOWSのGt&Vo、Kazukiにフォーカス。バンドだけではなく、NU BURRITOSというショップで提供するブリトーをプロデュースし、ブランド、Weird Nerveもディレクションする。その、どのアウトプットにも自分自身のライフスタイルを投影し、何よりも自分らしく生きている。今回はWeird Nerveを共同運営するCOUNTRY YARDのYu-ki MiyamotoとHOLLOW SUNSのShuhei Dohiにも同席してもらい座談会ベースで話を聞くことに。普段から一緒にいる3人なだけに色んな方向に話が飛んでいったけど、そこは割愛!
各々の発信についてKazukiが今、考えることは何か。コロナ禍による被害が大きい中での取材となったが、リアルな思いと力強いメッセージをインタビューを通して受け取ってほしい。
about NOW
SHADOWSと現在の状況を踏まえて
ーこの連載はバンドのことから始まり、アーティストが音楽以外にどんな趣味や仕事をしているかのライフスタイルを伝える企画です。コロナ禍がシーンに影響を及ぼしている最中ではありますが、最近のSHADOWSの状況から教えてください。
Kazuki:知っての通り、ライブができないので今は作曲したり他にもこういう状況だからこそできることはないかってことをメンバーとも相談しているところです。例えば、スタジオセッションの様子を面白い形でカッコよく発信できないかな、とか。
ー個人的な話なんですが、先が見えない状況が長く続き過ぎて、ちょっと参ってきています。
Kazuki:「次、いつライブができるんだろう。ライブハウスに行けるんだろう」ってことは誰もわからないと思うし、みんなギリギリの状況だからね。オレたちは結局バンドマンだから、バンドにしかできないことを何かしたいと思っているんだよね。自分のためにやっていることを確認したいし、生きていくために、人のためになることを今までできていたのか、それをもう1回、自分たちが確実にカッコいいと思えるやり方で何かをやりたい。そんな風に考えて形になるようにしていけばバンドって終わることはないのかなっていう。来月なのか半年後か1年後か、この事態が収束するのがいつになるのかはわからないけど、その未来へ向けて、単純に待つだけじゃなくてバンドとして成すべきことを模索している状況だね、SHADOWSは。ライブハウスってバンドにとって最強の武器だから、それが営業できない状況でバンドマンとして何をするのか。これって難しいよね。ライブハウスでライブをやらずとも、それと同じくらいの衝撃を受けとる人に与えなくちゃいけないから。
ーちなみに、SHADOWSは2019年のSATANIC CARNIVALではEVIL STAGEのトリも務めたわけですが、2016年のスタート時と今ではバンドへの向き合い方において変わった部分はありますか?
Kazuki:そもそもオレが最初にバンドを始めてから25、6年が経ったわけで。そんなに長くずっとやっていると完全に生活の一部になっちゃってるから特に意識的に大きな変化があるというわけでもないんだよね。意外と淡々と進んでいくというか。その中に自分の価値を確認していかないと、ここまで続けられないと思う。でも、そうだな……SHADOWSを始めた頃は、(FACTをストップさせて)また新しいバンドをしっかり作り上げて、どうにか動けるようにしようって思いで頑張ってハイペースに活動してきたんだよね。
ーそうですよね。
Kazuki:それが定着してきて、やっぱり無理して活動するようなことはしたくないなって感じるようになったかな。アルバムをリリースするために無理やり曲を作るんじゃなくて、作りたい曲が溜まったらアルバムという形でリリースしようって考え方で。特に自分がやるバンドに関しては、スケジュール通りにプロジェクトを完成させる感覚というよりは、流れで出来上がっていったもので最終的に作り上げられているみたいな。今はそんなメンタリティかな。
ーまさに食事するくらい自然体でバンドを続けていると。
Kazuki:そう、食事するくらい当たり前。「メシ食うか」=「スタジオ行くか」みたいな。「メシ食うかー、でも作るのめんどくせぇな」みたいな(笑)。そんぐらいだよ。
about ROOTS MUSIC
ギタリストとしての原点Strung Outと初期衝動を揺さぶられたOperation Ivy
ーなるほど(笑)。KAZUKIさんの音楽的なルーツというと?
Kazuki:なんだろうなぁ、どの辺りが良いと思う?
