LIVE REPORT

SATANIC PARTY @duo MUSIC EXCHANGE LIVE REPORT

Text_Teneight

 

Spotify O-EASTとduo MUSIC EXCHANGEの2カ所で開催された、次世代のアーティストにスポットライトを当てた新イベントのSATANIC PARTY(以降サタパ)。Who’s Next連載に登場したアーティストを中心に集結し、次世代らしからぬ堂々としたライブパフォーマンスでオーディエンスを終始魅了させていたこのイベントは、スタート前からその熱気が立ち込めていた。
開始直前にduo MUSIC EXCHANGEに潜り込むと、既にフロアは入場規制がされるほどオーディエンスで溢れかえり、こもった会場の熱気で、じんわりと汗もにじむ。今回サタパでは、マスク着用時のみ声出しOKとなっているが、オーディエンスのリアクションはどうなんだろうか。そして、ほぼ次世代バンドのみのラインナップだが、この規模のステージに物足りなさを感じてしまわないだろうか。そんな不安がよぎりながらもライブ開始を待っていると、Track’sがステージに登場する。

待ち侘びていたバンドが現れると、ザワザワとした話し声は歓声へと変わり「Shade Sun」からスタートする。それに合わせてオーディエンスは飛び跳ね、一気に会場のボルテージも高まる。大きな会場で歓声が沸き起こるのはいつぶりだろうか。久しぶりの光景に気持ちは高まり腕には少し鳥肌もたっている。『パーティー大好きTrack’sです!よろしく!』そう話すと「SURF」を披露し、すでに会場は盛り上がっている様子。最後には「17 years」が流れ、オーディエンスも『やばい!』と興奮気味に叫びながら喜びを露わにしていた。

各アーティストの持ち時間は30分。見入っているとあっという間に出演時間が終わってしまった。声が出せるだけでこんなにも心地良いのかと、つい感動しているのも束の間。次に待ち構えるNESTは、シティポップのようなテイストも感じてしまうほど、耳心地のいいポップパンクバンドで、歌唱力とキャッチーなメロディが印象的なライブバンドであった。決して激しいパフォーマンスをするわけでなく、静かにステージに立ち、真っ直ぐとオーディエンスと向き合い澄み切った歌声を届ける姿に、つい引き込まれてしまう。

フロアにつめかけた大勢のオーディエンスは、リハの段階から声を上げて異様な空間を生み出している。ハンドクラップで花冷え。を迎え入れると、1曲目から会場のボルテージも最高潮で、メロイックサインが会場中に行き渡る。そして、MCを聴いていると、なんとこの日がドラムのサエの完全復活の日であった。それを祝福するかのように、オーデェンスも常に熱く盛り上がるり、最初から最後までバンドもオーディエンスもトップスピードで駆け抜け会場をアツくさせ、後方で観ている筆者も圧倒させられた。

高まった気持ちを落ち着かせライブ開始を待っていると、JasonAndrewが登場。彼らの気迫のこもったパフォーマンスで、オーディエンスの熱量はさらに高まっていく。「Wanted break」では、花冷え。ユキナ(Vo.)が乱入しオーディエンスも暴れ狂い、『かかってこい!』そんな強気な発言で、メンバーも気持ちが高ぶっている様子が窺えた。レゲエやスカやハードコアの要素を散りばめた「Vintage」では、Some LifeのDaiya-tan(Vo.)が登場するなど、フロアの熱気がおさまることはなかった。

名古屋のSome LifeのDaiya-tan(Vo.)は、SEE YOU SMILEとJasonAndrewのライブに登場しラップを披露済み。そんな、引く手数多なボーカルが所属するSome Lifeは、ラップとバンドサウンドを掛け合わせた異彩を放つ存在で、この日もバリエーション豊富なサウンドでオーディエンを虜にする。そして「ナムさん」では、ミラーボールが煌びやかにステージとフロアを彩り、幻想的な空間を生み出していた。「Slow Life」では会場全体で手を振り一体感を生み出すと、潔くステージを去っていく。

ここからはヘヴィーなサウンドのバンドが連なる。『サタニーック!』そう力強く叫んで登場したのは、日韓ハイブリッドバンドのPromptsだ。マニアックなバンドをルーツにし、テクニカルでハイクオリティなライブが魅力のこのバンドは、「Asphyxiate」など常に攻めた楽曲で畳み掛け、PK(Vo.)の図太くテクニカルなシャウトとPiguri(Ba./Vo.)のクリーンな歌声を響かせ、会場を沸かせる。『最後までかかってこい!』そうPKが叫ぶように、オーディエンスもバンドに引き離されることなく喰らいつく姿が印象的であった。

何度も聴きたくなるバランス感のあるメロディとヘヴィなサウンドをかき鳴らすEarthists.。やはりこのバンドの注目度も高く、ライブが始まるとフロア全体でヘドバンが発生し、異様な光景が広がる。「Skywalker」では、GraupelのSota(Vo.)とPromptsのPK(Vo.)にSABLE HILLSのTakuya(Vo.)が乱入。同世代で活躍するボーカルが一同に介し、ステージもフロアも大盛り上がりをみせる。ラストの「HOME」はサビで全員が歌い、拳を突き上げ、Yui(Vo.)も心の底から叫び楽しんでいる。そんな姿が印象だった。

トップバッターのTrack’s同様に入場規制がかかった、トリのSPARK!! SOUND!! SHOW!!。リハ前からノリノリで待ち構える熱狂的なオーディエンスがフロアに溢れ、気合いも充分。1曲目には「ヘビーローテーション」を投下し踊り狂うなか、ENTHのdaipon(Vo./Gt.)が登場し、火に油を注いだかのようにフロアはこの日1番の熱気と声援で溢れる。それにしても、この日のスサシはキレキレだった。ステージ上の設備を幅広く活用しパフォーマンス面でオーディエンスの心を満たすと、卓越したMCスキルで気分までもぶち上げてくれる。最後は機材トラブルで音が止まってしまうも演奏は続き、声出し可能だからこそ出来たオーディエンスとの大合唱で全員でライブを作り上げて幕を閉じた。

 

次世代のアーティストにスポットライトを当て、そんなバンドたちに大舞台を用意し、後押しできるようにと企画されたサタパ。初開催ということもあり様々な不安もある中、トップバッターからトリまで観ていたが、不安など一切不要であった。各バンド、ジャンルやスタイルは違えどそれぞれの想いをオーディエンスにぶちまけ、先輩バンドに引けを取らないライブをしていたのだから。そして筆者も、ついそんな全力でぶつかってくるバンドの姿勢に打ちのめされてしまった。

 

なお「SATANIC PARTY 2022」のライブ映像が、スペースシャワーネットワークのロックバンド応援プロジェクト「GoldKids」のYouTubeチャンネルで順次公開されることが決定した。さらにさらに12月23日からはスペシャオンデマンドで配信開始、2023年1月にはスペースシャワーTVで放送される予定。

「GoldKids」YouTube  https://www.youtube.com/channel/UCCnu9cZQ7qJR2s_FyVIp83Q
スペシャオンデマンド(12/23〜配信)https://vod.spaceshower.jp/p/1L001_S00000_2210070
※スペースシャワーTVでも2023年1月放送予定

SATANIC PARTY