Shuhei Dohi:オレ、Strung Out(ストラングアウト)なんじゃねぇのかなーと思っていましたよ。
Kazuki:あ、それだ。Strung Outはすげぇルーツっすね。1stアルバムの『Another Day in Paradise 』(1994年リリース)からの4作は網羅して聴き込んでた。特に3rdアルバムの『Twisted by Design』(1998年リリース)は特に聴いたね。これはギターも1番コピーした。
Kazuki:あ、でも1番聴いてたのは『The Element of Sonic Defiance』(2000年リリース)かも。これはアルバムじゃなくてEPで、1曲目「Mission to Mars」のイントロがサーカスを彷彿させる入りなのが良いんだよなぁ。特にこの作品は1枚通してテーマ性が多分あって、楽曲ごとに繋がりがある。この作り方は、むしろFACTのときにすごく影響を受けていたと思う。今現在には直接的に繋がっていないかもしれないね。そう考えると、昔から今も聴いていているのはOperation Ivy(オペレーションアイヴィー)だったり。
ーそうなんですか! ちょっと意外な気が。
Kazuki:Operation Ivyの方が早く出会ってるからね、14歳くらいだったかな。そこから、メタリックなギターリフのバンドが好きになっていってStrung Out、NOFX……といった具合に聴くようになって。そんなメタリックなパンクを好きになっても、やっぱりOperation Ivyはボーカルのフロウがすげぇ好き。リリックを畳みかけて歌うパートだとか、BPMだけではないスピード感があると思う。
ーOperation Ivyはティム・アームストロングがRANCIDスタート以前に在籍して80年代後半に活躍していたバンドなわけですが、入り口はやはりRANCIDでした?
Kazuki:そう、RANCID。RANCIDに出会ったのもジャケがカッコいいからって理由で。3rdアルバムの『...And Out Come the Wolves』をHiro(SHADOWS、Vo)と×××しに行って。
一同:爆
ーテクニックよりもアティチュードというか。精神性において現在に繋がるところがあるのかもしれないですね。
Kazuki:最近、曲を作っているときに、あれこれギミックを加えようとすると面倒になっちゃうときもあるんだよね。考えて考えて作り込むよりも、ナチュラルにやっている人の方がカッコよく見えてきちゃって、ここ2、3年は。10年位前は「変拍子、めちゃくちゃかっけぇ」とか思ってたんだけど、最近はもっとシンプルにカッコいいものがよい、と。それって、10代の頃にオレがパンクに出会った瞬間のノリに近いのかもね。RANCIDを初めて聴いたときも、そういうギター弾きたいとは思わなかったけど、単純にカッコいいっていうのはすごく感じた。なんか聴いているだけで自分がワルくカッコよくなれている気がするというか(笑)。そっち寄りになってきているのかもね。
ーラフだけどストレートでカッコいい。そういうものは時代を超えて憧れますよね。
Kazuki:それだけじゃなく、そこにひとヒネりアイディアを与えたくなるから、素直になりきれない部分も未だにあったりするけどね。
about FASHION
カッコいいに理由はない。ブランドWeird Nerve
ーでは、音楽から派生し、KAZUKIさんがディレクションを手掛けるブランド"Weird Nerve(ウィアードナーブ)"のことも教えていただければ。
Kazuki:Weird Nerveはオレ1人じゃなくてドヒとミヤモ(Yu-ki Miyamoto)の3人でやっているんだよ。洋服を作ってみたいなって考えてるときに、誰とやろうかなって。そこにミヤモが連絡をくれて。2人とも昔から見知っている仲だし面白そうだから始めたって感じですね、最初は。
Shuhei Dohi:スタートしたのは2017年。最初にYu-kiと何かブランドをやりたいってことを話していて、Kazukiさんに先頭に立ってもらってディレクションしてもらおうって話をしたんですよ。そこでブランドのコンセプトとして、Kazukiさんのライフスタイルにマッチするプロダクトを発信していこうってことを決めて。Yu-kiはすでにSUPER SHRUB SUPPLY(スーパーシュラブサプライ)をやっていたから服作りに関するノウハウもあったし、それぞれ役割分担をしてやっていこうって形で始めました。渋谷のショップ、GReeD TOKYOの店頭でもアイテムを取り扱ってもらっているし、同店のENDさん(フライヤーアーティスト)ともコラボしたりしていて。SUPER SHRUB SUPPLYのポップアップにも置かせてもらったりしていますね。
ーブランド名の意味は?
Shuhei Dohi:直訳するとヘンテコリンな神経みたいな感じなんですけど、やっている3人がちょっと感覚おかしい人たちだからって意味もあれば、人の数だけ感性があって、他人から見ればクレイジーであっても、それが個性っていう逆説的な奇妙さをイメージしています。
ー3人の役割分担については?
Shuhei Dohi:基本的にはKazukiさんディレクションのもとにオレがデザインしてYu-kiがプロダクト製作について管理するという形ですけど、その辺りは3人がそれぞれ楽しめるようにフレキシブルにクリエイティブに、各々が好きなものや作りたいものを意見交換しながらまとめていっています。その辺りはバンドに近いですね。結局、3人ともバンドマンなんで。
ーYu-kiさんは自身のブランドであるSUPER SHRUB SUPPLYをやりながら、どんな思いでWeird Nerveに向き合っているんですか?
Yu-ki Miyamoto(以下、Yu-ki):SUPER SHRUB SUPPLYに関しては自分が自分のペースで自分のモノを作るというスタンス、Weird Nerveは、Kazukiさんらしいモノを、という感じで取り組んでいます。個人的にはあくまでも運営のお手伝い、的な気持ちで関わらせてもらっているところもありつつ、大事なポジションを任せてもらっているな、とも思っていて。SUPER SHRUB SUPPLYは自分のメインとして置いて、Weird NerveはKazukiさんが主役のブランド、という認識ですね。昔から3人でよく遊んだりしていたので洋服を見ると「これ、Kazukiさんっぽいな」とか無意識に考えちゃうんですよ。そこでKazukiさんに「こんなのあったらいいんじゃないですか?」とか意見を求めたり。それに対するリクエストをもらって生地屋とかに相談しにいって。自分じゃないモノを形にするのって意外と難しいんだなって考えながら日々、向き合っています。なんせ体格も全然違うし、Kazukiさんと自分じゃ好きなサイズ感やシルエットも違うから、その好みを自分なりに手繰り寄せながら作っていますね。例えば、カーディガンとかハットはKazukiさん、身に付けないですよね?
Kazuki:着ないなー。
Yu-ki:ーっていうのはWeird Nerveでは作らないんですよね。Kazukiさんが着ない、持たないというものは絶対作らないようにするってことも自分の立場のルールとして持っています。Kazukiさんっぽいモノを作り出すことができればって思っていますね。まぁでも、何を着ても似合うんですけどね、Kazukiさんは。
Kazuki:そんなことないでしょ(笑)。
ーKazukiさんはディレクションするにあたって意識している文化や時代はありますか?
Kazuki:いや、明確には決めていないんだよね。洋服は大好きなんだけど、選ぶときは、色も形もノリで好きなものを着ているし、その好きなもののベースがずっと変わらないから、年代やカルチャーを絞っているようなこともなくて。
Yu-ki:今のトレンドや過去に確立されてきたスタイルに寄らないってところが、Kazukiさんの他と違う部分だと感じますね。それはきっとベースに自分だけのスタイルがあるからってことだと思うんですよ。
Kazuki:カッコいいモノはカッコいいんだけど、そこに理由はないというか。
Yu-ki:でも、何でもいいわけではなく細かいところまで気を配ってセレクトしている点にオリジナリティを感じるんですよね。自分の体型しかり、好きな色味とかも自然と知っているんだなって思うと、トレンドを意識しているよりもずっとオシャレに自分には感じられて。そこをめっちゃ観察するというのが、役目ってところですかね。
Shuhei Dohi:なので、Weird Nerveのアイテムはトレンドを意識していないものばかりですね。最初はTシャツやキャップが多かったんだけど、何年も続けていくと、3人の共通認識として「これはWeird Nerveっぽい、これは違う」っていう世界観が出来つつあるから面白いですね。
ーこの新作TシャツはGReeD TOKYOのENDさんがやられているブランド、OLD X(オールドエックス)とのコラボシャツですね。
Kazuki:うん、OLD Xとは2回目のコラボレートで。ENDくんとの繋がりも昔から深いので、それを形にしたシャツですね。こういうプリント系のプロダクトは比較的、Dohiがまとめてくれることが多いよね。コーデュロイのジャケットに関してはボディから作っていて、ボタンもオリジナル。採寸やディテールまでこだわってるから、Weird Nerveの良さが反映されていると思う。
ーこのコーデュロイJKTはYu-kiさんらしさも感じられますね。
Yu-ki:そうですか? もともとはKazukiさんが持っていたジャケットをアップデートしようとしたのが始まりだったんです。これもサイズ感の決定には手間がかかりましたね。やっぱり、やるならきちんと良いモノに仕上げたいというのは3人共通の思いですし、出来る限りの範囲で理想を実現しようとしています。
Shuhei Dohi:だから他のブランドに比べて利益が上がらないんですよね(笑)。友人に見せても「このジャケット、いちから全部作ってるの?」って驚かれることもあるし。
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Shuhei Dohi:スタジアムJKTとか、特に驚かれましたね。グラフィックを作って刷って売った方がお金にはなるんですけど、こういう風に物作りにこだわってやるっていうのが大事なんだなって、改めて感じるようになりましたね。けっこう冒険しているブランドだと思います、Weird Nerveは。
Yu-ki:Kazukiさんが先頭に立っているブランドだからこそ、なおさらリリースするものに関しては自分たちがこだわって考えなくちゃっていうのは強くありますね。
Kazuki:ふふ、オレは心強いですよ。でも、1番最初の頃はさ、本当に売れるのかなって不安に思うこともあったじゃん。それが意外と乗り越えてこれたから、危機感がマヒしてきて、最近じゃ「大丈夫でしょ、やっちゃおう」ってけっこうな決断をすることあるよね(笑)。
Shuhei Dohi:そうすね(笑)。内心ビビる瞬間がたくさんあるというか、オレは今でもあるんですけど、意外とやってみるとちゃんと受け入れてもらえて。
Kazuki:オレも人生これまで「大丈夫、いけるよ、いける」って感じで来ちゃってるから。単純に周りに恵まれているのと、言霊じゃないけど「大丈夫、大丈夫」がちょっとでも安心感に変わり、それが本当に大丈夫になればいいなっていうのはあるよね。
ーまずはやってみるという。
Shuhei Dohi:そうですね。その辺りはすごく勉強になりました。けっこう振り切ったジャッジをKazukiさんもYu-kiもすることが多いんだけど、そうじゃなくちゃ人を納得させられるようなアクションに繋がっていかないんだなって。
ーKazukiさんはWeird Nerveのプロダクトは実際にヘヴィーローテーションしていますか?
Kazuki:まずは出来上がったものを着てみて、ですね。基本的にオレが好きなプロダクトしかないんですけど、そこで生活に馴染むものもあるし、意外と着る機会がないんだなって気づくアイテムもある。オレ、すげぇ釣りやサーフィンが好きなんで、そういう行動や住む場所にも左右されますからね。新しいアイテムが上がってくると、使ってみて、改善点があったらそこも踏まえて次に活かして、という感じ。やっぱり使い勝手が良いモノが好きだし、生活に合うものがいい。
ー釣りは最近も行かれてますか?
Kazuki:けっこう行ってるね。セイゴやメバルとか、食える魚を釣ってます。
Yu-ki:この間も緊急事態宣言前にKazukiさんから電話があって「身動き取れなくなったら大変だから自分の食い物は自分で獲れた方がいいよ」って。
Shuhei Dohi:家に遊びに行ったら生きた伊勢海老がボールの中に置かれていたり。
一同:笑
Kazuki:持って行ったらみんなが喜ぶ魚を釣りたいじゃん。美味いやつ。やっぱり海の近くで育ったから海が好きなんだろうなぁ。
ーKazukiさんは、まさに海というか。アメリカ西海岸のLA的なイメージが個人的に強いです。
Kazuki:うん、西海岸はすごく好き。やっぱりバンドを通じて好きになったのかな。メロディックハードコア、スラッシュメタル、サンフランシスコのベイエリアとか。あと、中学のときにサーフィンやスケートのビデオを観ていて好きになっていったのかも。そこで音楽の知識も増えていったしね。音楽を含めたカルチャーのカッコよさを知っていったんだよね。blink 182(ブリンク 182)やMillencolin(ミレンコリン)、FACE TO FACE(フェイストゥフェイス)もそこで知ったし。
about OTHER CULTURE
美味いって言ってもらえるメシを食べてほしくて
ーKazukiさんがプロデュースされた"NU BURRITOS(ニューブリトー)"のブリトーもまさにLA、アメリカのカルチャーですし。
Kazuki:今は下北沢のお店の方にはほとんどいないんだけどね。あのブリトーはもっと楽しむ気持ちでライトに始めたんだよ。なんでブリトーなのかっていうと、FACTの頃にやったアメリカツアーがキッカケで。
ーどんなエピソードがあったのか教えてもらってもいいですか?
Kazuki:ツアー中は毎日が移動の繰り返しでレストランでしっかりとした食事を摂る時間もないし、米食いたいって思っても中華料理でチャーハンでも食うか、そこに結局、醤油を入れてるじゃん(笑)なんて、やりとりをしていて、それがすげぇイヤだったんだよね。そんな中、米が入ったブリトーに出会ったんだけど、それがNU BURRITOSが提供しているスタイルのブリトー。それを食ったときにウンコの質が日本にいるときと一緒に戻ったんだよ。
ーえ、ウンコ???
Kazuki:うん、それまでの食事でなんか軽いというか、密度が低いというか。スカスカなウンコになっちゃって。
一同:笑
Kazuki:それで米が重要なんじゃないかってなったんだけど、そのブリトーは味も良かったからね、ハマって毎日でも食えると思ったわけ。それでツアーが終わって帰国する頃にはすっかり好きになっちゃったんだよ。で、時間が経つと、思い出の味的な感じで懐かしくなって自分で作るようになったんだ。それを周りの人に披露すると、みんなが「美味い!」って言ってくれるようになり、徐々に形になっていったんだよね。
ーNU BURRITOSのブリトーは食べたことがあるんですけど、ソースがアッサリして喉越しもサラリとした爽快な食べ心地が印象的でした。
Kazuki:今は休業しているのか、もうないかもしれないんだけど、原宿にButter Knife(バターナイフ)ってレストランがあって、その店を経営していたのがオレの地元の2つ上の沼田っていう先輩で。もう亡くなってしまったんだけど、オレは彼のことをヌーって呼んでたんすよ。だからNU BURRITOSの"NU"は読み方はニューだけど、そのヌーも掛けていて。そのヌーの家に遊びに行ったときに2kg位の冷凍塊牛肉をくれたことがあって「これ、どうやって食うんだよ」って聞いたら「サルサソースの作り方、教えてやっから」って。そこで教えてもらったサルサソースがベースになっているんだよ。
ーアメリカツアーとローカルの先輩の味が重なったブリトーなんですね。
Kazuki:そういうことだね。なんかこういう状況だからね、みんな家にいなきゃいけないからフードカーとかでマンションの前に売りに行ったりして、炊き出しスタイルでやった方が親切だし喜ばれるかもしれないなーなんて最近考えてたけどね。ウーバーイーツは店の方でもやってるみたいだけど。
ーそれはありますね。音楽からファッション、食に至るまで。Kazukiさんのスタイルを教えていただけて面白かったです。
Kazuki:まぁ、何だろうね。こういうインタビューであれだけど、自分らが色々思い描いていたり、憧れだったり、色んなモノをとにかく吸収して成長してきて、今の立場になり、もうオレも40歳になるから、自分の人生について振り返る瞬間も出てきたんだけど、そんなときに世界がこんな状況になっちゃったからね。
ーはい。まったくのクソコロナです。
Kazuki:実際、ライブができないっていうのは、自分の中のモチベーションをすごく削られてしまう部分もある。自分以外の人や文化、周囲のことも考えなきゃいけないけど、まずは自分と周りにいる家族や友人、それを守っていきたいね。もちろんこの状況にもがきながらも何かを作って発表していくんだろうけど、今までと違って直球では勝負できないかもしれない。やり方や自分の存在も含めて、もう1回、何かを作り上げていかないといけないのかもしれないね。このインタビューを読んでくれる人もそうだけど、まずは誰かのために、ではなくて、まず自分のために頑張って生きろ。
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Kazukiがやっている3つのアクション。まだ知らない人は、まず各々のサイトからチェックを。
SHADOWS Weird Nerve NU BURRITOS
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